もしモニターが映らなくなったら、あなたのビジネスにどれほどの影響が出るだろうか。考えてみれば、「映って当然」のモニターの重要性が感じられるはずだ
写真やデザインなどを扱うクリエイティブ部門では、モニターの重要性は一目瞭然だ。色の再現性やコントラストなど、カタログで一般的にうたわれているスペックが、作業効率や作品の出来に直結しているから、クリエイターたちの関心も十分に高い。またPC機器導入の担当者も、現場の具体的な要望が直接フィードバックされることが多いため、適切な判断を下しやすい。
だが、モニターの品質に着目すべきは、なにも制作部門だけではない。
たとえば金融機関では、モニターの良し悪しが甚大な影響を及ぼす。ディーリングルームでは、ディーラーが複数のモニターを使って市況をウォッチしているが、それが一台でも映らなくなったとしたら、取引上の損害は計り知れない。1秒を争う取引では、当然ながら故障したモニターを取り替える間も売買は継続しているのである。いくら高価なシステムに投資しても、モニターの不具合だけで大きな損失につながってしまう可能性もあるのだ。
人命にかかわる医療現場でも、モニターはきわめて重要である。わずかな皮膚の赤みでも識別できるような表示性能はもちろん、確実に映り続けることが求められる。治療中に映りが悪くなったり、映らなくなったりすることを考えただけでも恐ろしい。
またモニターは、単体としてだけでなく、トータルなシステムの一部として組み込まれている場合も多い。「開発費が数千万円、数億円にもなる産業機器に組み込まれている場合、モニターの映りが悪くなっただけで、システム全体の調子が悪くなったように見えてしまう」という。そうなるとモニターの不具合がイコールシステム全体の不具合と見られる可能性もあるため、システムインテグレーターも簡単に考えられない状況になっている。
リスクの差こそあれ、ノンストップの稼働が前提であることは、オフィスユースでも全く同様である。モニターは、単体ではそれほど高価ではない製品だが、担っている役割は絶大なものだ。医療から一般的なオフィスユースに至るまで、クリティカルな業務の大半がITに依存している今日、そのすべてのインターフェイスであるモニターの重要性を、見つめ直すべきではないだろうか。
モニターの専業メーカーであるナナオは、前記の金融機関や医療機関のほか、過酷な環境での耐久性が求められる産業機器の組み込み用のモニターとしても、各方面で採用されている。
組み込み用のモニターは、すぐに交換できるものではない。そこで採用されている実績が、信頼性の高さを十分に語っている。
モニター導入時は製品コストだけではなく、ランニングコストやサポート・修理など、全体的なコスト・価値で選定をすることが重要だ
また、故障が少ない製品を選べばそれで終わりというわけではない。サポート/保守体制の考慮も必要だ。ナナオでは、導入から5年間、かつ製品使用時間が3万時間以内であれば、修理に関する費用は無償だ。また、修理品の引き取りから、修理完了品の納品までをトータルでサポートする修理品引き取りサービスを用意している。保証期間内であれば引き取り料金も無償となる。さらに、この修理期間中は保証期間の内外を問わずに代替機を無償ですぐに貸し出す制度も用意している。
ここまでサポートされていれば、ユーザーとしてはモニターについてまったく心配いらないだろう。メーカーとしてもこのレベルで製品サポートが可能なのは、それだけ品質に自信があることの証しといえる。
このように、モニターは導入時の製品価格だけではなく、付帯するさまざまなコストが発生する。頻繁なモデルチェンジによる選定・評価作業のコスト、修理・メンテナンスのコスト、消費電力などランニングコスト、それに保守サポート契約のコストなどである。 こうしたコストをすべて考慮すると、初期不良率や不具合の発生が非常に少ない、耐久性にも優れたモニターを選ぶほうが、実際にはコスト削減になる可能性が高いというわけだ。
VDT症候群の対応は、オフィス環境全般に関わる問題だが、長時間直接向き合うPCモニターも、改善の重要なファクターといえる。
例えば、モニターの周りの環境の明るさと、モニターの画面の明るさが違うと目の疲れの原因となる。このあたりは、前編でも触れているが、実際にどのようなメカニズムなのか、次の資料を参照しながら説明しよう。
一般的に、部屋の中のもの(紙や、デスクなど)は部屋の明るさが変われば、そのもの自体の明るさも変化する。しかし、液晶モニターの画面の明るさ(輝度)は、部屋の明るさが変わっても一定の明るさを保つ。このように見る対象によって明るさが違うと、目の調整が必要となり、結果として目の疲れの原因となるのだ。紙の資料やモニターを見比べる必要があるビジネスマンにとっては、決して他人事ではない。
部屋の中のものは部屋の明るさが変われば、そのもの自体の明るさも変化する
この明るさの差を調整するためには、モニターの輝度設定が必要だが、仕事をしながらモニターの輝度を調整するのは、面倒に思う読者も多いのではないだろうか。この輝度の設定を環境に合わせて自動で行ってくれるのが、ナナオのモニターに搭載されているBrightRegulatorである。機能については、前編で触れているので参考にしてほしい。 また、目の疲れにはモニターを見る視線の角度も大いに関係する。目線を上にしてモニターを見上げていると、目が空気に触れる面積が増えるためドライアイになりやすい。そのため、自分の目線に合わせてモニターの高さを下げたり、調整することも必要である。
ナナオでは、この目線の移動を考えたエルゴノミクス設計を施したスタンド機構が用意されている。例えばArcSwing2であればモニターを机に近づけ、紙を見るように見下ろすことが可能だ。
さらにモニターが反射してモニター周りの物が映りこむと、それだけで見にくく目の疲れにつながってしまうが、ナナオではノングレアの映りこみの少ない液晶パネルを用いていることもうれしい配慮である。
国内一貫生産体制だから可能なモニターの供給力
液晶画面は、個体差が出やすいという特徴がある。量販店店頭に展示されている液晶テレビを見ても、同じメーカーの製品であるにも関わらず、並べてみると、画面の明るさが違うなど、表示品質に差があることを感じた読者も多いだろう。このように、カタログでは、ひとつのスペックで表示されているが、実際には、個体差が発生しているというのが実状なのだ。
PC用モニターも同様で、個体差が発生しやすいという特徴がある。最近では、複数のモニターを並べて表示するマルチモニター環境も一般化しているが、モニターを並べたときに、パネルの個体差が発生するのは、利用環境として、決して良いとはいえない。そこでナナオは、液晶パネルのエイジングにより、個体差を少なくして製品化している。
さらに大手企業では、長年に渡って、同じ仕様のモニターを使用し続けたいという要求が高い。新製品の導入にあたっては、選定や評価にかなりの労力が必要になるためだ。この要求に対応するために、ナナオでは、ユーザー企業に製品を長期的に安定供給できる体制を整えている。
開発、生産、品質管理を国内で一貫して行っているからこそ、安定した製品を安定して供給することができる
また、品質検査においては、単にテストプログラムを実行するだけではなく、オフィスで一般的に利用されるビジネスソフトや、医療現場で利用されるX線画像などを表示させるといった利用現場を再現したテストを実施しているという。こうした具体的な利用シーンを想定した検査を行っているからこそ、ナナオのモニターは、現場から高い評価を得ることができるのだ。
個人のビジネスだけではなく部門や会社全体においても、モニターをどのように選ぶかが非常に重要であることがお分かりいただけただろうか。
それは少額の値引きではない。カタログ表現だけでもない。導入時・導入後の運用管理メリットや、サポート/保守までを含めた、モニターのトータルな品質が、時には業務を左右する。 「映って当然」のモニターだからこそ、優れた品質と信頼性が、あらゆるビジネスシーンにおいて必要不可欠なのである。
・FlexScan S2431W
http://www.eizo.co.jp/products/lcd/s2431w/index.html
・FlexScan S2031W
http://www.eizo.co.jp/products/lcd/s2031w/index.html
・EIZOダイレクト
http://www.eizo.co.jp/shopping/index.html
・EIZO 株式会社ナナオ
http://www.eizo.co.jp/index.html
・ナナオ、HDMI×2/D4入力対応の24.1型ワイド液晶「FlexScan HD2451W」
〜ビジネス向けの廉価モデルも (PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0523/nanao.htm