新発売の「EB-1775W」。3LCD方式としては世界最薄(44mm)のコンパクトさが最大の特徴だ
写真左:前モデルの「EB-1735W」、写真右:「EB-1775W」。前モデルと比較すると、大幅に薄型化したことがわかる

 「オフィリオ プロジェクター」の強みは、なんといってもそのラインアップの幅広さだ。薄さ・軽さを追求した「モバイルモデル」4機種、価格と機能のベストバランスにこだわった「スタンダードモデル」3機種、大型ホールや大会議室での使用に適した「常設モデル」3機種が新発表されたほか、教育現場向けモデルなどが用意されている。

 EB-1775Wは、「モバイルモデル」新製品4機種の1つ。その名の通り、持ち運びのしやすさを念頭に開発されたカテゴリーで、EB-1775Wは4機種中最上位機種にあたる。オープンプライスだが、市場価格は18万円前後となる見込み。外形寸法は292×210×44mm(幅×奥行×高さ)、重量は約1.7kgとなっている。この数値を見てお気づきの方も多いことだろう。そう、ほぼA4ジャストサイズなのだ。A4用紙のサイズは297×210mm。A4用紙の上にEB-1775Wを設置すると、突起部を除いてほぼ完全に同一サイズであることがわかる。

 もう1つの注目は、本体の薄さだ。44mmという数値は3LCD方式のプロジェクターとしては世界最薄(エプソン調べ)。前モデルにあたる「EB-1735W」の65mmと比較しても、より薄さが強調されていることが分かる。また本体は、角の部分が面取りされ、薄さを非常に強調したデザインとなっている。カタログスペック上、そのサイズ感はA4ノートPCと同程度のはずだが、実物を見るとそれ以上に薄い印象を受ける。本体上半分が白、下半分を黒のツートンカラー構成にしたことで、視覚的にも好影響を及ぼしているようだ。

 薄さの恩恵は、本体を実際に手に取ってみると実感できる。重量2kgを大幅に下回るモバイルモデルならではの特徴もあって、見た目より軽い印象を受ける。A4ノートPCはバッテリーがかなり重いため外見以上の重みを感じるが、EB-1775Wはその真逆と言える。スペックシートを見るだけではなかなか想像しにくい部分なので、店頭などで実物をぜひ確認してもらいたい。

 持ち運びやすさも考えられており、本体が薄くなったことで指をかけやすくなり、ノートPCの持ち心地にさらに近くなった。「小脇に抱える」というのは本体構造上、また安全面などからさすがに難しいが、取り回しの良さが大幅に向上したことは間違いない。

 プロジェクターでなぜここまで薄さを追求するのか―。会議室で使うものなのだから、それほどまでにサイズ感を重視する必要がないとお考えの人も多いかも知れない。しかし、これは実際にプロジェクターを利用されているユーザーの声が、大いに反映された結果なのだという。

 エプソン開発担当者によると、オフィリオ プロジェクターのモバイルモデルは、もともと製薬会社に勤務するMR(Medical Representative=医薬情報担当者)が使用しているケースが非常に多いという。プロジェクター持参で病院に連日訪問し、医療従事者に対して自社製品のプロモーションや副作用情報のプレゼンを日常的に行う。いわば製薬業界の営業職で、プロジェクターのヘビーユーザー中のヘビーユーザーだ。

 MRという職業は移動時間も長く、プロジェクターや資料などさまざまなツールを持参するため荷物もかさばりがち。また女性が多いことから、プロジェクターの軽さや持ち運び性能に関しては非常に要求が高い。エプソンではEB-1775Wの開発にあたって複数の製薬企業からヒアリングを行い、A4サイズの書類やノートPCと一緒に無理なくカバンに収納できる「A4堅持・薄さの改善」という開発方針を導き出した。

 MRに限らず、プロジェクターのサイズ感は、実は万人にとって重要なポイントだ。会議やミーティングでの映像の投写がプロジェクターの主目的だが、当然ながら24時間連続稼働させるわけではない。天井吊し(天吊り)型などの常設モデル以外は、会議室からオフィスに持ち帰り、収納することになる。

 これはつまり、会議のたびにプロジェクターを持ち運ぶことを意味する。ノートPCの購入にあたって真っ先に軽さに注目する人は多いだろうが、プロジェクターに対してもまさに同じ事が言えるだろう。得意先の会議室へプロジェクターを持ち込むケースはもちろんのこと、社内利用が中心であっても、軽さにはこだわるべきだ。

同梱品のソフトキャリングケース。薄型の新タイプに変更された

 なおEB-1775Wでは、同梱の手提げ式ソフトキャリングケースが新タイプとなった。より薄くコンパクトになったため、このケースに収納した状態でさらにキャリーカートへ収納するといった“バッグインバッグ”的な用途にも対応できる。

 また、本体カラーは従来通りホワイトのままだが、色味が従来モデルから変更され、より鮮やかな色調となった。オフィス機器的な雰囲気が抑えられ、高級感が高まった点も、何かと人目に触れることの多いプロジェクターにとって望ましい改善となりそうだ。

【動画】投写する映像の枠を、スクリーンの大きさに自動調整してくれる「かんたんセットアップ」機能を搭載
画面の表示方向は、底面の単脚で調整可能。「かんたんセットアップ」をはじめとした自動調整機能もあわせて使いたい

 EB-1775Wでは、オフィリオ プロジェクターの一部機種にのみ搭載されていた「かんたんセットアップ」機能を、モバイルモデルとして初搭載した。本体レンズ横にある光学センサーが、スクリーンの黒枠を識別し、縦横の歪み補正とフォーカス調整を自動で行うという機能だ。「かんたんセットアップ」は、プロジェクターを設置する机がわずかに傾いていたり、家具や収納ラックの関係でスクリーンの真正面にプロジェクターを設置できない場合などに特に効果を発揮する。メッセージに従って、画面ズーム率を本体レバーで調整し、あとは専用ボタンを押せば数秒で作業は完了。投写画面が斜め、もしくは台形になっていても真四角に調整してくれる。

 また、スクリーンを使わず壁に直接映像を投写する場合は、「自動タテヨコ補正」が機能する。約2秒間本体を静止させるだけで、傾きなどを自動検知し、画面が真四角に自動調整される。プロジェクターの準備をしているということは、つまり聞く側は待たされているということ。前述のMRの例に限らず、待ち時間を少しでも減らせることは、非常に大きな意味があるだろう。

 オフィリオ プロジェクターのユーザーから、もっとも好評を得ている機能も、EB-1775Wにはしっかり搭載されている。それは「スライド式レンズカバー」だ。本体のレンズ前面にあるカバーを手動開閉することで、瞬時に映像表示を止め、動作音を抑えることができる。資料映像ではなく、発言者側に視線を集めたい場合などに利用する。同様の機能は、リモコンの「A/Vミュートボタン」を押すことでも代用できる。だが、物理的な操作という分かり易さもあってか、プレゼンを進行させる上で非常に効果的な機能であるとの声がヒアリングでは寄せられたという。もちろん電源を切るわけではないので、映像が一瞬で再表示される点も、支持の理由だろう。

 
スライド式レンズカバーを閉じると、映像表示を一瞬でオフにできる
 
付属リモコン。「A/Vミュート」のほか、さまざまな操作を行える

 同様に「前面排気」もユーザーから人気を集めている機能だ。プロジェクターはランプを光源とする関係上、排気・排熱を常時行うが、これを本体側面ではなくレンズ横(前面)に放出する。本体側面への排熱の場合、席のレイアウトによっては会議参加者の身体に熱風が直撃する可能性もあるが、前面であれば人がいることは通常考えられないため、空間をより有効に使える。

 得意先の企業に訪問して、プレゼンするシーンを考えてみよう。先方の会議室であれば、あらかじめ上座や着席順が決まっているケースがほとんどだろう。持参したプロジェクターの排熱方向の都合で、これを1〜2席潰すともなれば相当な失礼にあたる。1回限りの重要なプレゼンテーションを要求される現場では、前面排気のメリットが想像以上に大きいようだ。もちろん、社内利用の場合でも、重宝する機能と言えるだろう。

 また、プロジェクターをより安心に、素早く使える「ダイレクトシャットダウン」機能についても触れておこう。従来のプロジェクターは、使用後に本体のクールダウンを行ってからでなければ電源コードを抜くことができなかった。このため、クールダウン終了前に電源コードを抜いた場合、機器寿命を縮めたり、故障に繋がる可能性があった。EB-1775Wをはじめ、エプソンの現行モデルは全モデル「ダイレクトシャットダウン」に対応。クールダウンを意識させない設計に加え、通常の電源オフ操作から数秒程度で片付けを始められる。万一、電源コードに足を引っかけて不意に電源オフになっても故障の心配はないという。不慣れな場所での会議も安心というわけだ。

本体背面の端子部。HDMI端子やUSB端子も内蔵する

 このほか、EB-1775Wではさまざまな映像ソースの入力に対応する。もっとも一般的なアナログRGB(ミニD-Sub 15ピン)に加え、RCA映像端子、さらにはHDMI端子での接続が可能だ。高画質なビデオ映像の再生も十分に可能だろう。

 そしてもう1つの映像入力方法「USBディスプレイ」も紹介しよう。文字通り、PCとEB-1775WをUSBケーブルで繋いで映像伝送するという仕組みだ。映像表示用のソフトウェアはケーブル接続の際にインストールされるので、事前準備もほとんど必要ない。

 アナログRGBケーブルでの一般的な接続の場合、PC側のキーボード操作で映像の出力先を変更する必要がある。しかし、USBディスプレイ機能なら、デスクトップ画面の表示内容が基本的にそのままミラーリングされるため、切換の手間が発生しない。プロジェクターに不慣れな初心者にとっては、特に便利な接続手段と言えるだろう。

 接続に必要なUSBケーブルは、アナログRGBケーブルに比べてコシが柔らかいため配線しやすく、相対的に軽いので持ち運びにも便利だ。USBケーブルはEB-1775Wのパッケージに同梱されているが、同等の市販品は一般的なコンビニで購入できるケースも多い。シンプルかつ万能性の高い接続方法として、「USBディスプレイ」はぜひ活用してほしい機能だ。

EB-1775WではUSBディスプレイ機能で、画面だけでなく音声も転送できる
本体正面のレンズ部。左側のスリットから排熱される
実際の投写画面。各種設定もこの画面を見ながら行う

プロジェクターの性能を決定づける要素、それが「明るさ」だ。「ルーメン(lm)」という光束の単位で表現され、この数値が高いほど投写画像が明るいことを意味する。視認性が高まり、カラーグラフや写真を色鮮やかに表現できるというわけだ。ここまで紹介してきた本体サイズ、そして価格と並ぶ、最重要スペックだ。

 EB-1775Wの明るさは3000ルーメン。今回発表されたオフィリオ プロジェクターのうち、持ち運びを前提としたスタンダードモデル、モバイルモデル合計7機種の中ではもっとも高い数値にあたる。巷では、手のひらサイズのプロジェクターもあるが、これらは明るさ10〜200ルーメン前後であるケースがほとんど。筐体サイズが違う以上、直接の比較にはならないが、3000ルーメンという数値がいかに明るいかの目安にはなるだろう。

 これまでならプロジェクターを利用する場合、画面が見にくくなるため、部屋の照明を落とすのが常識だった。しかし3000ルーメンのEB-1775Wを実際に使ってみると、その必要はほとんどないことが分かる。

 照明を付けたままプロジェクターが使えれば、何より手元が暗くならないので配付資料にも目を通せるし、メモを取ったり、キーボード入力もしやすい。壁際の照明スイッチをオン/オフするためにいちいち離席しなくてすむ。ほんのちょっとの時間を節約することが、会議の効率化や円滑進行に欠かせない要素であることは、誰もがおわかりいただけるはずだ。

 もう1つ注目したいのが画面の解像度だ。EB-1775WではWXGA(1280×800ドット)表示のワイド画面表示対応で、PCからより多くの情報を投写できる。近年は、ノートPCの分野でもワイド画面の解像度がスタンダードとなっているだけに、ぜひ抑えておきたいポイントだ。

短焦点レンズの採用により、効率的にスペースを使った投写ができる

 さらに、EB-1775Wでは「短焦点レンズ」が採用されている。プロジェクターでは通常、スクリーン(壁)とレンズの距離に応じて、投写画面のサイズが決まる。近ければ近いほど表示画面は小さくなり、逆に遠くなるほど大きくなる。しかし短焦点レンズの採用によって、スペース効率が向上する。つまり、より短い距離で大画面を表示できるというわけだ。EB-1775Wでは、最短でおよそ67cmの距離さえあれば30型相当の画面を投写できる。大画面液晶テレビをはるかにこえる80型(1.7×1.1m)表示も、最短約181cmの距離で実現可能だ。

標準同梱の無線LANアダプターは、ネジ止め式カバーの内部に挿入する。脱落の心配はほとんどなく、デザイン的にもすっきりと使える

 EB-1775Wでは、無線LAN機能が標準搭載されている。より正確には、無線LAN機能を利用するために必要なUSB接続型アダプター(ELPAP07)が標準同梱されているので、これをEB-1775Wに接続する格好になる。アダプターは専用設計となっており、ネジ止め式の本体カバー内部に設置・収納できる。PCからUSBフラッシュメモリーが飛び出しているような状況にはならないので、常時気兼ねなく利用可能だ。

 「プロジェクターで無線LAN」と言っても、ピンとこない人がいるかも知れないが、つまりはネットワーク接続対応レーザープリンターと同様のイメージだ。無線LANで接続されたEB-1775Wにネットワーク経由でアクセスし、投写映像をコントロールできる。

 無線LANの仕様面では、IEEE 802.11n(2.4GHz帯)に対応したことが最大のトピックだ。11nは仕様の標準化作業が長らく続いていたが、2009年9月についに正式化。ルーターやノートPC分野でのみ11n対応が先行していたが、プロジェクターなどの非PC系機器でもサポートが積極化しつつある。

 無線LAN経由でのプロジェクター操作方法は、2つに大別される。手軽さを重視する場合は、まず「かんたんモード」を利用してみよう。PCとEB-1775Wを1対1のアドホックモードで接続する方式だ。「かんたんモード」を利用する際には、WindowsおよびMac両対応の専用コントロールソフト「EasyMP Network Projection」をインストールしておく必要がある。同梱CD-ROMで提供されるほか、エプソンのサポートサイトからダウンロードできる。

「EasyMP Network Projection」で、接続するプロジェクターを選択しているところ

 操作手順も簡単。パネル部の操作もしくはリモコンでEB-1775Wの電源を入れ、入力系統を「LAN」に切り換える。プロジェクター側の操作は基本的にこれだけ。続いてPC側でEasyMP Network Projectionを起動。「かんたんモード」ボタンをクリックすると、プロジェクター一覧がリストアップされるので、選択して「OK」を押せば、無線LANのセッションが確立する。ちなみに、簡易的な誤接続防止機能として、投写画面上に表示されたキーワードの入力を要求する設定も可能だ。

 接続が確立してしまえば、あとはPowerPointを操作するなり、画像を表示するなり、目的のプレゼンテーションを行える。EasyMP Network Projectionからの操作で一時的に画面表示を消したり、プロジェクター側の入力ソースを切り換えることもできる。

「EasyMP Network Projection Ver.2.60」のツールバー。セッション確立後は、ツールバーから表示の一時停止操作などが可能

 無線LAN接続は実にスマートな機能だ。プロジェクターから伸びるケーブルは電源コード1本だけ。PCとプロジェクターを結ぶ映像ケーブルがなく、室内であれば電波到達距離の心配もない。長机をコの字状に並べるような会議室の間取りで、発言者とプロジェクターの距離がかなり離れているような場合でも問題なく利用できるだろう。わずかでも荷物を減らしたい人にとっては、VGAケーブルを持ち歩かずに済むというメリットもあるかもしれない。

 また、複数のPCで1台のプロジェクターを共有する手順もシンプル。後からプロジェクターを利用する人が、EasyMP Network Projectionからプロジェクターの検索・接続を行えばいいだけだ。操作ミスで接続者が切り替わってしまわないように「割り込み禁止」の設定もできる。名前こそ「かんたんモード」であるが、外出先で商談をバリバリこなすようなプロジェクター上級者にも使ってほしい機能だ。

 無線LAN接続のもう1つのモードは「マニュアルモード」だ。こちらはEB-1775W本体設定画面から、接続先となるルーターやDNSサーバーを指定しておき、社内LANに直接プロジェクターを接続しておく方法で、まさにネットワーク対応プリンター的な用法といっていい。

 接続の設定を済ませておけば、あとは「かんたんモード」同様、PCにインストールしたEasyMP Network Projectionからフルにコントロールできる。社内使用が中心であれば、「マニュアルモード」を活用するのがオススメ。プロジェクターを利用しながら、社内サーバーやインターネットへも普段通りアクセスすることも可能だ。

 なお、無線LAN利用時に気になるセキュリティー設定だが、EB-1775WではWEP/WPA2-PSK(TKIP)/WPA2-PSK(AES)など主要な暗号化方式5種類をサポートするので、安心して運用できるだろう。

 EB-1775Wは、前モデル「EB-1735W」から大幅な薄型化を実現した。本体が薄くなったということは、プロジェクター性能を左右するレンズも当然小径化された。本体の容積減にともなって廃熱処理機構が小型化すれば、稼働音が大きくなる可能性もある。

 しかしながら新モデルでも、明るさ、重量、稼働音といった主要なスペックは前モデルを継承した。性能を維持しつつ、一貫して薄型化に注力、ユーザーから寄せられた「持ち運びしやすいプロジェクターを」「便利な機能をモバイルモデルでも使いたい」の声に応えたのがEB-1775Wだ。

パネル表記も日本語

 エプソンが国内ユーザーの声を真剣に受け止めている例の1つが、本体パネル部の文字表記だ。グローバルモデルとしての流通を想定した場合、英語表記で統一するのが一般的だが、オフィリオ プロジェクター国内モデルでは日本語表記とした。専用部材を必要とするためコストにも跳ね返る部分だが、まさに日本メーカーならではの気配りとも言える。

 製品保守の新サービス「引取保守パック」も開始した。これまで、プロジェクター故障時の無償対応を約束した定期保守サービスは、故障品の引き取りと修理期間中の代替機をお届けするサービスを基本としていたが、「代替機がなくてもいいので、料金を安くしてほしい」という声に応えて新設。業者による引取後、最短で3〜4日で修理を完了し、返送する体制となっている。EB-1775Wでは購入同時3年プランが20,979円(税込)で契約できる。

 複雑な経済環境の最中、企業における備品購入時のコスト意識は非常に厳しさを増している。日常的なコストはもちろん、プロジェクターも例外ではないだろう。しかしオフィリオ プロジェクターは価格最優先の低価格モデルからEB-1775Wのようなハイエンドモデルまで、さまざまな価格帯の製品を用意。購入企業ごとに異なるさまざまなニーズに、柔軟に応えている。こういった地道な取り組みが、15年連続プロジェクター国内販売台数ナンバー1 ※1 の裏付けなのだろう。

■モバイルモデル
 
型番 EB-1775W EB-1770W EB-1760W EB-1750
店頭予想価格 ¥179,980 ¥159,980 ¥129,980 ¥99,980
明るさ 3000ルーメン 2600ルーメン
解像度 WXGA XGA
重量 約1.7kg
本体サイズ W×D×H(mm) 292×210×44
かんたんセットアップ ×
自動タテヨコ補正 ×
無線LAN対応 オプション対応 ×
■スタンダードモデル
 
型番 EB-W10 EB-X10 EB-S10
店頭予想価格 ¥89,980 ¥79,980 ¥49,980
明るさ 2600ルーメン
解像度 WXGA XGA SVGA
重量 約2.3kg
本体サイズ W×D×H(mm) 295×228×77
タテ自動台形歪み補正 ×
無線LAN対応 ×
EB-1775Wと同等のモバイル性を実現しながら、10万円以下に抑えた「EB-1750」

 プロジェクターとしてのモバイル性能を重視しながら、一方でコストを抑えたいというユーザーは「EB-1750」に注目しよう。EB-1775Wと本体サイズ・軽さは同じながら、明るさを2600ルーメン、解像度をXGA(1024×768ドット)表示、無線LAN機能なし、かんたんセットアップ非対応で、予想実売価格10万円以下の商品だ。低価格機ながら、短焦点レンズ、スライド式レンズカバー、前面排気、ダイレクトシャットダウン、USBディスプレイ機能などの仕様はEB-1775Wに準じる。利用シーンを熟慮して、比較検討するのもいいだろう。

 EB-1775Wは、モバイル性能と高機能の両立を目指した意欲的なモデル。やはり、社内・社外を問わず、日常的にプレゼンテーションを行うプロジェクターヘビーユーザーにオススメしたい。しかし本体の薄さ・軽さは、オフィス内だけとあっても持ち運びを頻繁に行うユーザーであれば見逃せない部分。わずかでもプロジェクターの利用経験があるユーザーなら、ぜひ買い替え・買い増し候補に加えたい。実際に使い比べて初めてわかる良さも、きっと多いはずだ。

※1:'95 〜 '09年度 プロジェクター国内販売台数 富士キメラ総研調べ
※2:3LCD方式プロジェクターとして。2010年9月現在、エプソン調べ。

(Reported by 森田秀一)

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