Intel第3世代Core iプロセッサ搭載! 高い処理能力とモバイル性能を手に入れたレッツノートSX2

その実力をハードとソフトの両面から検証する


 2012年6月5日、パナソニックがIntelの最新のCPU、第3世代Core iプロセッサを搭載したSX2をリリースした。第3世代Core iプロセッサは、開発コードネームが「Ivy Bridge」だったCPUで、デスクトップ版はすでに発売されていたが、ここに来てモバイルPC向けの第3世代Core iプロセッサが登場したわけだ。販売は6月8日からの予定となっており、低消費電力でワットパフォーマンスの高いのが特徴。第3世代Core iプロセッサのほかにも、シリーズの全モデルに最新のBluetooth v4.0を搭載。Webモデルには指紋センサーが標準装備となっている。しかし、レッツノートの魅力はそれだけではない! レッツノートを購入したユーザーは、次のノートPC購入時にもレッツノートを選ぶ、いわゆるリピーターが多いと言われている。ユーザーの心をつかんで離さない、レッツノートの最新機種SX2の魅力に迫る!

高性能で高解像度液晶、高いモバイル性能 三拍子揃った使い勝手のよいSX2

 レッツノートSX2は発表されたばかりのIntelの最新CPU、第3世代Core iプロセッサを搭載したノートPC。SX2は、12.1型ワイド液晶を搭載した人気のSX1の後継シリーズで、SX1はS10までのSシリーズのフルモデルチェンジ製品だった。このシリーズは、俗に言うウルトラモバイルクラスのノートPCよりもCPUパワーに優れ、大きな高解像度液晶、それでいてコンパクトで長寿命なバッテリを搭載するノートPCの王道を歩んできた。SX2でもCULV版CPU(Consumer Ultra Low Voltageの略で、ある程度の性能を犠牲にして長時間駆動を目指し低価格化を実現した低電圧プロセッサ)ではなく通常のモバイルモデルのCPUを搭載し、高い性能を誇る。6月5日に発表になったSX2は、パナソニックの夏モデルの目玉であるIvy Bridgeを搭載したシリーズで、売れ筋モデルの代表格的扱いから注目度も高い。ここではSX2を実際に触りながらレビューしていこう。

 評価のためにお借りしたモデルは、マイレッツ倶楽部でのみ購入可能なWebモデル。その中でもプレミアムエディションとして位置付けられている「CF-SX2KENDP」だ。レッツノートは量販店などの店頭で購入することもできるが、量販店で購入できる店頭モデルは細かいカスタマイズなどをすることはできない。店頭モデルで自分にあった製品があるのなら問題ないが、マイレッツ倶楽部ならモデルの選択幅も大きく、カスタマイズも可能なので、一度マイレッツ倶楽部を覗いてみるとよいだろう。

レッツノートSX2
(マイレッツ倶楽部 プレミアムエディション)

高いパフォーマンスとモバイル性能。相反する特徴をバランスよく備えたレッツノートSX2。最新の「Ivy Bridge」を採用した強力なCPUを搭載し、ワットあたりのパフォーマンスが非常に高い。12.1インチで1,600×900という高解像度パネルを採用し、作業もしやすいシリーズだ。指紋センサーを搭載している。


本体右側面

1000BASE-T、USB 2.0ポートのほか、大容量のSDXCに対応したSDメモリーカードリーダーが用意されている。USBポートは左右に用意されており、右側がUSB 2.0で左側にはUSB 3.0ポートが用意されている。本体の厚みは19.2mm、液晶部分が6.2mm。合わせて25.4mmだ。

本体左側面

写真右にあるのが二つ用意されたUSB 3.0ポート。スマートフォンの急速充電やPCの電源オフ時でも充電可能な機能も備えている。映像出力はアナログのD-sub 15ピンとデジタルのHDMIと、二つが用意されている。左のスリットは排熱口でハイパフォーマンスCPUを効率的に冷却する。

本体手前側

一番左が電源のスライドスイッチ。電源投入時には緑に点灯する。すぐ右にはワイヤレス機能を手動でON/OFFできるスイッチを搭載。中央にはヘッドホンとマイクの端子が用意されており、一番右のスライドスイッチをスライドさせれば、光学ドライブのフタが開く。

発表されたばかりの最新モバイル向けプロセッサをレッツノートに搭載

 ここでは、お借りすることのできたCF-SX2KENDPのスペックを、写真も交えながら見ていこう。先にも書いたがSX2には第3世代Core iプロセッサであるIvy Bridgeが搭載されている。プレミアムエディションである本機に搭載されているのは、Core i7-3520M vPro(2.9GHz)だ。まず、この新しいCPUについて簡単に説明しておこう。

 Ivy Bridgeは第2世代Core iプロセッサ(開発コードネーム:Sandy Bridge)の後継CPUとなるが、新しい22nmプロセスルールで製造されており、より集積率の高いCPUが製造可能になった。CPUのアーキテクチャはSandy Bridgeのものを継承しコンパクトになった分、内蔵グラフィックス機能が占める割合が増え強化されている。また、トランジスタの構造を立体的に成形する新しい技術、Tri-Gateトランジスタも導入されており、プロセスルールの微細化と新トランジスタの併用で、ワットあたりの処理能力が非常に高くなっている。また、CPU内蔵のグラフィックス機能や、CPUやグラフィックス機能の状況を監視しながらオーバークロックを行なうIntel Turbo Boost 2.0など、Sandy Bridgeに搭載されていた機能も強化されている。

 ワットあたりの処理能力が高いというIvy Bridgeの特徴は、モバイルPCにとって大きな恩恵をもたらした。それがバッテリでの長時間駆動だ。プロセスルールの微細化とTri-Gateトランジスタにより消費電力が小さくなったため、SX2で長時間のバッテリ駆動を実現している。SX2シリーズのモデルごとに駆動時間が多少違うが、CF-SX2KENDPの場合、Sバッテリで約9時間、Lバッテリでは約18時間のバッテリ駆動時間を実現した。店頭モデルではSとL、WebモデルではSかL、もしくはその両方を選べるため、二つのバッテリを駆使すれば、丸一日以上の駆動時間を誇ることになる。

レッツノートSX2のバッテリ

写真のバッテリはSX2用のバッテリ。奥がLバッテリで手前がSバッテリだ。CF-SX2KENDPではSバッテリで約9時間、Lバッテリで約18時間という、長時間駆動が可能。店頭モデルでは二つのバッテリが付属しており、Webモデルはどちらか一つ、もしくは両方を選択できる。

二つ用意されたACアダプタ

SX2には二つのACアダプタが付属する。左はミニアダプタでSX2の電源が入っていないときには充電を行ない、電源投入時には充電をストップ。動作するための給電のみをする仕組。シチュエーションによる使い分けもでき、片方を自宅、もう一方を会社に置いておけばACアダプタを持ち運ぶ必要がないのがうれしい。

薄型ボディに便利な機能が満載 時代に合わせユーザーニーズを押さえたインターフェース

 SX2の特徴として上げられるのが、ボディの丈夫さと薄さだ。その丈夫さを支えているのが天板のボンネット構造にある。これは車のボンネットによく見られる一部が盛り上がった形状だ。SX2では、薄さを実現するためにボンネット構造の盛り上がりを以前より押さえた形状になっている。また、底面の作りの工夫により、全体的に凹凸の少ない形状になった。SX2の厚みは本体部分が19.2mm、液晶部分が6.2mm、合わせて25.4mmだ。バッグから出したりしまったりする際に引っかかる部分が少なくなり、その薄さと凹凸の少なさで、スムーズに出し入れをすることができるようになっている。ボンネット構造の命である盛り上がりが薄くなったことにより、強度の低下が心配されるところだが、成形の工夫によって以前と同クラスの強度を確保しているとの話をメーカーから聞くことができた。そのほかにも堅牢性を維持するために多数の技術が盛り込まれ、以前は金属での成形が難しかった細かいボディパーツもマグネシウム成形ができるようになった。これによりパームレストを含むトップ筺体の金属化で、大幅な強度アップを実現している。

薄くなったボンネット構造

全体の薄型化に貢献する天板。液晶部分を保護するボンネット構造の出っ張りが小さくなったが、膨らみの端にあたる部分の厚みを調整する工夫されており、以前と同等の強度が保たれている。

シェルドライブ構造の光学ドライブ

光学ドライブは、一般的なサイドトレイタイプと違い、パームレスト下に格納されたシェルドライブ構造。レッツノートではおなじみのこの光学ドライブはシャーシの横に大きな穴をあける必要がなく、全体的な剛性の強化にも役立っている。

本体底面

凹凸がほとんどない、本体底面。足に相当する部分も小さく作られており、極力出っ張りが少なくデザインされている。バッグからの出し入れもスムーズで、必要なときにさっと取り出してすぐに使うことができる。


 性能面では、強力なCPUを搭載していることを前項で述べたばかりだが、搭載される機能も強力だ。Core i7採用機の搭載メモリは標準で8GB。オプションで16GBに変更することもできる。64bitOSの強みである大容量メモリの搭載で、メモリを大量に消費する画像や映像の処理もストレスを感じさせない。CF-SX2KENDPのストレージには高速なSSDが採用されており、クイックブートマネージャーという機能を使うことにより、電源投入からデスクトップの表示までにかかる起動時間はたったの約10秒! まさに驚きの速さだ。SSDは256GBの大容量モデルを採用し、容量でもHDDに引けを取らない仕様だ。

 通信機能としては1000BASE-Tのほか、IEEE802.1nだけでなくIEEE802.11aにも対応した無線LAN、Bluetooth v4.0やWiMAXなど、多様な機能が標準で用意されている。Bluetooth v4.0は従来と比較して大幅に消費電力が低くなっており、パケットサイズは小さいが頻繁にアクセスが必要になるデータ収集の目的などに適している。たとえば、時計やヘッドホンを身に付けて、そこから心拍数などの情報を取得するといった使い方が低消費電力でできるようになった。対応機器も増えてきているため、いろいろな使い方が考えられる。本機に用意されているスマートフォン連携機能(※1)も、Bluetoothによって接続する。

 USB 3.0機器にも対応し、二つのUSB 3.0ポートを本体左側に備えている。本体右側にあるUSB 2.0ポートと合わせて、三つのUSB機器を利用可能だ。ほかにも標準でWebカメラを搭載する。

※1 対応するスマートフォンは、docomo P-04D、SoftBank 102Pです。(2012年6月5日現在)

ワイヤレススイッチ

手動でワイヤレス機能をON/OFFできるスイッチが用意されており、IEEE802.11a/g/nやWiMAX、Bluetoothなどを一遍に電源カットすることができる。物理的に無線機能への電源供給をストップし、節電にも役立つ。

720pの高解像度Webカメラ

標準で搭載されるWebカメラ。720pの高解像度カメラを採用しており、Webチャットなどに利用することができる。旧来のレッツノートではWebカメラの搭載モデルが少なかったが、SX2ではシリーズのすべてのモデルに標準装備されている。


 バッテリは店頭モデルの場合、SとLの二つが付属する。マイレッツ倶楽部で購入する場合にはどちらかを選択するか両方とも選ぶことができる。また、ACアダプタも標準のものとミニACアダプタが用意されている。ミニACアダプタは、容量が小さくPCの稼働中には充電ができないが、小型で持ち運びにも便利だ。もちろん、本体の電源を落とせば充電を行なえる。また、二つのアダプタが付属するため、きまった2カ所でしかノートPCを使わないのなら、持ち運ぶ必要もない。そもそも駆動可能な時間が長いため、通常の外出先の使用であればバッテリで十分まかなえそうだ。

 性能とは直接関係ないが、使い勝手を高めるための機能やギミックも多数採用されている。その一つがキーボードの形状だ。一見すると奥行きの小さなファンクションキーも、よく見ると傾斜が付けられており押しやすくなっている。リーフ型のキートップはタイプミスを軽減するための形状だ。通常のノートPCでは左側に一つだけ配置されるFnキーも左右に配置しており、右手だけでもCtrl+Alt+Delを押すことのできるショートカット機能も用意された。レッツノートではすでにおなじみになったタッチパッドのホイール機能で、Webブラウザなどのスクロールも使いやすい。入力機器であるキーボードとタッチパッドには、気がつきにくいがこのようにたくさんの工夫がされている。USB 3.0ポートは、急速充電を行なったり、PCの電源が入っていなくても給電を行なえる機能も持っており、スマートフォンの充電に役立てることができる(※2)。指紋センサーはWebモデルにのみ装備されている機能で、持ち歩きの多いノートPCを利用する上で必要なセキュリティを高めてくれるので、大事なデータを持ち歩いても安心感を得られ心強い。

※2 ・別途USB充電設定ユーティリティでの設定が必要です。
   ・スマートフォン充電機能に対応するスマートフォンは、こちらをご確認ください。

リーフ型キートップ

木の葉のような形をしたリーフ型キーボード。この形にも意味があり、爪などが引っかかりにくい形状で、キーボードのタイプミスを減らす役割がある。爪を大事にする女性だけでなく、男性にも効果がある。入力効率を少しでも向上するために考えられた形だ。

キーボード全景

左右どちらの指でも押せる「Fn」キーや、FnキーとBackSpaceの組み合わせにより片手で操作可能な「Ctrl+Alt+Del」。ファンクションキーに付いた傾斜で押しやすさを高めるなど、細かいながらもインプットデバイスとしての操作性を向上させるアイディアが満載のキーボード。Webモデルでは日本語キーボードから「かな文字」を消し去ってすっきりとした「ローマ字すっきり」キーボードも選択できる。パームレスト左にあるのは指紋センサーで、店頭モデルにはない装備だ。


 SX2は高い性能と充実の機能で、購入後に周辺機器を買い足したりする必要がほとんどない高性能で高機能なノートPCだ。ユーザーの声を真摯に受け止め、ノウハウの積み重ねにより培ってきたパナソニックならではの細かい配慮が行き届いている。それがレッツノートの最大の魅力とも言える。

マイレッツ倶楽部だけの特別待遇キャンペーンも開催予定

 スペックを駆け足で紹介してきた今回のレッツノートSX2だが、ここまで読んでもらった読者ならSX2の魅力が分かってもらえただろうか。昔からのファンも、これまで使ったことがなかった読者の方にも、レッツノートの魅力が十分伝わったのではないかと筆者は考える。最初に述べたとおり、レッツノートはマイレッツ倶楽部で購入すれば、カスタマイズも可能だ。たとえば店頭モデルでは、天板のカラーは筐体色とセットになったシルバーかブラックしか選択肢がない。マイレッツ倶楽部からの注文ではそれ以外にもカラフルな天板を選ぶことができる。ネームプレートを入れることも可能だ。また、デザイン面だけでなくメモリの増設や、かな文字を排除しただけのローマ字すっきりキーボードなどなど、性能や機能面のカスタマイズも行なうことができる。マイレッツ倶楽部でレッツノートを注文すれば、自分にピッタリの製品を手に入れることができるだろう。

選べるカラー天板

レッツノートはカラフルな天板を選べることも特徴になっている。店頭モデルには筐体色とセットになったシルバーかブラックしかないが、Webモデルではさまざまな天板を選択することが可能。 上段はプレミアムカラーの「マリアナブルー」、「スターダストブラック」。下段(右)は新色の「ファンタズムパープル」。

新色も充実した天板カバー

簡単に着脱できる天板カバーも革張り風の赤と黒の新色が用意されている。(天板カバーは店頭モデル、Webモデルともに装着可能)

本体底面のメモリスロット

本体底面にはメモリの増設用スロットが用意されている。自分で増設してもよいが、Webモデルではメモリの追加注文も可能。Core i7搭載モデルは標準で8GB、最大で16GB、Core i5搭載モデルは標準4GB、最大8GBを搭載することができる。自分で増設するのと違いメーカーがやってくれるので安全な上、相性問題で動作不良を起こす心配もなく確実だ。


『Windows 7 Professional』

ハイエンドノートには絶対にWindows 7 Professional

 さらに、今年はマイレッツ倶楽部が立ち上がってから10周年を迎えるため、特別なキャンペーンも開催されることになっている。特設ページも設置される予定なので、この記事を読んでいただきレッツノートに少しでも興味がわいたのなら要チェックだ。

 今回はスペックを見ながらレッツノートSX2の魅力をハードウェア的な視点でお伝えしたが、次回はソフトウェア的な視点からレッツノートの魅力をお伝えしていく予定だ。請うご期待!

(山本 倫弘)

店頭モデルキャンペーン実施中