2年ほど前、地デジをはじめとするハイビジョン放送を視聴し始めた俺。高画質で観られるわ録れるわで、あーこりゃ快適!! 愉快!! ハイビジョンってステキっ!! とか“当初は”喜んでいた。
が、間もなく予期せぬ鬱憤を感じることに。
まずソッコーでレコーダーのHDDが満タンになるわけですよ。アレもコレも、おっとソレもと番組を録画しまくるので、HDDは録画でいっぱい。消すに消せず、じゃあBlu-rayディスクにムーブでしょ!! と解決し……たと思ったのも束の間。新型鬱憤発生。
たとえばHDD→Blu-rayへの番組ムーブに思いのほか時間がかかること。それからBlu-rayディスクは薄いものの、ケースに入れて何枚もたまると整理が面倒&収拾がつかなくなりがち。
結局、ハイビジョンは美しくて楽しいが、HDD満タン問題、Blu-rayへのムーブ時間、ディスクの整理整頓で、なーんかこう「ハイビジョンって面倒なモノ」という印象が強まってしまった。映像自体は楽しいんだが、その他諸々が鬱憤の元凶になった、と。
そんな俺に朗報!! それはマクセルの「iV」スタイル!! てか、ソレってナニ? すなわち上記の各種鬱憤をシンプルでスマートな方法で全解消しちゃう注目のメディアなのであった。
iV(アイヴィ)はカセット型のHDD(ハードディスク)。iVDRSの名前でも知られる、ハイビジョン録画にもPC用途にも使える汎用のリムーバブルHDDメディアだ。
コレを使うとですね、録画でHDD満タン問題やBlu-rayへのムーブ完了待ちでイライラ問題などをスコーンと解消できるんスよ。iVメディアの追加だけで無限に番組を録画しまくれる、光学ディスクよりずっと高速なアクセスが可能=コピーやムーブの時間もグンと短く快適になる、というわけだ。
このiVカセット、既に日立のWoooシリーズハイビジョンテレビを使っている方にはおなじみですな。具体的には、WoooシリーズテレビのiVポケットに挿したiVカセットに録画できるわけですな。そしてiVカセットはリムーバブル。いっぱいになったら差し替えればOK。必要に応じてiVメディアを追加すればよいので、HDDが録画でいっぱいになって困りんグ〜でもどの番組も消せない〜的な問題はナイのである。
320GBのiVなら、ブルーレイディスクで約13枚分、DVDで約68枚分が1つに収まってしまう! 2009年11月現在、iVの商品ラインアップは320GB、250GB、160GB。間もなく500GBのものも発売されるとのこと。
ちなみに現在、iVカセットは容量別に160GB、250GB、320GBのものがあるが、さらに500GBのものも12月10日に発売される予定だ。こ〜んなに小さいのに、たとえば320GBのiVカセットなら地デジ番組約41時間分も録画できちゃう。Blu-rayディスクにすると約13枚分。容量もスゴいが、13枚vs1個というカセット/コンテンツのコンパクトさも非常に実用的ですな。iV使えばディスクの山とはオサラバって感じ。
要するにiVは、DVDやBlu-rayのように番組をテレビやデッキの外部に保管/整理できるメディアであり、かつ、それらメディアよりもずっと高速にデータを扱え、かつ、スッキリとコンパクトにライブラリ化できるというイケてる映像カセットなのである。
「VDR-R1000」の出力端子は、HDMI(1080i/720p/480p)×1系統(HDCP対応、CEC非対応)、コンポジット映像出力ピンジャック×1系統、アナログ音声出力 ピンジャック(L、R)×1系統を装備。
たとえばiV recorder VDR-R1000。コレはiVカセットに録画できるデジタルチューナーで、地デジ/BSデジタル/110度CSデジタル放送を受信/録画/再生可能だ。つまりデジタル放送用デッキですな。
ぶっちゃけた話、VDR-R1000を手持ちのテレビにつなげば、あら不思議!! ってゅーか普通に、アナタのテレビがiVカセット対応に!! 本日からiVカセットに録画しまくれるようになる。HDD満タン問題、ムーブに時間かかりまくり問題から解放される。
VDR-R1000には出力端子としてHDMI(1080i/720p/480p/HDCP対応)とコンポジット映像出力+アナログ音声出力がある。ので、たとえばHDMI端子を持つPC用モニターが“iV録画対応テレビ”として使えるようになる、というわけだ。
もちろん現在主流のハイビジョンテレビにもつながるので、内蔵HDD満タン状態テレビやHDD/Blu-rayレコーダーに追加/置き換え利用も現実的だ。VDR-R1000はサイズが非常に小さく、縦置きも可能で、さらにファンレスで超静音って点も大きな魅力ですな。
「VDR-R1000」本体はB5サイズよりもコンパクト(幅230×高さ41×奥行き170mm)。 |
重さも約800gと軽量設計だからレコーダーの持ち運びのラクチン! 縦置きでも横置きでもセッティングが可能。 |
拙者的には、まだハイビジョンテレビ購入考え中=アナログテレビを使っている人によく向くVDR-R1000だと思ったりする。
結局、VDR-R1000+iVメディアに録った番組は、画質的にはハイビジョンなのだ。現在はそのハイビジョンコンテンツをアナログテレビで再生するにしても、近未来にハイビジョンテレビを導入すれば最高の画質で楽しめる。今しかやってない番組だけど、テレビがアナログだから低画質で録画すればいいや、みたいな諦めをせずに済む。
電子番組表(EPG)で番組を24件までカンタン予約。 |
「VDR-R1000」は、インターネットのブロードバンド回線を介してさまざまな映像コンテンツを楽しめる「アクトビラ ビデオ・フル」にも対応。映画やスポーツ、バラエティなどお好みの時間に番組を楽しめるのも魅力ッス! |
HDMIケーブルを使えば、カンタン&スマートに接続もできる。パソコンのデータも記録できるから、バックアップとしても使えて便利。 |
付属のリモコンで再生や停止、早送りなども自在に操作できる。リモコン用の単4形乾電池2個も最初からちゃんと付いている。 |
iVカセットのすげ〜でけ〜魅力のひとつとして、容易に保管/持ち運びができることがある。
たとえば単純なところでは、リビングにあるWoooでiVカセットに録画した場合。WoooからiVカセットを抜いて、自分の部屋のPCモニターにつないだVDR-R1000に挿せば、その録画を観られる。既存のテレビ/レコーダー環境だと、こうはスムースに行かない。が、iVなら抜いて、挿して、観るだけ。
もちろん、リビングにWoooじゃなくてVDR-R1000がつながったテレビがあって、自分の部屋にもVDR-R1000がある、というケースでも同様。だが、再生するだけなら、もっと小回りの利く製品がある。iV multi player VDR-P100だ。
上の白い方がiV multi player 「VDR-P100」。「VDR-R1000」と比べて、さらにコンパクト! |
テレビとiV multi player 「VDR-P100」は、ほとんどのTVに対応するので、録画したハイビジョンを別室のTVで楽しんだりもできちゃう。 |
「VDR-P100」の出力端子は、HDMI端子、D端子、S-ビデオ端子、コンポジットビデオ端子(AVマルチ端子)、光デジタル音声出力(5.1ch対応)、ステレオ音声出力(AVマルチ端子)、USB2.0接続端子(B端子)、LAN端子(100Mbps/10Mbps)を装備。
iVカセットは現行の日立Woooハイビジョンテレビシリーズほぼ全機種で使えて、前述のVDR-R1000などでも録画/再生が可能。そして、WoooやVDR-R1000でiVカセットに録った番組を、VDR-P100で観られる。となると……。
たとえば、パパとママとボクとアニキと妹がいる5人家族で、リビングにテレビ&レコーダーがあったとする。パパはスポーツ番組、ママは料理番組とドラマ、ボクはアニメ番組でアニキは映画で妹はバラエティ番組を録りまくり。フツーのテレビやレコーダーだと、速攻でHDD満タン問題が起きるだろうし、夕方〜夜にかけては再生権争い(!?)が起きそうだ。
が、iV対応機器を使えば全解消。
例を挙げれば、リビングにWoooがあるとする。各人、Woooの内蔵HDDに録りまくり。その後、各人専用のiVカセットをWoooに挿し、自分が録った番組をiVカセットにムーブ。そして自分の部屋のVDR-P100やVDR-R1000あるいはWoooにiVカセットを挿し、ゆっくり録画を鑑賞する、てなことができる。
ちなみにVDR-P100、いわゆるネットブックPCよりもずっと小型で軽量。なので、友達の家にVDR-P100とiVカセットを持っていって鑑賞ってのも現実的だ。友達がiV対応機器を使っていれば、iVカセットを持って出かけるだけで済んだりも。
前述のiV対応プレイヤーVDR-P100には、パソコンユーザーにとって「おっ!!」と思える実用性がある。それはパソコン上の動画や音楽を、非常に簡単にテレビで視聴できるということだ。
iVカセットを用いた世界初のソフト「ハイビジョン・オペラ・プレミアムセレクション」がリリースされている。自分の部屋で優雅なヒトトキを味わっちゃったりもできるのだ。
これまでだと、たとえばパソコン上の動画をいったんDVDやBlu-rayに焼く必要があった。もちろんテレビで再生できる設定で、だ。コレってけっこー面倒だし、エンコードにそーとーな時間がかかったり、設定を間違うと焼いたディスクをプレイヤーに入れても映像再生不可能だったりも。
しかし、VDR-P100とiVカセットを使えば、HDD→HDDへの映像コピーの手間&時間程度で、パソコン上の動画をテレビで観られるようになる。ちなみに、VDR-P100で再生可能な動画はMPEG1/2/4、WMV9、H.264。音楽はMP3、WMA、リニアPCM、AACとなっている。また、VDR-P100を家庭内LANに接続すれば、ネットワーク上のコンテンツを再生することもできる。
自分で編集したビデオ、ダウンロードしたフリーの動画など、さまざまなコンテンツを最小限の手間で扱えるVDR-P100。これまではパソコン上で楽しむモンだと思い込みがちだったコンテンツでも、iVカセットとVDR-P100を使えば大画面テレビでたっぷり楽しめるというわけだ。
そんなトコロまで含め、やはりこれからはiVだろ!! とか思う俺。
iVカセット自体はHDDなので、DVDやBlu-rayなどの光学メディアと比べたらムーブなどの処理も速く、一覧表示などのアクセスも快適になる。
さらにiVはリムーバブル。カセットの追加で容量不足を解消できるのは大きな魅力だ。その容量もBlu-rayなど光学ディスクを遙かに超えた大容量なので、1本のカセットに多量のコンテンツを詰め込むのも現実的。
メディア自体のコンパクトさ───文庫本より小さいサイズであることは、持ち運びも容易だし、映像ライブラリを作るにあたっても省スペースで済む。重要な点ですな。
というわけで、現在、番組の録画/再生環境を一気にiVに移行するゼ!! と鼻息の荒い拙者だが、このiVカセットとそれを取り巻く機器群、きっとアナタの録画/再生ライフを大きく変える存在だと思うので、ぜひ一度そのメリットを吟味してほしい。
◆関連リンク
□マクセルのホームページ
http://www.maxell.co.jp/jpn/index.html
□iVレコーダー「VDR-R1000」 特集サイト
http://www.maxell.co.jp/iv/ivrecorder.html
□iVレコーダーの放送ダウンロードアップデート
http://www.maxell.co.jp/jpn/consumer/audio_visual/iv_recorder/update.html
□「iV」世界初、コンテンツ保護技術対応 カセットハードディスク アイヴィ
http://www.maxell.co.jp/iv/index.html
◆関連情報
□マクセル、iVDR録画対応の3波デジタルチューナ
−実売35,000円で8月発売。320GB iVDR付属モデルも
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090709_300883.html
□iVDRカートリッジが国際標準規格として承認
−世界の企業が自由にiVDR機器の開発が可能に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20091028_324811.html
□世界初の「iVDR」ソフトが、69,804円で販売開始
−価格発表。オペラ5作品、約15時間収録
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090819_309429.html
□マクセル、容量500GBのiVDRカートリッジ「iV」
−転送速度も高速化。シルバーを配した新デザインに
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20091125_331178.html
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。