いよいよ発売となった本格レースゲーム「Forza Motorsport 4」。前作からきっちり2年でリリースされる本作は、激しく、美しく。これまでにない興奮と感動に満ちた作品に仕上がっている。

レースゲーム最高峰にあった前作にも増して向上した映像美。車両の動きを深く体感できる緻密なシミュレーション。それが本作では、かつてないほどに幅広い人々へ届けられる。

タイヤの温度、歪みまで読み取ろうとするハードコアレーサー、クルマの美しさに心を奪われたモータースポーツファン、そして皆とワイワイ楽しみたいカジュアルな人々まで。

すべての人のために磨かれたクルマの「愉悦」。「Forza Motorsport 4」が提供する興奮、感動、楽しさ。それを4つのキーワードでご紹介していこう。

ドライビングの愉悦 〜走りを楽しむ〜

 レースゲームの「魂」であるクルマの挙動は、Forzaシリーズが長年にかけて追求している最も重要なポイントだ。本作ではタイヤシミュレーションに抜本的な改良が加えられ、業界最高峰クラスのドライビングシミュレーションが実現した。

 秒間360回という超高速で計算されるシミュレーションエンジンにより、300km/hを超える高速走行時においても路面の緻密な凹凸を逃さない。路面からの影響はタイヤの歪み、サスの振動に至るまで細かく再現され、トラクションの繊細な変化、車体の細かな動揺がコントローラーを通してプレーヤーの手に伝わってくる。

全車種で車内視点も実現。真に迫るドライビング体験を提供する

 

スキール音を響かせながらコーナーを駆けていく

 その手応えは前作に比べてぐっと「実車感覚」が増しており、ある種の野性味すら感じさせる。本作のドライビングは、街乗りの一般車から、憧れのラグジュアリーカーまで、その本来のパフォーマンスを丸裸にし、説得力豊かに教えてくれるのだ。

 そして、最高峰のシミュレーションエンジンを搭載した本作の実にスゴイところは、リアルなクルマの挙動を「誰でも楽しめる」ことなのだ。

 充実の各種アシスト機能により、完全なマニュアル操作はもちろん、ハンドル操作を大雑把に行なうだけでも華麗に走れるよう、幅広いサポートが提供されている。クルマというものを初めて操作する人でも、鈴鹿や、ニュルブルクリンクを完走できるのだ。

   

アシスト機能は各人の腕前に合わせて細かな調整が可能。腕が向上したら少しづつアシストを切って、あらたな感覚にチャレンジしよう

 操作方法の選択もこれまでになく豊かだ。Xbox 360コントローラーでの各レベルに合わせた操作はもちろん、新発売の「Xbox 360 ワイヤレス スピード ホイール」を使えば、手軽に繊細なハンドル操作を体験できる。

Kinectを使ったヘッドトラッキング機能も。頭を振ればサイドの様子を確認できる

 Kinectを使って、ハンドルを手に持ったようなジェスチャーで操作することも可能だ。この場合自動的にアクセル・ブレーキは完全自動となり、老若男女だれでも、ハイパフォーマンスカーを自在にドライビングすることができる。

 それでいて、あくまで車両挙動はスーパーリアルなシミュレーターが根本にある。様々なシチュエーションにおけるクルマの動き、エンジンのパワー、タイヤの粘り……。お手軽操作でもドライビングの「愉悦」を味わえる。慣れてきたら少しづつアシスト機能を切っていくことで、上達を感じられるようにもなる。これはとても贅沢な体験だ。

   

走りを分析できるテレメトリ機能も充実。車体の重心移動や、タイヤの負荷を分析しつつ走りの精度を高めていこう

タイヤメーカー・ピレリ完全協力!

タイヤの状況は熱や歪みまで完全再現

 本作のシミュレーションエンジンにおける抜本的な改良、それはタイヤシミュレーションの強化だ。その開発にあたって、有名タイヤメーカーであるピレリが完全協力。

 ピレリが持つ豊富な実データをそのまま採用し、タイヤ周りの挙動を忠実に再現。特に影響が現れているのは、トラクションの限界近くにおける感触だ。

 スキール音を上げながら地を蹴るタイヤは、それでもトラクションを残しつつ、車体をアウトに揺さぶりながらも推進力を与え続ける。その中でいかに車両をコントロールするか。タイヤからの豊かなフィードバックを元に、繊細な制御を行なっていく……。

 これが、本作の深いドライビング体験を実現し、充実した走りの楽しさを提供するバックボーンなのだ。

レーシングの愉悦 〜バトルを楽しむ〜

 臨場感に溢れるドライビングをさらに熱くしてくれるレースの数々。本作では前作までに登場したサーキットに加え、新サーキット2つを追加した20を超えるサーキットが用意されている。

 もちろん、世界の有名サーキットや日本のサーキットも充実。ニュルブルクリンク、ラグナ・セカ、シルバーストーン、カタルニア・サーキット、サルテ・サーキット……。そして鈴鹿サーキット、筑波サーキット、ツインリンクもてぎも完全再現。日本の峠道を再現した架空コース「富士見街道」というものもあり、激しいドリフトバトルを展開できる。

   

鈴鹿サーキット

 

筑波サーキット

 

富士見街道

80以上のメーカーから500あまりの車種が登場。日本車も充実だ

世界がレースの舞台だ

コーナーリングで勝負をかける!

 こういった数々のサーキットを舞台に、本作では幅広いクラスの車種でレースを楽しめる。

 日常的な一般車両が属するF〜Eクラスでは、軽量なコンパクトカーやボックスワゴンでレースを展開。D〜Cクラスには数々のスポーティなクーペ、セダン。B〜A、そしてSクラスには憧れのスポーツカーが充実のラインナップ。さらに上のR3〜R1クラスには、プロレース仕様のGTカーやプロトタイプカーがズラリ。

 その中でプレーヤーは、「ワールドツアー」で世界中のサーキットを転戦しつつクラスを駆け上がったり、300種類近くも用意された個別のレースイベントを自由に選んで参戦することができる。

 レースに挑戦すれば新車を購入したりチューンナップするための資金となる「クレジット」がどんどん溜まっていくし、プレーヤーレベルが上がればご褒美に新車をプレゼントされることも。そして、挑戦できるレースの幅がグングン広がっていくのだ。

 ひとりで遊ぶ際のレースに登場するライバルカーの挙動も秀逸で、レースが熱い。今作ではマシンパワーに大きな差がない限りストレートで抜くことが難しくなっているかわりに、コーナリングが勝負のポイントとなっているのだ。

 そう、AIカーにはスキがある。時にはブレーキングが遅れたり、立ち上がりに失敗してスピンするといった、人間くさいミスもする。その間隙を突いて、華麗にかわすことができるだろうか?インを突くか、アウトから被さっていくか。AIカーの動きを見極めつつ、熱いレースの「愉悦」を味わっていこう。

   

幅広い車種で展開する各種レース。クラスが異なれば戦い方もかわる。そのどれもが緻密なシミュレーションによりリアルに再現されており、充実したレース体験を約束してくれるのだ

TopGear タイアップ!

 クルマ好きの皆さんならご存知、英国発・全世界で大人気のクルマ番組、「TopGear」との完全タイアップが本作で実現!

 番組内で使われるテストトラックがゲーム中に登場するだけでなく、人気コーナー「有名人レース」も完全再現。「ライバル」モードで、フレンドやオンラインプレーヤーの記録とタイムアタックで勝負することができるのだ。

 もちろん、使用車種は現在の番組と同じ、KIA cee'd。リプレイシーンでは番組中のカメラワークが完全再現されており、盛り上がることまちがいなし!「フォロースルー」をアクセル全開 、最終コーナー「ガンボン」をタイトに駆け抜けて、有名人の記録に挑戦しよう。

 そのほかにも、ピンを倒していくボーリングチャレンジや、クルマでサッカーをするオンラインモードなど、「TopGear」ゆかりの遊びを搭載。さらに「Autovista」モードでは、司会の名物オヤジ、ジェレミー・クラークソンのウィットに富んだ解説を堪能できる。ファンにはたまらないフィーチャーだ。

美しさの愉悦 〜クルマを楽しむ〜

 本作では前作よりグラフィックスの表現力も大幅に強化。かつてない映像美が実現されている。

 ポイントとなるのは、「イメージベースドライティング」というグラフィックス技術が導入されたことだ。技術的な詳細は割愛するが、レースゲームではもちろん、他のゲームジャンルを総合して見ても実装例はほとんどなく、非常に先進的なゲームグラフィックス技術である。

 本作ではこの大局照明手法の一種を用いることにより、車両がよりフォトリアルに、風景に溶け込むオブジェとして美しく表現されている。

 他のレースゲームでは敢えて印象的な絵作りを志向するものが多いなか、本作で徹底されているのは、肉眼での見た目が再現されていることだろう。太陽の光が車体で反射し、ギラギラと強い光が目に飛び込む。その存在感は、「まさにそこにある」印象なのである。

本作ではグラフィックスも大幅強化

 

細部まで丁寧に作りこまれた車両モデル

 こうした絵作りのおかげで、本作でのレース体験はさらに真に迫る。各車両は100万ポリゴン以上でモデリングされ、同時16台が出走しても秒間60回のフレームレートが欠けることはない。驚異的な映像、そして滑らかさが実現されている。

 レース後のリプレイモードで車両の勇姿を眺め回すのも素晴らしい体験のひとつだ。リプレイの送り、戻しやカメラワークの選択は自由自在で、好きなアングルから、好きなだけ堪能することができる。クルマの美しさに心を奪われたファンなら、これだけおなかいっぱいになってしまいそう。

   

ライティングの強化により、肉眼で見た印象に近い絵作りが実現されている。太陽の強い光と照り返しが目に刺さりそうだ

極限まで作りこまれたAutoVisataの車両

 そして極めつけは、本作で新登場した「Autovista」モード。このモードでは、レースに用いられる車両モデルよりもはるかに詳細に作りこまれた車両が登場。その周りを自由に歩きまわってじっくり見たり、可動部分を実際に触ったり、各部の解説を聞くことができるのだ。

 その作りこみはまさに驚異的。これはもう、コンピューターグラフィックスというより、ほんものの実車がそこにあるという印象だ。「Autovista」に収録された車両はインテリアやエンジンまで完璧に再現され、質感もたまらない。フェラーリの官能的な曲線に、しばし時間を忘れてウットリしてしまう。

 Kinectを使えば体のジェスチャーでクルマの各部を操作することもできる。顔を近づければ、車体から数センチまで近づいて見ることも。そこまで近づいても、ただただ美しい曲線、細部の構造がポリゴンの破綻なく目に飛び込んでくる。車内に入ってハンドルをタッチすれば、そのままレースにチャレンジすることも可能だ。

 「Forza Motorsport 4」と、Xbox 360があるだけで、このたまらない「愉悦」を手にすることができる。なんという素晴らしさだろうか。

   

外装はもちろん、内装やエンジン部分まで、あきれるほどの詳細度で再現されている。その美しさにただ圧倒されるばかりだ

   

TopGearの名物司会者ジェレミー・クラークソンによる解説も収録。ウィットと皮肉に溢れた名調子で各車両の個性を伝えてくれる

チャレンジに挑戦してAutovista車両をアンロック!

新たなクルマはアンロックしてのお楽しみ

 Autovistaモードには20種類あまりの車種が収録されている。そのうち大半の車両は、当初ロックされた状態だ。

 これをアンロックするためには、該当の車両を使った様々なチャレンジをクリアする必要がある。まず、オーナーとしての資質を示そうというわけだ。

 各チャレンジは車種に合わせて様々なバリエーションが用意されている。例えば、車幅の広い大型車で、狭いコーンの間をすり抜けていくという意地悪なチャレンジも。

 いちどアンロックした車両のチャレンジも、Autovista内で車両のドアを開き、運転席に入って、ハンドルをタッチすればまた挑戦することができる。美しいクルマの持ち主感覚を味わえる、オツな演出となっているのだ。

コミュニティの愉悦 〜皆と楽しむ〜

オンラインで熱いバトルを楽しもう

 本作の楽しみは、友人や世界のライバルたちとの間でも展開していく。充実のオンラインモード、そしてコミュニティ機能が、クルマを通じたエンターテイメントをさらに押し広げてくれるのだ。

 オンライン対戦ではシリーズ最大の同時16台出走を実現。各種レースをはじめ、鬼ごっこやサッカーまで、幅広いゲームモードが用意されている。世界のライバルたちと腕を競おう。

 もしオンライン対戦の敷居が高いと感じたり、面倒臭かったりする人でも大丈夫。本作では各種レースやタイムアタックの記録が全てオンラインで記録される仕組みがある。世界のプレーヤー達が残した記録に挑戦し、自分が世界何位に上がれるか試してみるのも面白い。

 「記録に挑戦」する楽しみをさらに推し進めたゲームモード「ライバル」も新搭載された。タイムアタックやドリフトなどの様々な種目にチャレンジする際、オンラインの記録から自分より少しランクが上のプレーヤー記録が目標としてピックアップされ、それを上回ることで大きな報奨が得られるのだ。単にタイムアタックを繰り返すより、ずっとやりがいがあって楽しい。

 「TopGear」有名人レースを再現するチャレンジもここにあるので、ぜひ挑戦しよう。また、「マンスリーイベント」では開発元のTurn 10 Studiosから毎月新たなタイムイベントが提供され、全世界で同じ土俵の勝負が展開。これは長く楽しめるものになりそうだ。

   

対戦だけでなく、オンラインの記録に挑戦してタイムアタックをするのも楽しい。他との勝負であると同時に、自分との戦いでもあるのだ

ストアフロントで個性的なデザインカーやデーカールをゲット!

カーデザインに挑戦

 そしてクルマを「所有する」楽しみをさらに拡げてくれるのが、「オークション」や「ストアフロント」だ。この仕組を通じて、車両やチューンナップセッティング、あるいは車体やデカールのデザインなどがプレーヤー間で流通していく。

 シリーズの大きな特徴となっている車体のペイント機能やデカール、バイナルデザインの機能も引き続き搭載しており、カーデザイン派のプレーヤーなら前作「Forza Motorsport 3」で作ったデータを引き継ぐことも可能。おかげで当初から非常に洗練されたデザインカーが流通しているので、ストアフロントを眺めているだけでも楽しくなってしまう。

 世界のオンライン・レーサーやデザイナー、フォトグラファーたちが創りだす多種多様なコンテンツが、「Forza」でしか味わえないクルマの「愉悦」を産み出していく。充実したコミュニティ機能を通じて、あるいは自分なりの形で参加しながら、存分に楽しもう。

   

独自のカーペイントは今回も目玉のひとつ。腕があればこんなスゴイデザインも作れてしまう。腕利きのデザイナーが作った作品をオンラインで見つけよう

同好の士で「マイクラブ」

クラブガレージでは各自のクルマを選んで、他のメンバーが借りられるようにできる

 本作で強化されたコミュニティ機能のひとつが「マイクラブ」だ。これはゲーム内で作るクラブ、同好会のようなもので、所属メンバー間でクルマを共有したり、各種目のランキングを競うなどの遊びができる。

 ひとりのユーザーが所属できるクラブは1つだけだが、移籍や退会は自由。勝手知ったるメンバー間でクラブを結成して、クラブ独自のデカールをデザインして共有、車体に貼り付けてレースに出走すれば楽しみがぐっと深まりそうだ。

 また、クラブ間でランキングを競う機能もあるので、ガチガチのハードコアレーサーによるクラブは熾烈な競争を展開するだろう。あるいは、カーペインターが集まって互いのデザインを評価しあったり、「ストアフロント」での人気を競ってみるのも面白い遊び方だ。

 集まる人次第で、違った性格を帯びたユニークな楽しみが生まれていく。それが「マイ・クラブ」なのだ。

「Forza Motorsport 4」の世界はまだまだ広く、深く続いていく

 今回は本作が提供する楽しみを4つの「愉悦」に分けてご紹介してみた。幅広く、様々な人々がそれぞれの角度で味わえる面白さ、それが本作に詰まっていることがお伝えできたなら幸いだ。

 次回「後編」では、本作ならではのドライビング体験に注目して、さらにディープな情報をお届けしてみたい。話題のハンドルコントローラーを使ったプレイもご紹介。「Forza Motorsport 4」の魅力はまだまだ広く、深く続いていく。

【佐藤カフジ】

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