ゲームシステムは、オーソドックスな一人称シューティング(FPS:First Person Shooter)ゲームのスタイルを踏襲。「狙って撃つ」「先へ進む」が基本となる。
ところどころに障害物があり、ここに身を隠して敵からの攻撃を避けつつ、敵の射撃の小休止時に間合いを詰めていったりして進軍していくことになる。最近では、多い、AI制御の味方兵も多数登場し、ゲーム展開を盛り上げてくれる。今作も味方のAI兵は賢く、勝手にプレイヤーを援護射撃してくれたり、障害物の陰に隠れた敵をいぶりだしてくれたりするような行動を取ってくれたりするので、シングルプレイをしていても、人間プレイヤーと協力プレイをしているような錯覚に陥るほどだ。
また、PC版ということで、画面解像度は、そのPCに搭載されているビデオカードと接続されるディスプレイの組み合わせが許す範囲内で自在に変更が可能となっている。画面アスペクトも16:9や4:3が選べるのはいうもでもなし。筆者が評価したバージョンでは1280×720ドット、1360×768ドット、1920×1080ドットというようなハイビジョンテレビに適合した解像度も用意されていた。
要求されるPCスペックは下記の表のようになっているが、実際にプレイして感じたのはメインメモリの重要性。Windows Vista自体が1GB以上ないとその動作がスムーズにならないといわれているが、その上でHalo 2 for Vistaのようなヘビーロードなゲームソフトを動かすとなると、やはり、メモリがより必要になるのだろう。筆者の環境でもメインメモリが1GBではスワッピングが頻発してコマ落ちが多かったが、2GBにしたあとは驚くほど快適になった。Halo 2 for Vistaをプレイするために…というよりも、Windows Vista環境でPCゲームプレイ環境を整備するためにも、このタイミングでメインメモリを2GB以上にしておきたい。
Halo 2 for Vistaを含むそれ以降のマイクロソフト純正のWindows Vista専用PCゲームタイトルでは、新しいネットワーク・ゲームプレイサービスが提供される。それが「Games for Windows - Live」だ。
これは既に運営が開始されて久しいXboxユーザー向けネットワークサービスをWindowsユーザーにまで拡張したサービスに相当する。いわば、Xbox LiveのWindows対応版ともいうべきものだ。
Windows Vista自体からXbox Live(Games for Windows - Live)がサポートされるのではなく、各ゲームタイトル内で…今回の例で行けば「Halo 2 for Vista」を起動してから…Games for Windows - Liveサービスが利用できるという仕組みになっている。
まだ環境整備の問題でLIVE内ゲームやオンラインコンテンツ購入機能などはサポートされていないが、料金体系やサービス内容についてはほぼXbox Liveと同等となっている。
Xbox Liveのアカウントと共通のものを利用してログインでき、なおかつGames for Windows - Live中から透過的に友人のXboxユーザーのオンライン状態も参照できるようになっている。Halo 2 for Vistaは対応していないが、PCとXbox 360で6月に同時発売されるFPSゲーム「Shadowrun」ではPC版とXbox 360版の相互異種プラットフォーム対戦も可能となっている。
Games For Windows - Liveの画面。レイアウトや操作感はほとんどXbox Liveと同一。
より詳細なGames for Windows - Liveに関する情報はオフィシャルサイトを参照してほしいが、一点だけこの場で注意点を挙げるとすれば、Halo 2 for Vistaでは、マルチプレイを楽しむためにはGames for Windows - Liveへの加入が必要だということだ。
なお、シングルプレイの方はGames for Windows - Liveに加入せずとも、何の問題もなくプレイ可能だ。
しかし、さすがに「オンライン対戦はGames for Windows - Live有料会員のみ」という提案は、「対戦プレイは無料」という文化で育ってきたPCゲームユーザーには酷だろう…という配慮からか、Games for Windows - Liveとは無関係に対戦マッチメイキングが出来る「Dedicated Server機能」も収録される。
これは、ユーザーが対戦専用のPCを用意して対戦サーバーをネットワーク上に公開するような仕組みになる。これはPCの対戦ゲームの世界ではごく一般的な仕組みなので、Halo 2 for VistaユーザーにとってはGames for Windows - Liveを利用しての対戦の方が特異なものとして捉えられそうだ。いずれにせよ、無料でHalo 2 for Vistaの対戦が楽しめる道を用意してくれたことは喜ばしい。
対戦の様子。Halo 2 for VistaではXbox/Xbox 360のHalo 2ユーザーとの対戦は不可。PCとXbox 360の相互対戦は6月発売の「Shadowrun」から。
Haloシリーズは、完結作「Halo 3」も2007年冬にXbox 360にて発売されることが公式アナウンスされている。とすれば、2007年後半に向けて、なにかとHalo 3にまつわる話題が盛り上がっていくと予測される。
今回発売されたHalo 2 for Vistaは、既にXboxでリリース済みのタイトルであるため、「マイクロソフト初のWindows Vista専用ゲームソフト」、「Games for Windows - Live対応の第1弾ソフト」というような、テクノロジー的なメモリアル・タイトルという視点で注目されがちだ。しかし、盛り上がりつつあるHalo 3ブームに備え、「2」を再プレイする機会として捉えれば、このタイミングで出てきた価値は高いと思う。
そして、やはり、今作は、Haloシリーズをプレイしたことがない人にこそプレイして欲しいと思う。その際には、初代「Halo」と「Halo 2」を続けてPC版でプレイしてもらいたい。 筆者は「Halo」を、「3DシューティングゲームのスタイルをとったハードコアSF小説」として捉えているのだが、これは悪い例えではないと思っている。絶対に面白いのでゲームファンはもちろん、一般のSFファンにもプレイして欲しいと思う。