急激に普及し始めたAndroid搭載スマートフォン。多種多様な端末が登場しまくり中だが、スマホに興味があるなら絶対チェックして欲しいのが、auから登場したHTC製スマートフォン「HTC EVO WiMAX ISW11HT」だ。この端末を知らずしてAndroidスマホ買うと後悔すると思う。いやマジで。
HTC EVO WiMAX ISW11HTはAndroid 2.2搭載のスレート型端末。パッと見は、まあ、ほかのスレート型Android端末と似たようなイメージになる。のだが!! しかし!! ぜんっぜん違うんであり現状唯一無二の存在であって魅力がミッチミチに詰め込まれた端末なのであり拙者とか今すぐ!! 欲しいんですよ!! はぁはぁ……。
HTC EVO WiMAX ISW11HTの何が拙者をこれほどコーフンさせたかというと、その名のとおりWiMAX搭載である点(日本初!)。てか、WiMAXってナニ?
WiMAXとは非常に高速なモバイル通信のための回線で、下り最大40Mbps/上り最大10Mbpsの速度(理論値)でパケット通信を行える。たとえばauのCDMA 1X EV-DO Rev.Aは下り最大3.1Mbps、W-CDMA HSDPAだと下り最大7.2Mbps、WIN HIGH SPEEDなら下り最大9.2Mbps。最新のスマートフォンなどは下り最大9.2MbpsのWIN HIGH SPEEDに対応しているので、Webサイト閲覧やメールの送受信などを快適に行える。が、WiMAXは下り最大40Mbps!! 超快適なデータ通信が可能ッ!! つまりHTC EVO WiMAX ISW11HTは「激ッ速のスマホ」なのである。
では具体的にどんなふうに速いのか? たとえばメールに大サイズのファイルが添付されていてもスルスルっと短時間で受信できる。あるいはYouTubeなどで動画を観る場合も、速くスムーズにデータを受信し続けられるので、視聴開始まで長いこと待たされるとか視聴中に動画が止まるといったことが非常に少ない。拙者の場合だと、実際に試用してみて速さを実感しまくりなのがWebサイト閲覧やSNS関連サイト利用。PC用に作られた要素ギッシリのWebページでもパパパパッと表示されるのが痛快だ。ほんとアッと言う間に表示が整う。その速さ快適さを実感するとほかのスマートフォンに戻れない気分。
TwitterやFacebookあたりを使っているときも、WiMAXのアリガタミを実感する。具体的には高画質静止画/長時間動画などの投稿が現実的なのだ。WiMAXでの高速通信をいつでも行えるので、これまでは家やオフィスなどWi-Fi環境でないとやる気にならなかった「重さが伴う処理」を気軽にやるようになる。やっぱり「速さは正義」ですな。
HTC EVO WiMAX ISW11HTではゼヒWiMAXでモバイル高速通信を堪能したいわけだが、もちろんWiMAX以外の通信手段もある。auのスマートフォンなので、まずはCDMA 1X WIN(下り最大3.1Mbps)。それからWi-Fiにも対応。合計3つの方法でネットにつなげられるわけだ。
じゃあどの回線を使おうかな? と迷う必要はない。そのあたりはHTC EVO WiMAX ISW11HTが自動的にうまくやってくれる。具体的には、Wi-Fi>WiMAX>CDMA 1X WINの優先順位で自動接続してくれる。たとえば自宅に居るときはオウチの無線LANルータ(Wi-Fi)などに自動接続。外出時は、Wi-Fiスポットがあればそれに接続し、なければWiMAXで接続。ちょい郊外とかに出てWiMAXエリア外になったらCDMA 1X WINで接続するという感じ。要は速い回線へと優先的に接続するんですな。
と、ここで気になってくるのが利用料金。CDMA 1X WIN回線に加えてWiMAX回線も使えるHTC EVO WiMAX ISW11HTなので、これら両方の回線に使用料金を払うことになる。……なんか月額使用料とか高そう〜。
と思ったら、わりとウソみたいな料金設定だったりする。au料金プランによると、たとえば使った月だけ上乗せされるWiMAX使用料だが、これが月額525円。使えば525円で使わなければ0円。てか、WiMAX使い放題で月額525円って超絶級の安さなんですけど!! しかもキャンペーン実施中で、2011年8月まではこの525円が無料に。つまりWiMAXを徹底的に存分に使いまくっても今年8月まではWiMAX利用料金がかからない!!
ちなみに、このほかにかかる利用料金は、たとえば、料金プランをプランEシンプル+誰でも割として月額780円。インターネットサービスとしてIS NETコースを使って月額315円。パケット通信料定額サービス(CDMA 1X WINのパケット通信料)としてISフラットを選んで月額5460円。合計すると月額6555円。
WiMAXを使った月はこれに月額525円のWiMAX通信サービス料金が加わるが、前述のように8月まではこれが無料となるので月額6555円ですな。WiMAXもCDMA 1X WINパケット通信も定額で使えるので、月額6555円に音声通話料金がプラスされる程度でイケちゃうのである。
◎HTC EVO WiMAX ISW11HT 月額利用料金イメージ
料金プラン | 780円 | プランEシンプル+誰でも割 |
インターネットサービス | 315円 | ISネットコース |
パケット定額プラン 5460円 | 5460円 | ISフラット |
WiMAX利用料 | 525円 | +WiMAX ※2011年8月まで無料 |
合計 | 7080円〜 |
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※2011年8月までは、WiMAX利用料無料キャンペーンで6555円〜
※au料金プランより
拙者、普段は驚きを「!」×2、つまり「!!」で表現しがちなんですけど、HTC EVO WiMAX ISW11HTに対しては「!!!!!!」すなわち通常の3倍量で驚きを表現せざるを得なかった。てか!! この端末!! ホントに凄い!! WiMAX回線もCDMA 1X WIN回線もWi-Fiテザリングできちゃうのだ♪ てか、テザリングって、ナニ? ちょいとご説明しよう。
テザリングとは、携帯電話などをデータ通信回線として使って、パソコンなどをインターネットにつなぐこと。HTC EVO WiMAX ISW11HTの場合はWi-Fiテザリング。Wi-Fi対応機器を、HTC EVO WiMAX ISW11HTを経由して、インターネットに接続できるってわけだ。たとえば、Wi-Fi対応パソコン、ニンテンドーDSやPSP、あるいはiPad Wi-Fiとか、Wi-Fi対応機器ならHTC EVO WiMAX ISW11HTと組み合わせて使う(Wi-Fiテザリングする)だけで、いつでもどこでもネットにつながる。Wi-Fiにしか対応していない機器でも、HTC EVO WiMAX ISW11HTでテザリングすればモバイルでネット接続できまくり♪ なのである。ちなみに、同時にテザリングできるWi-Fi機器の台数は8台まで。また、テザリングはHTC EVO WiMAX ISW11HTの通信回線をほかのWi-Fi機器が使うだけなので、テザリングしたからといって別途追加料金のようなものが発生することはない。
ということで、要するに、HTC EVO WiMAX ISW11HT自体が「どこにでも持って行けるWi-Fiスポット(公衆無線LANスポット)」なんですな。ネット接続に使われる回線は、前述のようにWiMAX回線とCDMA 1X WIN回線。WiMAX>CDMA 1X WINの優先順位で接続する───都市部なら高速WiMAX回線で各Wi-Fi対応機器をテザリングさせることができ、郊外などに出たらCDMA 1X WINでテザリングできる。実質、通信できるエリアが物凄く広いので「HTC EVO WiMAX ISW11HT=接続性のヒッジョーに高い強靱なWi-Fiスポット」と言えよう。
ところで、ネット接続中に電話かかってきたらどうなるの? HTC EVO WiMAX ISW11HTの場合、WiMAX(やWi-Fi)で接続中ならばネットにつなぎつつの通話ができる。CDMA 1X WINで接続中の場合、着信と同時にネット接続(パケット通信)が一度途切れることになる。なお、ネット接続中は着信を受けない設定にもでき、この状態で電話がかかってくると、相手には通信中であることを伝える案内が流れる。
HTC EVO WiMAX ISW11HTを手にしてアレコレ使っていると、非常に大胆な発想が浮かんでしまう。それは「HTC EVO WiMAX ISW11HTで全部まかなっちゃおう!!」という考えだ。
HTC EVO WiMAX ISW11HTはスマートフォンなので、携帯電話としてもモバイル端末としても使える。WiMAX搭載なのでモバイル端末としては非常に快適。さらに前述のとおりWi-Fiテザリングが可能で、HTC EVO WiMAX ISW11HTがモバイルノートPCとかゲーム機などのための通信回線として機能するわけだ。HTC EVO WiMAX ISW11HTがWi-Fiテザリング対応という時点で、たとえばPC用のデータ通信カードとかモバイルWiMAXルータの類は必要なくなる。汎用のデータ通信機器をHTC EVO WiMAX ISW11HTに一本化できるからだ。
それと、実際にHTC EVO WiMAX ISW11HT経由でノートPCなどをネット接続してみると、まあWiMAX回線なんで十分に速いわけですな。この快適なデータ通信回線を最大8台までのWi-Fi対応機器で分け合って使える。……とか考えると、たとえばAndroidタブレットやiPadなどは、それ自体に回線を持たせる必要がない。さらには「家のインターネット接続用回線も、HTC EVO WiMAX ISW11HTだけでいいんじゃないの?」とか思ったりしちゃう。拙者の場合だと、具体的にはいくつかのデータ通信カードの類や回線入りのAndroidタブレットなどの回線を解約できる。HTC EVO WiMAX ISW11HTは携帯する端末だが、たとえばオウチの電話&通信回線として家に置きっぱなしにすれば、一家の通信費を大幅に削減することができるかもしれない。そう考えると、改めてHTC EVO WiMAX ISW11HTのWi-FiテザリングやWiMAX搭載など各要素の凄み強みがわかる。
Wi-FiやCDMA 1X WINやWiMAXで通信でき、さらにはWi-Fiテザリングにまで対応しているAndroid 2.2スマートフォンHTC EVO WiMAX ISW11HT。インターネットへの接続性が超高いスマートフォンとしてじつに秀逸な端末だが、スマートフォン/Android端末としても非常によくデキていて、使いやすい。
まず手にする端末として。サイズは高さ約122×幅約67×厚み約12.8mmで、質量は約170g。画面サイズは4.3インチで、解像度は800×480ドット(WVGA)となる。手へのフィット感が良く、表示は色鮮やかで視認性が高い。ほかのAndroid端末と同様、画面をタッチしつつ操作するのだが、そのフィーリングも上々。画面切り替えやスクロールの操作感や表示に違和感やもたつきはなく、軽快に操作できる。アプリやウィジェットをアレコレ使ってみたが、処理が遅いなどといった不満はなかった。全体的に気持ち良く使える端末ですな。
それと、けっこー驚いたのがHTC Sense。これは、HTC独自の設計思想を反映したUE(ユーザーエクスペリエンス)と呼ばれる各種の機能やギミックだが、そのひとつひとつが「なるほどスマートフォンを作り慣れたメーカーだ」と思える作りの良さがある。
たとえばホーム画面。Android端末のホーム画面って、まあ、画面が横に何枚か並んでいる感じですな。それを切り替えつつ、カスタマイズしつつ使う、的な。HTC EVO WiMAX ISW11HTのホーム画面もまあそんな感じで、全7枚の画面が横に並んでいる感じ。
だがしかし、この横に並んでいる一連の画面を、何セットも持てるのだ。具体的には「シーン」として最初から7パターンのホーム画面セットがある。これをシチュエーションによってパッと切り替えるんですな。仕事なら「ビジネス」、プライベートなら「オフタイム」などを選ぶ。
すると、シチュエーションに合わせたウィジェットが最初から並べられているホーム画面が現れる。「ビジネス」ならスケジュールやメールのウィジェットが並んだホーム画面に、「オフタイム」なら音楽プレイヤーや写真アルバムのウィジェットがあるホーム画面に、てな感じでワンタッチで計7枚のホーム画面に並ぶいろいろなウィジェットを「総取っ替え」できる。なおこのホーム画面、もちろん自由にカスタマイズできるし、追加したり保存したりすることもできる。
ホーム画面(シーン:au by KDDI) |
シチュエーション別に7つのホーム画面セットが「シーン」として登録されており、自由に切り替えられる |
あらかじめ登録されているシーン以外にも、自分でカスタマイズしたホーム画面セットを「マイシーン」として登録できる |
シーン「ビジネス」のホーム画面。世界時計のウィジェットやスケジュールのウィジェットが配置されている |
シーン「オフタイム」のホーム画面。写真アルバムのウィジェットや音楽プレイヤーのウィジェットなどが配置されている |
それからHTC EVO WiMAX ISW11HTは最初から非常に多くのウィジェットを持っていること。そのなかにHTC独自のものもあるのだが、これがまた作り込まれた楽しいウィジェットなのだ。たとえば、非常に美しく種類も豊富な時計ウィジェット、リアルなアニメーションとともに情報が得られる天気ウィジェットなど、イケてるウィジェットがたっぷりある。使えるウィジェットが多々あるので、わざわざAndroidマーケットでアプリなどを探す必要も少ないかも。買ったら即使いものになるAndroid端末ことHTC EVO WiMAX ISW11HT、敷居の低いスマートフォンともいえますな。
あるいは、Webブラウザの利便。表示されているテキストの一部を非常に容易に選択でき、そこからその単語などを検索(ウィキペディア、Google翻訳、Google辞書)することができる。また、テキストの一部を拡大できるのはもちろん、拡大するとレイアウトし直されて画面内にテキストが入るように表示されたりする。手軽に単語を調べられるわ、拡大しても横スクロールなどせずに読めるわで、非常にラクなのだ。
こんな雰囲気で、HTC EVO WiMAX ISW11HT内に多々盛り込まれたHTC Senseの要素。ハードウェア的な部分では、たとえば着信時、端末を手に取って立てると着信音量が自動的に小さくなったり、着信時に端末を裏返すと着信音がミュートされたりする。電話鳴った瞬間パッと裏返せば消音。アイデアが光る愉快な機能だが、ミーティング中などには非常に実用的である。
HTC EVO WiMAX ISW11HTには、最初から多くのウィジェットが用意されており、HTC独自のものも多く用意されている |
HTC独自の天気ウィジェット。お天気のアイコンがアニメーション表示される |
TwitterウィジェットもHTC Sense独自のものが用意されている |
標準搭載のWebブラウザ。テキスト上で画面長押しでテキスト選択状態になり、そこから各種検索などを容易に行える |
ハードウェア面でナイス感があるのが、本体裏側のキックスタンド。金属製のスタンドで、本体を横に立てることができる。HTC EVO WiMAX ISW11HTはその画面サイズや表示の美しさゆえ、YouTube観まくり端末として使うのも現実的だが、そのときにこのスタンドが役立ってくれる。また、このスタンドは作りがよく小気味よい音とともに動作する。このあたりも小粋ですな。
細かい部分だが、電池室もステキ。HTC EVO WiMAX ISW11HTの色のイメージは黒と赤。本体全体が黒で、カメラ周囲やキックスタンド収納部が赤い。このデザインイメージが、なんと電池室内部まで統一されているのだ。電池室内まで赤と黒。ここまでヤル端末っていうかメーカー、そうそうない。ユーザーとしてはこういう部分で端末に愛着がわいてきますな。
てな感じのHTC EVO WiMAX ISW11HT。AndroidスマートフォンにWiMAXが搭載され、さらにWi-Fiテザリングまでデキちゃうって時点で買い度が超高いのに、使用感や細部の作りもビシッと好印象。前述のとおりWiMAX使いまくっても月額プラス525円(2011年8月までは無料)ということで、大いなるお得感も実装。HTC EVO WiMAX ISW11HTを買うとシアワセになる人は非常に多いと思われるので、スマートフォンを考え中ならまずこの端末をチェックしてみてほしい。
スタパ齋藤1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |