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HP Officejet 6310
ADF搭載、LAN対応で2万円以下!  プリント、コピー、スキャン、ファクスとあらゆるビジネスニーズに対応する  HPの複合プリンタ「HP Officejet 6310」

オールインワンプリンタでオフィスのドキュメント環境を見直そう
 「PCで作成した文書やプレゼン資料をプリンタで印刷する」、「資料として利用するために写真や書類をPCに取り込んで整理する」、「ファクスで取引先とさまざまな文書をやり取りする」。このようなオフィスのドキュメント環境をそろそろ見直してみてはいかがだろうか?

6月16日に発売が開始された新製品「HP Officejet 6310」
 現状、多くのオフィスでは、出力はプリンタやコピー機、取り込みはスキャナ、ファクスはファクス専用機といったように、それぞれ別の機器を使い分けている。しかし、果たしてそれが本当に効率的なのか? たとえば、SOHOや中小企業などの小規模なオフィスでは、複数の機器を設置することでワークスペースが圧迫されてしまったり、そもそも各機器の利用頻度を考えると、月々のレンタル費用に見合った使い方ができていない場合も少なくない。

 そこで登場するのが、1台でさまざまな用途に利用できるオールインワンプリンタだ。オールインワンプリンタを利用すれば、プリンタ、スキャナ、コピー、ファクスといった機能をすべて1台でまかなうことができ、コストの削減、省スペース化、使い勝手の向上と、さまざまなメリットが生まれてくる。

 このようなオールインワンプリンタは、すでに家庭を中心に広く普及しているが、ビジネスでもSOHO、中小企業を中心に、高い注目を集めはじめている。中でもHPから新たに登場した「HP Officejet 6310」は低価格ながら充実した機能を搭載したオールインワンプリンタとして特に注目したい製品だ。

標準でADF、ネットワーク機能を搭載
 HP Officejet 6310は、HPのビジネス向け複合プリンタのエントリーモデルに位置づけられている製品だ。カラーインクジェットプリンタをベースに、プリンタ、スキャナ、コピー、ファクス、ダイレクトプリントなどの機能が1台に集約されており、さまざまな用途に利用可能となっている。

 このようなオールインワンプリンタは、他社からも多数販売されているが、HPならではの特徴と言えるのが、ADF(自動原稿送り装置)とネットワーク機能が標準で搭載されている点だ。一般的なオールインワンプリンタの場合、ADFはオプション(装着できない製品も少なくない)となっているため、原稿のスキャンやコピー時に、原稿を1枚ずつ手動でセットしなければならない。しかし、ADFを標準搭載したHP Officejet 6310の場合、セットした原稿を1枚ずつ自動的に読み取ることができるため、複数枚の原稿も一気にスキャンしたり、コピーすることが可能となっている。

 一方、ネットワーク機能は、文字通り、ネットワークに直接接続し、PCからネットワーク経由でオールインワンプリンタを利用するための機能だ。複数台のPCが設置されているようなオフィスの場合でも、各PCでプリンタを手軽に共有することができるうえ、スキャナなどの機能をネットワーク経由で利用することが手軽にできるようになっている。

「HP Officejet 6310」正面 「HP Officejet 6310」背面
上面にはADF(自動原稿送り装置)を標準装備 ネットワーク機能も標準搭載されている

 一般的なオールインワンプリンタの場合でも、プリントサーバーを利用することでネットワーク経由で利用することが可能だが、プリンタとして利用することはできても、ネットワーク経由でのスキャンなどに対応できないケースも少なくない。プリントサーバーを別途購入する必要がないうえ、オールインワンプリンタのすべての機能を標準でネットワーク経由で利用できるというのは、実は市場に流通しているオールインワンプリンタではあまり見られない貴重な存在というわけだ。

 なお、HP Officejet 6310は、これまでに販売されていたHP Officejet 6210の後継機種にあたる新製品となるが、6210には搭載されていなかったネットワーク機能が今回新たに搭載されたことで、プリント、コピー、スキャン、ファクスすべての機能で自動両面に対応した上位モデルのHP Officejet 7210、さらに無線LANにも対応した最上位モデルのHP Officejet 7410を含めて、HPのビジネス向け複合プリンタはすべての機種にADFとネットワークの両方の機能が標準搭載されるようになった。

基本性能比較表
プリント/コピー  
スキャン   CCDスキャナ CCDスキャナ CISスキャナ
ファクス  
最高印刷速度※1 カラー 20枚/分 20枚/分 24枚/分
モノクロ 30枚/分 30枚/分 30枚/分
ADF
(自動原稿送り装置)
 
自動両面対応  
(ハガキトレイ付)

(ハガキトレイはオプション)
ネットワーク 有線
無線
HP Directplus価格   ¥42,840(税込) ¥24,990(税込) ¥19,950(税込)
※1:印刷速度は、お客様が使用されるアプリケーション、印刷ファイルの内容や、PC、ネットワークなどの使用環境により異なってきます。


2万円以下でもココまでできる! 高い実用性を備えた製品
 HP Officejet 6310は、前述したようにOfficejetシリーズの中ではエントリーモデルで、価格も19,950円(税込み)とかなり安いが、実際にHP Officejet 6310を利用してみると、その使い勝手の良さに驚く。

 まずはセットアップだが、これは非常に手軽だ。今回は、ネットワークでの利用を前提にセットアップしてみたが、基本的には本体にネットワークケーブルを接続し、付属のCD-ROMでセットアップを行なうだけで、ネットワーク経由での利用が可能となる。CD-ROMでの設定といっても、ウィザードを「次へ」と進めていくだけで、ほぼ自動的に設定が完了するため、まったくと言っていいほど手間がかからない。これなら、プリンタを初めてネットワークで利用するユーザーでも迷わず設定できるはずだ。

付属のCD-ROMのウィザードに従うだけでネットワークの設定が可能。初心者でも安心して利用できる

 続いて基本となるプリンタとしての実力を検証していこう。実際に印刷してみた印象としては、ビジネス文書で多いモノクロ印刷の品質は非常に高く感じた。これはHP Officejet 6310だけでなく、HPのインクジェットプリンタに共通した特徴だが、顔料系インクが採用されていることで、普通紙、それも再生紙などのあまり紙質のよくない用紙に印刷した場合でも、細かな文字が鮮明に印刷され、全体的にシャープなイメージの出力が得られるようになっている。カラー印刷の品質も高く、プレゼン用の資料やデジタルカメラの写真もきれいに印刷することができた。

 印刷速度もなかなかスピーディで、カラーの場合でも印刷モードを[高速印刷]に設定すれば、数ページに及ぶ文書もあっという間に印刷される。本格的な高速印刷ではさすがにOfficejet Proシリーズには及ばないものの 、実用的には十分なスピードで印刷できるようになっている。個人的には、レーザープリンタの代わりに使った場合でも、品質、速度的に不満はないという印象を受けた。

顔料系インクの採用により再生紙でもシャープなテキストが出力できる インクシステムは6/4色交換式。普通紙なら4色で、フォト用紙なら6色で色鮮やかに印刷できる(6色はオプション)

 さらにスキャナとしての実力も見てみよう。これはやはりADFの恩恵が大きい。もちろん、写真などをガラス面に手動でセットしてスキャンした場合の品質も申し分ないが、プレゼン資料など複数枚の原稿をADFにセットしてスキャンを開始すれば、次々に原稿が読み込まれ、しばらく待っているだけですべての原稿がPCに取り込まれる(標準ではTIF形式で保存されるが、PDFでの保存も可能)。ここまで手軽だと、手元にある紙の資料をすべて電子化してしまいたいとさえ感じた。ADFは、コピー機能やファクス機能でも利用可能なので、複数枚の資料をコピーしたいときやファクスで送信したいときにも非常に便利だ。

ファクスやスキャナを使うときなど、ADFで複数枚の原稿を同時に実行できるのは非常に便利。普通紙で最大35枚までセットできる スキャンしたデータはネットワーク経由でPCに保存される。標準ではTIF形式で保存されるが、PDF形式などでの保存も可能。ADFのおかげで、複数枚の原稿も自動的にスキャンできる

 最後にファクス機能だが、これもなかなか快適だ。低価格のオールインワンプリンタの場合、ファクス機能が省かれていることも多いのだが、HP Office 6310ではファクスの送受信、およびPCファクス(送信のみ)を利用可能となっている。ファクスを送信するときは、ADFに原稿をセットし、前面のパネルで電話番号を入力。最後に[ファクススタート]ボタン(モノクロ用とカラー用がある)を押すだけと簡単だ。

 HP Officejet 6310のパネルは、ボタン類が左からファクス、コピー、フォト、スキャンと用途ごとに分類されて配置されており、やりたい操作を迷わずできるように工夫されている。多機能なことから、使い方に迷ってしまうオールインワンプリンタも多いが、誰でも直感的に扱えるようになっているのに感心した。

 一方、ファクスの受信だが、これは標準では自動受信となっている。ファクスを受信すると自動的に用紙に印刷されるが、同時にメモリにも受信したファクスがバックアップとして保存されるようになっており、後からファクスを印刷し直すことも可能となっている(メモリ容量がなくなると古いものから自動削除される)。もちろん、ファクス受信時に用紙がセットされていなかった場合も、メモリに保存されたファクスを後から印刷することが可能だ。短縮ダイヤルの登録なども可能なので、普通のファクスとして見ても機能的にまったく遜色ないだろう。

ボタン類は左からファクス、コピー、フォト、スキャンと用途ごとに分類されて配置されており、迷わず操作できるように工夫されている PCからのファクス送信にも対応。ネットワークで接続されたPCからHP Officejet 6310経由でファクスを送信することができる

 このほか、メモリカードやUSB接続したデジタルカメラからのダイレクト印刷、さらにはHP Officejet 6310に装着したメモリカードをネットワーク経由でPCから参照できるため(ネットワークドライブとしてZ:に標準で割り当てられる)、PC間での簡単なファイル共有、ファイル転送などにも利用可能だ。

全面にあるメモリカードスロットはCF、SD/MMC、MS、xDに対応。PictBridge対応なのでダイレクト印刷も可能 本体に装着したメモリカードをネットワークドライブとして参照可能。デジタルカメラの画像を参照したい場合はもちろんのこと、簡単なファイル共有やファイル転送の目的で利用することもできる

Macにも対応。ネットワーク経由でも問題なく使える
 このように、オールインワンプリンタとして十分な性能と、使いやすさを備えたHP Officejet 6310だが、もうひとつ注目したいのは、前述したプリンタやスキャナなどの機能をMacから、しかもネットワーク経由で利用できる点だ。

 Intel Macの登場で、Mac miniやMacBookなどを購入したユーザーも少なくないと思われるが、Windowsだけでなく、Macにも対応したオールインワンプリンタ、それもネットワーク経由ですべての機能を利用できる製品というのは、非常に数が限られてしまう。その数少ない選択肢のひとつとなるのが、このHPのOfficejetシリーズ(家庭向けのHP Photosmartシリーズなども対応)と言うわけだ。

 実際、MacBookを利用してテストしてみたが、Mac OS Xからの印刷はもちろんのこと、スキャン、コピー、ファクス送信などの機能を問題なく利用することができた。WindowsとMacのプリンタ共有というと、通常は非常に面倒で、なかなかうまくいかないケースが多いが、HP Officejet 6310なら、本体にLANケーブルを接続し、付属のCD-ROMを利用してPC側でセットアップするだけ(それもウィザードに従って基本的に画面を進めていくだけ)で、WindowsとMacの両方からプリンタを使えるようになる。

HP Officejet 6310はMac OS Xからネットワーク経由で利用できる数少ない製品のひとつ。ネットワーク経由での印刷はもちろんのこと、スキャンやファクス送信なども問題なくできる

 おそらく、現時点でMacから利用できるオールインワンプリンタとしては、もっとも手軽で、しかも確実に動作する製品だ。オフィスにWindowsとMacが混在している環境、さらには個人でWindowsとMacの両方を利用しているハイエンドユーザーなどに、ぜひオススメしたい製品と言えるだろう。

コストパフォーマンス抜群! 高い信頼性も魅力
 以上、HPから新しく発売された複合プリンタ「HP Officejet 6310」を実際に利用してみたが、非常に充実した機能と使いやすさを兼ね備えていることに感心した。特にADFの使い勝手の良さ、ネットワークでのスキャンなどの便利さを一度でも体験してしまうと、ほかの製品が何だか物足りなく感じてしまうほどだ。

 もちろん、ビジネス向けプリンタに欠かせない信頼性も高く、月間の印刷枚数が数千枚にも及ぶような使い方でも十分に耐えられる設計がなされているうえ、HPならではの充実したサポートも受けることができる。これだけの機能を備えながら、価格が2万円を切るというのだから、もはや文句の付けようがない。

 ここ数年で、小規模なオフィスでの利用を中心としたビジネス用プリンタのトレンドは、インクジェットプリンタの性能向上、コストパフォーマンス向上によって、レーザープリンタからインクジェットプリンタへと移り変わりつつある。しかし、今回のOfficejet 6310などを実際に体験すると、単純に速度や品質、コストといった面だけでなく、スキャナやファクスといった実際のビジネスシーンでの実用性という点でもインクジェットプリンタ、それもオールインワンプリンタにアドバンテージが見られるようになってきたと実感した。ビジネスにオールインワン、いやビジネスだからこそオールインワンと言われるような時代もそう遠くはなさそうだ。


 デザインやCADなどの用途はもちろんのこと、プレゼン資料やパンフレット、社内マニュアルなどの制作には、A3プラスサイズの印刷に対応したビジネス向けカラーインクジェットプリンタの新製品「HP Officejet Pro K850」、および自動両面印刷とLAN対応の「HP Officejet Pro K850dn」の利用も検討したい。

 大容量独立インクの採用でモノクロ2.7円/枚、カラー10.7円/枚の低ランニングコストを実現しているうえ、A4モノクロ文書で最大24枚/分、カラーで最大21枚/分というカラーレーザープリンタを凌ぐ性能。6,250枚/月のヘビーユースにも耐える高信頼設計を実現しながらHP Officejet Pro K850で39,900円(税込み)、HP Officejet Pro K850dnでも49,980円(税込み)という低価格を実現している。

 特にHP Officejet Pro K850dnは、LAN対応によるネットワークでの共有が手軽にできるだけでなく、ブックレット印刷機能によってA3自動両面印刷を利用したA4小冊子の作成が手軽にできるようになっている。この機能を利用すると、自動両面印刷でA3プラスサイズの用紙にA4のページを自動的にページ割して印刷することができ、完成した用紙を半分に折りたたむだけで、A4の冊子を作成できる。パンフレットやマニュアルの作成に非常に適した製品と言えるだろう。

「HP Officejet Pro K850dn」は自動両面印刷に標準対応しLANにも対応   大容量独立インクの採用でレーザーを凌ぐ高速&低ランニングコストを実現

A3自動両面印刷でA4小冊子を手軽に作成できるブックレット印刷機能。自動でページ割をして印刷でき、手軽にパンフレットなどを印刷できる


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HP Officejet 6310製品情報
http://h50146.www5.hp.com/products/printers/bizinkjet/oj/product/oj6310/index.html


HP Officejet Pro K850シリーズ製品情報
http://h50146.www5.hp.com/products/printers/bizinkjet/biz/product/k850/index.html


オフィス向けインクジェット&オールインワンプリンタ
http://h50146.www5.hp.com/products/printers/bizinkjet/index.html


日本HPのホームページ
http://www.hp.com/jp


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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0616/hp.htm


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http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2006/06/16/4009.html



プロフィール
清水理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」ほか多数の著書がある。

企画・製作 株式会社Impress Watch 営業グループ
問い合わせ先:watch-adtieup-hp0606@ad.impress.co.jp
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