NVIDIA 3D Vision対応! 最新DLPプロジェクターで3Dゲームをでっかくプレイ!! ViewLight NP216J-3D

自宅に超大画面3Dシアターを構築!! 究極の特化型プロジェクター

「NP216J-3D」本体。外形寸法は310×247×95mm(幅×奥行き×高さ)。重量は2.5kgと、比較的取り回ししやすいモデルだ。筐体を無理に薄くするような設計をしていないため、放熱性と静粛性が高いのがポイント


120Hz出力が可能になったことで、フレームシーケンシャル方式のNVIDIAの「3D Vision」に対応。最新PCゲームがのきなみ3D立体視で楽しめる


DLP Link方式の3Dメガネも1セット付属。投写映像に同期信号を組み合わせることで3D立体視を実現している。ノーズパッドは大・中・小の3種が付属

視聴環境の大画面化は、常に物理的な限界とのせめぎ合いだ。主流の直視型液晶モニターは、PC用であれば24〜27インチ、リビング用の家電TVでも50インチを超えたあたりで「部屋面積や本体重量などの問題から、物理的に置けない」という状況が珍しくなくなる。

それでも大画面がいいんだ!という情熱を持つユーザーはどうしているのだろうか? その解決策となるのが会議室や講堂でよく見かける投影型のモニター、すなわちプロジェクターだ。プロジェクターなら本体が小さいままでも、投写距離や角度の調整により、一般的な家庭の間取りで60、80インチといった超大画面の視聴環境が実現できる。

一方、近年になって注目されはじめた「3D立体視」。映画「アバター」でにわかに注目されはじめた“飛び出す映像”は、はやくもシアターだけのものではなくなりつつある。特に進歩が著しいのがPC向けの3D立体視ソリューションだ。2010年に入って対応PC、対応モニター、対応ゲームが続々登場し、既に実用レベルの域に到達したと言っていい。

とはいえ、PC用の3D対応モニターはのきなみ22〜24インチサイズで、映画館で見るようなド迫力の立体映像体験には程遠いのも事実。そこで解決策になるのが、やはりプロジェクターなのだ。3D対応で、しかも超大画面。それを実現する上で価格・性能面で非常に優れたチョイスとなるのが、今回ご紹介するNECディスプレイソリューションズの最新プロジェクター「ViewLight NP216J-3D」というわけである。

本製品「NP216J-3D」は、現在PCや家電TVで主流になりつつあるフレームシーケンシャル方式の3D立体視に対応するDLPプロジェクターだ。フレームシーケンシャルというのは、1秒間に120フレーム、半分の60フレームづつ“右目用”、“左目用”の映像を出力し、対応するアクティブシャッターグラスを通して見る方式。PCゲームの世界で注目されているNVIDIAの3D立体視デバイス「3D Vision」も採用している方式である。

このためもちろん「NP216J-3D」は、「3D Vision」を用いての3D立体視をサポート。それに加えて、プロジェクターからの信号でシャッターグラスを同期させるDLP Link方式にも対応しており、製品に付属するDLP Link方式の3Dメガネを使用すれば、「3D Vision」対応PCで出力されたゲーム映像はもちろん、インターレース(フィールドシーケンシャル)方式の3D DVDソフトを立体で楽しむことも可能だ。

ただ3Dが見れるというだけでなく、本製品は画質面にもこだわりがある。画素数はこのクラスで一般的なXGA(1,024×768ドット)を採用しつつ、光源には180WのハイパワーACランプを搭載し、2500ルーメンという高輝度性能を実現。部屋をしっかり暗くしてスクリーンを見るとちょっとまぶしいくらいの明るさだ。

2500ルーメンという高輝度なので、薄明るい部屋でも十分な視認性が得られる。本体に7Wモノラルスピーカーを搭載しているため、音声出力もこれ1台で済ますことができる

PCを接続して個人用モニターとして使用してみる。鮮明なコントラストのおかげで小さい文字もクッキリ

画質設定メニューでは基本的なカラーバランス等の調整のほか、ガンマ補正、色彩を強調するBrilliant Colorなどの設定ができる。視聴コンテンツに合わせて調整したい

映像の投写方式には6セグメントカラーホイールの単板DLPを採用しており、同クラスの液晶プロジェクターに比べて高い実効コントラスト比を持つことが特徴のひとつ。特に違いが現れるのは暗部の表現力だ。DLP方式の利点として光漏れが少ないために、黒色が灰色に浮き上がる“黒浮き”が抑えられ、キリッとひきしまった映像が得られる。

高輝度、高コントラスト性を実現したことで、本製品はまさに3D立体視に特化したDLPプロジェクターとなった。つまり、シャッターグラスを通して見る際にも充分な輝度を確保し、メリハリのある3D映像を実現するということ。実売価格10万円以下で実現された仕様として、うまい落しどころだ。

搭載する映像入力端子は、PC向けにミニD-Sub 15ピンが2系統、映像/ゲーム機向けにS-ビデオ端子が1系統、コンポジット端子が1系統。内蔵する7Wモノラルスピーカーのために3系統の音声入力端子も備える。HDMI端子を備えないためプレイステーション3のようなゲーム機では利用が難しいが、PCゲームで3Dを楽しむのなら全く問題ない構成ではある。

前部に放熱用の排気口を備える。ボディ内部のエアフローが考えられており、放熱ファンも大型のものが低速回転にて使用されているため、動作音は静かだ。自室や居間で使用するのに、騒音が少ないのはうれしい

映像入力端子はミニD-Sub 15ピン×2、Sビデオ端子×1、コンポジット×1。最近ではミニD-SUB15ピンの無いビデオカードも少なくないが、DVI-D<->D-SUB15ピンなどの変換アダプタをかませれば、3D投写も含め問題なく動作する

本体上面には操作パネルがあり、ここから映像設定などの操作が可能

設置状況によっては本体へのアクセスが難しい場合もあるため、ほとんどの操作が可能なリモコンが付属

さて、さっそく超大画面で3Dゲームとしゃれ込んでみよう。

3D立体視対応の最新PCゲームで試せ!

「NP216J-3D」本体側で「3Dモード」を有効にすることで120Hz出力が可能に


筆者自宅に設置してみたところ。6畳の和室に80インチの大スクリーンが登場し、興奮を隠せないようす

「NP216J-3D」で3Dゲームを楽しむための一般的なハードウェア構成をご紹介しておこう。まず必要となるのがNVIDIA GeForce 8800GT以降のグラフィックスカードを搭載したPC。最新のゲームを立体視で遊ぶならGeForce GTS 250以上のビデオカードが良いだろう。

それに加えて、フレームシーケンシャル方式の3D立体視を実現するNVIDIAのグラフィックスドライバーを動かすために「3D Vision」専用レシーバーをPCに接続する(3Dメガネは3D Vision純正のメガネと「NP216J-3D」付属のもの、どちらでも使用できる)。これでPC側の準備はOK。あとはPCの映像出力を「NP216J-3D」のD-Sub端子に接続してスタンバイ。

ちなみに、NVIDIA 3D Visionの最低動作環境は下記の通り。詳しい対応グラフィックスカードなど、より詳しい情報はNVIDIAサイトで確認できる。

OS Windows 7 / Windows Vista (32bit/64bit)
CPU Intel® Core™2 DuoまたはAMD Athlon™ X2 以上のCPU
メモリー 1GB(推奨:2GB以上)
ストレージ 100MB以上の空き容量
グラフィックスカード 対応するNVIDIA GeForceグラフィックスカード

個人宅にプレイ環境を構築する場合は、設置場所の確保も必要だ。その際に気をつけたいのが、プロジェクターとスクリーン間の距離と表示サイズの関係。「NP216J-3D」では投写距離1.57メートルで40インチ相当、2.36メートルで60型相当、3.15メートルで80インチ相当のスクリーンサイズとなっている。導入を考えている方は、事前に妥当なスクリーンサイズを割り出しておこう。

その上でプレイ環境を構築する際は、プロジェクターのレンズとスクリーンの間でプレーヤー自身が影になってしまわないよう、配置に注意。「NP216J-3D」のレンズは正面やや上方に向けて投写方向が固定されているので、設置場所によっては適切な角度をつけてやる必要がある。

筆者の場合は、高さ1メートル強の台座に「NP216J-3D」を設置し、底部に板をかませて下方向への角度をつけた。こうするとプレーヤーがスクリーンから2メートルほど離れたときに、ほぼ正面に映像が見え、かつ、レンズからの投写を背中や頭で遮らずに済む。なお「NP216J-3D」には台形補正のほか左右反転、上下反転モードがあるので、設置位置の高さ変更や、天吊金具による設置などにも充分に対応できる。

会議室等の使用と同じ、机上に設置する方法。手軽だがスクリーンとの距離が稼げず、画面サイズは限定的

机の下に台座を置き、その上に設置する方法。机全体が作業空間として使え、スクリーンとの距離も若干稼げる

筆者がこのパターン。適当な台座の上に本体を置き、光を遮らないよう低い机でプレイ環境を構築。6畳間で80インチの画面サイズが実現できた

別売の天吊金具を使用して設置する例。プレイ環境が広く取れ、スクリーンサイズもかなり大きくできる。必要に応じて上下反転も可。

大画面3Dで、実車さながらの臨場感!

筆者が実際に自宅で試してみたところでは、6畳間の長辺方向ぎりぎりにスクリーンとプロジェクター本体を設置したところ、ちょうど80インチのスクリーンにピッタリ投写することができた。そのデカさときたら、壁面のほとんどが映像空間と化す有様で、凄いの一言。

いざPCゲームでウルトラ大画面3Dを堪能しようと、早速プレイしてみたのがレースゲームの「Need for Speed: SHIFT」(Electronic Arts)。人気レースゲームシリーズの最新作にして、リアルなコックピット視点でのスピード感溢れるドライビングが楽しめるタイトルだ。

プレイを初めてまず感動したのが、やはりその画面サイズ。なにしろ80インチ環境では、画面上にほぼ実物大のダッシュボードが出現するのだ。しかもそれが3D立体視である。20インチ台のPCモニターでは絶対に表現できない空間が、そこにはある。

大きな画面が生み出すもうひとつのメリットは、3D立体視における「視差」と、スクリーンへの視点距離、それから画面内に表示されるオブジェクトの寸法が、現実のスケール感に限りなく近くなることだ。端的に言うと、画面の奥に広がって見える風景、それから画面から飛び出して見えるオブジェクトが、自分が座っている現実の風景との間に連続性を保って感じられるのである。

小型のモニターを用いて3D立体視を体験する場合、奥まったり飛び出したりして見える画面内の空間は、現実のスケールよりもずいぶん小さく見えるものだ。そのためミニチュア世界を見ているような感じを受ける場合もある。それが大画面の3D立体視では解消され、映画館で見る3D映像に劣らない臨場感で目の前に現れる。

「Need for Speed: SHIFT」のコックピット視点では、まさにこのスケール感が生きる。ハンドルコントローラーを使ってプレイすれば、まさに実車を操縦しているような感覚。もちろん、リプレイシーンも大迫力。でっかく表示された車両が、画面を飛び出さんとしてグワッ!と迫ってくるのだ。

ほぼ実車サイズのダッシュボード、画面奥に続いていくゲーム空間。大画面3D立体視の醍醐味を深く味わうなら、是非コックピット視点で体感的にプレイしたい

画面が大きいのでリプレイシーンも大迫力。本作は「3D Vision」を意識して飛び出し感が控えめな代わり、奥行きが強調されている。大画面では空間の広がりが限りなくリアルスケールに近く感じられるのだ

フライトシミュレーターも大画面の3D立体視が非常に活きるジャンル。写真は「Wings of Prey」(ズー/Gaijin Entertainment)をプレイ中の図

大きなコックピット、はるか彼方に広がる風景。コックピット内部の一部が飛び出して見えることで、空間の広がりをさらに感じられる

高輝度、メリハリのある3D映像という価値

「NP216J-3D」による大画面環境は、3Dアクションゲームにも効果を発揮する

筆者が日頃使っているデスクトップ環境では、3D立体視に対応した液晶モニターを使ってゲームをプレイしている。今回「NP216J-3D」を使って3D立体視を体験して感じた大きなポイントのひとつは、2500ルーメンという輝度のためか、グラスを通してみる立体映像がいつもより明るく見えることだ。

これは部屋の照明を完全に落として、夜間にプレイすることでさらに際立ってくる。「3D Vision」に限らず、シャッターグラスを通して見る3D映像は、モニター本来の輝度と比較して40%〜30%程度の明るさに見えるもの。となれば、輝度の高さはそのまま3D映像性能と言うこともできるのだ。

その高輝度性能と、DLPならではの高コントラストな映像を確かめようと手にとったタイトルは、人気アクションゲームの「アサシン クリード 2」(Ubisoft)。このゲームは15世紀のイタリアを舞台としており、昼間は輝く太陽の下、夜間はロウソクの火の下と、非常に明暗差の激しい映像作りが行われている作品だ。

「NP216J-3D」では夜間のシーンもしっかりと映像を楽しむことができる。シャッターグラスを装着すると潰れがちになる暗部の階調表現も、ゲームの雰囲気を損なうことなく認識が可能。暗がりを煌々と照らすロウソクやランプの光、そのコントラストもバッチリだ。

「アサシン クリード 2」のPC版は「3D Vision」にもしっかり対応しており、大画面環境で自然な立体感を得ることができた。ちなみに今回のような大画面環境の場合、立体視映像の視聴で気になる「疲れ」は意外と感じられないものだ。焦点距離が短いデスクトップモニターと違い、プロジェクター環境では表示面からプレーヤーまでの距離が離れているため、視差と焦点距離のズレが少ないためだろう。

明るく、メリハリのある3D映像を楽しみたいという皆さんには、「NP216J-3D」の性能は充分に満足できるレベルにあると思う。デスクトップ用の液晶モニターとは根本的に違った映像体験が得られるという点も含め、そのインパクトは本当に大きなものだ。

広大なイタリア都市の風景、ダイナミックなアクション。大画面の3D立体視環境が、画面の迫力をさらに高めてくれる

映画的な演出も各所に配された作品であるだけに、メリハリのある映像性能が効いてくる。自分専用のシアターで、是非!

DLPならではの表示遅延の少なさという特徴も。ゲーム用途に優れたプロジェクター

ランプからの光を高速回転するカラーフィルターに通し時間軸で各色に分割、その後、毎秒数千回の速度でOn/Offを繰返す数十万枚の微小な鏡で構成されたDLPチップに反射させ、レンズを通してスクリーンに投写する。こうした作動原理上、DLPプロジェクターは高コントラストと低遅延を実現している

ここまで、NECディスプレイソリューションズの「ViewLight NP216J-3D」による3Dゲーム体験をご紹介してきたが、皆さんはどのような印象を持たれただろうか? 確かに、最近にわかに注目を集めてきた3D立体視というゲームの遊び方は、まだまだ未知数な部分も多い分野。もう少し普及を待ってから……という考え方もアリだろう。

とはいえ、プロジェクターならではの超大画面環境そのものの破壊力は、3D立体視ならずともあらゆるシーンで感じられる明確なメリット。さらに付け加えると、本製品が採用しているDLPという表示方式は、液晶方式に比べ非常に表示遅延が少ないという特長もある。液晶の表示素子が駆動に数ミリ秒単位の時間がかかる一方、DLPの表示装置であるDLPチップはマイクロ秒単位のオーダーで駆動するためだ。このため当然ながら残像もないに等しい。

したがって、DLPプロジェクターである「NP216J-3D」は、高速な表示を求めるFPSやシューティングゲーム、アクションゲームのプレーヤーにも最適な表示デバイスであると言うことができる。大画面、低遅延、無残像、そして120Hzの高リフレッシュレート。ついでに3D立体視も付いてくると考えたときに、本製品の真の価値が浮かび上がってくるかもしれない。

もちろん、迫力ある3D立体視をぜひ試してみたいと考えている皆さんには間違いなくオススメの1台だ。DLP Linkに対応した3Dメガネを同梱して実売10万円を切るというコストパフォーマンスもいい。既にNVIDIAの「3D Vision」に対応したPC、シャッターグラスをお持ちであれば、真剣に検討してみる価値がありそうだ。

佐藤カフジ

日頃から3D立体視環境でPCゲームに勤しんでいる3D野郎。
弊誌にて「佐藤カフジの「PCゲーミングデバイス道場」を連載中

 

[Need for Speed: SHIFT]
(C) 2009 Electronic Arts Inc. Trademarks belong to their respective owners. All rights reserved.

[Wings of Prey]
Copyright 2009-2010 by Gaijin Entertainment Corporation, VA, USA
Wings of Prey is a registered trademark of Gaijin Entertainment Corporation, all other logos are trademarks of their respective owners.

[Assasin's Creed 2]
(C) 2009 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Assassin's Creed, Ubisoft, Ubi.com, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.

[PR]企画・製作 株式会社 Impress Watch 営業統括部
問い合わせ先:watch-adtieup-necds_pj1009@ad.impress.co.jp
Copyright (c) 2010 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.