置くだけでラクラク充電&専用カバーでコネクタも保護 iPad 2専用ワイヤレス充電器「エアボルテージ for iPad 2」

専用カバーを付けて、スタンドに置くだけ。たったこれだけで、iPad 2をワイヤレス充電できるようになるマクセルの「エアボルテージ for iPad 2」。そのしくみと実際の使い心地に迫ってみよう。

ビジネスシーンで活躍するiPad 2に最適

エアボルテージ for iPad 2

 カタログやパンフレットとしての利用、プレゼンテーションや顧客向けプランの提示、教育機関でのインタラクティブな学習ツールとしての活用など、適度なサイズと使いやすいユーザーインターフェースで、さまざまなシーンでの活用が進むiPad 2。プライベートな個人用端末としてももちろんだが、最近では街中や企業の中で使われるケースが増えてきている。

 そんなiPad 2専用のアイテムとして、今回、マクセルから新たに発売されたのがワイヤレス充電器セットの「エアボルテージ for iPad 2」だ。

 iPad 2に装着するカバーの「エナジーカバー」と、本体を置く充電台の「エナジースタンド」がセットとなっており、文字通り、iPad 2にケーブルを接続することなく、置くだけで充電できる製品となっている。

 リビングなどで家族みんなが使うiPad 2に手軽に充電できるようになるのはもちろんだが、この「エアボルテージ for iPad 2」が、活躍しそうなのは、やはり前述したビジネスシーンだろう。

 最近では、スポーツクラブや学校などで、iPad 2が使われるケースが多くなってきているが、こういった頻繁にiPad 2を利用する場所では、利用と終了のたびに、充電のためのケーブルを抜き差ししていたのでは、業務効率が低下してしまう。

 また、頻繁にケーブルの抜き差しをしたり、いろいろな場所、いろいろな人に使ってもらうことを考えると、本体の故障リスクをいかに減らすかが重要になる。このような点を考慮すると、専用カバーでコネクタを保護しつつ、ワイヤレスで充電できる「エアボルテージ for iPad 2」が業務の効率やコストに貢献する部分は大きいというわけだ。

電界結合方式を採用したiPad 2専用製品

 では、実際にどのような製品で、どのように利用するのかを見ていこう。まずは、ワイヤレス充電の方式だが、「電界結合方式」を採用している。

 「エアボルテージ」という名前に聞き覚えがある人は、「ん?」と思うかもしれない。すでにiPhone 4用のソリューションとして発売されている「エアボルテージ」では、「Qi(チー)」と呼ばれる電磁誘導方式を採用しているが、今回の製品では、これとは異なる方式を採用していることになる。

 そもそも、電界結合方式とはどのような方式なのかというと、送信側と受信側の電極の間に発生する電界を利用してエネルギーを伝送する方式となっている。電磁誘導方式では、ステーションとカバーの両方に内蔵されたコイルによって発生した磁界の働きでエネルギーを伝達したが、電界結合方式では磁界ではなく、電極間に発生する電界によって送信側と受信側にエネルギーを伝送する。

 なぜ、異なる方式が採用されているのかというと、iPad 2を充電するためには、高い伝送電力性能が必用になるからだ。従来のエアボルテージで採用されていた規格のQiでは、5W以上の伝送が規格化されていない。これに対して、電界結合方式を採用した今回の「エアボルテージ for iPad 2」では、10Wの電力伝送が可能になっている。ワイヤレス充電には、さまざまな方式が存在するが、現状は利用する機器に合わせて適切な方式を選んでいるというわけだ。

 このため、これまでのiPhone 4用のQi規格と今回の製品は同じエアボルテージでも互換性はなく、あくまでもiPad 2専用として利用することになる。仮に、従来のエアボルテージの充電用カバーを装着したiPhone 4をエナジースタンドに設置しても充電できないので注意しよう。

iPad 2のデザインを損なわないエナジーカバー

 実際の使い方はとてもカンタンだ。まずは、エナジースタンドを準備する。持ち運びなども考慮していくつかのモジュールに分かれているので自身で組み立てるのだが、付属のACアダプタを接続して、台座部分をはめ込めむだけなので、特に迷うことはないだろう。

エナジースタンド
カラーバリエーションは、黒と白の2色

エナジーカバー
こちらもカラーバリエーションは、黒と白の2色

ACアダプタを接続した状態

装着は簡単


エナジーカバーの底部と左右側面には静電気を逃がすための金属パネルがある

 続いて、iPad 2にエナジーカバーを取り付ける。エナジーカバーは上下に2分割された構成になっているため、まずは下側の部分を取り付ける。エナジーカバーの側面を見るとガイドレールがあるので、ここに沿ってiPad 2を滑り込ませるようにしてセットする。

 エナジーカバー内側の底にあるコネクタがiPad 2に差し込まれるように差し込んだら、上部のパーツを同様に差し込む。背面のつなぎ目を見ながらカッチリと上下のパーツをつなぎ合わせれば装着は完了だ。

 それにしても、このカバーの完成度は高い。ブラックとホワイトとiPad 2のカラーに合わせて選べるのはもちろんだが、幅191mm×奥行き265mm×高さ15mmとiPad 2のサイズ感を損なわない程度の大きさに押さえられているため、カバーを付けて手に持ってもほとんど違和感を感じないし、画面操作やボタン類の操作にも邪魔にならない。むしろ、側面のフチの部分などは、片手で持ったときにイイ感じのひっかかりになるため、持ちやすさが向上した感覚さえ受ける。

 本体下部にアースと静電気を逃がすための金属パネルが装着されているうえ、背面に充電用の受信部が内蔵されているため、重量は240g増となるものの、これなら十分許容範囲だ。

 iPad 2の利用者の中には、キズなどから保護する目的で市販のカバーを装着して使っている人も少なくないかもしれないが、そういったカバーと感覚的にはほとんど同じと考えて差し支えない。

 前述したように、スポーツクラブや学校などで使う場合、不特定多数の人がiPad 2に触れることから、本体をいかにキズや故障から守るかが重要な課題になる。不用意に落としたり、テーブルの上などに雑に置かれるなど、さまざまなシーンでの利用を考えると、カバーはむしろ必須とも言える。

 そう考えると、単なるカバーではなく、充電もできるカバー「エアボルテージ for iPad 2」は、まさに一石二鳥の存在と言えそうだ。コネクタ部分を保護せずにiPad 2を使っていて、故障したときのメンテナンスコストなどを考慮すると、最初からある程度の投資をして、しっかりと保護しておく方がトータルのコストとしては有利だろう。

ケーブルとほとんど同じ充電時間

「エアボルテージ for iPad 2」を使って充電したときの様子(バッテリーログ使用)

 充電性能はどうだろうか? ワイヤレス充電と聞くと、充電時間が長くなるのではないかと心配するかもしれないが、決してそんなことはない。iPad 2に10W USB充電アダプタを利用してコンセントから充電した場合、フル充電にかかる時間は約3時間強となるが、「エアボルテージ for iPad 2」を使った場合も、ほぼ同じ時間で充電可能となっている。

 実際、残量1%まで使ったiPad 2を「エアボルテージ for iPad 2」で充電してみたところ、約1時間で30%、2時間で60%となり、3時間ほどで90%まで充電できた。

 前述したように、「エアボルテージ for iPad 2」は、USB充電アダプタと同じ10Wの伝送が可能となっており、iPad 2を電源コンセントから急速充電する場合と、効率的にはほとんど変わらないことになる。USBケーブルを使用してPC経由で充電する場合よりも速く充電できるのは大きなメリットと言えるだろう。

 充電方法もカンタンで、本体をエナジースタンドに置くときなどに、あまり位置を意識しなくて良いのがありがたい。電界結合方式は、送信側と受信側の水平方向の位置の自由度が高いことが特長の1つとなっている。

 USBケーブルの接続は、コネクタの向きを確認したり、斜めに差し込まないように気をつけたりと、何度も頻繁に繰り返すとストレスになることがあるが、「エアボルテージ for iPad 2」なら、こういったストレスとは無縁だ。

miniUSBポートも装備


 しかも、エナジーカバーの右下側面にはminiUSBのポートが用意されており、ここに付属のUSBケーブルを接続することで、カバーを付けたままPCに接続することもできる。iOS 5の登場でWi-Fi経由での同期も可能になったが、このポートのおかげでUSB経由での同期も可能になっている(同期中は充電は中断される)。

 そもそも、iPad 2の充電コネクタは、何度も繰り返し抜き差しすると接触が悪くなってきたり、少し力を入れる方向を間違えただけで壊れてしまうこともあるが、物理的なケーブルの抜き差しが必要ない「エアボルテージ for iPad 2」なら、こういった故障の心配からも解放されるというわけだ。

 先に、ビジネスシーンでの利用におけるiPadのコストについて触れたが、この点からも保守費用の心配から解放されるメリットは大きい。置くだけで手軽に充電できるというメリットはもちろんだが、iPad 2を長く、大切に使うという意味でも「エアボルテージ for iPad 2」を導入する価値はありそうだ。

縦横どちらもOKで立てかけたままでも使える

iPad 2を横向きに置いても充電可能

 このように、充電の手間と故障のリスクを軽減することができる「エアボルテージ for iPad 2」だが、今後様々なビジネスシーンでの活用の幅を広げることにも役立ちそうだ。

 たとえば、スタンドを使って、立てかけたまま使うことができる。充電しながら、常に情報を表示しておくための端末として使うこともできるうえ、たとえばテーブルなどで立てかけて、顧客に何かを説明しながら操作するのに使うこともできる。

 一般的なスタンドでも立てかけたまま使うことは可能だが、そのまま画面をタッチ操作すると、コネクタ部分に負荷がかかる可能性がある。

 これに対して、置いてあるだけの「エアボルテージ for iPad 2」なら、余計な負荷を心配する必用はないうえ、縦方向だけでなく、横方向にでも充電しながら画面操作をすることができる。顧客に、横方向でビデオを見せ、そのままスタンドから取り上げて別の資料を表示、再びスタンドにたてかけて充電するといった一連の流れが、実にストレスなくできるわけだ。

 iPadを顧客に対しての説明ツールなどとして利用しているシーンでは、これほど実用的な環境はないと言っても過言ではないだろう。実際、大手スポーツクラブの「東急スポーツオアシス」では、iPad 2を使って顧客に入会案内の資料を見せたり、エクササイズプランを画面を見ながら作成、入会動機のアンケート取得といった方法で活用しているが、その環境に「エアボルテージ for iPad 2」を組み合わせて導入することで、充電を含めた運用がより楽になった例もある。

受付での利用シーン。「エアボルテージ for iPad 2」導入により、充電のためにバックヤードに持ち込む手間がなくなった

「ミライタッチQuickアンケートアプリ」でペーパーレスに

館内の案内は、これ一台で便利。もちろんエナジーカバーはつけたままだ

 今後、iPad 2は、さまざまなビジネスシーンでの活用が期待されているが、実際の運用や保守まで考えて運用することが、最終的な成功の鍵にもなりそうだ。

iPad 2の必須アイテム

黒いiPad 2に白のエナジーカバーを装着してもおもしろい

 このように、マクセルの「エアボルテージ for iPad 2」は、ワイヤレス充電という技術的な側面だけでなく、実際のiPad 2の利用シーンや運用管理を改善する非常に便利なアイテムと言える。

 もちろん、自宅で使うiPad 2の充電に活用するのもおすすめだが、ビジネスシーンでの活用を考えているなら、もはや必須のアイテムと言っても良さそうだ。「エアボルテージ for iPad 2」で、iPad 2をより価値のあるツールへと進化させてみてはいかがだろうか。

(清水 理史)