インテルの超小型PC自作キット「NUC」で遊ぼう!

インテルの超小型PC向け製品「Next Unit of Computing」のベアボーンキットモデル。本体は非常にコンパクトだが、フルスペックPCとして利用できる

 昨年末以降、自作PC市場で大いに注目を集めている製品がある。それは、インテルが発売している超小型PC自作向けシリーズ「Next Unit of Computing(NUC)」だ。NUCシリーズの製品としては、インテル独自の超小型PC向けフォームファクタ「Ultra Compact Form Factor(UCFF)」に準拠したマザーボードの単体製品と、UCFFマザーボードを組み込んだ超小型PC自作キットが用意されている。CPUに第3世代Coreプロセッサを採用することで、幅広い用途に柔軟に対応できる十分な性能を確保しつつ、手のひらに乗る超小型PCを手軽に自作できる。しかも、価格が比較的手ごろということもあって、昨年末の登場以来、超小型PC自作用途としてトップクラスの人気を保っている。そこで、今回よりNUCの魅力や使いこなし術をじっくり紹介していきたいと思う。第1回となる今回は準備編として、NUC製品の特徴や、購入時の注意点などを解説していく。

そもそもNUCってどういう製品?

 ではまず、NUCがどのような製品なのか確認しておこう。

 NUCは、インテルが発売する超小型PC向け製品「Next Unit of Computing」シリーズのことだ。NUCシリーズには、超小型マザーボード単体製品と、マザーボードを専用ケースに取り付け、別途用意したメインメモリとストレージを取り付けるだけでPCとして動作させることが可能な、いわゆるベアボーンキットをラインナップしている。

 NUCシリーズの最大の魅力は、なんと言っても手のひらにも余裕で乗る非常にコンパクトボディのPCを手軽に自作できるという点だ。

 NUCシリーズに採用されているマザーボードは、インテルが提唱する「Ultra Compact Form Factor(UCFF)」というフォームファクタに準拠したもので、サイズが4×4インチ(101.6×101.6mm)しかない。このサイズのマザーボードに、CPUやチップセットはもちろん、メインメモリ用のメモリスロットや、内蔵ストレージなどを拡張するPCIe miniスロット、映像出力やUSBなどの各種I/Oポートが取り付けられている。マザーボードを見ると、その集積度の高さに驚くほどだ。この小型マザーボードを利用することで、手軽に超小型PCが自作できるというわけだ。

 ベアボーンキットは、マザーボードが超小型ケースに取り付けられた状態で販売されている。ベアボーンモデルの本体サイズは、116.6×120×39mm(幅×奥行き×高さ)しかなく、重量も500gを切る軽さとなっている。とはいえ、機能的には一般的なPCと同等で、機能が制約されていることはない。特定機能に特化した製品ではなく、フル機能のデスクトップPCとして利用できることを考えると、破格の小ささと言える。

 この本体は、横置きでの利用が基本となっているが、ケース側面は平面となっているので、縦置きでも問題なく利用できる。また、液晶背面に取り付けることも当初より想定されており、製品パッケージには液晶背面のVESAマウントに取り付けるためのマウンタとネジも付属している。液晶背面に取り付けて利用すれば、本体の設置場所が必要なくなり、いわゆるオールインワンタイプのPC相当として活用できることになる。

 マザーボード単体製品を利用する場合には、別途ケースを用意する必要があるが、NUC対応ケースはどれも非常に小さなものとなっており、ベアボーンキット同様の超小型PCを自作できる。

 また、NUCシリーズは、第3世代Coreプロセッサ・シリーズに属する省電力CPUを採用しており、超小型ながらUltrabook相当の性能を備えている。Webアクセスやビジネス系アプリケーションを快適に利用できるのはもちろん、フルHD動画の再生やWebベースのカジュアルゲームのプレーも余裕でこなせる。加えて、CPUにCore i5-3427Uを搭載する製品では「インテルvProテクノロジー」をサポートしており、優れたセキュリティ機能や管理機能が求められるビジネス用途にも安心して活用できる。超小型でありながら、一般家庭からビジネスまで、幅広い用途に柔軟に対応できる点が、NUCシリーズの大きな魅力と言える。

このように、本体は手のひらに乗るほどコンパクトだ
フットプリントは、116.6×120mm(幅×奥行き)。トップから見ると、ほぼ正方形に見える
電源ボタンは天板部分に用意されている
3.5インチHDDとの比較。これからも、NUCのコンパクトさがよくわかるだろう
高さは39mm。この高さなら、置き場所に困ることはほぼないはずだ
本体正面
左側面
背面
右側面。左右とも側面は平面なので、縦置きも問題なく行える
底面。ゴム足が取り付けられており、横置きでの利用が基本となっている
NUCで利用されているマザーボード。「Ultra Compact Form Factor(UCFF)」というフォームファクタに準拠する、4×4インチ(101.6×101.6mm)と非常に小型のマザーボードだ
本体は、縦置き、横置きに加えて、液晶背面のVESAマウントに取り付けて設置することも可能だ

マザーボード単体製品は、搭載CPUや用意されるI/Oポートの違いで4製品をラインナップ

 NUCシリーズのマザーボード単体製品は、搭載CPUや用意されるI/Oポートの違いで4製品がラインナップされている。

 まず、昨年末に発売された「DC33217CK」および「DC33217GKE」の2製品。CPUとしてCore i3-3217U(1.80GHz)、チップセットとしてIntel QS77 Expressをオンボードで搭載している点は双方とも同じだが、用意されているI/Oポートに若干の違いがある。DC33217CKに用意されているI/Oポートは、Thunderbolt×1、HDMI×1、USB 2.0×3(1ポートは前面)となっているのに対し、DC33217GKEではGigabit Ethernet×1、HDMI×2、USB 2.0×3(同じく1ポートは前面)となっている。高速な拡張インターフェースであるThunderboltを備えるDC33217CKの方が拡張性では有利となるのに対し、単体での使い勝手は標準で有線LANポートを備えるDC33217GKEの方が上と言えそうだ。

 メインメモリ用のメモリスロットは、SO-DIMMスロットが2本。DDR3 1333またはDDR3 1600に対応し、最大16GBまで搭載できる。拡張スロットはPCIe miniスロットが2本用意され、一方はハーフサイズに対応、もう一方はフルサイズ対応で、フルサイズ対応スロット6Gbps mSATAに対応している。マザーボード上には、ストレージ用のSATAポートが用意されないため、搭載するストレージはmSATA仕様のSSDが基本となる。また、USB 2.0×2ポートを増設するヘッダピンも用意されている。これらの仕様は、「DC33217CK」および「DC33217GKE」とも同じだ。

 映像出力は、DC33217CKはThunderboltとHDMI、DC33217GKEではHDMI×2を利用した2画面出力に対応しており、デュアルディスプレイ環境も構築可能だ。描画機能は、CPU内蔵の「HD Graphics 4000」が利用されており、Blu-rayなどHD動画も問題なく再生可能。加えて、MPEG2やMPEG4 AVCのハードウェアエンコード支援機能「クイック・シンク・ビデオ」を利用した、高速な動画変換も可能で、AV用途にも申し分なく活用できる。

 次に、今年2月より販売開始となった「DCP847SKE」。こちらは、DC33217GKEをベースとして、オンボードCPUをCeleron 847(1.10GHz)に変更した廉価版となる。CPU以外のI/Oポートなどの仕様は、DC33217GKEとほぼ同等となっている。ただし、対応メモリはDDR3 1066またはDDR3 1333となる。

 そして、今年7月より販売開始となった「D53427RKE」。オンボードCPUがCore i5-3427U(1.80GHz)に強化された最上位製品となる。CPUがCore i5-3427Uとなったことで、ターボ・ブースト・テクノロジーによって最大2.80GHzまでCPUの動作クロックが高まるため、特に高負荷時の処理能力が向上している。また、I/OポートはMini DisplayPort×2、HDMI×1、Gigabit Ethernet×1、USB 3.0×1、USB 2.0×2を備える。映像出力が3ポート用意され、3画面出力に対応している点と、USB 3.0ポートが1ポート用意されている点が大きな特徴で、性能、拡張性、使い勝手全てにおいて大きく進化している。メモリスロットや拡張スロットなどの仕様はCore i3搭載製品とほぼ同じだが、メインメモリの搭載容量が最大32GBとなっている。

 ちなみに、4製品とも電源はACアダプタに対応しており、背面側のI/Oポート部分に電源コネクタが用意されている。

マザーボード単体製品の「DC33217CK」。UCFF準拠で、サイズは4×4インチ(101.6×101.6mm)と非常に小さい
Core i3-3317UとチップセットのIntel QS77 Expressをオンボードで搭載しており、薄型のCPUクーラーも取り付けられている
背面側のI/Oポート。Thunderbolt×1、HDMI×1、USB 2.0×2を用意。ACアダプタ接続用の電源コネクタもある
前面側にUSB 2.0×1ポートを備える
メインメモリ用のメモリスロットは、SO-DIMMスロットを2本用意
拡張スロットは、PCIe miniスロットが2本。一方はハーフサイズ、もう一方はフルサイズで、フルサイズ側は6Gbps mSATAをサポートする
マザーボード上には、USB 2.0×2ポートを増設するヘッダピンも備える(ベアボーンキット「DC3217BY」に搭載されるものを取りだして撮影したため、写真ではヘッダピンがないが、製品にはヘッダピンが取り付けられている)
こちらは、Core i5-3427U搭載の最上位モデル「D53427RKE」。CPUやI/Oポートの強化が行われているが、メモリスロットや拡張スロットの仕様は他の製品とほぼ同じだ

ベアボーンキットも、搭載マザーボードの違いで4製品をラインナップしている

 NUCシリーズのベアボーンキットとしては、採用するマザーボードの違いで4製品がラインナップされている。

 昨年末に発売されたのが、「DC3217BY」と「DC3217IYE」の2製品だ。この2製品の違いは、搭載しているマザーボードの違いで、DC3217BYにはThunderboltポートを備えるDC3217BYが、DC3217IYEにはGigabit Ethernetポートを備えるDC33217GKEが搭載されている。マザーボードの仕様は、マザーボード単体製品と基本的に同じで、CPUは双方ともCore i3-3317Uをオンボード搭載する。ケースの形状は双方とも同じだが、天板カラーがDC3217BYはマルーン、DC3217IYEはブラックとなっている。

 次に、今年2月より販売が開始となった「DCCP847DYE」。こちらは、マザーボードにCeleron 847をオンボード搭載するDCP847SKEを採用した廉価版。CPU以外の仕様はDC3217IYEとほぼ同等で、用意されるI/Oポートや内部の拡張性なども同じと考えていい。CPUの処理能力やCPU内蔵グラフィックス機能の描画性能が上位製品に比べてやや低いが、2万円を切る安価な実売価格が大きな魅力となる。

CPUにCore i3-3217Uを採用する「DC3217BY」。昨年末に発売されて以降、現在でも高い人気を保っている。天板カラーはマルーンとなる
背面のI/Oポートは、USB 2.0×2ポート、HDMI×1ポート、Thunderbolt×1ポートとなり、ネットワーク機能は搭載されない
前面にもUSB 2.0ポートが備わっている
こちらは、「DC3217IYE」。搭載CPUはDC3217BYと同じCore i3-3217Uだが、I/Oポートの種類が異なっている。また、天板カラーもブラックとなる。CPUにCeleron 847を搭載する「DCCP847DYE」も、見た目はDC3217IYEと同じだ
背面のI/Oポートは、USB 2.0×2ポート、HDMI×2ポート、Gigabit Ethernetポートとなる。有線LANポートがあるため、標準での利便性はこちらの方が上。正面にもUSB 2.0ポート×1が備わっている

 最後に、今年7月に発売が開始された最新モデルとなる「DC5342HYE」。CPUにCore i5-3427Uを搭載する最新マザーボードD53427RKEを採用したベアボーンキットだ。Core i5採用による処理能力の向上や、USB 3.0ポートの搭載、3画面出力対応など、他の製品によりも仕様が大幅に強化されており、これからNUCを購入するならこの製品が最もおすすめとなる。ちなみに、ケースの形状は他の製品都同じで、天板カラーはブラックとなる。

パッケージには光センサーが取り付けられ、開けるとインテルのジングルが鳴るという、おもしろいギミックが盛り込まれている
パッケージにはACアダプタ用の電源ケーブルが付属しないので、別途必ず用意する必要がある
ACアダプタの電源コネクタは3芯の、ミッキータイプとなる

 製品パッケージは、4製品ともほぼ同じ。マザーボードのパッケージより圧倒的にコンパクトで、購入して持ち帰る場合でもかさばることはないだろう。パッケージの内容物は、マザーボードが取り付けられた本体と専用のACアダプタ、液晶背面のVESAマウントに固定するためのマウンタとネジ、簡単なマニュアルなどとなっている。

 ところで、NUCのパッケージには、ちょっとしたギミックが盛り込まれている。それは、光センサーを利用して、パッケージを開けるとおなじみのインテルのジングルが鳴るというもの。初めてパッケージを開ける時にはちょっとびっくりするかもしれないが、なかなか面白い試みだ。

「DC3217BY」(奥左)と「DC3217IYE」(奥右)、「DC5342HYE」(手前)を並べてみた。本体はどれも全く同じ形となっている。DC3217BYのみ天板カラーがマルーンとなるので見分けやすい
パッケージも全製品とも同じだ。購入時には、しっかり型番表記を確認しよう
パッケージには、本体に加え、専用のACアダプタが付属する
液晶背面のVESAマウントに固定するためのマウンタも同梱される
パッケージ内容物一覧。本体、ACアダプタ、VESA固定用マウンタとネジ、マニュアルが同梱されている
パッケージには光センサーが取り付けられ、開けるとインテルのジングルが鳴るという、おもしろいギミックが盛り込まれている
製品機能一覧
製品名 DC53427HYE
D53427RKE
DC3217IYE
DC33217GKE
DC3217BY
DC33217CK
DCCP847DYE
DCP847SKE
プロセッサー Intel Core i5-3427U
(2コア、4スレッド、クロック1.8GHz
(最大2.8GHz))
Intel Core i3-3217U
(2コア、4スレッド、クロック1.8GHz)
Intel Core i3-3217U
(2コア、4スレッド、クロック1.8GHz)
Intel Celeron847
(2コア、2スレッド、クロック1.1GHz)
メモリー デュアルチャネル DDR3 1333/1600 MHz SO-DIMM スロット x 2(最大 16 GB) デュアルチャネル DDR3 1333/1600 MHz SO-DIMM スロット x 2(最大 16 GB) デュアルチャネル DDR3 1333/1600 MHz SO-DIMM スロット x 2(最大 16 GB) デュアルチャネル DDR3 1066/1333 MHz SO-DIMM スロット x 2(最大 16 GB)
チップセット Intel QS77 Express Intel QS77 Express Intel QS77 Express Intel QS77 Express
グラフィックス HDMI
mini DisplayPort×2
HDMI×2 HDMI HDMI×2
ネットワーク接続 Gigabit Ethernet Gigabit Ethernet Thunderbolt Gigabit Ethernet
オーディオ インテル® ハイデフィニション・オーディオ インテル® ハイデフィニション・オーディオ インテル® ハイデフィニション・オーディオ インテル® ハイデフィニション・オーディオ
拡張性 PCIe mini スロット x 2 (ハーフレングス x 1、フル/ハーフレングス x 1) バックパネルに USB 2.0 コネクター x 2 フロントパネルに USB 3.0 コネクター x 1 PCIe mini スロット x 2 (ハーフレングス x 1、フル/ハーフレングス x 1) バックパネルに USB 2.0 コネクター x 2 フロントパネルに USB 2.0 コネクター x 1 PCIe mini スロット x 2 (ハーフレングス x 1、フル/ハーフレングス x 1) バックパネルに USB 2.0 コネクター x 2 フロントパネルに USB 2.0 コネクター x 1 PCIe mini スロット x 2 (ハーフレングス x 1、フル/ハーフレングス x 1) バックパネルに USB 2.0 コネクター x 2 フロントパネルに USB 2.0 コネクター x 1

NUCの内部仕様をチェック

 NUCベアボーンキットを利用する場合には、メインメモリやストレージデバイスを搭載するために、内部にアクセスする必要がある。ケース内部へのアクセスは、底面側から行う。本体底面のゴム足部分にあるネジを外すことで底面カバーが開き、内部にアクセスできるようになる。

 底面を開けると、内部に装着されているマザーボードが現れる。本体底面側には、SO-DIMMスロットや拡張スロットのPCIe miniスロットの面が取り付けられているため、メインメモリや内蔵ストレージは、底面カバーを開けるだけで取り付けることが可能だ。

 先述したように、対応するメモリモジュールはノートPC向けのSO-DIMMモジュールとなる。また、内蔵ストレージはmSATA仕様のSSDとなるので、フルサイズのPCIe miniスロットに取り付ければいい。

 ところで、ハーフサイズのPCIe miniスロットには、無線LANカードの取り付けが想定されているようで、ケースには無線LAN用のアンテが装着され、PCIe miniスロット付近にアンテナケーブルが延びている。ただし、NUCケースは技術基準適合証明の申請が行われていないため、日本で無線LANカードを取り付けて利用するのは基本的に不可能だ。

 CPUやチップセットは、マザーボードの裏面側に搭載されている。CPUはマザーボードに直接取り付けられ、薄型のヒートシンクと空冷ファンが取り付けられている。こちら側には拡張スロットなどの拡張要素はないため、購入後にマザーボードを取り外す必要はない。

底面のゴム足部分にあるネジを外すと底面カバーが外れ、内部にアクセスできる。メインメモリやSSDの取り付けは、底面を開けて行う
底面カバーを外した状態。底面カバーを開けるだけでメモリスロットと拡張スロットのPCIe miniスロットにアクセスできる
メモリスロット2本にメモリモジュールを2枚取り付けることで、メインメモリはデュアルアクセスとなり、CPUのパフォーマンスがフルに発揮されるようになる
マザーボードにはSATAポートはなく、内蔵ストレージはmSATA対応SSDの利用が基本となる
PCIe miniスロット付近に延びる2本のケーブルは、ケースに取り付けられている無線LAN用のアンテナから延びるものだ。ただし、NUCは技適マークが付いていないため、日本での無線LANモジュールの利用は不可能だ
DC5342HYEのマザーボードには、USB 2.0×2ポートを増設するヘッダピンも用意。ただし、ケースにはUSBポートを増設するスペースはなく、利用は難しい
メモリモジュールとmSATA仕様のSSDを取り付け、Windows 8などのOSをインストールすれば、PCとして動作させることが可能だ

購入時の注意点

 最後に、NUC製品購入時の注意点をおさらいしておこう。

 先述したように、NUCのベアボーンキットには、専用マザーボードが取り付けられた本体と電源用ACアダプタが付属しているが、メインメモリ用のメモリモジュールやストレージデバイスは付属しない。そのため、メモリモジュールとストレージを必ず用意する必要がある。

 メモリモジュールは、一般的なデスクトップPC用のDIMMモジュールではなく、ノートPC用のSO-DIMMモジュールである点に注意する必要がある。メモリ速度や最大搭載容量などの仕様は先述の通りなので、速度と合わせ、しっかりと確認して用意しよう。

 また、ストレージデバイスも、3.5インチサイズや2.5インチサイズの一般的なHDDやSSDではなく、mSATA仕様のSSDに限られる点に要注意。mSATA仕様のSSDは、対応製品がやや少なく、取り扱っている販売店も限られるが、NUCを扱っている販売店であれば、まず間違いなく販売しているはずなので、NUCと同時に購入すればいいだろう。

 そして、もう1点重要な注意点がある。それは、ACアダプタ用の電源ケーブルを用意する必要があるという点だ。NUCの自作PCキットパッケージにはACアダプタは付属しているものの、電源ケーブルは付属していないのだ。そのため、別途必ず用意する必要がある。対応する電源ケーブルは、コネクタ部が3芯となっている、ミッキータイプと呼ばれるコネクタを採用するものだ。

 この3点は、NUCを利用する場合に最低限必要となるものなので、しっかり頭に入れておこう。

 また、マザーボード単体製品を利用する場合には、メモリやストレージ以外に、ケースや電源のACアダプタも別途用意する必要がある。ただし、NUCマザーボードは製品によってI/Oポートの種類が異なっているため、ケース購入時には利用するマザーボードに対応するものを選択する必要があるので、この点にも注意する必要がある。

メインメモリは、ノートPC用のSO-DIMMモジュールを購入する必要がある。性能をフルに引き出すために2枚搭載したいので、このような2枚組の製品の購入がおすすめだ
内蔵ストレージは、このようなmSATA仕様のSSDの利用が基本。製品の選択肢はそれほど多くないが、NUCを扱っている販売店ならほぼ間違いなく扱っているはずだ
パッケージにはACアダプタ用の電源ケーブルが付属しないので、別途必ず用意する必要がある
ACアダプタの電源コネクタは3芯の、ミッキータイプとなる
このような形状のコネクタを持つ電源ケーブルを用意すればいい

 今回は、NUCの概要や特徴、購入時の注意点などを紹介してきたが、次回からはNUCを様々な用途に活用する方法を紹介していく予定なので、ご期待いただきたい。