地上デジタル放送が熱くなりつつある。今年の夏前あたりから“地デジ放送エリア拡大”や“出力増”といったトピックが流れるようになったと思ったら、あらま!! もう2005年末ですよ奥さん!! 関東広域圏とかだと本格的な地上デジタル放送を受信しまくれるようになるんですよ旦那さん!! ノイズなしのクリアな放送でありかつハイビジョン!! くわッ!! テレビ放送の画質的クオリティが、今、変わろうとしているっ!!
案外早かったですな、地デジの波。思いの外早くて、拙者の準備はまだ整ってないっす。……地デジで高画質でハイビジョンってコトは、まずハイビジョン対応テレビでしょ、それから地デジ対応テレビチューナーでしょ、あとやっぱりハイビジョン放送を録画できるビデオレコーダーが欲しい!! などと考えていたら、いきなり、決定打となるビデオレコーダーが登場した。パイオニアの“スグレコ”である。
スグレコはデジタルハイビジョンチューナー内蔵のHDD/DVDレコーダーだ。ラインナップは2機種、型番はDVR-DT90とDVR-DT70となる。2機種の大きな違いは内蔵HDD容量で、前者が500GB、後者が250GBとなっている。
DVR-DT90
本体側操作部分
で、両機とも、その名の通りスグレたレコーダーとしての実用的・魅力的な機能を多々持つ。つーかですね、ぶっちゃけ、地デジ見据えて今買うならコレしかない!! 的な“ハイビジョン放送に敢然と対応した機能・性能”を備えた最新機種なのだ。
両機に共通する機能として、どこが優れているのかと言えば、まずは内蔵チューナーですな。アナログ放送受信用としては地上波アナログチューナーを搭載しており、デジタル放送受信用としては地上・BS・110°CSデジタルチューナーを搭載する。要するに、デジタル・アナログ含めて現行の主立ったテレビ等放送を全部受信でき、さらに地上デジタル放送を始めとする“ハイビジョン番組が魅力の放送”もバッチリと堪能可能。
また、これらの録画・活用にも真っ向から対応している。例えば地上波デジタル放送のHD番組(ハイビジョン番組)を、内蔵のHDDにそのままのハイビジョン画質で録画・再生できる。のに加え、デジタル放送の録画を大容量2層DVD-Rへ“ムーブ”できたりする。
それと、HDMI端子を実装しているので、HD表示対応テレビ(ハイビジョン対応テレビ)ともシンプルに接続でき、ハイビジョン放送の超高画質を手軽に楽しめる。他、今時のビデオレコーダーには必須の機能ことEPG(電子番組表)も、もちろんデジタル放送・アナログ放送に両対応。パイオニア製ビデオレコーダーには従来から実装されていた高度な自動番組録画機能や高速ダビング機能、あるいは対応DVDメディアの豊富さやレコーダーとしての操作性の良さはそのまま受け継いでいる。
HDMIケーブル1本で、ハイビジョンテレビへ
ていうかコレってまさに俺みたいに「これからの地デジ&ハイビジョン放送に合わせて準備しなきゃ!!」とか焦りつつある者にジャストマッチな新機種!! 特に、録画したデジタル放送を高画質かつ長時間にわたって2層DVD-Rメディアに保存できるとゆーあたりは興味津々〜。てなわけで早速、HDD容量が多いほーのあるDVR-DT90を使ってみた。
LAN端子付きで、ブロードバンド接続で
パソコンや携帯電話から録画予約も可能
DVR-DT90は、地デジのHD番組を始めとするハイビジョン放送にガッツリと対応したビデオレコーダーだが、実際に使ってみてまず感じるのは、やはりデジタル放送のハイビジョン番組を録画・再生した時の楽しさである。
ご存じの通りハイビジョン放送ったら物凄く高画質。とりわけ大型のプラズマディスプレイとかで観たりすると、ソコまで映っちゃっていいのかってほど高精細・鮮明。で、単純明快に、そのド迫力の高画質映像を、DVR-DT90に録画&自在に再生できるっつーのが痛快である。好きな時に好きなだけハイビジョン番組を楽しめることは、ホント単純なコトなんスけど、とりあえず気持ち良くて楽しくてしょーがないと言えよう。
またDVR-DT90の場合、たっぷりと録画できる点が嬉しい。500GBのHDDを内蔵しているので、地上デジタル放送のハイビジョン画質(17Mbps基準)ならば最長約58時間も録りためられる。24時間ハイビジョン映像ばっかり観まくっていても、丸々二日以上ハイビジョン映像漬けになれますな!! ヤバいですな!! ハイビジョンテレビっ子ですな!!
パイオニアといえば、2層DVD-R!
それから、DVR-DT90を始めとするスグレコでは、HDDに録画したデジタル放送の番組を、CPRM対応のDVD-Rメディアへムーブすることもできる。しかも、CPRM対応の2層DVD-Rメディアに、ムーブできてしまうんだから、こりゃ嬉しい。どのように嬉しいか、という話の前に、ここでちょいとCPRMに関しておさらいしたりして。
デジタル放送の著作権保護用に使われているシクミがCPRM。“コピーワンス”で知られているが、コレ、要は“放送を一度しかコピーできない”という制限だ。具体的には、例えばデジタル放送をHDDビデオレコーダーに録画したら、その録画を保存版などとしてDVDメディアにダビングすることはできない。HDDに録画した時点で「放送からHDDにコピーした」ということになり、以降はダビングができないのだ。
が、この不便を回避する方法はある。CPRMに対応したビデオレコーダーやDVDメディアを使えば良い。上記の例なら、HDDに録画した番組を、CPRM対応のDVD-Rへ“ムーブ”という形でコピーできる。HDD上の録画内容は消えるが、DVD-R上に番組を残せるので、保存版ディスクが得られたゼ!! と。CPRMに対応したビデオレコーダーやDVDメディアを使えば“録画した後は番組をハンドリングできない”という不便を回避できるというわけだ。
スグレコは、もちろん、CPRM対応でありかつデジタル放送全対応のレコーダーなので、上記のように“HDDに録画した後でもCPRM対応DVD-Rへムーブ”できる。もちろん、CPRM対応DVD-R等にデジタル放送を直接録画することもできる。ユーザーが自由なスタイルで録画&視聴可能ってわけだが、これに加え、CPRM対応の2層DVD-Rにも対応している点がスゲく実用的で嬉しい。
リモコンの「番組表」ボタン一発で、即EPG
要は、同じCPRM対応DVD-Rメディアでも、フツーの(1層のもの)と2層のものでは、容量が違うわけですな。1層DVD-Rの容量は4.7GBで、2層DVD-Rの容量は8.5GB。2層DVD-Rは1層のものの約1.8倍の容量があるのだ。単純に、同じ画質設定で録画やムーブを行った場合、2層のほーには約1.8倍も長時間、番組を残せるということ。映画の放送を高画質でDVDに残したい、なんてな場合には非常に有用である。
ちなみに、ハイビジョン番組の録画の場合、HDD上に録画すればハイビジョン画質そのままで録れるのだが、ハイビジョン放送の映像データ量自体が膨大であるゆえ、CPRM対応DVD-Rへの録画やムーブをした場合は、ハイビジョン画質そのままというわけにはいかない。MPEG2圧縮された映像になる。のだが、ここでもCPRM対応2層DVD-Rが使えるというスグレコならではのメリットがある───従来のDVD-Rの約1.8倍の容量を使えるので、より高ビットレート=高画質な録画やムーブを行える。ぶっちゃけ、これまでのデジタル放送対応ビデオレコーダーと比べたら、明らかに美しい映像を残せるというわけだ。
スグレコを使ってみて、悲しく感じられたことがある。
何が悲しいかってアータ、これ一台で全部済んじゃうという点であり、すなわち俺の外付けデジタル放送チューナーとかアナログ放送のみ対応なビデオレコーダーとかチューナおよびビデオレコーダー一式が乗っかった棚はどーなるのくわッ!? まだ古くないのに!! それら各種機材の各種機能を全部、一台のDVR-DT90が持っているとは何事かッ!!
つーか、今の時点になってDVR-DT90を買っときゃぁ、地上デジタルテレビ放送チューナーとBSデジタルチューナーと110°CSデジタルチューナーと地上アナログチューナーと、スゲく大容量なHDDビデオレコーダーと、多種多様なDVDメディアに対応した上にCPRM対応2層DVD-Rメディアまで使えるDVDレコーダーと、デジタル放送&ハイビジョン番組を観まくり録りまくりの環境まで、全部一発で揃ったのかよマジかよ俺の過去のビデオレコーダー生活を今リセットしてぇよぉ〜(泣)みたいな気持ちなんですけど、それは置いといて、この全部入りレコーダーことスグレコ、使っていて実に楽しい。
なんだかんだ言っても、各種チューナーをビシッと内蔵している点が愉快だ。それだけで、急に、利用できる放送局がガガッと増えた感じ。でも、各種チューナーやDVDプレイヤーをそれぞれ揃えればスグレコと同様に楽しいのかと言えば、これはけっこー違う。一台のレコーダーで複数のチューナーを利用できるからこそ楽しいと感じる。
ひとつは、単純な話ですけど、最大限シンプルなスタイルで、テレビ放送やDVD鑑賞に関する欲求を満たせるということ。一台で全部済むっちゅーコトですな。また、例えばスグレコの場合、一台で済ませるための便利機能も多々用意されている。
具体例を挙げるとすれば、デジタル放送もアナログ放送も同時録画できたりすること。ハイビジョンで良さそーな紀行モノやるなぁ、でも同じ時間帯に地上波アナログで例のドラマを放送する……てな場合でも、両方同時に録画予約できる。片方を予約録画で片方を観てもいいし、両方予約録画させつつ同時に追いかけ再生やDVD-Videoを再生するなんてこともデキる。
特に拙者お気に入りなのは後者の使い方だ。観たいものは全て予約録画かDVD、ってスタイルにすると、放送時間にテレビの前に“拘束”される感覚がないんですな。自由な時間に好きなふーに観られる=俺んちにテレビ局が据え付けられた感覚で楽しめる。
電子番組表(EPG)は、文字までハイビジョン! (左:デジタル放送用 / 右:アナログ放送用)
それから、そんなスタイルで予約録画をしまくる時でも、スグレコは非常に手軽に使える。当然、電子番組表(EPG)が表示され、そこから予約録画操作ができる。また、デジタル・アナログ放送両対応の電子番組表でありかつ、その表示までハイビジョン表示なんですな。非常に高精細(1920×1080ドットのきめ細かさ)で、表示の読みにくさやパッと見のチープさがなくて気分良く使える。ちなみに、表示自体は新聞のテレビ欄と同様のスタイルで、デジタル放送は7チャンネルまで、アナログ放送は5チャンネルまでの同時表示が行える。
動画ディスクナビでしっかり探せる
リストから複数選択も可能
辞書がスゴい、キーワード予約
パイオニアのビデオレコーダーは、従来機種でも“強力な予約録画・番組検索機能”で評判が高かったが、このスグレコでもそれは同様だ。例えば、直前に録画予約した番組の放送時間が変更になっても、自動的に正しい時間に録画を行う“リアルタイム番組追従機能”(※デジタル放送のみ対応)。野球中継が延長されたり、延長により放送チャンネルが変更されたりしても、しっかり録画してくれる。キーワード予約も従来機種同様に強力、というよりもむしろ強烈。ユーザーが入力したキーワードを、内蔵の約22万語の辞書と照らし合わせ、関連語・同義語・連想語までを含めて、番組を自動検索・録画してくれる“気がきく!録画辞典”機能は、やっぱりスゲく使える。
オートCMスキップ機能
他、非常にきめ細かいCM飛ばし操作を実現しているオートCMスキップ機能(デジタル放送をDRモードで録画した番組を除く)、録画番組を音声付き動画サムネイルで探していける動画ディスクナビ機能、ラク&超高速にDVDへのダビングができるワンタッチダビング機能や約100倍速ダビング機能も健在。
最新機種としては、デジタルチューナーまで内蔵している点や、CPRM対応2層DVD-Rメディアを活用できる点、かな〜り大容量なHDDを搭載している点やHDMI端子装備でハイビジョン対応テレビによくマッチするところなど、次世代ビデオレコーダーとして華があるが、実は既に十分こなれた成熟派ビデオレコーダーとしても安心して活用できる。
マルチチューナーでCPRM関連完全対応でハイビジョン録画OKでHDD大容量で……むむむ〜、そうか、デジタルテレビ放送時代にいざ入らんとする拙者に必要なのは、スグレコとプラズマか。と、単純明快な答えを得てしまった俺であった。ともあれ、デジタル放送やハイビジョン番組が気になるなら、それら新時代のテレビ放送に真っ向から対応しているスグレコを、ぜひ一度チェックしてみて欲しい。
俺んち放送局じゃん!!
□パイオニアDVDレコーダー
http://www.pioneer.co.jp/dvd/red/bmsn1205.html
スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(
http://www.alt-r.com/
)にて連載中。
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