ここでは、新しいプレゼンのスタイルを実現する、SDメモリーカードの機能に注目しよう。
まずは、結論から話してしまう。TH-P1SDにはSDメモリーカードスロットが装備されているので、画像データを記録したSDメモリーカードだけでプレゼンが可能となる。結果、パソコンは必要ないということになる。
個人情報流失などの問題でセキュリティが強化され、社外にパソコンを持ち出すのが厳しくなっている。こうした状況の中でもプレゼンのニーズはあり、そのクオリティは落とせない。だからこそ、パソコンを使わないSDメモリーカードを使ったプレゼンスタイルは画期的で、今後主流となっていくと考えられる。
では、実際の仕様を見てみよう。投写可能な画像はJPEG(DCF規格準拠)で、パソコンがなくてもSDメモリーカードから直接映像の投写ができる。パナソニックのビジネスプロジェクターサイト(http://panasonic.biz/projector)で提供されているアプリケーションソフト「イメージクリエーター1.5」により、予めパワーポイントのデータをJPEG画像に変換してSDメモリーカードに保存すれば、あとはTH-P1SDに挿入するだけで、起動した直後からプレゼンを開始でき、パソコンの起動を待つことも不要である。
デジカメで撮影した写真の鑑賞にもTH-P1SDは活躍する。デジタルカメラのSDメモリーカードをTH-P1SDに挿入するだけで、手軽に大画面投写を実現できるのだ。記録画素数が高い写真データでも、TH-P1SD側で細部の表現まで情報欠落のない解像度に変換してから全画面表示してくれる。コンパクト性とあいまって、どこでも大画面で、デジカメで撮影した写真を鑑賞できる。パソコン経由での鑑賞と比較してスピーディなのは言うまでもない。また、LUMIXで撮影した動画(Motion JPEG)も再生可能なので、LUMIXユーザーには嬉しいところだ。
さらに、SDメモリーカードをセキュリティ用途にも応用できる。SDメモリーカードをTH-P1SDに挿入し、そのSDメモリーカードを「キー(鍵)」として登録してセキュリティモードを「SDカードキー」モードに設定すると、以後、キー登録したそのSDメモリーカードが挿入されていないと、TH-P1SDの操作を不可能にできるのだ。
その他の接続端子としては、ビデオ入力端子、Sビデオ入力端子を各1系統ずつ装備する。DVDプレーヤーやビデオカメラなどの接続にはこの端子を利用することになる。パソコン入力はDSub15ピンのRGB入力を1系統備える。音声入力端子はRCAピンプラグタイプが1系統あり、音声が必要な場合には「あってよかった」と思うに違いない。
この他、接続端子ではないが、本体には盗難防止用のロック穴が設けられている。これはノートパソコンの盗難防止用のものとして認知度の高いKensingtonロック準拠なので、ノートパソコン用の盗難防止ロックチェーンなどが利用できる。こうした盗難防止の機能は地味ながらありがたい。 |