光を支配するWoooのテクノロジーと可能性

 日立はDVDドライブをはじめとした光学ドライブのピックアップや、ホールなどで使われる業務用液晶プロジェクターにおいて世界で高いシェアを誇っている。これらの光学技術を終結したのが「ZP05シリーズ」に採用されている「S-LED(スリムブロックLEDパネル」であり、圧倒的な高画質を実現するための要となっているのだ。また液晶パネルも広視野角でフルハイビジョン映像を映し出せるフルHD IPSαパネルが採用され、「S-LED」との相乗効果で、ハイコントラストで高精細な立体感溢れる映像が楽しめる。さらに各種のセンサーや映像解析技術をふんだんに盛り込み、ハイレベルなハイビジョン映像を創り出しているのだ。まずは「ZP05シリーズ」の技術面から見ていくことにしよう。

 

漆黒の黒と輝く色彩を画面に共存させる要
〜「S-LED」のテクノロジーを探る

 液晶テレビは「黒を表現するのが難しい」と言われている。それはなぜか? 液晶テレビは、画素そのものが発光するのではなく、画素(各ドット)の手前にブラインドのような液晶シャッターを設け(液晶素子)、その開閉でパネル裏の光を透過/遮蔽させて映像を作り出す。デジタル腕時計を暗い映画館で見ようとしても、まったく時刻が読めないのと同様で、液晶パネルは裏側からライトを点灯したり、外光がないと映像が見られないのだ。そのため一般的な液晶テレビやパソコンのディスプレイには、CCFL(小型蛍光灯)バックライトやLEDバックライトが設置され、これを点灯することで映像が見えるようにしている。

 しかしブラインドで太陽光を遮っても部屋が真っ暗にならないのと同じで、一般的な液晶テレビはバックライトの明かりが、液晶シャッターのわずかな隙間から漏れてしまい、黒が濃い灰色になってしまう。これは部屋を真っ暗にしてパソコンの液晶ディスプレイで、デジカメ写真の黒い部分を見ればよく分かる。いわゆる「黒浮き」と呼ばれる現象だ。

日立独自のS-LEDバックライトシステム
日立独自の「S-LED」バックライトシステム

 この黒浮きを解消するためには、バックライトを暗くしてやればいい。しかし、従来機種の液晶テレビはCCFL(小型蛍光灯)バックライトやLEDバックライトで画面を均一に照らし出しているため、バックライトを暗くすると、今度は白のパンチ力がなくなり、薄いグレーになってしまうという宿命があった。これが「液晶テレビで黒を表現するのが難しい」と言われる原因だ。

 「ZP05シリーズ」は、この宿命をブレイクスルーするために新しいバックライトのアプローチを取っている。それが「S-LED(スリムブロックLEDパネル)」と呼ばれるもので、1画面を複数のブロックに分割し、それぞれのブロックを照らすバックライトをタイル状のモジュールにしている。これまでは液晶パネル全体を均一に照らすものだったバックライトだが、画面をブロック状のエリアに分け、それぞれのバックライトの輝度をエリアコントロールするという手法だ。

 これにより映像の特定エリアが黒だった場合、そのエリアを照らす「S-LED」を消灯することで、バックライトから漏れる光がなくなり黒浮きのない漆黒の黒が表現できるようになった。一方エリア内に煌めく白やイルミネーションがあれば「S-LED」を最大輝度で点灯し、輝きを持った色彩を表示できる。「S-LED」ならエリアごとのバックライトの輝度を上げられるため、これまでにない程の輝く白や色彩を表現できるようになったのだ。こうして1画面内に漆黒の黒と輝く白を共存させたのが「S-LED」である。

エリアごとにLED発光をコントロールしているため、画面の広い範囲で高コントラストな映像表現が可能となっている
エリアごとにLEDの発光をコントロールしているため、高コントラストな映像表現が可能となっている

 また「S-LED」のモジュールにも光学技術で世界をリードする、日立ならではのこだわりが見られる。単にモジュールのエッジにLEDを配するだけでなく、より均一に、高輝度でブロック全体を光らせるために、独自のフラッグパターンを設けている。肉眼で見るのに近いハイコントラストな映像を映し出してくれる。液晶パネルが奏でる美しい高精細映像を高いコントラストで表現できるようにしているのだ。

 

「S-LED」がもたらす動画解像度1080本
〜「キレのある動画」を液晶テレビで実現

 「S-LED」は映像の表現力を広げるだけではなく、ブレやボヤケの少ない動画を再現するための礎にもなっている。これは動きの速いスポーツなどの映像を見れば一目瞭然だ。

 一般的に、ホールド型と呼ばれる液晶の動画応答性を改善するには、擬似的にプラズマなどの自発光の特性であるインパルス型に近づけることで、大幅に向上が図れる。以前の液晶テレビでも、液晶パネルに黒を表示し、かつバックライトブリンクをする技術を採用していたが、CCFL(小型蛍光灯)バックライトのオン/オフの立ち上がり速度の関係で、完全な黒画面の挿入には至らず、それゆえバックライトの残光が残り、動画のブレやボヤケの完全な解消が図れなかった。

 主流になりつつあるLEDバックライト採用機種では、オフからオンにした際のMAX輝度への応答速度が速くなり、瞬間的に黒を差し込むことが可能になったため、ボヤケの改善ができたものの、今でも動画のキレはプラズマテレビに軍配が上がっている。

 「ZP05シリーズ」では、「S-LED」独自の応答速度の速さと緻密なエリアコントロールにより、高度な「バックライトスキャニング」を実現している。光漏れの少ない帯状の黒を画面上部から下部に向かって表示させ、キレのある映像を再生する。しかもその黒は、黒浮きしたものではなく、「漆黒の黒」だ。ブロック状のバックライトになっている「S-LED」ならではのアプローチであり、緻密なエリアコントロールを高速に処理できる「ZP05シリーズ」ならではと言えるだろう。

コマ倍速化のほか、バックライトスキャニングを行うことでもチラツキ/残像感を軽減
バックライトスキャニングを行うことで、大幅に残像感を軽減

 動画がいかに精細に見えるかを表す「動画解像度」という指標がある。フルハイビジョンの解像度は1920×1080本だが、それはあくまで静止画を表示した場合。テレビは動く映像を表示するため、画素の応答速度やブレやボヤケなどで、静止画ほど解像度が高くないのが一般的だ。

 フルHD液晶テレビの動画解像度は900本程度、一方フルHDプラズマテレビは1080本であった。しかし「ZP05シリーズ」は、動画解像度が「1080本」となり、フルHDプラズマテレビにひけを取らない動画を再生できるようになっている。

 

「フルHD IPSαパネル」+「S-LED」でどこから見ても高画質

 高精細で鮮やかな映像を映し出すのに欠かせないのが、液晶パネルだ。「ZP05シリーズ」では、最新の「フルHD IPSαパネル」を搭載している。

 「フルHD IPSαパネル」の最大の特徴は、明るく高精細なのはもとより、上下左右から見ても色の変化が少なく、またコントラストの変化が少ない、視野角178度を実現しているという点だ。この、視野角の広い「フルHD IPSαパネル」に、「S-LED」を組み合わせることで、正面はもちろんのこと、さまざまな角度からの視聴において、ワンランク上の漆黒と輝く色彩を楽しめるのだ。このマッチングのよさに、高いポテンシャル性能を感じずにはいられない。

視野角178度のIPSパネルを採用しているので、上下左右どこから見ても明るくきれいに見える
視野角178度の「フルHD IPSαパネル」を採用しているので、上下左右どこから見ても明るくきれいに見える

 ちなみに、液晶テレビのカタログで見かける「視野角」とは、テレビの真正面を0度として、左右から見ても真正面から見た映像と変わらないコントラストと色が再現できるかという指標ではなく、あくまで参考値。すると、同等の数値でも、左右から見た場合のコントラストが美しいか、確認が必要なのである。

 

センサーと「S-LED」が連携し色温度や色彩を検知
〜「インテリジェント・オート高画質2」でいつでも高画質

 白熱灯の元で撮影したデジカメ写真がオレンジ色になってしまったり、蛍光灯の元で撮影したものが青白くなってしまった経験がないだろうか? これは部屋の明かりが電灯と蛍光灯では、色が違って見えるために起こる現象だ。いわゆる光源の違いによる「色温度」の差と呼ばれるもの。

 従来は、部屋の明かりの光源の違いにより白が青に振れてしまったり、画面が明るすぎるがために白っぽくメリハリのない映像になってしまう。「ZP05シリーズ」には、リビングを照らしている光源の色温度(日光、電球、蛍光灯なのか)を自動的に判断し、映像の色を最適に調整するだけでなく、部屋の明るさも高感度センサーが検知して「S-LED」の明るさを自動的に調整する機能「インテリジェント・オート高画質2」を備えている。部屋のライティング環境だけでなく、再生中の映像の輝度や番組のジャンル、元の映像の解像度を分析し最適な高画質に自動調整を行うようになっている。

コマ倍速化のほか、バックライトスキャニングを行うことでもチラツキ/残像感を軽減
部屋の明るさ、色温度、映像ソースの種類などから最適な高画質に自動調整
コマ倍速化のほか、バックライトスキャニングを行うことでもチラツキ/残像感を軽減
超解像技術を採用。「インテリジェント・オート高画質2」が映像ソースに合わせた適切な処理を行う

 

Woooならリビングで高画質

  「ZP05シリーズ」に秘められたテクノロジーが分かったところで、リビングのテレビとしていかに効果が現れるかを紹介していこう。

 

過酷な条件を課せられたリビング設置テレビ
〜テレビにとってもっとも過酷な条件「リビング」をクリアー。漆黒の黒とキラめく色彩で家族を魅了する


リビングに実際に設置して、「ZP05シリーズ」の実力を検証してみた

 調光の効くAVルームなどと異なり、まばゆい日光がふりそそぐリビングは、テレビにとって過酷な現場となる。とくに冬場の朝と夕方はリビングの奥まで直射日光が差し込む。そんな土日の朝や夕方、子供がアニメを見ているときにこんな指摘をされたことはないだろうか?

「部屋を明るくして見てくださいってテレビで言ってるのに、何でカーテン閉めて暗くするの?」

 ブラウン管式のテレビなどでは、朝陽や西日が当たって画面が見づらいだろうという親心なのだが、番組冒頭では必ず「部屋を明るくしてテレビから3メートルはなれて見てください」と促すために、鋭い指摘を受けてしまうのだ。

 しかし「ZP05シリーズ」は、「S-LED」が創り出すコントラストの高いハイビジョン映像を映し出すので、画面に太陽光が当たっても見やすく、目を細めてテレビを見ることもない。ましてやカーテンを引くこともなかった。

 また家族全員がそろった夕食どきに、SF映画のハイビジョン映像を見せてみたところ、返ってきた第一声は「すごい!光ってる!」という言葉。漆黒の宇宙の中を飛び交うレーザー光線、そして大爆発する船団のシーンは、「S-LED」という予備知識がなくても、明らかに他のテレビの映像とは違うことが分かったようだ。

 そして数日もすると、今まで見ていたテレビは主電源が切れたままとなり、常に「ZP05シリーズ」を家族の誰かが見ているという状態になる。画面のサイズは同じ42インチなのに、なぜ「ZP05シリーズ」ばかりを見るのか?を聞いたところ「見やすいしキレイ」という答えが返ってきた。「ZP05シリーズ」のハイコントラストで見やすい映像に魅了されたようだ。

ひとりひとりが部屋のどこにいても楽しめるのが大切なリビング用テレビ
ひとりひとりが部屋のどこにいても楽しめるのが大切なリビング用テレビ

 リビングのテレビとして求められるのは視野角の広さ。「ZP05シリーズ」の視野角は178度を誇っている。「フルHD IPSαパネル」+「S-LED」自体の視野角の広さとあわせて、「S-LED」がもたらす高いコントラストにより、「左右から見ても高コントラストで美しい」ことを高レベルで実現しているのだ。

 

 

       

時間によって明かりが激しく変化するリビングで活きる高画質
〜光を以て光を制する。激しく変化するリビングの灯りを検知し最適の画質に

 リビングのテレビは、朝から夜中まで家族の誰かが見ている。そして明るいリビングは、一日を通して刻々と明るさが変化する。リビングを照らす光源もまちまちで、夕方になると部屋の蛍光灯を灯し、夕食どきにはダイニングの白熱灯も併用する。子供たちが寝静まったころには、調光の効く白熱灯のダウンライトを灯して落ち着いた空間でテレビを肴に一杯。

 このようにリビングは、明るさが大きく変化するだけでなく、光源も日光、蛍光灯、白熱灯とさまざまだ。しかし「ZP05シリーズ」なら「インテリジェント・オート高画質2」が、常にナチュラルな輝度で色彩を映し出し、ギラつかない高画質を楽しませてくれる。

 通学や通勤前に朝陽が差し込むリビングで見るニュース番組もクッキリ、お母さんが昼間に晩御飯の献立を考えるために見る料理番組もクッキリ、夕方子供たちが帰ってきて見るアニメ番組もクッキリとした映像だ。また夜に照明を少し落として夫婦ふたりだけで見る映画は、照明の明るさを感知して、画面の輝度を自動的に絞るので、ギラギラ感のない自然な映像で楽しませてくれた。

  • 自然光
    自然光
  • 蛍光灯
    蛍光灯
  • 白熱灯
    白熱灯
  • 消灯時
    消灯時
自然光、蛍光灯、白熱灯、そして消灯時など、センサーが光の状況を感知して最適な画質に自動調整

 

見ている番組を自動判定
〜番組を理解し最適な映像をクリエーション。ワンランク上の高画質を魅せる「インテリジェント・オート高画質2」

 「ZP05シリーズ」に搭載されている「インテリジェント・オート高画質2」は、スポーツ、映画、音楽、アニメといったどういうジャンルの映像を再生中なのかを判断し、それぞれに適した映像を自動的に調整してくれる機能だ。その効果を一番顕著に感じられたのはスポーツ番組だった。

 「インテリジェント・オート高画質2」の「スポーツ」では、まずスタジアム映像に好適な、色温度高めのシャッキリとした映像になる。さらに、「ZP05シリーズ」の進化したノイズリダクション機能とあいまって、非常にクリアな画質なるのだ。ちょうどサッカー中継があったので見てみたところ、芝生の鮮やかな色が印象的な絵づくりになった。また、普段見ているテレビにはノイズリダクション機能がないので、サッカーボールと選手を追うカメラの映像は、芝生にブロックノイズが多く発生する。しかし「ZP05シリーズ」の映像を見てみると、正方形のブロックノイズの輪郭が見えないほど緩和されていた。

 スポーツ番組のほかにも、個人的にイチオシなのがアニメの画質だ。アニメ画面というのは色が平坦なぶん、ノイズが目立ちやすくなるが、これが「インテリジェント・オート高画質2」にかかると、ノイズが軽減されS/N比の高い映像になる。

 これまで映像設定メニューをたどって、番組や部屋の環境ごとに手動で調整しなければならなかった機能だが、「ZP05シリーズ」ならすべてテレビに任せておけば、番組のジャンルや映像の明るさなども考慮して、フルオートで高いパフォーマンスの映像を楽しめるのだ。

部屋の明るさ、色温度、映像ソースの種類などから最適な画質を自動選択
視聴番組のジャンル等も自動判別して、最適な処理を施す

 

映画をワンランク上の高画質で楽しむ
〜味わいあるフィルム映画を再現する「シネマスキャン」。なめらかなシネマ映像を創り出す「なめらかシネマ」

 映画やアニメなどは毎秒24コマで制作されている(ハイビジョンカムで撮影した30コマの映画もあるが、今回は除外して考える)。しかしテレビ放送では毎秒60コマを採用しているため、テレビで放送される映画は、秒間24コマを60コマにしている。動きがギクシャクして見える映画を、「ZP05シリーズ」の「なめらかシネマ」機能では、毎秒60コマでテレビ放送された映画から、元の24コマの映像を取り出し、日立独自の「動き補間アルゴリズム」を用いて、前後のコマの動いている部分を検知して、コマとコマの間に差し込む映像を新たに作成するという方法を使って、動きがスムーズな120コマに見せている。「なめらかシネマ」を有効にすると、フィルム映像が、ビデオ映像のようなスムーズな動きになり、元が24コマのフィルム映像とは思えないほど滑らかな動きを見せるのだ。

なめらかシネマ
日立独自の動き補間アルゴリズムで映像をつくり出して、なめらかで美しい映像を実現

 一方で、「シネマスキャン」では、外部機器から24コマで収録された映像を入力すると、96コマでの表示を行う。1コマを4倍し、等間隔で再生することにより、面フリッカを抑えながら、フィルム映画さながらのジャダー感を実感できる。それはあたかも映写機の歯車の音が聞こえそうなぐらいだ。

 「ZP05シリーズ」なら、嗜好にあわせて「なめらかシネマ」、「シネマスキャン」というように楽しめる。

 

スポーツ観戦や映画・アニメを見てもチラつきがないハッキリとした映像
〜倍速120コマ映像と「S-LED」だからできる「バックライトスキャン」でブレのないシャープな動画品質

倍速120コマ駆動により、動きの速い映像の残像感が少なくなる。

 「ZP05シリーズ」の倍速120コマ映像の精度の凄さに魅せられたのは、フィギュアスケートの中継だ。フィギュアに詳しい人はご存知の通り、わずか1秒の間にジャンプしながら3回転も4回転もする。

 従来式のテレビでは、ジャンプの回転数を「トリプル・アクセル」や「4回転」という解説がなければ区別がつかなかった。しかし「ZP05シリーズ」でジャンプを見てみると、顔の輪郭がはっきり見えるので、自分でカウントした回数と解説者の回転数がかなりの確率で一致した。「本当にジャンプ回転数をカウントできるの?」と思われてしまうかもしれないが、まぎれもない実体験の事実である。

 また走る車の映像で、大きな違いがあることが見て取れた。画面中央ではっきり読み取れる車のナンバープレートが、画面の端に走り抜けても、「ZP05シリーズ」では「品川○○」という小さな文字まで読み取れる。

 これが精度の倍速120コマの映像と「S-LED」だからできるバックライトスキャンの見せる映像の違いだ。

 

家族全員、部屋のどこにいても聴きとりやすい
〜音質にも徹底的なこだわりCONEQ搭載。リビングのどこにいても自然で原音に忠実なサウンドと映像

 映像だけでなく音声も視野角同様のワイドさを持たせているのがポイントだ。従来のテレビは「テレビの真正面にいる人に最適な音声を作り出す」いわゆるリスニングポイントが1点となっている。しかし「ZP05シリーズ」は、家族全員でテレビを囲んでも正面にいる人はもちろん、その両サイドにいる人も原音に近い自然な音声が聴こえるようCONEQという技術を採用している。CONEQはReal Sound Lab社が開発し、コンサートホールのような大型スピーカーから流れる音を大勢の人が原音に忠実に聴こえるようにする音響技術で、世界中の劇場や映画館、スタジオや放送局などで高く評価されている。

部屋のどこにいても同じように音声が聞こえるCONEQ技術を採用
部屋のどこにいても同じように音声が聞こえるCONEQ技術を採用

 このように日立の「ZP05シリーズ」なら、高画質の映像が楽しめるというだけにとどまらず、部屋のどこにいても自然で高音質のサウンドが楽しめる、まさに「全方位対応」の液晶テレビとなっている。

 

上質なリビングを演出する魅せるテレビ
〜メタルとクリア材が奏でるインテリアコンシャス性。明るいリビング〜アーバンな部屋にも上品にマッチ


クリアのベゼルなど、デザインコンシャスなたたずまい

 リビングに置くテレビは性能も求められるが、同時にインテリアとしてのデザイン性も求められる。その点「ZP05シリーズ」は、クリア材とヘアラインの入ったスタイリッシュなメタル素材を使っており、ブラック&シルバーという落ち着きのあるインテリアコンシャスなデザインとなっている。またクリア材は、裏から着色してその透明感を際立たせるというこだわりようだ。

 「ZP05シリーズ」なら明るくポップなリビングでもアーバン調の落ち着いたリビングでも、部屋のイメージを損なうことはないだろう。またマホガニー調のウッディーなリビングに置いても違和感がないのは、写真を見ていただければ分かるはずだ。

 「ZP05シリーズ」は、テレビというより「高精細な絵を映し出せる額縁」と言った方がいいのかもしれない。それがあるだけで、上質なリビングを演出するだけでなく、ちょっとした美術館になるといった感じだ。

 

Woooならでは!充実の録画機能

 テレビに録画機能を搭載していることは、もはやスタンダードと化してきた。そうした中でも、テレビに録画機能は不要、という信条のユーザーもいるかもしれない。しかし、家族が頻繁に使う録画や予約操作のハードルを引き下げることは、なんといっても、自分自身の自由な視聴時間を増やしてくれることに今回気づいた。“今見なくても、録画しておけばいい、あとで見よう”という、気軽さとタイムシフトの自由さをもたらし、家族自身がテレビにいつもしがみつくことが無くなったのだ。「ZP05シリーズ」を私自身が贅沢に堪能する視聴時間につながったのである。

 ちなみに録画機能内蔵テレビといえば、最近は内蔵HDD録画、外付けUSB HDD録画、LAN HDD録画、BD録画などがある。「ZP05シリーズ」は、内蔵HDDと増設可能な別売カセットHDD「iVDR-S」の録画に対応している。しかも、DLNAムーブに対応し、内蔵HDDに録画した番組をネットワーク上のNAS(LAN HDD)に移動したり、さらにPanasonicのBDレコーダー(動作確認機種はこちら)と接続すれば、BDに記録することもできる。「録って見て消す」派にも、「録画を残す」派にもうれしい仕様となっている。

 地デジトリプルチューナー内蔵で、ダブル録画しながら別番組の視聴もできるから、見たい番組が家族3人でオーバーブッキングしても大丈夫。とても心強いのだ。さらにiVDRというハードディスクカセットを使えば、自分専用として管理できるので、内蔵ハードディスクの容量を家族で取り合いすることもない。

 

地デジトリプルチューナー搭載。家族で見たい番組が重なっても安心
〜ダブル録画にリアルタイム視聴もできる。トリプルチューナー搭載でテレビを家族でシェアーする

 「ZP05シリーズ」の心強い録画機能を支えるのは、地デジトリプルチューナーを内蔵している点。1つはテレビの視聴用で2つは録画用チューナーとして活用でき、テレビを見ながら裏番組2本を同時に録画できる。

 録画予約もシンプルだ、1週間分の番組表から録りたい番組を選ぶだけ。番組名をうろ覚えでも、ジャンル検索や番組の一部の名前を入力すれば、サクッ! と検索、即予約という簡単さ。もちろん毎週や毎日といった指定だけでなく、野球が放送延長した場合など、自動的に遅れを検知して録り逃すこともないのも魅力だ。さらにリモコンに独立して設けられた「録画」ボタンが気に入った。見たい番組のCMの合間に、気になった裏番組を見つけたら「録画」ボタン。これだけで裏番組を番組終了まで録画してくれる。お母さんが料理番組でレシピをメモする変わりに「録画」ボタンをピ! 録画機能一体型ならではの機能だろう。

 だいたいの家庭では、1度買ったテレビは長く使うもの。録画機能は家族の使い勝手を見据えてダブル録画ができるトリプルチューナー搭載機を選びたい。

多チューナーと優れたマルチタスク性能で、家族が同時に使える
多チューナーと優れたマルチタスク性能で、家族が同時に使える

 

たくさん録れるから、どんどん録画しても安心
〜ハイビジョンを最大400時間録れるTSX8モード搭載。家族でハードディスクをシェアする

 「ZP05シリーズ」の内蔵ハードディスクの容量は500Gバイトとなっていて、ハイビジョン8倍録画※1で、最大約400時間※2(ダブル録画時を除く、TSX8モード時)の録画が可能だ。「8倍モードだとかなり画質が荒れるのでは?」という声もあるだろう。しかし「ZP05シリーズ」には、画質の劣化を最小限に抑えつつ映像データを圧縮する専用のプロセッサを搭載しているので、ハイビジョン有効解像度のまま映像を再生できる。

 録画モードには、画質を最優先させるTSモード、専用プロセッサで圧縮しハイビジョン有効解像度のまま2倍の録画時間を確保するTSEモードと、それぞれ4倍・8倍の時間を確保するTSX4モード・TSX8モードに加え、録画時間を最優先させるSD画質のTSX24から選べる。だからアクション映画はTSモード、ラブロマンスならTSX4モード、教養番組ならTSX8モードというような使い分けも可能だ。TSX4モードをデフォルトにして日常使用すれば、ハードディスクの容量の消費を抑えつつ、見たい番組をデジタルハイビジョンの高画質で楽しめる。容量不足になる心配はほどんどないだろう。

録画番組は番組名などで自動フォルダ分けされるので、あとで録画番組を探すときに便利
録画番組は番組名などで自動フォルダ分けされるので、あとで録画番組を探すときに便利

 たくさんの番組を録画すると問題になるのが番組の整理だ。「ZP05シリーズ」は、同じ番組名が複数ある場合は、自動的に番組ごとのフォルダに分類してくれるので、毎週楽しみにしているドラマやアニメ番組へのアクセスも簡単だ。さらに番組の「ジャンル」「未視聴」による一覧も表示できるので、「あれ〜?あの番組どこ行った?」と迷うことはまずないだろう。予め指定したフォルダに分類して録り分けできる「ユーザー」による一覧表示もあるので、お父さん、お母さん、子供用といったフォルダに録りためることが可能。内蔵ハードディスクはかなりキレイに整理され、録画した番組を迷わず探せるようになる。

※ 「ZP05シリーズ」では、アナログ放送の録画はできません。
※1 TSX8モード時。BSデジタルハイビジョン放送(24Mbps)をTSモードで録画した場合との比較において。地上デジタルハイビジョン放送(17Mbps)をTSモードで録画した場合は約6倍です。
※2 長時間録画モードにするほど画質は劣化します。録画時間は目安です。

 

iVDR-Sを使えば家族がそれぞれ自分専用ライブラリーを持てる
〜カセットHDD「iVDR-S(別売)」で容量の増設もカンタン。家族で使えば自分専用のライブラリーに

カセット式のHDD「iVDR」は、自分用の録画ライブラリーとしても、はたまた内蔵HDDの増設用としても使える
カセットHDD「iVDR」は、自分用の録画ライブラリーとしても、はたまた内蔵HDDの増設用としても使える

 内蔵のハードディスクでは容量が足りないという場合は、別売のカセット式ハードディスク「iVDR-S」を差し込んで、さらに大容量化もできる。容量のラインナップもハイビジョンを8倍録画で400時間録れる500Gバイト、200時間録れる250Gバイト、128時間録れる160Gバイトが用意されているので、番組や用途に応じて使い分けもできる。

 また内蔵ハードディスクで容量を占めがちな、連続テレビドラマやアニメなどを自分専用の「iVDR-S」に移動すれば、自分専用のライブラリーが作れるだけでなく、内蔵ハードディスクも効率的に使えるようになる。もちろん録画予約時に内蔵ハードディスクか「iVDR-S」を選ぶことも可能だ。

 ハードディスクとはいえ、使い方は簡単。一昔前の家庭用ゲームのカセットのように、テレビのiVポケットにガチャ!と差し込むだけでいい。

 便利に使えるのは「iVDR-S」に録画・移動した番組は、他のiVポケット付きのWoooシリーズや、別売のiVDRアダプタを接続したテレビやパソコンでも見られるという点。リビングの「ZP05シリーズ」で録画した「iVDR-S」を部屋に持っていき即再生といった使い方もできるのが魅力だ。

家族ひとりひとりが「iVDR-S」を持てば、光学ディスクメディアよりもお手軽に自分用ライブラリーにできる
家族ひとりひとりが「iVDR-S」を持てば、光学ディスクメディアよりもお手軽に自分用ライブラリーにできる

 

DLNA対応だからLANに接続すればDLNA対応のパソコンなどでネットワークを経由して気兼ねなく番組のやり取りがOK!
〜録画した番組を他のWoooやDLNA対応機器から再生。見たい・録りたい番組を家族で気兼ねなくシェア

 たとえば出張先のお父さんから録画予約のお願いをされても、リビングにある「ZP05シリーズ」で録画しておけばOK。出張から戻ってきたお父さんは、LANで接続された別のWoooやDLNA対応テレビなどから、「ZP05シリーズ」のハードディスクにアクセスするだけで番組が見られる。記録メディアによって視聴場所を制限されることがなく、LAN経由で気兼ねなく番組が見られるのだ。

  • ZP05背面のLANにケーブルを接続
    「ZP05シリーズ」背面のLANにケーブルを接続
  • ケーブルはルーターや無線LANコンバーターに接続し、家庭内LANに参加させる
    ケーブルはルーターや無線LANコンバーターに接続し、家庭内LANに参加させる
  • DLNAクライアント(ZP05内のコンテンツを視聴するクライアント。ここではXP05)もZP05同様にLANに接続。これだけでDLNAの準備はOK!
    DLNAクライアント(「ZP05シリーズ」内のコンテンツを視聴するクライアント。ここでは「HP05シリーズ」)も同様にLANに接続。これだけでDLNAの準備はOK!
自室の「Wooo XP05」から「ZP05」の中にあるフォルダにアクセスしてみた。これなら「ZP05」で誰かが番組を見ている最中でも、自分の録画番組を視聴できる!
自室の「HP05シリーズ」から「ZP05シリーズ」の中にあるフォルダにアクセスしてみた。これなら「ZP05シリーズ」で誰かが番組を見ている最中でも、自分の録画番組を視聴できる!

 また、トリプルチューナーでも見たい録画番組がオーバーブッキングした場合は、DLNA対応のテレビやパソコンを使って録画済番組を視聴することもできる。他のDLNA対応機で録った番組を見るのも簡単で、リモコンの「Woooリンク」ボタンを押すだけ。画面から「AVネットワーク」を選ぶと、機器の一覧が表示され、そこに録画されている番組の一覧が見られるという簡単さだ。

 さらに、「ZP05シリーズ」はかなり高いマルチタスク性能を持っている。ダブル録画しながら、録画済番組を視聴し、DLNA対応機器へ録画番組を配信までする。こんな離れ業まで普通にこなしてしまう有様に、内心で感動せずにはいられなかった。

※ DTCP-IP(著作権保護技術)をサポートしたコンテンツ配信機能(ホームサーバー機能)を搭載しています。すべての機器との接続を保証するものではありません。

 

Woooなら誰でも使える

 リビングに置くテレビの重要な要素、それが誰にでも使える簡単さだ。ここまでに見てきたとおり「ZP05シリーズ」は、テレビだけでなくハードディスクレコーダーも内蔵し、DLNA対応機器でもある。機能が多くなればなるほど、操作は複雑になってくるものだが、すべての操作はリモコン1つに集約され、家族誰もが気軽に使いこなせるようになっている。

 

映像コンテンツの幅が広がる「アクトビラ」対応
〜インターネット上の高画質映像コンテンツに即アクセス。リビングにいながらにして映画もアニメもダウンロード

 映像コンテンツは電波で配信されるテレビだけではない。すでに海外ではハリウッド映画をはじめとた映像コンテンツがインターネットを経由して手軽にダウンロードして視聴できるようになっている。しかもハイビジョン映像で5.1チャンネル音声というクオリティなので、高画質で大迫力なのだ。

 もちろん「ZP05シリーズ」は、インターネットにも対応していて、映像コンテンツのエンターテインメント性が大幅に広がる。配線はLANコネクタにケーブルを差し込み、自宅のLANに接続するだけ。視聴はリモコンの「ネット(アクトビラ)」ボタンを押すだけでいい。これでネット配信による各種の番組視聴サービスにアクセスできるのだ。リモコンとクレジットカードを用意するだけで、膨大なビデオライブラリーから映画などの番組を視聴できるのが助かる。高画質・高音質なコンテンツをリビングにいながらにしてレンタルできる。

 「アクトビラ」「TSUTAYA TV」や「NHKオンデマンド」などで、アニメからドキュメンタリー、映画までさまざまなコンテンツを即楽しめるのが「ZP05シリーズ」なのだ。

 

簡単操作とわかりやすいリモコン
〜テレビとダブル録画一体型だからできる。 統一された操作性で家族みんなにやさしいリモコン

簡明さと機能性の高いリモコン
簡明さと機能性の高いリモコン

底部がアーチ状になっており、手で握りやすいよう配慮されたデザイン
底部がアーチ状になっており、手で握りやすいよう配慮されたデザイン

直感的に録画予約ができる番組表画面
直感的に録画予約ができる番組表画面

 操作の要となるのはこのリモコンだ。テレビの視聴は電源ボタンも含め最大3つのボタンを押すだけで、地デジ、BS、110度CS、アナログ放送まで見られるようになっている。

 番組の録画予約と再生は、リモコン中央にある白い「番組表」と「見る」ボタンに集約。「番組表」ボタンを押すと、それぞれの向こう1週間の番組表がジャンルごとに色分けして表示され、上下左右キーと決定ボタンで予約できる。操作感覚は、新聞のテレビ番組欄に○を付けていく感覚そのものだ。

 録画した番組を再生するには「見る」ボタンを押す。画面に表示された一覧から見たい番組を選び「決定」ボタンを押せば再生が始まる。番組ごとの一覧を表示するのも簡単だ。録画予約の際にフォルダや「iVDR-S」を指定した場合も、保存場所をたどって行くだけで、見たい番組をすぐに探し出せる。

 他のWoooやDLNA対応機器に録画された番組を探すのも「見る」とさほど変わらない。「Wooo」リンクボタンを押しメニューから「AVネットワーク」を選ぶと、LANで接続されている他のWoooやDLNA対応器機の一覧が表示される。

 ここで機器を選べば、あとは「見る」と同様の番組一覧が表示されるので、そこから番組を選ぶだけだ。とくにDLNAということを意識させず、内蔵ハードディスクや「iVDR-S」を再生するのと同様の操作で、見たい番組に簡単にアクセスできる。


 

 

 

 

省電力機能
〜画質を自動調整して電力の無駄を抑える。年間消費電力量を約27%節約

LEDバックライトとセンサーのおかげで、消費電力も節約!
LEDバックライトとインテリジェント・センサーのおかげで、消費電力も節約! エコ効果も画面上でわかる

 「ZP05シリーズ」で採用されている「S-LED」バックライトは、従来のCCFL(小型蛍光灯)バックライトに比べ、消費電力が少なく抑えられている。また、「S-LED」を使ったバックライトは、画面の黒い部分はバックライトそのものを消してしまうので、常時全面を照らしている従来型の液晶テレビに比べ、消費電力が低くなっている点も見逃せない(日立L42-XP03比)。さらに「インテリジェント・オート高画質2」により、部屋の明るさを常に監視しているので、必要以上に明るくバックライトを点灯しないようになっている。このため従来型の液晶テレビに比べ、年間消費電力を27%削減できる(日立L42-XP03比)。

 またテレビの消し忘れ防止機能もエコに役立つ。テレビを見ているうちに居眠りしてしまっても、一定時間の操作がなかったときにはテレビが自動的に電源を切る。またよくありがちなのが、子供たちがゲームを楽しんだあと、ゲームの電源だけ切ってテレビを消し忘れてしまうというシーン。こんな場合も、映像信号が途切れると自動的に電源を切るようになっている。

 「S-LED」だけでも年間消費電力が27%削減できる上、自動電源OFF機能も併用すれば、それ以上の電気の節約に貢献するだろう。

○L42-ZP05:107kWh/年、日立2009年モデルL42-XP03:146kWh/年

 

まとめ

「ZP05シリーズ」はリビング設置のファミリー向けテレビに最適!という結論が出た!
「ZP05シリーズ」はリビング設置のファミリー向けテレビに最適!という結論が出た!

 日立の「ZP05シリーズ」を技術面と実際にリビングに設置しての使い勝手を検証してきた。そこで分かったことは、

「技術に明るく自分なりに映像へのこだわりを持つ筆者を納得させる「ZP05シリーズ」は、家族をも魅了する引力を持っている上に、とても親しみやすい」

ということ。

 「ZP05シリーズ」は、リビングに置いてみんなで使っても、その性能を遺憾なく発揮できると断言しよう。

漆黒の黒と輝く白や色彩を再現できる高画質映像――。
明るいリビングでテレビを囲んでの家族団らん――。
家族みんなの映像ステーションとして――。

 リビングというテレビの玉座に、日立の「液晶テレビ<S-LED> Wooo ZP05シリーズ」がある

(Reported by 藤山哲人)

 

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