「薄い」だけではまだ足りない!ケーブルや「外部接続機器」がテレビを縛る

 液晶テレビ・プラズマテレビの歴史は、テレビ薄型化の歴史といってもいい。1970年代に「夢の壁掛けテレビ」として開発がスタートし、現在の隆盛に至っている。
いうまでもなく、現在の薄型テレビは、ブラウン管の時代に比べ、遙かに薄いものになった。だが、「レイアウト」の自由度は、本当の意味で向上したのだろうか?

 このあたりは、実際にテレビが置かれているシーンを考えてみればわかるのではないだろうか。
本体の薄型化により、壁面からテレビの「表示面」までの距離は確かに短くなった。だが、テレビを実際に使う場合、それだけではうまくいかない。なぜなら、テレビはすでに「テレビ放送」だけを表示するものでなくなって久しいからである。

 多くの家庭において、テレビには、最低2台の機器が接続されている。いうまでもなく、ビデオレコーダーとゲーム機である。それらの機器は通常、ケーブルの届く範囲、すなわち、テレビの下や横に設置されているだろう。小型化は進んでいるものの、薄型テレビの奥行きほど小さい機器はなく、部屋の中でそれなりの「存在感」を発してしまう。

 また別の考え方をしてみよう。それらを接続するには、当然ケーブルが必要になる。HDMIであれば、機器の台数分(2台なら2本)で済むが、コンポジットやD端子なら数はもっと増える。アンテナや電源ケーブルを計算にいれれば、問題はさらに複雑になる。テレビ用・レコーダー用のアンテナケーブルに、テレビ・レコーダー・ゲーム機の電源ケーブルを足せば、総計で最低でも7本のケーブルが飛び出すことになる。データ放送を使った視聴者参加番組を利用したり、BS/CS放送の受信を行ったりするならば、さらに数本のケーブルが必要となる。

 それだけのものを収納するには、それなりのスペースが必要。ということは、せっかくの薄型テレビを買っても、ケーブルの分だけ「壁から離す」必要が出てくるのである。
もちろんそれでも、ブラウン管+コンポジットケーブルの時代に比べれば大きな進歩である。しかし、部屋のインテリアにこだわり、「液晶テレビを中心としながらも、テレビがリビングの中心ではない」ような部屋を作り上げるなら、少々頭の痛い「制約」である。



ワイヤレス伝送で「液晶モニター部」をシンプルに純正スタンドとセットで「真の壁寄せ」を実現


REAL LCD-46LF2000

REAL LCD-46LF2000

 そこで登場するのが「ワイヤレス」という考え方である。
結局問題は、「ケーブルがテレビに届く範囲でしか、各種機器を設置できない」というところに帰結する。ならば、テレビから、最低限必要な「1本」のケーブル、すなわち電源ケーブル以外をとりさり、各種機器をレイアウトする自由度を高めてあげればいい、ということになる。

 三菱電機の新製品、REAL LCD-46LF2000は、このアプローチを主軸に据え、レイアウトフリーを目指した製品といえる。
最大の特徴は、いうまでもなく、テレビの主役である「液晶モニター部」がワイヤレス化されていることだ。
LF2000の液晶モニター部には、見事にケーブルがない。電源ケーブルは出ているものの、アンテナや外部機器との接続に使うケーブルをつなぐ部分は、液晶モニター部には存在しない。ケーブルが後ろに飛び出ることがないので、壁にぴったりと寄せ、文字通りの「壁寄せ」配置が可能となる。

 それらのケーブルは、すべて別に用意された、「ステーション部」と呼ばれるチューナー部へと接続することになる。「ワイヤレス」というのは、このチューナー部と液晶モニター部の間のことを指す。これまでにも、チューナー部と液晶モニター部を分離したテレビはいくつもあったが、チューナー部から液晶モニター部への映像伝送は、ほとんどがケーブルに頼っていた。LF2000ではここで5GHz帯の電波を使い、ケーブルを使うことなく、チューナー部で受信した映像をすべて液晶モニター部へ伝送することになっている。

 しかもこのワイヤレス機能は、本体に完全に内蔵されている、標準機能である。標準でワイヤレス伝送機能を持つテレビは少なく、別売のアダプターを使う例がまだ多い。別売では、結局「ケーブルを減らす」「レイアウトの自由度を上げる」という目標が実現しにくいので、選ぶなら、当然、LF2000のような「標準機能」として搭載している製品ということになる。



REAL LCD-46LF2000

REAL LCD-46LF2000

REAL LCD-46LF2000

同梱のステーション部。アンテナや外部機器との接続に使うケーブル類はこちらに接続する


 ワイヤレスといっても、伝送距離が短いとあまり意味はない。だがLF2000の場合には、障害物のない見通し距離ならば、約20mまでは通信が可能になっているという。一般的なリビングの広さならば、まず困ることはなかろう。
これならば、テレビの横にケーブルの多いステーション部を置くことなく、より「リビングのレイアウト事情」を考慮した上で、機器の配置が行えることになる。

 リビングでのレイアウト、という点を考え、LF2000には、液晶モニター部の設置に関し、色々な工夫が凝らされている。すでに述べたように、LF2000の液晶モニター部には電源ケーブル以外のケーブルがなく、壁にぴったりと寄せて配置しやすい。そんな「壁寄せ」をより美しく、高いクオリティで実現するために、純正のオプションとして、専用スタンド「LF-KL2000」が用意されている。



専用スタンドとの組み合わせで、壁にぴったりと寄せることができる

専用スタンドとの組み合わせで、
壁にぴったりと寄せることができる
LF-KL2000(別売)


 このスタンドは、透明から白へとグラデーションが施された半透明のカラーリングになっており、スタンド部にLF2000をとりつけると、スタンド部が極力目立たなくなるよう配慮されている。特に、壁紙に白をつかっているような、「白基調」レイアウトの部屋ならば、液晶モニター部がまるで宙に浮かんでいるかのような印象すら受ける。冒頭で、薄型テレビが元々、「壁掛けテレビ」として開発されはじめた、と話したが、このスタンドセットならば、「壁寄せなのに“壁掛け感覚”」を実現できる。

 LF2000の場合も、もちろん「壁掛け」は可能だ。サードパーティから販売されている壁掛けアダプターを使うことで、比較的容易に壁掛けテレビ化する。だが、壁掛けアダプターは壁に穴を開けて固定する関係上、賃貸住宅に住んでいたり、持ち家であっても、壁と柱の構造が壁掛けに耐えられるものではなかったりすると、利用が難しいという問題がある。現在、各社で「壁寄せテレビ」が増えているのは、ニーズに合わせた「現実解」という部分が大きい。

 LF2000と純正スタンドの組み合わせは、「現実解」でありながらも、デザイン面での配慮を行うことで、「最良の現実解」を目指すアプローチといえそうだ。



ワイヤレス化でどうなる?「画質」「機能」のクオリティ




LF2000は、一般的な液晶テレビで採用されているノングレア処理のパネルでなく、「Diamond Panel」と呼ばれるグレア処理のパネルを採用する



グレア処理の「Diamond Panel」では、一般的なノングレア処理のパネルのように外光が乱反射しないため、白っぽくならず高コントラストを実現している

REAL LCD-46LF2000

REALの最上位機種である「MZW200」シリーズ。AV的なクオリティを突き詰めるAVファンには、こちらの方がおすすめ
 ワイヤレス、ということになると気になるのが、「本当に無線で、有線と同じ満足感が得られるのか」という点である。主に、「画質」と「機能性」の面で、不安を感じる人も少なくないのではないだろうか。
結論からいえば、その不安は多くの面で杞憂といっていい。

 実際にLF2000の画質をチェックしてみたところ、無線伝送しているためか細部に気になるところはあったが、一般的な視聴距離である、2メートルほど離れた場所から見るならば、その点はさほど気にならない。全般的に、エッジが強調された「くっきり系」の映像だ。

 LF2000に採用されている「Diamond Panel」では、パネルの表面を、一般的な液晶テレビと異なり、グレア処理にしている。ノングレア処理は、外光反射を防ぐには有効なのだが、逆に外光が乱反射するため、暗い部分がごく薄く「白っぽく」なり、色純度が落ちやすい。だが、グレア処理を採用したLF2000では、そういったことが起きないため、「すっきり」とした印象になる。
 そういった特性を生かすためか、画質補正においても、LF2000は「くっきり・はっきり」した傾向に仕上げられている。出荷時設定では少々派手すぎる印象だが、設定を「スタンダード」などにすれば、より自然で見やすい感じとなる。

 無論、無線伝送によるロスはあるため、「AV的なクオリティをとことんまで突き詰める」と、不満もないではない。そういったAVファンには、むしろLF2000ではなく、同じREALの中でも、より画質よりの「MZW200」シリーズがおすすめだ。こちらはチューナー一体型で、LF2000ほどの設置自由度はない。だがその分画質にこだわっており、ディテールやトーンの再現性に優れている。
 そしてもちろん、MZW200も、LF2000同様グレア処理の「Diamond Panel」。すっきりした曇りのない画質、という点では、共通の美点をもっている。

 では機能面はどうだろう?

特に最近気にする人が多いのが「遅延」だ。テレビがデジタル化するに伴い、テレビの内部では、高画質化などを目的とした、様々な処理が行われるようになった。その副作用として生まれたのが「遅延」である。映像が入力されてから、ディスプレイ側で表示されるまでにかかる処理時間が、人間に知覚可能なものになってしまったわけだ。

 とはいえ、映像を見ているだけならば、こういったことも気にはならない。問題は、ゲームをしている際に顕在化する。ゲーム機から出力された映像が、表示までに最悪数十ミリ秒かかる結果、ゲーム機側で操作してから、実際に画面上でキャラクターなどが「動く」までに、やはり数十ミリ秒の遅れが発生してしまうのだ。ごく短い時間なのだが、特に、音楽ゲームや格闘ゲーム、レースゲームといったリアルタイム性の高いゲームでは、大きな違和感となって感じられることも少なくない。
テレビ内の映像処理でこれだけの差が出るのだ。ならば、無線での映像伝送を挟むLF2000なら、もっとひどい問題が出るのでは……。そう思う人もいるのは理解できる。

 だが、実際にはそんなことはない。三菱電機側の説明によれば、LF2000において、無線伝送による遅延はおよそ1ミリ秒以内。テレビの画面書き換えは、1秒間に60コマ、すなわち60分の1秒なのだが、そのさらに13分の1以下の時間しかかからない計算になる。ということは、「無線による伝送遅延」は、事実上ほぼ影響ない、と考えていいわけだ。



ソファから立たずにディスク交換も?!新BDレコーダーとの連携で生まれる「本当のレイアウトフリー」


REAL LCD-46LF2000

レイアウトフリーにより、
レコーダーのディスク交換も手元でできる


REAL LCD-46LF2000

ステーション部と同サイズ・カラーリングの
ブルーレイディスクレコーダー
「DVR-BF2000」(別売)


REAL LCD-46LF2000

ステーション部と、「DVR-BF2000」の高さは、
ブルーレイディスクのパッケージソフトと同じ

 レイアウトフリーという要素は、なにも美観だけの問題ではない。使いやすさという点でも、面白い効果を生み出す。
DVDやブルーレイ・ディスクを見ているとしよう。見終わってディスクを取り出す時、あなたはどうするだろうか? いうまでもなく、「テレビの近くにある、レコーダーの場所まで歩いていって取り出す」だろう。
だが、それは微妙に不便だ。手元でディスクの交換や片付けができたら、どんなに便利だろうか?

 ワイヤレスによるレイアウトフリーは、そんな便利さを実現する。
チューナー部を好きな場所に置けるということは、それにつなぐレコーダーも、自由な場所に配置可能だ、ということでもある。リビングのソファ近くなどの、操作がしやすい場所へとレイアウトすることで、あまり移動することなく、ディスクの交換などが行えるようになる。そうなると気になるのは、レコーダーのデザインだ。単純にこれまでのレコーダーをつないだのでは、デザインの統一という点でいまひとつだ。

 そこで同社は、LF2000との連携を前提とした製品として、ブルーレイディスクレコーダー「DVR-BF2000」を商品化する。この製品は、LF2000のステーション部と、ほぼ同じサイズ・同じカラーリングを実現している。並べて置いても違和感がないのはもちろん、非常にコンパクトなので、部屋の中でも自己主張しすぎることもない。

 キューブ的なデザインを採用していることには、一つ狙いがある。実は、ブルーレイディスクレコーダーとステーション部(チューナー部)の「高さ」は、ブルーレイディスクのパッケージソフトと同じ高さにあわせて作られている。お気に入りのブルーレイ・タイトルを並べつつ、その横にレコーダーまで並べてもらいたい、という意識の現れといっていい。そしてもちろん、そういった置き方が出来るのも、ワイヤレスであるからこそである。

 テレビのあり方は一つではない。画質指向で選ぶもよし、レイアウト指向で選ぶもよし。持つ人の「レイアウトへのこだわり」を制限することのないテレビの登場は、液晶テレビ市場がついに「生活に密着した存在」へと進化してきた証である。
LF2000の登場は、その象徴といえるだろう。

(西田宗千佳)




[関連リンク]

■ REAL LF LCD-46LF2000
http://www.MitsubishiElectric.co.jp/home/ctv/product/series/lf/46lf2000.html

■ REAL MZW200 シリーズ
http://www.MitsubishiElectric.co.jp/home/ctv/product/series/mzw200/index.html

■ 三菱液晶テレビ REAL
http://www.MitsubishiElectric.co.jp/ctv


[関連情報]

■ 三菱、チューナと無線接続する46型フルHD液晶「REAL」 −非圧縮で映像伝送。四角いBDレコーダも
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080929/mitsu.htm


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