外出先からアクセスするための設定も非常にカンタンだ。これまでは外出先からカメラの画像を見るには、ルーターのポートを開放したり、ポートフォワードの設定によって外部からのアクセスを内部の機器に転送する必要があった。この設定は、ネットワークの設定に慣れたユーザーでも迷うことがあるほどだが、本シリーズではUPnP*を利用することで、これらの設定を自動的に行なうことが可能となっている。
*UPnP:「Universal Plug and Play」の略で、UPnP Forumが制定した、ネットワークに対応した機器間を簡単に接続できるように考えられた仕組み
具体的にはBB-HCM515/511/531の設定画面から「公開」タブを開き、「自動ポートフォワーディング(IPv4)」を有効にすれば良い。最近のルーターであれば、ほとんどの場合UPnPに対応しているため、UPnPを有効にするだけでルーターの設定を自動的に行なうことができる。
次に、外部からアクセスするためにはアクセスしたいカメラのIPアドレスを特定する必要がある。それには固定IPアドレスを用意するか、外部のDynamic DNSなどを利用しなければならない。しかし手軽さとともに、長期の活用に不可欠なシステムの信頼性を考えれば、ぜひ利用したいのが、パナソニックが提供している「みえますねっと」や「みえますねっとLite」というサービスだ。パソコンからのアクセスが必要な場合やビジネスでの本格展開を検討している場合は、リアルタイムで動画を確認できる「みえますねっと」がおすすめだが、携帯電話から手軽に利用できる「みえますねっとLite」でも十分な活用が可能だ。
この「みえますねっとLite」サービスは、店舗などに設置したネットワークカメラの静止画を外出先の携帯電話から手軽に閲覧できるサービスだ。使い方は非常にカンタンで、NTTドコモ製、またはau(KDDI)社製のウェブブラウザを搭載したJPEG対応、QVGA対応の携帯電話を利用することができる。カメラに貼り付けられているQRコードを、携帯電話で読み取り、「みえますねっとLite」のホームページにアクセスしてサービスの申し込みを行なう。
仮申込が済んだら、本体の電源を入れ、設定ボタン(FUNCTIONボタン)を押す。これでテスト画像がサーバーに送られ、再び携帯電話の認証確認などを済ませれば、サービスの利用が可能となる(30日間315円)。カメラ付でない携帯電話の場合でも、以上の手順に加えてMACアドレスを入力するなどの手間が増える程度だ。
設定が完了すれば、あとは「みえますねっとLite」のページから、いつでもカメラの静止画を確認できるようになる。最も簡単に外出先から画像を確認できる方法であるため、通常はこの方法を利用すると良いだろう。
このように、パナソニックのネットワークカメラ「BB-HCM515/511/531」は、非常に高性能、多機能でありながら、実際のビジネスシーンでの使いやすさが重視された製品となっている。今回、触れたように、ネットワークカメラは、今後のマネジメントやサービスといった分野になくてはならない存在になる可能性を秘めた製品と言える。実際のビジネスシーンでの活用を検討してみると良いだろう。 |