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世界最速プリントを実現した カラーインクジェットプリンタ「HP Officejet Pro K550シリーズ」 ポストレーザープリンタとしての実力は?
オフィスのプリンタに求められる要件とは?
 「インクジェットは家庭向け、ビジネスに使うならやはりレーザープリンタだろう……」。ひと昔前なら、それも半ば常識だったかもしれないが、この考えはそろそろ改めた方がよさそうだ。

 かく言う筆者も、そんな考えを持っていた一人だ。事務所として利用している部屋には、ネットワークで接続されたモノクロレーザープリンタとカラーインクジェットプリンタ(複合機)の2台が設置されており、文書やメモなどはレーザープリンタで、写真やプレゼン資料などはインクジェットプリンタで印刷と使い分けている。

 レーザープリンタには印刷速度が速く、普通紙に印刷したときの品質が高いという特徴があり、インクジェットプリンタには写真などを美しく印刷できるという特徴がある。それぞれの特性を活かそうとすると、どちらも欠かすことができないというわけだ。同様の理由から、比較的、小規模なオフィス、企業内の部門単位でもレーザープリンタとインクジェットプリンタの2台を併用しているケースも少なくないことだろう。

 しかしながら、理想を言えば、プリンタは1台で済むに越したことはない。では、カラーレーザープリンタの導入を検討すべきなのだろうか? そう単純な話でもなさそうだ。カラーレーザープリンタは確かに低価格化が進んできてはいるが、それでも低価格モデルで7〜8万円前後とある程度の初期投資が必要になる。しかも、低価格モデルの場合、印刷速度が遅くなり、モノクロレーザープリンタの特徴であった高速性という特徴が失われかねない。つまり、オフィスでは低価格でありながら、モノクロレーザー、カラーレーザー、家庭用インクジェットプリンタなど、あらゆる種類のプリンタの特徴を併せ持った製品が求められているわけだ。

  求められる要件 対応製品
速さ 30ppmを超える速度を実現できること モノクロレーザー
プリンタ
印刷品質 普通紙に美しく印刷できること カラーレーザー
プリンタ
カラー品質 写真などを美しく印刷できること 家庭用インクジェット
プリンタ
本体価格 1万円台後半〜2万円台前半の低価格を実現できること 家庭用インクジェット
プリンタ
ランニングコスト ランニングコストが低く、インクの交換頻度も少ないこと カラーレーザー
プリンタ
信頼性 大量印刷ニーズに応える高耐久性を備えること モノクロレーザー
プリンタ
表1:オフィスのプリンタに求められる要件とは

 そこで、新たな選択肢として浮上してくるのがオフィス向けのカラーインクジェットプリンタだ。たとえば、HPから発売された「HP Officejet Pro K550」はモノクロレーザーと肩を並べるほどの高速な印刷速度を誇りながら、さらにインクジェットならではの美しいカラー印刷を実現することができるようになっている。ビジネスユースでのニーズが高い10BASE-T/100BASE-TX対応のネットワーク機能、自動両面印刷機能、600枚の大型給紙トレイを備えた「HP Officejet Pro K550dtn」もラインナップしており、現在、非常に高い注目を集めている製品だ。

9月28日に発表された新製品「HP Officejet Pro K550」。5年の歳月と1,500億円の投資によって生まれた新プリンティング・テクノロジー「Scalable Printing Technology」を搭載 600枚給紙トレイに100/10 Base-TXネットワークを搭載した上位機種「HP Officejet Pro K550dtn」

「HP Officejet Pro K550」前面操作部 「HP Officejet Pro K550」背面接続部

レーザー並の高速印刷を実現する秘密とは
カラー33ppmという世界最速(*)のスピードを体感!
※画像をクリックするとムービーが流れます
(movie.wmv/1.5MB)
 それでは、HP Officejet Pro K550/K550dtnの機能を見ながら、ビジネスプリンタとして、どれほどの実力を備えているのかを検証していこう。

 まず、最も注目したいのは速度だ。レーザープリンタとインクジェットプリンタを比較した場合、一般的にはレーザープリンタの方が速いというのが常識とされている。大量の資料を印刷したり、複数のユーザーで共有するなど、ビジネスプリンタとして使うことを考えると、遅いというのは致命的な欠点になりかねない。果たして速度は本当に速いのだろうか?

 結論から言えば、HP Officejet Pro K550/K550dtnの速度は予想を遙かに上回る速さだ。カタログスペック上の印刷速度が、モノクロ37ppm/カラー33ppmと、15万円〜30万円クラスのハイエンドレーザープリンタと肩を並べる、もしくは凌ぐ値となっているのも驚きだが、実際に印刷されるところを目の当たりにすると、まさに目から鱗が落ちる思いだ。

 インクジェットプリンタの場合、印刷ヘッドを左右に移動させながらインクを噴射し、1ライン分のデータを印刷したら、少しずつ用紙を送るというプロセスを繰り返して印刷が行なわれる。このため、一般的なインクジェットプリンタの場合、「ガッ、ガッ、ガッ」という感じで徐々に印刷されていくイメージがある。しかし、HP Officejet Pro K550/K550dtnの場合、この用紙を少しずつ送るという感覚がまったく感じられず、「ガーーー」というイメージで連続的に印刷が行なわれるようになっている。

 この秘密は新開発されたプリントヘッドにある。HP Officejet Pro K550/K550dtnでは、約21.6mmと従来製品(12.7mm)より1.7倍も大きいプリントヘッドが採用されているうえ、ヘッド内のノズル部分の改良も行なわれており、ドットサイズの極小化とノズルの高密度化、さらにドット着弾精度の向上が図られている。

従来のものよりエリアが広がり、1秒あたりのドロップ数も格段に向上 耐久力も増した新開発の独立型プリントヘッド

 前述したように、インクジェットプリンタではヘッドを左右に動かしながらインクを噴射して印刷を行なう。このため、ヘッドが大きく、高密度なほど、一度に多くのエリアを印刷することができる。また、着弾精度が高いということは、それだけヘッド自体を高速に移動させることが可能ということでもある。これにより、品質を保ちつつ、モノクロ37ppm/カラー33ppmという驚異的な印刷速度が実現できているというわけだ。

背面にあるIPAセンサー。連続給紙時の用紙の重なりを検知する機能を搭載
 しかも、HP Officejet Pro K550/K550dtnでは、複数枚の印刷を実行したときの速度も驚くほど速い。通常、複数枚の印刷を実行した場合、1枚の印刷が完了すると、次の用紙がローディングするまで、少しの待ち時間が発生する。まさに1枚ずつ給紙し、印刷しているというイメージだ。しかし、HP Officejet Pro K550/K550dtnでは、この待ち時間がほとんどなく、1枚目の印刷が終わると、すぐに2枚目の用紙が出てくるというように、連続的に印刷が行なわれる。

 これは、プリンタ背面に取り付けられたIPAセンサーのおかげだ。用紙を連続的に、しかも高速に給紙するには、前の用紙と次の用紙の重なりを避けながら、正確に用紙を送り続けなければならない。HP Officejet Pro K550/K550dtnでは、1枚目の印刷中にすでに2枚目の用紙がローディングされ、ほんのわずかの隙間が空いただけで連続的に用紙が給紙される。IPAセンサーによる監視、制御によって、これが実現されているわけだ。

 HP Officejet Pro K550 シリーズは、最大600枚(K550 はオプションの350枚増設トレイを使用)の用紙を一度にセットでき、大量の印刷が楽にできるのも大きなメリットだろう。

最大250枚もの給紙が可能なトレイ(標準トレイ) オプションで350枚給紙トレイを増設することも可能

普通紙でも高い品質が得られる
 このように、HP Officejet Pro K550/K550dtnの印刷速度はレーザープリンタを凌ぐと言っても差し支えないものだが、肝心の印刷品質はどうなのだろうか?

 まず、前述したような37/33ppmでの高速印刷を行なう場合、高速印刷/エコノミー印刷モードでの印刷となるため、印刷結果は若干薄い印象となる。とは言え、薄いと感じられるのは、あくまでも同じ文書を標準モードで印刷して厳密に比較した場合のみであり、高速印刷/エコノミー印刷モードで印刷した結果だけを見る限り、そのクオリティは十分と感じられる。

印刷設定では高速印刷/エコノミー印刷や写真印刷、プレゼンテーション印刷、ポスター印刷など7種類もの機能を備える 37/33ppmでの高速印刷でもそのクオリティは十分。ビジネスの現場で使用するのに何の遜色もない

 もちろん、品質に関しては個人差もあるので、一概には言えない部分もあるのだが、個人的には高速モードでの印刷品質は好感が持てるものだと感じられた。薄いと言っても、全体的にぼやけた印象などは感じられず、カラーで印刷したグラフなどの見栄えも良い。むしろビジネス文書という印刷用途を考えると、派手すぎないソフトなイメージが好印象だ。

 しかも、このような高い印刷品質を「普通紙」で実現することができるのも大きなメリットだ。HP Officejet Pro K550/K550dtnには、普通紙へ高画質プリントを実現する「Viveraインク」が採用されている。インクジェット+普通紙というと、にじみなどを気にする人も少なくないかもしれないが、実際の品質はにじみなども一切なく、細部までエッジの効いたシャープなイメージの印刷が得られるのが特徴だ。品質面でもカラーレーザーと互角に渡り合える実力と言って良いだろう。
抜群のコストパフォーマンス
独立インクタンクで低ランニングコストを実現
 最後にコストパフォーマンスについても見ていこう。まず、本体の価格だが、HP Officejet Pro K550が税込17,850円、HP Officejet Pro K550dtnが税込24,990円とかなり安い。家庭用のインクジェットプリンタとほぼ同等、低価格のレーザープリンタと比べると半額近い価格で、ハイエンドのカラーレーザーを凌ぐ性能のプリンタが購入できるのは驚異的だ。

 もちろん、ランニングコストという面でも有利だ。モノクロ原稿のコストは約1.9円/枚で、カラー原稿も約9.5円/枚(各色5%原稿)となっており、比較する機種にもよるが、場合によってはカラーレーザープリンタの半額近いランニングコストで済むことになる。会議資料、プレゼン資料の印刷といった大量印刷の利用に適していると言えるだろう。

 ランニングコストが低いということは、インクの交換頻度も少なくて済むということでもある。HP Officejet Pro K550/K550dtnで採用されているインクは、1本(セット)あたり、モノクロで約2350枚、カラーで約1200枚の印刷が可能となっている。

 少々、わかりづらいかもしれないので、実例を出してみよう。前述したように筆者はカラーインクジェットプリンタとモノクロレーザープリンタを併用しているが、このうちモノクロレーザープリンタのトナーの最大印刷枚数を調べてみたところ2500枚となっていた。こちらも比較するプリンタによって差はあるが、低価格のレーザープリンタとHP Officejet Pro K550/K550dtnのトナー/インクの交換頻度は大差がないと考えて良さそうだ。

 なお、これは余談だが、筆者は、自宅で利用しているモノクロレーザープリンタを毎年買い換えている。というのも、毎年、年末頃になるとトナーがなくなるのだが、このトナーの価格が1万円近くもするのだ。プリンタ本体の価格は1万5,000円〜2万円前後ということを考えると、トナーだけに1万円も出すなら、いっそのこと買い換えてしまえというわけだ。

 まあ、これは極端な例だが、要するにレーザープリンタは消耗品の価格が高い傾向にあるわけだ。これに対して、HP Officejet K550/K550dtmのインクは1本あたり4,000円前後で済む。1枚あたりのコストで考えると、モノクロレーザーの半分以下ですむことになる。モノクロレーザーの代替えとして考えても、コストパフォーマンスの高さがよくわかるだろう。

HP Officejet Pro K550シリーズでオフィスのプリンタを一新
 このように、HP Officejet Pro K550/K550dtnは、速度、品質、コストパフォーマンスと、どの点を取っても、レーザープリンタの代替えとして十分に検討する価値がある実力を備えたプリンタだと言える。正直なところ、個人的にも、ビジネス・インクジェットプリンタに対する認識を改めさせられた製品だ。

 HP製品ならではの信頼性の高さと手厚いサポートが受けられることを考えても、筆者のようなSOHO、そして小規模オフィスに適した製品と言えそうだ。これからプリンタの導入を検討している場合はもちろんのこと、既存のプリンタ環境を改善、特にモノクロレーザーの買い換えを検討している場合や、既存のインクジェットプリンタのスピードやランニングコストに物足りないと感じている場合は、ぜひ選択肢のひとつとして検討すべき製品だと言えるだろう。

モバイル用途にもプリンタの新しいトレンドが登場
こちらも新製品! ビジネス仕様モバイルプリンタ「HP Deskjet 460c」
 HPのカラーインクジェットプリンタには、モバイル向けのモデル「HP Deskjet 460シリーズ」もラインナップされていることをご存じだろうか? 外回りの営業や出張時に持ち運んで印刷を行なったり、店舗などの設置スペースが限られている場所でよく利用される製品だが、モバイルで利用するための数々の工夫がなされており、デバイスとして非常に面白い製品となっている。

 折りたたみ式給排紙トレイを採用した省スペースなデザイン、バッテリー(460cbには標準添付、460cはオプション)とモバイル向けの基本的な要件を満たすのはもちろんのこと、黒インクがなくなってもカラーインクだけでモノクロ印刷を実現できるようになっていたり、本体に用意されたCFスロットを利用することで無線LANやBluetoothでの利用も可能になっている(オプション)。さらに、ACアダプタのコネクタがHP製ノートPCと同じ仕様(65W ACアダプタ)となっており、HP製ノートPC用のACアダプタを接続して動作させることができるのも興味深い工夫だ。

CFスロットを利用することでオプションの無線LANやBluetoothでの利用も可能 ACアダプタはHP製ノートPC用と共有できる

 公衆無線LANサービスの拡大などによって、モバイルでのビジネス環境が整いつつあることを考えると、今後、モバイルプリンタのニーズも高まってくると予想できる。単にコンパクトで持ち運べるだけでなく、モバイルという限られた環境の中で、いかにユーザーの利便性を高めるかがよく考え抜かれた製品だ。

(*) 2005年8月現在 HP調べ。 500ドル以下のカラーレーザーならびにインクジェットプリンタとのカラー印刷速度の仕様比較(最速モード時)による。

関連ニュース
日本HP、秋冬向けプリンタ新製品発表会を開催
〜新プリントエンジン「SPT」でシェア10%越えを狙う
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2005/09/28/2386.html


日本HP、独立タンクの新プリントシステムを採用した複合機
〜上位機種はフィルムスキャンに対応
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2005/09/28/2362.html


日本HP、単機能インクジェットプリンタ2機種
〜上位機は新プリントエンジンを採用
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2005/09/28/2364.html


米HP、高速ヘッド搭載インクジェットプリンタを発表
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2005/07/12/1907.html


関連情報
日本HPのホームページ
http://www.hp.com/jp


オフィス向けインクジェットプリンタ
http://www.hp.com/jp/biz-inkjet


HP Officejet Pro K550シリーズ製品情報
http://h50146.www5.hp.com/products/printers/bizinkjet/biz/index.html


HP Deskjet 460シリーズ製品情報
http://h50146.www5.hp.com/products/printers/bizinkjet/biz/mo_index.html


プロフィール
清水理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」ほか多数の著書がある。

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