「ウルティマ オンライン(以下 UO)」は、1997年9月24日にオリジン・システムズ社が開発し、販売を行った(現在はエレクトロニック・アーツ・インクが開発・販売・運営)大規模マルチプレイヤーオンラインロールプレイングゲーム(以下 MMORPG)。UOが発売された1997年という時代には、MMORPGと呼ばれるジャンルは確立しておらず、UOはMMORPGと呼ばれるジャンルの先駆けとして時代を引っ張ってきたタイトルだ。 UOの最大の魅力は、自由度の高さにある。プレイヤーは冒険者としてモンスター退治に明け暮れる日々を過ごすことはもちろん、布や皮から衣類を作ったり、鉱石から鎧や武器などを作る生産者としての生活を過ごすこともできる。このほかにも、料理を作ったり、アイテムを鑑定したり、物乞いやスリで生計を立てたりすることもできる。プレイヤーが望めばなんでもできるという自由度の高さは、数多くのMMORPGが存在する現在でも、本作をおいて他にはないだろう。 そして、オンラインゲームの魅力のひとつに拡張パッケージと呼ばれるものがある。これは簡単に言うと、既存のシナリオに新たなシナリオを追加するものだと思ってもらえればいいだろう。この拡張パッケージの追加により、新たな大陸、新モンスター、新アイテムなどが登場し、プレイヤーは飽きることなくゲームを楽しむことができる。これがオンラインゲームの基本的なスタイルとなっている。オンラインゲームの歴史は拡張パッケージの存在を抜きに語ることはできない。それはUOも例外ではなく、この10年間に7つの拡張パッケージを販売してきた。タイトルは以下の通り。
そして、前作「宝珠の守人」から2年ぶりとなる新クライアント「ウルティマ オンライン 甦りし王国(以下 KR)」では、新ダンジョンや新モンスターなどは登場しない。では一体何が変わったのか? それは、グラフィックの一新と新しいインターフェイスの実装、新規ユーザーのためのチュートリアルが新たに追加されたということになる。本稿ではKRによって生まれ変わった、新しいUOの世界について紹介していく。
まず最初に紹介するのはグラフィックの変化。スクリーンショットを見れば一目でその違いはわかると思うが、ここではUOの歴史と共に従来のUOとKRの違いを見ていただこう。KRに興味を持った新規プレイヤーはUOの歴史を、以前にプレイしていたが辞めてしまったプレイヤーは、辞めた後UOの世界で何が起こっていたのかを知っていただきたい。そして、現役プレイヤーは生まれ変わったUOの世界を見てもらいたい。