富士通のFMV2010年夏モデルは、ノートPCもデスクトップPCも世界共通ブランドに統一された。ノートPCのLOOXやBIBLOがLIFEBOOKに、デスクトップPCのDESKPOWERがESPRIMOになったんですな。「よりたくましいFMV」へ生まれ変わるためのブランド一新なのだ。
で、そんな勢いのあるFMVシリーズ2010年夏モデルの目玉とも言えるのが、ESPRIMO FH550/3AM(以下FH550/3AM)。3D映像表示が可能な先進的なデスクトップPCとして、いちはやく市場に投入されたのだ。しかもリーズナブルな実勢価格で!!
イキナリすか!! 3D映像の時代の幕開けだなぁ……と思ってたらもうフツーに手を出せる価格!! 一気に価格競争の頂点!! これは興味深いゼ、ってコトで、早速この3D対応ESPRIMOことFH550/3AMを試してみることに。
てなわけで以降、FH550/3AMの3D映像表示機能を中心に、その使用感などを見ていこう。
プリンインストールの「Fujitsu PowerDVD9 3D Player」でBlu-ray 3Dが楽しめたり、はたまたDVDコンテンツを3D変換して楽しむことができるっ! これがポイント第1だ
FH550/3AMの3D対応パソコンとしての魅力を、イキナリ言っちゃうと、「3D映像を見られるだけでなく作ることもできる」という点。コンテンツ次第で利用幅が決まるほかの3D対応パソコンと比べると、自由に3D映像を作れるというのはヒッジョーに大きなアドバンテージである。
ともかく、まずは3D映像を見られるという点。具体的には、『Blu-ray 3D』対応コンテンツを3D再生できたり、通常のDVDコンテンツを3D映像に変換して楽しめたり、あるいは有名ゲームや定番アプリを3D表示で利用できたりする。それからYouTubeの3D映像なんかの再生も可能。さらに、本体内にはFH550/3AMを買ったその日に即楽しめる3Dコンテンツが収録されていたりもする。
ちなみにFH550/3AMに採用されている立体映像表示方式は「円偏光方式」。左目用と右目用の映像を、水平1ラインごとに同時に表示し、これを専用の偏光メガネで見ることにより、左目と右目でそれぞれ微妙に異なった映像を見ることができる。結果、豊かな立体感を伴った映像を楽しめるというわけだ。なお、このときに使う偏光メガネは非常に軽量で電源も不要。一般のメガネの上からでもかけることができる。
それから3D映像を作れるという点。ハイ!!ココ大切ですよ〜!!テストには出ないけど3Dパソコン選びの超重要ポイントですよ〜!!
FH550/3AMには3Dカメラが内蔵されている。モノとしては画面上部にウェブカメラが2つ内蔵されているのだが、これによりサクッと立体映像を撮影できる。もちろん、静止画(写真)も動画もOK。
たとえばこの3Dカメラで立体ビデオレターを撮影。3Dカメラとか立体ビデオレターとか言っても、実際の作業はマウスボタンをクリックするだけ。FH550/3AMの前に座ってクリック一発、あとはメッセージを言うなりすれば完了。こうして撮った立体ビデオレターをDVDやBlu-ray Discに保存して送れば、相手のFH550/3AM上で立体感溢れる3D映像とともにメッセージが再生されるってわけだ。
さて、肝心の3D映像のクオリティはどうか?結論から言えば、非常にリアルで違和感がなく、完成度の高い立体映像だと感じられた。
たとえば内蔵の2台のウェブカメラと「3Dカメラビューアー」を使った場合。自分の姿が3D表示されるわけですけど、これがまあ何とも自然。自分の顔や体、その背景などが、違和感のない立体感/距離感で表示される。その立体感は細部にわたってもじつに自然だ。たとえば室内のパース感は正しく、顔や胴体などの立体感や量感にもヘンな感じはない。
でまあ、そのナチュラルな立体感を持った3D映像をそのまま撮って残せるんだが、作成(というか撮影)方法は前述のように超カンタン!!クリック一発!!誰が見ても違和感のない立体感とこの容易さがあるので、ぶっちゃけ、そーとー盛り上がる。「キレイな3D映像」を「手軽に作れる」ってコトは予想以上に楽しい!!ので、ぜひ一度、店頭などでFH550/3AMに触れてみてほしい。
ちょっと話を戻して、3D映像のクオリティについて、もう少々。
FH550/3AMでは、『Blu-ray 3D』対応コンテンツを3D再生できたりDVD映画などを3D映像に変換して3D再生できるほか、既存の有名ゲームや定番アプリを3D表示しつつ遊ぶ/使うことができる。
たとえばGoogle Earth。世界各地の建物を3D表示できたりする超有名無料地図/地球儀アプリだが、これをさらなる立体感……というかモロにリアルな3D表示で堪能できる!!Google Earthで表示される都心部あたりの建物をFH550/3AMで眺めると……すんげぇ立体感だよマジかよ超イイよハマるよ!!しかも道が斜めってたりすんのも激リアル3Dだよイーヤッハァ〜!!と、原稿執筆中なのに思わず取り乱しちゃうほど、スゲく新鮮な経験となる。
ほか、いくつかの有名ゲームを試してみたが、どれもシッカリと3D化されちゃう。GoogleEarthも各種ゲームもそうなんだが、これまで2Dや擬似的な3Dだった表示が、リアルな奥行き感や量感を伴った3D映像となって表示されると、楽しさ倍増。いや、倍の倍の倍増!!「このソフトってこんなにオモシロかったっけ?」的な新しい刺激が得られるのだ。
さて、ここでFH550/3AMのスペックなどを少々見てみよう。
まず、CPUとしてはIntel Core i3-350MデュアルコアCPU(2.26GHz駆動)を搭載。デュアルコアでありかつHTテクノロジー対応なので、4つの処理を同時に実行。ハイビジョン映像の再生や編集なども快適に行える。メモリは標準4GBのデュアルチャネル対応DDR3メモリを搭載し、最大8GBに対応。HDDは1TB。CPUの処理能力を十分引き出すパフォーマンスを持ち、多量のファイルを余裕をもって保存できるキャパシティがある。OSはWindows 7 Home Premium 32ビットもしくは64ビットとなる。
ディスプレイ部は3D対応20型ワイドスーパーファインVX液晶(1600×900ドット)。FH550/3AMはディスプレイ一体型デスクトップPCで、ディスプレイ部右横にはBlu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応)を搭載する。
それから地デジチューナーを2基内蔵している。ので、ダブル録画に対応したレコーダーとしても活用できる。1TBのHDDに録画番組を貯めこみまくるもヨシ、お気に入りの番組はBlu-ray Discに書き出すもヨシだ。前述の20型ディスプレイは発色もよく動きの速い映像再生にも強いので、今時的なマルチメディア用途もしっかりこなしてくれるだろう。
ほか、ユニークなところではジェスチャーコントロール機能。これはディスプレイ上部のウェブカメラで手の動きを読み取り、音楽やBlu-ray Disc、録画番組やDVDの再生、テレビのチャンネル変更などを操作できるというもの。FH550/3AMにはマルチメディア系機能を扱うためのリモコンが付属するが、そのリモコンを使わずに手の動きだけでも映像再生などをコントロールできるってわけだ。
てな感じで、ホームユースPCとしてもビジネスPCとしても十分な性能を備えているFH550/3AM。これに加え、前述の超充実した3D対応パソコンとしての機能/性能を持つ───これから一気に増加すると思われるBlu-rayの3Dタイトルを3D再生でき、既にあるDVD映画などコンテンツも3D化して視聴可能で、さらに定番アプリや有名ゲームを3Dで楽しめて、サクッとカンタンに3D映像の自作まで可能。
汎用PC+地デジテレビ&レコーダー+3D!!って感じのFH550/3AMであるが、やはりここまで充実したマシンが一般的なデスクトップPCと同様の価格で購入できるのはグレイト!!とりわけ、3D映像の楽しさ美しさそして完成度の高さ。百聞は一見にしかず、ぜひ一度、FH550/3AMに触れて3Dパソコンの楽しさを体験してみて欲しい。
スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。 |