ライター勝田哲也、ふだんダンスとは無縁な生活を送っていたが、「Dance Central」でダンスの魅力に目覚めちゃったかも!?

 「ダンス」。それは、「身体を動かす」という動物としてのプリミティブな衝動と、技巧を凝らした芸術性が同居した、一大エンターテインメントである! …と、ことさら大上段にかまえなくとも、「ダンス」は常に人を魅了してやまないスポーツだ。古今東西、数々のダンスゲームが生まれているのが何よりの証拠。今回紹介する「Dance Central」は、Kinectセンサーを用いて誰でも簡単に、「ダンス」の魅力の神髄を味わえること間違いなしの大注目ダンスゲームだ。

 「Dance Central」でキミの中のダンサーを目覚めさせよう!

Kinectで全身の動きをトレースされ、それが画面に反映される。革新的楽しさのダンスゲームだ!(※写真はイメージです)

 日本マイクロソフト株式会社はXbox 360 Kinect専用ダンス/音楽ゲーム「Dance Central」を6月2日発売予定だ。今回は発売に先がけて、本作のオススメポイントを紹介していこう。

 「Dance Central」は、海外で人気の高い音楽ゲーム「ROCK BAND」シリーズを手掛ける開発スタジオHarmonixの最新作。北米ではKinect発売と同時の2010年11月に発売されており、Kinectローンチタイトルの中でも1、2を争う人気タイトルだ。今回日本語版として登場するにあたり、最新のポップスから、ヒップホップ、R&B、定番のファンクまで、北米版の収録曲全32曲が余すことなく収録されている。

 「Dance Central」の魅力をひとことで言ってしまうと、なんといってもプレイヤーの全身の動きがトレースされるという革新性だ。Kinectセンサーによって全身を検出し、画面内のダンサーと同じ動きでダンスする楽しさは、これまでに存在したあらゆるダンスゲームの中で最も「実際のダンスに近い」フィーリングを味わえる。

 そう聞くと、「なんだか難しそう」と感じるかもしれないが、基本的には「画面のダンサーと同じ動きをするだけ」という単純明快なゲーム性に加え、充実した練習モードにより、誰でも楽しくダンスを学べ、踊ることの恍惚感を存分に体験できるようになっている。

ダンサーに合わせて楽しく踊ろう! 練習すれば、激しいダンスもばっちりだ

3つのモード。ダンサーや踊る場所は選択可能で、やりこむと選択肢が増える

 本作で実際に踊ってみると、Kinectの優れた認識能力を実感できるだろう。腕をどのくらい前に出すか、ステップはどう踏むか、縦横奥行きの三次元方向にわたってきちんとした検知/判定が行なわれていることを感じられる。自分の一挙手一投足がコンピューターに分析され、さらにそれが即座に画面上に反映される様子は、まさしく次世代のインターフェース。全身をフルに使ってポーズをキメていくのは、コントローラを握って、画面に集中するゲームとは違った楽しさだ。

まずはこの動画を見ていただきたい。本邦初公開、ライター勝田哲也の「踊ってみた」! 曲はCascadaの「Evacuate The Dancefloor」、スキルレベルは「ハード」

 最終的には反射神経まかせになることも多かった既存のダンス/音楽ゲームに比べて、「音楽にあわせて身体を動かす」という、ダンスの根本的な魅力に忠実なゲームとなっているので、老若男女、ダンス初心者から上級者まで、幅広い人が楽しめること請け合いだ。

丁寧に学べるプラクティスで、ひとつひとつのムーブ(振り付け)を覚えよう。右に表示されたフラッシュカードに従って、ダンサーがムーブを実演してくれる

 「Dance Central」には、練習モードの「プラクティス」と、実戦モードの「パフォーマンス」、そして他のプレイヤーとスコアが競える「ダンスバトル」の3つのゲームモードがある。また、32曲は全て「イージー」、「ノーマル」、「ハード」の3つのスキルレベルが設定されている。スキルレベルを上げるとムーブ(ダンスアクション)が増える。。また、曲によって0〜6までの難易度が設定されており、高レベルの曲はダンスがより凝ったものになる。

 はじめて踊る曲は、まず「プラクティス」モードで練習だ。「プラクティス」では、画面上のダンサーがムーブ(振り付け)を実演してくれるので、それをマネすることでムーブをひとつひとつ習得していく。

 「Dance Central」の最大の特徴はこのプラクティスモードにあると言っても過言ではないだろう。あるムーブを重点的に練習したり、すでに習得したムーブは一発成功させることでスキップできたりするので、プレイヤーの習熟度合いに応じて最適な練習を行えるのだ。

 基本的には、ダンサーが実演しているときに一緒に踊ることに成功するか、3回ムーブを成功させることで次のムーブ学習へ移っていく。うまくいかないときは、ゆっくりとした動きでじっくりと、何回でも練習できる「スローダウン」モードに移ることができる。右手を振っているとき、左足はどう動いているか、どのくらい足を開くかなど、細かいところをチェックし、真似することで、だれでも凝ったダンスムーブもものにすることができるというわけだ。ほかにも、通常速度で同じムーブを繰り返し練習する「リトライ」もある。

動きがよくわからないときは「スローモード」でじっくり練習

3回成功すれば次のムーブ練習に移れるが、もっとカンペキにしたい!というときは「リトライ」も可能

 ダンサーの実演とプレイヤーの動きが一致しないときは、ダンサーの身体の一部分が赤く光って間違った箇所を教えてくれるので、それを意識すれば自分の踊りのクセなどを直していける。

 実際に踊る際にはムーブ同士のつながりが重要。ということで、いくつかのムーブを練習すると、練習したところまで通して、一連の動きをまとめた「Recap」(おさらい練習)が行なわれる。ムーブを単体の動きではなく連続した動作の中で覚えると、実戦にも活かしやすいというわけだ。

 練習中はトレーナーでもあるダンサーキャラクター達にも注目。日本語吹き替えの外国の通販番組のような"軽さ"とハイテンションなしゃべりでプレイヤーの気持ちを盛り上げてくれる。上手く踊れれば「ナイスだ!」「スゴイね!」「カンペキ!」などと、ちょっと(?)おおげさにホめてくれるし、イマイチな出来でも励ましてくれる。

 練習が終わると、一発合格したムーブ、習得したムーブ、失敗したムーブの数と、Recapの成功率などが表示される。ここではじめから100%の成功率を狙う必要はないのがポイントだ。だいたい8〜9割の成功率なら、いよいよ実践、「パフォーマンスモード」に挑戦してみるのが良いだろう。

エクササイズのプレイ風景。最初のうちはぎこちない動きのライター勝田氏だったが、エクササイズをこなすことでだんだんと貫禄が…

いよいよ本番「パフォーマンスモード」でノリまくれ! よく見るとバックダンサーもいるので、友達にバックダンサー役を頼むとさらに盛り上がるかもしれないぞ!(と、ゲーム中にTIPSとして本当に表示される)

 プラクティスでムーブを覚えたら、いよいよ本番、「パフォーマンス」モードで実演となる。曲に合わせていかにうまく、華麗に踊れるか、どれだけのスコアを獲得できるのか、挑戦だ。とはいえ、たとえムーブを失敗しまくっても、途中でゲームオーバーにはならないので、最初は肩の力を抜いて挑戦し、何度もプレイすることで、よりうまいダンスを目指していこう。

 はじめは、モーションの繋がりのタイミングや、ムーブの組み合わせが難しく感じるかもしれない。しかし、何度も繰り返すに従って、身体がムーブを覚え込んでいくのがありありと感じられるだろう。

 うまくムーブが繋がったり、連続してムーブに成功すると、ダンサーにスポットライトが当てられ画面が光り輝きフィーバー!していくので、プレイヤーも思わずトラボルタな気分を味わえる。なによりも、曲とシンクロしてムーブをこなしていくことで、ダンス本来の「曲のリズムに体をのせる」という楽しさで脳内にアドレナリンが分泌され、かなり気持ちいい。

こちらはPitbull「I Know You Want Me (Calle Ocho)」、スキルレベルは「ハード」。曲ジャンルはサルサで、ムーブもラテンの香り

 曲の中で挿入される「フリースタイル」タイムでは、特にゲーム側からの指示無しでプレイヤーが自由に踊ることができ、しかもその様子がKinectセンサーのカメラで撮影される(オプションで撮影を無効にすることもできる)。個人的には、どうしても照れてしまい、動きがぎこちなくなってしまう箇所ではあるが、"照れ"を無くすことが、真のダンサーへの一歩であると考えれば、プレイヤー諸君には心の枷を解放し、カッコよくフリースタイルをキメてほしいところである。

カンペキにムーブをキメると「PERFECT!!」

連続してムーブを決めると、イルミネーションが次々点灯、最終的にはここまでフィーバー。脳内のアドレナリン出まくりのトリップ感を味わえる

途中で挿入されるフリータイムでは、これまで覚えたムーブを繰り出してもよし、本能のおもむくままにポーズをとってもよし、カメラを意識して変顔をキメるもよし!?

最後のムーブは「フィニッシュムーブ」、すなわちキメポーズ。完璧にキマったときの満足感たるや!

獲得したスコアによって、新しい要素がアンロックされていく

 一曲が終わると、プレイヤーが成功させたムーブの数に応じた「スコア」が表示される。を一定以上のスコアを取ると、新しいスキルレベルや曲がアンロックされていくようになっている。「イージー」をクリアすれば「ノーマル」、「ノーマル」をクリアすれば「ハード」と、さらに多彩なムーブを含むスキルレベルが解禁されていくのだ。

 今回、筆者はムービー収録のため3曲を集中的に練習したが、特に最難関のLady Gagaの「Just Dance」はノーマルが精一杯だったのだが、ひとつひとつ、着実に振り付けを覚えていくのは楽しかった。時にスローにし、何度も動きを真似、ムーブの流れを追えるようになる達成感は、かなりのものだ。ハードはさらに片足で回転するポーズなど、さらにムーブが多くなり、難易度が跳ね上がる。本作が発売されてから、この最難関の踊りを華麗に決める人のダンスを是非見てみたいと思った。

本ゲーム中でも最高クラスの難度「★★★★★★」を誇る「Just Dance」。血のにじむような練習の末、スキルレベル「ノーマル」はスコア★5つが出るようになった

 「Dance Central」は次々とコンテンツをアンロックし、さまざまなダンスをカジュアルに楽しんでいけるが、個人的には1曲にターゲットを絞り、その1曲をとことん極めるのもオススメである。最初は「こんなの絶対無理!」と思っていた曲も、1つずつムーブを覚え、流れを覚え、まずは何となく踊れるようになる。そこからさらにムーブひとつひとつを習熟し、ひたすらダンスの完成度を高めていく中での達成感と満足感、ついでに自己陶酔感は、やみつきになってしまうかもしれない。

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プレイヤーふたりが交互に踊るダンスバトル。スキルレベルはプレイヤーごとに設定できるので、実力差がある人どうしでも楽しめる

 本作は「プラクティス」「パフォーマンス」のほかにも、プレイヤー二人が交互にダンスしスコアを競う「ダンスバトル」モードもある。

 「Dance Central」に限らず、Kinect対応ゲームは、他の人がプレイしているのを見るのが楽しい。お互いにムーブのおかしなところを指摘し合って実力を高めるもよし、ゲラゲラ笑いながらパーティーゲームとして楽しむもよし、「フリースタイル」タイムに合体技(?)を試すもよしだ。

フリータイムは「エビバデダーーーンス!!」のかけ声とともに二人で自由に踊りまくれる。油断すると部屋が盆踊り会場と化すので注意

スコア表示画面ではフィニッシュムーブの写真も見られるので、「スコアはこっちが低いけどフィニッシュは自分のほうが決まってる!」と子供っぽい言い合いも可能

プレイヤー二人が入れ替わりで踊る「ダンスバトル」。フリータイムがなぜか意外なほど盛り上がる

「ワークアウト」オプションを有効にすると、左上に累計プレイ時間と消費カロリーが表示される

 オプションで選択できる"ワークアウト"は、プレイ中に消費したカロリー数を表示できる機能だ。ダンスは全身運動である。「Dance Central」は1回踊っただけでもかなりの汗をかくし、日常生活ではあまり使わない筋肉を酷使することが多い。筆者のように体重が気になる人も楽しくエクササイズできるし、女性は全身をシェイプアップできるそうだ。

 「Dance Central」は誰でも手軽に、そして簡単に、「踊ることの楽しさ」を教えてくれるゲームだ。ゲーム全体の雰囲気はプレーヤーをノリノリにさせてくれるし、曲は下記一覧にあるように、ポップ、テクノ、ブルース、ファンクなど古今のダンスミュージックから幅広く収録されている。自分の好きな音楽ジャンルのダンスはもちろん楽しいし、ふだんあまりなじみのないジャンルを開拓していくのも面白い。

楽曲 アーティスト 年代 ダンス ジャンル 難易度
Poker Face Lady Gaga 2000s Club Dance  
Hey Mami Fannypack 2000s Club Dance  
I Know You Want Me (Calle Ocho) Pitbull 2000s Salsa  
Evacuate The Dancefloor Cascada 2000s Club Dance  
Funkytown Lipps Inc. 1980s Disco
Galang '05 M.I.A. 2000s Club Dance / Reggae
Can't Get You Out of My Head Kylie Minogue 2000s Club Dance / Girls
C'mon N' Ride It (The Train) Quad City DJ's 1990s Disco
Crank That (Soulja Boy) Soulja Boy Tell 'Em 2000s Hip Hop ★★
Rump Shaker Wreckx-N-Effect 1990s Hip Hop ★★
Jungle Boogie Kool & The Gang 1970s Disco ★★
Down Jay Sean feat. Lil Wayne 2000s Club Dance ★★
Pon De Replay Rihanna 2000s Club Dance / Girls ★★
Move Ya Body Nina Sky 2000s Girls / Reggae ★★★
King of the Dancehall Beenie Man 2000s Club Dance / Reggae ★★★
Rendez-vu Basement Jaxx 1990s Club Dance ★★★
Hella Good No Doubt 2000s Club Dance / Rhythm ★★★
Dip It Low Christina Milian 2000s Club Dance / Latan ★★★
Push It Salt 'N Pepa 1980s Hip Hop ★★★★
Flava In Ya Ear (Remix) Craig Mack 1990s Hip Hop ★★★★
Poison Bell Biv DeVoe 1980s Club Dance / Funk ★★★★
Teach Me How to Jerk Audio Push 2000s Club Dance / Hip Hop ★★★★
Maneater Nelly Furtado 2000s Club Dance ★★★★
Satisfaction Benny Benassi Presents the Biz 2000s Popping ★★★★★
Bust a Move Young MC 1980s Disco ★★★★★
Days Go By Dirty Vegas 2000s Freestyle ★★★★★
Pump Up the Jam Technotronic 1980s Club Dance ★★★★★
Brick House Commodores 1970s Locking ★★★★★★
Body Movin' (Fatboy Slim Remix) Beastie Boys 1990s Hip Hop ★★★★★★
Drop It Like It's Hot Snoop Dogg 2000s Club Dance / Hip Hop ★★★★★★
Don't Sweat the Technique Eric B. & Rakim 1990s Freestyle ★★★★★★
Just Dance Lady Gaga 2000s Club Dance ★★★★★★

 手を動かす、足でリズムを刻む……音楽に合わせて体を動かすというのは、はるか昔からの人間の娯楽のひとつだ。人は、誰しも「踊りたい」という欲望を持っているわけで、本作はその欲望をかなり上手い具合に実現させてくれるゲームだと言えるだろう。

 友達とワイワイと、1人でこっそり、楽しみ方は自由だ。全身を使って踊る、新世代のダンスゲームに是非挑戦してみてほしい。

(勝田哲也)

日本マイクロソフト、Xbox 360「Dance Central」を6月2日に発売。
初回生産分には「シークレット ゲーム追加コンテンツ ダウンロードコード」を同梱 - GAME Watch http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20110407_437987.html

(C) 2011 Harmonix Music Systems, Inc. All rights reserved. Dance Central and all related titles and logos are trademarks of Harmonix Music Systems, Inc. Dance Central developed by Harmonix Music Systems, Inc. All other marks are the property of their respective owners.

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