本田雅一がマツダ「アテンザ」に乗ってみた(後編) 大きいボディは運転が怖い? 女性視点で見たアテンザの評価

前編では一人でのドライブだったが、今回は妻にもアテンザの魅力を感じてもらおうという算段

前回、マツダ「アテンザ・ワゴン」を房総半島で試乗して数日後、我が妻をともない、東京・丸の内に電車で向かっている。男ばかりの視点ではなく、女性の視点も入れたいという新婚のCar Watch担当者の発案で、まずは街中にお買い物というシチュエーションで、幅1.8mを越えるアテンザ・ワゴンを取り回してみようという趣旨だ。

と、そんなドライブの出発点に向かう前に、先日のアテンザ・ワゴン体験を妻に対して話していた。中でも彼女の興味を惹いたのは、BOSEがアテンザ専用に設計したサウンドシステムだった。我が家のクルマは、いままでずっと市販のものばかり。今乗っているクルマも、インストーラーに頼んでナビ設置のついでに、ネットワークのパラメータ設定を現場合わせでやったり、ユニット交換するやらなにやらで、それなりにこだわって組み込んだもの。

しかし、イマドキのクルマは車体設計の段階から、プレミアムなサウンドシステムの搭載を音響メーカーと共同でやることが多くなってきている。アテンザの場合、その協業相手がBOSEというわけだ。オーディオには少しばかり拘るワタクシも、純正インストールでよい音が楽しめるなら、それに越したことはないと思う。

長時間ドライブでも疲れない心地よい空間を演出

左右のスピーカーのセンターに座ることができないカーオーディオは、ホームオーディオと比べて絶対的に条件が悪い。ワンオフで作り込み、ドライバーだけが楽しむためのカスタムインストールで作ったカーオーディオならば、それなりにピュアオーディオ的な音作りもできなくはないが、乗車する全員、あるいは前座席のみであったとしても、完璧な音作りをメーカーには求めることができないものだ。

心地よい音の空間を作ることは可能だが、それも意識して「こういう音で聴いてもらおう」と作り込まないとよい音にはできない。「音をよくしたい」とメーカー自身が考えて作っているどうかは、実のところスペックよりもずっと重要だ。

フロントドアには23cmと、ドア設置用としては大きめのウーファーを搭載。さらに中域と高域のユニットがダッシュボード左右に上向きに取り付けられる3ウェイ構成。中域、高域のユニットから出る音はフロントガラスに反射して耳に飛び込んでくるように聞こえる。指向性の高い中域以上がフロントガラスの高さから聞こえるため、特にヴォーカルの位置が持ち上がって自然なステレオイメージを感じることができる。なるほど、これは賢いスピーカー配置だ。

フロントドアには23cmというドアスピーカーとしては大きいウーファーが付く

フロントのツイーターとスコーカーはダッシュボード上に付く。フロントウインドーの反射を利用したレイアウトだ

また、ドアへ備え付けられるのはウーファーのみ。低域をしっかり出すには、再生帯域とスピーカーユニットの口径・ストロークに見合うエンクロージャ容積(スピーカーを取り付ける箱)が必要になる。そうした意味でも、ドアの容積をたっぷり活用できるのは音質面で有利と言えよう。

これらスピーカーを駆動するのは、リアを含め8チャンネル分の高効率のデジタルアンプ。このアンプに入力する前に、DSPによって車体特性に合わせた音場補正を行っている。このオーディオシステムは、ネットワークとスピーカーから構成されているので、再生装置そのものは自分で選ぶことができる。たとえば今回の試乗車はパイオニアのカーナビが設置されていたが、ディーラーオプションで他社を選べば、そちらのオーディオ再生を利用することもできる。

試乗車にはパイオニアのカーナビが付いていたが、ディーラーオプションで他のナビも選ぶことができる

パイオニアのナビの場合、Bluetoothによる音楽再生も可能だ

といった解説は置いておき、実際のインプレッションはというと、前述したように中域以上がフロントガラスとダッシュボードの間から耳に届くため、クルマの中としては音場が整っているのが第一印象。音域バランスもよい。高域の解像感、音像の先鋭さは求めてないようで、心地よくリラックスできる音になっている。

停止中は低域過多と感じるが、おそらくこれは意図的なもの。走り始めれば中低域から低域にかけて、(さほどスピードを出していなくとも)エンジン音や走行ノイズが被る。故に低域はボリューム感たっぷりに作り、走行中にちょうどよくなるように調整しているのだろう。

あとから説明を受けたのだが、BOSEのサウンドシステムには、AUDIOPILOT2という機能が働いており、走行中のノイズによって影響を受けやすい低音域を中心に自動補正がかかるのだという。また、トンネル内などで走行ノイズが明らかに高まる場面になると、ボリュームレベルも自動調整されるのだそうだ。たしかに走行中、音量レベルをあまり気にせずに音楽を楽しむことができた。

走行中に聴く音楽となれば、ポップスやロック、あるいはジャズあたりが多いだろうか。それらを解析的に聴くのであれば、そこはまた別の評価があるだろうが、快適に長距離を移動するための上質な空間を演出する、という意味で、マツダとBOSEの取り組みは成功していると感じた。

さて、そんな話をしている間に有楽町の駅がやってきた。

ダイナミックなボディラインに感心しきり

いつもドライブをしていると、他のクルマを眺めながら「クルマのかっこよさはヒップラインが決める」と呟いている我が妻。アテンザ・ワゴンを見つけると、まずはその後ろ姿が気に入ったようだ。

おしゃれな街並みに栄えるアテンザのデザイン

どの角度から見ても完成度の高いデザインだが、妻は特に後ろ姿が気に入った模様

フロントフェンダーからのプレスライン、フロントドアを起点としたプレスライン、そしてリアに流れていくプレスライン。三つのラインが織りなす躍動的なデザインが印象的なアテンザだが、そのラインが織りなすイメージが、上手にコンビネーションランプやハッチゲートのラインにつながっているところに美しさを感じるという。

パッと見て、欧州風のFR車に近いプロポーションを持つアテンザを、我が妻はそもそもFF車だとは意識していないようで「ウチのクルマと比べると、ボンネットが長めでスタイルが整っているし、顔つきもカッコいい」と満足している様子だ。満足しているのはボディカラーも同じ。彼女はセダンのイメージカラーでもある特別色の赤が気になっていたようだが、アテンザ・ワゴンのブルーを見ると「ウェブやカタログで見るのとはぜんぜん違う」と、今回の試乗車の色について話をしはじめた。

男どもの場合、たいていは表面的な印象だけで色を語るものだが、彼女はアテンザの色は色が街中の風景や定番の洋服など、背景や使う人間の身に付ける色とのマッチングがよい、と話す。丸の内の路地に置かれたアテンザ・ワゴンを見た瞬間、その周りの風景や行き交う人達のコート、バッグ、靴などと溶け込んで一体化していた……という感想は、100%理系のガサツな僕にはわからない感覚だったけれど、たしかにそう言われればアテンザは洗練された都会の風景の中に“溶け込んでいる”。

欧州車の雰囲気も醸しだしつつ、日本的な佇まいを感じさせるアテンザ・ワゴンのスタイリングばかりに気を取られていたが、実はその“よいじゃない”という印象は、カラーリングも含めたトータルの演出があるのかなと思いはじめた。

存在感のあるフロントフェイス

フロントフェンダーからのライン、そしてフロントドアからのライン、そしてリアフェンダーを走るライン、三本のプレスラインが印象的なサイドビューを演出する

ワゴンにはルーフレールが装備される

セダンの後ろ姿もよいがワゴンのそれも完成度の高いデザインだ

女性の視点から見てもアテンザのスタイリング、そしてカラーは魅力的なようだ

視界の広さ、運転のしやすさがポイントのインテリア

そんな話をひとしきりした後、彼女にドライバーズシートに座ってもらう。電動シートでポジション調整。高級車では当たり前のポジションメモリで、私と妻の位置を別々にメモリーするところまでレクチャーして、助手席に乗り込んだ。ちなみに助手席にはポジションメモリはないものの、フル電動シートである。ドライバー側のみ電動という車種も少なくないなか、きっちりと押さえるところは押さえている。

インテリアの第一印象は……と尋ねる前に、自分から話した第一声は「視野が広くて運転しやすそう」だった。なるほど。その感想はたしかにあるかもしれない。

横置FF車の場合、そのコンパクトなレイアウトを最大限に活かすため、エンジンルームを可能な限りコンパクトにした上で、ダッシュボード周りの空間を広めに取るデザインを採用しているものが多い。中にはエクステリアデザインとの合わせ技でAピラーを前方に配置し、さらにインテリアも工夫することで、塊感のある未来的デザインを志向している車種も見受けられる。これはこれで興味深い取り組みだけど、僕らのように40代半ばの夫婦にはちょっと縁遠い。

しかしアテンザはまるで逆の印象をドライバーやパッセンジャーにもたらす。センターコンソールのデザインは、ドライブシャフトへとつながる縦置きのトランスミッションの存在を感じさせない、圧迫感を感じないFF車らしいデザインだが、メータークラスターを中心としたドライバーからの視野は、FR高級車のそれなのだ。

妻から言われて見回してみると、たしかに助手席から見回しても視野が広い。普段乗っているクルマ(横起きFFベースの4WD)と比べると、同等のエンジンレイアウトなのに、Aピラーの位置がずっと手前にある。それによって圧迫感を感じさせそうだが、メータークラスターまわりのデザインを含めた適度な包囲感は、むしろ居心地のよさを感じさせるほどだ。

この感覚は、昔乗っていたFRベースの4WDワゴンにも通じるもの。なんてことを思っていたが、ボンネット長めのFR車風スタイルは、FF車らしくないボディ各部のバランスが織りなしているものなのだと気付かされた。

もし、アテンザ、アテンザ・ワゴンに試乗する機会があるなら、FF車っぽい広々としたセンターコンソールと、FF車っぽくないフロントガラスを通しての風景を見比べてみてほしい。ああなるほど!と、その新しい感覚、そしてスタイリッシュなボディプロポーションの理由に手を打つことだろう。

運転席からの視界。ダッシュボードが短くAピラーが手前にあるため視界が広い

ティルト&テレスコピックステアリングで、女性でもシートポジションが取りやすい

電動パワーシートの運転席はランバーサポートも電動。ポジションメモリーがある

助手席も電動シートだ。クルマの雰囲気に違わない装備だろう

ロングノーズでAピラーが後方にあるデザイン。実はこのデザインが視界をよくしている

セダンよりもホイールベースが短くなっているワゴンだが、後席の広さも十分。大柄の男性が前席後席に座ってもニースペースはコブシ1つ分を確保

試乗車は本革シートだったが、妻が特に気に入ったのがシートヒーターだ。女性には強い味方らしい

見やすいサイドミラーとRVMで苦手の首都高速を克服

日本で1.8mを超える大きさとなると、とかく取り回しが大変……という印象を持ちがちだ。クルマの大型化は世界的な流れで、1.8m超のボディはアテンザのような高級セダン・ワゴンでは決して珍しくない。

普段乗っている我が家のクルマに比べると9cm、なんて言うと、やや妻も臆するところがあると思ったので、中心線を基準にして左右に4.5cmずつ大きいという話をした。最小回転半径も決して小さくはないが、よく言う「取り回しの善し悪し」は全幅の大きさだけではなく、ハンドル操作なども含めた全体の扱いやすさで考えるべき、と納得したようだ。

たしかにサイズは大きいけれど、かといってコンパクトカーばかり運転してきた自分では取り回せないほどではない。こればかりは実際に乗ってみなければわからない。乗ってみなければわからないと言えば、前回もお伝えした各種センサーを活用した快適ドライブ装備。中でもとりわけ彼女が喜んだのが、RVM(リア・ビークル・モニター)である。

実は我が妻は、首都高の環状線を通るのが大の苦手。都心部の一般道もあまり好んで走りたがらないが、曲がりくねったC1は運転になれた我が家のクルマでも通らない。C1方向に行くぐらいなら、クルマを使わないと言い切るほどだ。

ミラーの中に映る景色に他車が溶け込み、曲がりくねった中で周りの状況を把握するのが難しい、というのが彼女の主張。頻繁なレーンチェンジを繰り返さなければ目的のレーンに入れないのに、周りの状況が把握できず、怖くて運転できないという。

そんな彼女がハンドルを握って首都高速に入り、ほんの少しだけC1を通って三郷を目指す。その途中、左右レーン後ろに他車があるかどうかをミラー内のインジケータで知らせてくれるRVMの存在が、首都高に臆する気持ちを少しだけ和らげてくれた。レーンチェンジ時に打つ3秒間のウィンカー。この間にRVMが他車を検知していると、そのインジケータは点滅して危険を知らせてくれる。

普段からクルマの運転はしている彼女だけに、実際の運転技術に問題があるわけではない。そこにちょっとした安心感を加えることで自信が出て、慣れることで首都高速も克服できた。縦方向のサイズが大きめで、後方視界が得やすいサイドミラーデザインも、大いにその自信を与えることに寄与したという。

普段は妻が自分では走りたがらない首都高をアテンザでドライブ

アテンザに搭載される多くの運転支援装置の中でも、斜め後方のクルマの存在を警告してくれるRVMが特に安心感を与えてくれたようだ

最初は乗り慣れないクルマに緊張していた妻も、走るほどにアテンザの扱い安さになじんできたようだ

女性視点でも納得の走り。機敏な動きと相反する高燃費

次の目的地、新三郷にあるコストコ(実は輸入食材などのまとめ買いのため、我が家では定期的に通っている店でもある)へと向かう。新三郷のコストコは、首都高をかなり手前で降りて、ややトリッキーな側道を抜けて行く必要があり、ここでも運転手の役目はいつも僕。妻は決して一人では行こうとしなかった。しかし首都高で自信を持ったのか、幅の大きなアテンザ・ワゴンでスイスイと一般道もすり抜けていく。

「ダルい感じがなく、アクセル操作やハンドル操作に対して、クルマが思う様に動いてくれるからラク。これならクルマ全体の大きさを感じない」とは妻の弁。

普段、乗り慣れた我が家のクルマは、輸入の2ボックスカーなのだが、標準で固めのローダウンされたサスペンションが入っており、コンパクトなボディに3.2リッターのガソリンエンジン。これにデュアルクラッチのATの組み合わせなので、かなりダイレクト感のある乗り味だ。

代車などでトルコン付きの中・大型セダンに乗ると、いつもダルくて運転しづらいというのだが、アテンザ・ワゴンのATはトルコンのよい意味での緩さと、アクセルワークに対するダイレクトな応答性のバランスに優れていると思う。

次の目的地は三郷にあるコストコ。普段から利用しているお店だ

コストコに向かう入り組んだ道や、駐車場などでも、車両感覚がつかみやすく運転しやすかったようだ

加えて2.2リッターのディーゼル・ターボの強大な低速トルクが加わり、ちょっと特殊な我が家的クルマの好みから見ても良好な運動性を実現しているのだろう。と、ここまで来て、彼女に“ディーゼルエンジン”であることを伝えるのを忘れていた。

僕ら二人はAT限定免許のない時代、自動車教習所でディーゼルエンジンのマニュアル車を使って免許を取得した。それだけに、自家用車用のディーゼルがどんなものかはよく知っているが、どうも言われるまで気付かなかった模様だ。「ちょっと音質が違うかな?」程度で意識せずに乗れていた、というだけで感想としては充分だろう。

ちなみに街中での撮影でちょこまかと動きまわりながら、新三郷のコストコに辿り着くまでの平均燃費は、アテンザ・ワゴン内蔵の燃費計で約16km/L。我が家のコンパクトカーの2倍の数字な上、レギュラーガソリンと比較しても1割くらい安価な軽油。しかも、数字の上での馬力はともかく、実用域での走りは同等以上のパワフルさを感じているのだから、これはもう満足と言うほか無かろう。

言われるまでディーゼルだと気がついていなかった妻

燃費もよい上に燃料代がレギュラーガソリンより1割程度安い軽油だと、維持費はだいぶお得になりそうだ

ラゲッジルームの進化と使いやすさにも納得

さて新三郷のコストコでスタッフがアテンザ・ワゴンを撮影している間に、僕らはコストコで“本気のお買い物”。時間が少なかったため、普段の半分ぐらいだけど、それでもやっぱりリアハッチゲートのあるワゴンは便利だ。

熱心なスキーヤーだった僕ら二人は、カービングスキー登場前、必ず4WDのワゴン車を選んでいた。リアシートを倒せば長いスキー板も室内に載せることができるからだ。それが短いカービングスキーになり、Bセグメントのハッチバックでも移動に困らなくなったのだけど、ワゴンを乗り継いできただけに、その使い勝手にはウルサイ……と書きたかったのだが、ワゴンに乗っていなかった7年間のギャップは大きかった。

昔は使い勝手が悪く、どちらかと言えば邪魔な存在だったトノカバー。治安の悪い国なら、それでも使いこなす必要があるだろうが、僕らはいつも取り外してしまっていた。ところがアテンザ・ワゴンのトノカバーはリアハッチゲートの動きに連動。カバーを付けたままで荷物の積み卸しができるよう工夫されている。しかもトノカバーの取り付け部とリアシートの間に少し隙間を作れるから、リアシートの上から手を伸ばして荷物を取り出すことも可能だ。

もちろん、ラゲッジ側からリアシートを倒せる機能や、照明の配置、電源アクセサリソケットなども用意されており、これなら不満はまったくない。

斜めに寝ているハッチゲートのデザインも、開口部が広く出し入れがしやすいという利点もある。大きな段ボールを大量に積み込みたい、なんて時にはハッチゲートが切り立ったデザインの方がたくさん荷物を積み上げることができるだろうが、後方スペースを気にせず開閉できるなど、パーソナルな用途ではむしろ使いやすさの方が勝るんじゃないかな? などと妻と話しながら、家路へ向かったのである。

コストコでのまとめ買いでも全く問題なさそうな荷室

リアゲートを開けるとトノカバーもリアゲートについて上がる。これはすごく画期的!!

トノカバーは外す事も可能で、外したトノカバーはサブトランクに収納できる

リアゲートの脇にあるリモコンレバーでリアシートを倒すことができるのも便利だ

リアシートは6:4分割可倒式。シングルフォールディングながら比較的フラットな荷室になる。ちなみにリアシートは強固なシートバックフレームにより、例えば急ブレーキなどでラゲッジの荷物がぶつかったとしても、後席乗員への衝撃を防ぐ構造になっている

欧州車好きにこそ乗って欲しいアテンザ・ワゴン

Car Watchのスタッフに言わせると、僕ら二人には“欧州車好き”というイメージがあるのだそうだ。たしかに今使っているクルマはドイツメーカーの大衆車だが、実は輸入車を選んだのはこれが最初。その走りのよさに惚れて購入したものの、好みに合うクルマがあるならば、できる限り国産車を選びたいと思っている。

そんな中でここ数年のマツダ車には常に注目していたのだけど、アテンザ・ワゴンはまさに我が家の要求にジャストフィット。担当者は「本田さんなら気に入る」と思って誘ってくれたそうだが、全く反論できないぐらいピッタリ。欧州車、特にドイツ車が好きという人は、是非とも実際に試乗して欲しい。

とはいえ、マツダが欧州車をマネして“欧州車風味”のクルマ作りをしている、とも感じなかった。そこには日本という場所にマッチした、独特の具合のよさも感じる。それは細かな使い勝手への配慮であったり、街中をすり抜けていく際の運転感覚だったり、あるいはスタイリングだったり。日本車であること、そしてマツダ車であることを主張して止まない何かを感じる。

僕は仕事柄、いろいろな分野における物づくりの現場に触れ、幾度も感動を感じてきた。それはスペックでは表せない、作り手のちょっとした配慮や仕上げの丁寧さといった部分である。そうした“物づくりへのコダワリ”に接しての感動。それはこのアテンザ・ワゴンにもあった。この感動を共有するには、僕の拙い文章ではまったく足りない。少しでも興味を持ってくれたなら、是非とも試乗してみて欲しい。きっと何かを感じることができるだろう。

本田雅一がマツダ「アテンザ」に乗ってみた(前編) ロングドライブでSKYACTIVの実力を満喫

(本田雅一)

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