デジタルワイヤレス・アクティブスピーカー MXSP-HF5000

 自室で気軽に使えるスピーカーはないかな? と探し中の俺。iPodなどのポータブルプレイヤーに入れた音楽を、気軽&気楽に聴きたいんである。まあヘッドホンという選択肢はあるが、自室でヘッドホンとかしたくないんですよ〜リラックスして音楽聴きたいんですよ〜、みたいな。

 スピーカー、希望としては、場所を取らずどこにでもサッと設置できるサイズ。あんまり大きくないのがイイ。とは言ってもある程度音質の良さは欲しい。それから扱いがラクなほうがいい。あと各種音源を手軽につなげられること。外見的なスッキリ感も欲しい。配線とか面倒なのはイヤ。

 って希望多いな>俺!! 超ワガママだな>俺!! そんな都合のいいスピーカーなんてあるわけナイ……と思ったらあった!! 日立マクセルから発売された「デジタルワイヤレス・アクティブスピーカー MXSP-HF5000」である。

 まずは目を引くその外見。この現代的なデザインはみやけかずしげ氏によるものだそうだ。ちなみにボディーカラーはホワイト、レッド、ブラックが用意されている。もちろん、スピーカー部とコントローラー部の色はお揃いになる。

ホワイト、レッド、ブラックの3色が!!

 超気になるのが「デジタルワイヤレス」という点。スピーカーとコントローラー部(音源をつなぐ部分)は無線式。これはいかにも便利そう!!

 そして音質。素性の良い音が出るらしいが、それに加えてHiFiREVERBという独自の音響技術を搭載しているとのこと。これにより比較的に小さな音でも臨場感溢れる音で聴けるんだそうだ。

 というわけで俺としてはこの「デジタルワイヤレス・アクティブスピーカー MXSP-HF5000」に興味津々!! 以降、実際に使ってみてその機能や使用感などについて書いてみたい。

マルチモニターで生じがちな問題

幅41.7cmで棚にもスッポリ 高さ14.8×奥行き18cmとコンパクト ワイヤレスなので端子が少なく、接続も簡単

 コレは良さげだゼと使い始めた「デジタルワイヤレス・アクティブスピーカー MXSP-HF5000」(以下、HF5000)だが、まず良かったのが設置場所を自由に選べる点。コンパクトであり、後述のようにiPodなどの音源からワイヤレスで音を飛ばせる=配線不要であり、さらに左右スピーカーが一体化されているので、空いてる場所にチョイと置ける。

 HF5000のスピーカー部のサイズは、幅41.7×高さ14.8×奥行き18cm。一昔前の言い方をすれば「コンパクトなラジカセサイズ」ですな。背が低めで奥行きもさほどナイ。ので、たとえばちょっとした棚なんかにスッポリ収まる。

 スピーカーはユーザーの耳の高さと同等もしくはやや下に設置するのが理想だが、BGM的に気楽に聴く場合ならそこまで厳密に考えることもない。ので、たとえばPCラックの中段、本棚の空き部分、ベッドサイドやテレビ台などなど、いろいろな場所にサッと置いて気楽に使えるのだ。

 そしてワイヤレスなので、iPodなどの音源とスピーカーをケーブル接続する必要がない。HF5000の電源はACアダプタなので、設置場所近くにコンセントが必要だが、ACアダプタ以外のものとのケーブル接続は不要。「コンセントの近くならどこでも置ける」というのはまさに気楽で手軽でホントにラク!! コンセントの件も、まあ延長コードを使えばいい話なので、実質的には「置きたいところに置けるスピーカー」ですな。

 ちなみに、音源をつなぐコントローラー部とスピーカー本体は、約20mくらいまで距離を離せる。実際に試してみたが、10〜15畳くらいの部屋なら、スピーカーとコントローラーの位置関係はどこでも問題ナシ。手元のiPodの音を部屋の端まで飛ばせる、というイメージで楽しむことができる。

少々色がズレてムラも……じゃあナナオ同型番2台だ!!

 HF5000を使って痛感するのは、スピーカー部とコントローラー部が「デジタルワイヤレス接続」されることからくる利便。チョ〜便利でありかつ大した汎用性なのだ。

 使い方は簡単。まずスピーカー部を設置してACアダプタをつなぐ。次いでコントローラー部にiPodなどの音源を汎用の付属ケーブル(3.5φステレオミニプラグケーブル/20cm)でつなぐ。コントローラー部の電源はACアダプタもしくは単3形電池×4本で、ニッケル水素電池も使える。あとはiPodなどで音楽を再生すれば、スピーカーから音が出る。

 非常にイイのは、コントローラー部がコンパクトで、電池駆動が可能であること。それからコントローラー部のオーディオ入力端子につながる音源なら何でも、ワイヤレススピーカーからその音を出せることだ。

コントローラーの表と裏

 たとえばコントローラー部に電池を入れてiPodをつないだ場合、場所を問わず手元でiPodを操作すれば、音がワイヤレススピーカーから流れ出す。iPodを装着して音を出すスピーカーの類と違い、ワイヤレススピーカーの位置もiPodの位置もほぼ自由。この使いやすさはまさに開放的!! ケーブルの煩雑さやケーブルによる制限がナイってのはヒッジョーに気持ちイイ!!

コントローラーの上にiPodを置くと、ピッタリ

 ちなみに、コントローラー部の連続動作時間だが、電源をアルカリ電池×4本とした場合は11時間、ニッケル水素電池×4本とした場合は12時間。かなりのバッテリー持続時間だが、HF5000の利便を知っちゃうと毎日使うようになると思うので、ランニングコストを抑えられるニッケル水素電池を使うのがいいですな。

 それから「コントローラー部のオーディオ入力端子につながる音源なら何にでも対応」ということだが、要はポータブルオーディオプレイヤーだけでなく、ラジオでもテレビでもでも電子楽器でもパソコンでもゲーム機でも、ナンでもイイんである。PCの音声出力をコントローラーにつなげば、パソコンからの音をワイヤレススピーカーから出せる。手元の電子楽器の演奏も、やはりワイヤレスで飛んで、離れた位置にあるワイヤレススピーカーから音が出る。

 より現実味のあるところでは、たとえばHF5000を使ってプロジェクターからの音を出すこと。プロジェクターで映画などを観る場合、音はスクリーンの真後ろから出すのがイイっすよネ。でもソレってけっこー面倒。プロジェクターとアンプをケーブルでつなぎ、アンプとスピーカーもケーブルでつなぎ、スピーカーをプロジェクターの裏に……と手間もかかるし部屋がケーブルだらけに。

 しかしHF5000なら、プロジェクター(やビデオプレイヤー)とコントローラー部をつなぎ、スクリーン後方にスピーカー部を置く程度。これだけで理想に近い映画視聴用サウンド環境が整うんだから大した手軽さだと言えよう。

ヘッドホンをコントローラーにつないでみた

 なお、HF5000のスピーカー部とコントローラー部は個別に使うこともできる。セットで使えばワイヤレススピーカーシステムとなるが、スピーカー部に直接音源をつなげて鳴らしたり、コントローラー部に別のスピーカーやヘッドホンをつなげて(HF5000のスピーカー部とは組み合わせずに)使うことも可能だ。シチュエーションに合わせて使える汎用性があるんですな。

SX2462Wはワンランク上のモニター

 HF5000は前述のとおりコンパクトなステレオスピーカーだが、そのサイズから考えると十分高音質だと感じられる。低音も高音もボーカル域もよく出る、バランスのとれた音質だと思う。ボリュームも十分。好きな音楽をたっぷり楽しめる。

 それから独自の「HiFiREVERB」を搭載していること。これはNTTエレクトロニクス株式会社の技術を応用した音響効果で、ホールやスタジオで演奏を聴いているときのようなライブ感をもたらすという。

 具体的には、まず音楽などのサウンドを直接音と残響音に分離する。楽器などから出てダイレクトに耳に入るのが直接音、壁などに反射して耳に入ってくるのが残響音ですな。この残響音部分のみをコントロールすることで、本来の音質を大きく変えることなく、ホールやスタジオで生演奏を聴いているような音響効果を付加するのだそうだ。

 なるほど。そうですか。ていうかイマイチよくわかんないんですが、どういうモノなのか実際に聴いてみた。

 ら!! これは新鮮。上記のシクミを説明されたときは「楽器のエフェクターのリバーブみたいなもんか?」と思っていた。しかしだいぶ違う。ノーマルのサウンドの状態を聴いている状態でHiFiREVERBをオンにすると、フワッと空間が広がったように感じるのだ。前方で響いていた演奏が、左右にも響き渡ったようなイメージ。平坦だった音色にツヤが加わったという印象にもなる。

 かなり良かったのがアコースティック楽器。たとえばソロギターや、楽器数があまり多くない演奏だ。汚れた窓を外して観た風景のように、音のそれぞれがクリアかつ艶やかになって現れる。そういった豊かで繊細な音に包み込まれるような感覚。これはヒッジョーに新鮮だし、それ以上に気持ちイイ!! ので、ぜひ、お気に入りの音源をHF5000につないでHiFiREVERBを体験してみて欲しい。

ややっ、空間に広がり感が! これは気持ちイイ!!
 

このHiFiREVERBは、使うスピーカーや好みに合わせて効果の強弱を調整できる。前述のように「コントローラー部に別のスピーカーやヘッドホンをつなげて(HF5000のスピーカー部とは組み合わせずに)使うことも可能」なので、より大きなスピーカーやお気に入りのヘッドホンでこの「フワッと空間が広がる音響体験」を楽しむこともできるのだ。

 それとHiFiREVERBには、音の豊かさなどの良さとは別に、ひとつの「利便」が感じられた。というのは、HiFiREVERBが小音量でも効果があるということだ。小さな音量で鳴らしても上記のような音響体験を楽しめる。ので、小さな音量でも満足のいく音楽鑑賞になる。時間帯や住環境により「スピーカーでの音楽鑑賞がなかなかできない」という人にもよく向くHF5000なんですな。

 てな感じのHF5000。一見「なんかカワイイ」という印象のスピーカーだが、その機能〜使用感〜利便、そして音質に至るまで、じつはかなりの実力派。「ワイヤレスで音が良くてさらに汎用性も高い」という点では、ライバル不在かもしれない。パーソナルユースで使いやすく高音質なスピーカーを探しているという人は、ぜひ一度チェックしてみてほしい。

(スタパ齋藤)

プロフィール

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。

関連情報

■MXCP-HF5000 (ニュースリリース)
http://www.maxell.co.jp/jpn/news/2012/news120322.html

■日立マクセル株式会社
http://www.maxell.co.jp/jpn/

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■マクセル、残響制御技術「HiFiREVERB」搭載スピーカー
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20120322_520566.html