ウルティマ オンライン 甦りし王国
進化したグラフィック 10周年を迎えた 元祖オンラインゲームの新たなる革命「ウルティマ オンライン 甦りし王国」

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 「ウルティマ オンライン(以下 UO)」は、1997年9月24日にオリジン・システムズ社が開発し、販売を行った(現在はエレクトロニック・アーツ・インクが開発・販売・運営)大規模マルチプレイヤーオンラインロールプレイングゲーム(以下 MMORPG)。UOが発売された1997年という時代には、MMORPGと呼ばれるジャンルは確立しておらず、UOはMMORPGと呼ばれるジャンルの先駆けとして時代を引っ張ってきたタイトルだ。

 UOの最大の魅力は、自由度の高さにある。プレイヤーは冒険者としてモンスター退治に明け暮れる日々を過ごすことはもちろん、布や皮から衣類を作ったり、鉱石から鎧や武器などを作る生産者としての生活を過ごすこともできる。このほかにも、料理を作ったり、アイテムを鑑定したり、物乞いやスリで生計を立てたりすることもできる。プレイヤーが望めばなんでもできるという自由度の高さは、数多くのMMORPGが存在する現在でも、本作をおいて他にはないだろう。

 そして、オンラインゲームの魅力のひとつに拡張パッケージと呼ばれるものがある。これは簡単に言うと、既存のシナリオに新たなシナリオを追加するものだと思ってもらえればいいだろう。この拡張パッケージの追加により、新たな大陸、新モンスター、新アイテムなどが登場し、プレイヤーは飽きることなくゲームを楽しむことができる。これがオンラインゲームの基本的なスタイルとなっている。オンラインゲームの歴史は拡張パッケージの存在を抜きに語ることはできない。それはUOも例外ではなく、この10年間に7つの拡張パッケージを販売してきた。タイトルは以下の通り。

 そして、前作「宝珠の守人」から2年ぶりとなる新クライアント「ウルティマ オンライン 甦りし王国(以下 KR)」では、新ダンジョンや新モンスターなどは登場しない。では一体何が変わったのか? それは、グラフィックの一新と新しいインターフェイスの実装、新規ユーザーのためのチュートリアルが新たに追加されたということになる。本稿ではKRによって生まれ変わった、新しいUOの世界について紹介していく。

 

同じ世界とは思えないほどのグラフィックの変化

 まず最初に紹介するのはグラフィックの変化。スクリーンショットを見れば一目でその違いはわかると思うが、ここではUOの歴史と共に従来のUOとKRの違いを見ていただこう。KRに興味を持った新規プレイヤーはUOの歴史を、以前にプレイしていたが辞めてしまったプレイヤーは、辞めた後UOの世界で何が起こっていたのかを知っていただきたい。そして、現役プレイヤーは生まれ変わったUOの世界を見てもらいたい。


「ウルティマ オンライン ザ・セカンドエイジ」
 秘密結社FoA(Followers of Armageddon)が使用したArmageddonの魔法はブリタニア全土に大地震を引き起こし、その時生まれた洞窟から新大陸が発見される。

 UO初の拡張パッケージである「ザ・セカンドエイジ」では、ブリタニアの地下世界である新大陸ロストランドが追加されたほか、30種類以上の新生物、日本語対応のチャットシステムなどの追加も行なわれた。日本サーバーである「Yamato」と「Asuka」が誕生したのもこの時期で、日本人プレイヤーが急増した時代であった。

ロストランドにはDelucia(デルシア)とPapua(パプア)の2つの街が存在する。画像は多くの生産者達が利用するデルシア銀行前。左が2Dクライアントで右がKRの世界だ。同じ場所に立っているが見た目の雰囲気はまったくの別世界に見える ロストランドを代表する建物TerathanKeep(蜘蛛城)。蜘蛛系のモンスターが数多く存在し、地下や宇宙と呼ばれる場所に行くことができる

 

「ウルティマ オンライン ルネッサンス・エディション」
 復讐に燃える魔女ミナクスによるブリタニア全土への猛攻撃が始まる。劣勢に立ったロード・ブリティッシュはブリタニアの全住民と忠実な家臣を連れて、徳に守られたもう一つの並行世界(ファセット)へと移ることを余儀なくされる……。

 二番目の拡張パッケージとなった「ルネッサンス・エディション」では、パーティーシステム(以下 PT)の導入と共にブリタニアには2つの平行世界、混沌と戦いに満ちた「フェルッカ」と安定した秩序の下で統治される「トランメル」が誕生した。導入直後はフェルッカの過疎化が急激に進んだが、後にパワースクロール(以下 PSC:スキル値の上限を上げるアイテム)の導入や資源などがたくさん入手できるシステムが追加され、フェルッカで暮らす人も増えてきた。

β版でのPTは、火柱みたいなものでPTメンバーが表示されていたため、複数の人が集まった状態ではメンバーが見難かった。今後の修正に期待したいところだ フェルッカは無法地帯で怖いというイメージもあるが、フェルッカでしか楽しむことができないこともある。PSCはフェルッカでしか楽しむことができない 後に登場したフェルッカのみに存在するダンジョンがある。それがKhaldun(ハルドゥーン)だ。ハルドゥーンしか存在しないモンスターが多数存在する

 

「ウルティマ オンライン 第3の夜明け」
 新世界への扉を開くファセット移動のムーンゲート。一人の男が長年追い求めた研究の成果が、第3の冒険世界とブリタニアを結びつける。

 三番目の拡張パッケージである「第3の夜明け」では、従来の2Dクライアントに加え、新たに3Dクライアントが追加された。また、3Dクライアントでしかプレイできない新大陸「イルシェナー」も追加された。イルシェナーの登場により新生物が多数追加された。第3の土地となったイルシェナーに存在するダンジョンは、ブリタニアのダンジョンより強敵が多く、上級者向けの大陸と言える。

プレイヤーのカルマがマイナスだと襲いかかってくる天使達の姿を見ることができる場所も Exodus(エクソダス)ダンジョンの最下層に出現するGargoyle Destroyer(ガーゴイル デストロイヤー) かつて、ブリタニア最強と呼ばれたAncient Wyrm(エンシェント・ウィルム)の棲み家には髑髏の山が……

 

「ウルティマ オンライン ブラックソンの復讐」
 王の不在が続くブリタニア。ロード・ブラックソンは最高位の貴族として次期国王の座を主張するが、認められず不満を抱く。その心の隙をエクソダスは見逃さなかった。エクソダスと手を組み機械の身体を手に入れたロード・ブラックソンは、ブリタニアを支配するためにジュカ族を率いて侵攻を開始する。

 四番目の拡張パッケージとなる「ブラックソンの復讐」では、モンスターデザイナーとして、著名なトッド・マクファーレン氏を起用。マクファーレン氏の手によってデザインされた30種類以上の新生物が誕生した。また、3Dクライアントでしかプレイすることができなかったイルシェナーが、2Dクライアントでもプレイすることが可能となったことで、イルシェナーの狩場は常に人の山となった。

イルシェナー唯一とも言える街Gargoyle City(ガーゴイルシティ)。住人はGargoyleのみで独自の文化を持っている Chaos神殿付近にいるLord of the Abyss(通称、黒閣下)は多くのプレイヤーの命を奪ってきた強敵だ Blood(ブラッド)ダンジョンの奥にはSuccubus(サキュバス)の姿が。イルシェナーはブリタニアより過酷な場所だ

 

「ウルティマ オンライン 正邪の大陸」
 星空の海に浮かぶ第4のファセット「マラス」。そこはルナを本拠地とする聖騎士「パラディン」とアンブラを本拠地とする黒魔術師「ネクロマンサー」、光と闇の存在である両者がしのぎを削り合う未知の大陸だった……。

 UO五番目の拡張パッケージとなった「正邪の大陸」では、新大陸「マラス」の登場に加え、聖なる騎士「パラディン」と死者を操る「ネクロマンサー」のスキルが導入された。マラスの登場により新ダンジョン「Doom(ドゥーム)」が追加され、強力なアイテム「アーティファクト(以下、AF)」が追加された。また、自由に家をカスタマイズできるようにもなった。ハウスデザインが追加となった背景には、広大なマラス大陸に家を建築できるようになったことも関係しているだろう。マラス解禁日には、多くのプレイヤーが空き地に家を建てるためにマラスを走り回った。

マラス大陸の周りは海ではなく、宇宙のようなエリアとなっている。KRで再現された宇宙の揺らぎは一見の価値アリ マラスにはLuna(ルナ)とUmbra(アンブラ)の2つの街が存在している。ルナを利用する人は多く、時には人の山に 戦闘バランスを大きく変えたAFを求めて、多くのプレイヤーがDoomを主戦場として日夜戦っている

 

「ウルティマ オンライン 武刀の天地」
 ムーンゲートをくぐると、そこにはブリタニアとは全く違った文化を持つ異国の地が広がっていた。古より存在を伝えられていた伝説の島々「徳之諸島」が今、その姿を現す。

 六番目の拡張パッケージ「武刀の天地」では、日本風の世界観を持つ「徳之諸島」が登場。「サムライ」と「ニンジャ」の2つのスキルに加え、和風のハウジングパーツ、15種類以上のモンスターやアイテムなどが追加された。徳之諸島にある2つのダンジョン「Yomotsu Mine(ヨモツ鉱洞)」と「Fan Dancer Dojo(ファンダンサー道場)」では、徳之諸島だけで手に入るAFが登場し、多くのプレイヤーが足を運んだ。

日本風をイメージした「武刀の天地」で追加されたダンジョンは、和風な作りとなっているのが特徴だ 日本の妖怪である「鬼」や「河童」をモチーフにした新モンスターが多数登場し、日本人プレイヤーは歓喜した!? 和風なハウジングパーツも導入され、江戸時代あたりを彷彿させるような家が数多く建てられた

 

「ウルティマ オンライン 宝珠の守人」
 大地を守るもの、エルフ。宝珠の崩壊により世界から引き裂かれた彼らは、失った力を取り戻すためにその身を隠しつつも、ユーに降りかかる悲劇がその地域を汚れすさんだ沼地に変えていってしまうのを悲しみのうちに見守っていた。ユーの浄化と共に、彼らの帰還が始まる。

 七番目の拡張パッケージである「宝珠の守人」では、種族の概念が誕生。新種族「エルフ」がプレイヤーキャラクターとして登場し、エルフの街「Heartwood(ハートウッド)」が追加された。新しいクエスト(NPCから受ける配達などの依頼)が多数導入されたほか、9つの新ダンジョン、ボスモンスターと呼ばれる「ピアレスボス」、新アイテムの追加など、数多くの新要素が投入された。

新種族エルフの登場により、エルフの住む街ハートウッドがブリタニアに誕生した ピアレスボスは特定のエリアに存在するが、そのエリアに行くためには鍵となるアイテムが必要となる 良質なアイテムがゲットできるため、人気となっているピアレスボス。画像はDread Horn(ドレッドホーン)

 

「ウルティマ オンライン 甦りし王国」
 そして、八番目の最新バージョンである本作「甦りし王国」の登場となる。グラフィックの一新により、現役プレイヤーは新たな気持ちでUOの世界を旅することができると思うが、一番気になるのはマイホームがどうなったのかというプレイヤーも少なくはないだろう。UOの世界では空き地があればプレイヤーは家を建築することができ、外観や内装(外観は変えれないタイプの家もある)を自分の好みにカスタマイズできる。内装に関して言えば、細かいアイテムを組み合わせて犬やカラスなどの動物類や有名なキャラクターなどを作ることができるぐらい、奥が深い世界だ。

内装の面だけを2Dクライアント(左)とKR(右)で比べてみると、さほどの差は感じられない。綺麗に作られた家はKRの世界でも綺麗な内装となっている

こちらは筆者のマイハウス。キャラクターが立っている上と右にセキュア(アイテムを閉まっておく入れ物)が3段重ねで並んでいるが、KRでは2段重ねになってしまう。当然、見えないセキュアを開けることはできないので、今後のアップデートでの改善に期待したい
生まれ変わったインターフェイスで何ができるのか
KRの基本画面
 KR最大の変化と言える新しいインターフェイスは、全体の画面を見れば直感的に理解できる感じの作りで、他のMMORPGを一度でもプレイしたことがある人なら、すんなりと使いこなせることができるだろう。右の画像を参考に画面の説明をすると画面左上にあるのがステータスバー、画面上中央にあるのがターゲットバー、右上がレーダーマップ。画面下左側にあるのがホットバー、右下がメニューバーとなっている。

 ステータスバーは、プレイヤーの状態を判断するもので、ヒットポイント、マナ(魔法などのスキルを使うために必要)、スタミナの3つを表しているほか、プレイヤーにかけられている魔法などが一目でわかるようになっている。注意して欲しいのは、ステータスバーはあくまでもプレイヤーの状態を表すものであって、このバーに対して魔法を使ったり、包帯を巻くことはできなくなったこと。これまでのUOでは、ステータスバーに魔法を使ったり、包帯を巻くのが基本だっただけに、現役プレイヤーは戸惑うかもしれない。顔が表示されている部分以外のところにカーソルを合わせてマウスの右ボタンを押すとキャラクターメニューが表示される。

 ターゲットバーは、プレイヤーが指定したターゲットを表示するもの。人間やモンスターなどを指定した場合は、カレントと呼ばれるサークルがターゲットの周りに表示される。自分やパーティーを組みたい人、ペットなどを指定してマウスの右ボタンをクリックするとメニューが表示される。ターゲットバーをダブルクリックするとアタックモードになるが、こちらもステータスバーと同様に魔法や包帯などを使うことはできない。また、騎乗動物に乗っている場合、ターゲットバーをダブルクリックすると騎乗動物から降りてしまうので注意してほしい。騎乗動物に乗ってない場合は、ペーパードールのON/OFFという形になる。

ペットのコマンドメニューを出す方法は3つある。1つ目は、ターゲットバーからメニューを出すという方法。2つ目は、ペットにカーソルを当ててマウスの左ボタンを押しながらスライドさせるとHPバーが出現するので、このバーからメニューを出す方法。そして3つ目は、画面中央左側にある矢印の形をしたボタンを押すと表示されるHPバーからメニューを出す方法。3通りのやり方があるわけだが、ペットそのものにカーソルを当ててもメニューを出すことはできないので、最初は戸惑うかもしれない


 レーダーマップは上の部分にある四角いボタンを押すと全体表示に切り替わり、自分がいる大陸(トラメル、フェルッカ、マラスなど)以外のマップを見ることができるようになった。β版では一部しか確認することはできなかったが、ギルドメンバーの居場所やクエストの依頼者、目的地、ダンジョン、ムーンゲートなどの場所が細かく表示されるようだ。

 画面左下にあるホットバーは、新しい「マクロ」だと思ってもらっていいだろう。マクロとは、あらかじめ登録した動作を特定のキーを押すことで実行できるものだ。UOに限らずMMORPGでは、マクロの組み方ひとつで複雑な動作を簡単に行なうことができるため、マクロの設定は欠かせない要素となっている。使い方は簡単で、ホットバーに使用したい魔法などのショートカットアイコンをドロップし、マウスの右ボタンをクリックして、ターゲットメニューから、カレント、自分自身、ターゲット表示の3つのうちから使用用途に合わせてどれかひとつを選択する。あとはキーを設定するだけで、簡単に魔法などが発動するようになる。ドロップするショートカットアイコンは魔法以外にも、スキルアイコン、徳アイコン、発言アイコンのほか、RunebookやScissors(はさみ)などのアイテムそのものをホットバーに入れることもできる。

 また、ホットバーの右端にある三角の形をしたボタンを押すと、ホットバーの切り替えができる(Shift+1〜5でも可能)。全部で9のホットバーが用意されているので、この部分だけで90以上のマクロを作ることができるということになる。これに新規ホットバーを組み合わせれば、ホットバーが足りないということはまずないだろう。

魔法をホットバーにドロップするにはSpellbookの魔法アイコンを使う。画像では5キーにHealの魔法を入れ、ターゲットメニューから自分自身を選択したところ スキルの場合はメニューバーからスキル表を開き、そこからアイコンを入れれば簡単に使うことができる。注意しないといけないのが、Peacemaking(沈静化)のスキル。このスキルは使用時にターゲットを指定するが、自分を指定して一定範囲に効果を発動するか、特定のモンスターのみを指定するかの2通りの使用法があるので、ターゲット別にホットバーを使い分ける必要がある。同様のことが包帯にも言えるだろう

ホットバーのコマンドメニューにある新規ホットバーは、ホットバーを新たに作り出すためのコマンド 新規ホットバーで新たに作り出したホットバーは、好きな長さ、縦、横と自由にカスタマイズすることが可能


 画面右下にあるメニューバーでは、キャラクターのペーパードール表示や現在受けているクエストの状況が確認できるほか、スキル情報、徳の情報、フレンドリスト、ギルド情報などの確認が行なえる。そして、メニューバーの一番右にあるメインメニューで画面サイズの設定や発言言語の設定などのゲーム設定を決めることができる。マクロの設定を行なうのもここだ。

徳のガンプはなくなり、文字と数字で現在の徳の状況がわかるようになった。この画面にある徳アイコンはホットバーに使用できる フレンドリストと呼ばれるシステムが追加された。これはフル画面プレイする場合、画面の切り替えができないので重宝する機能となる スキルの一覧は各スキルがひと目でわかるように整理され、使いやすくなったと言えるだろう


 メインメニューのマクロは上記のホットバーと同様の意味を持っているが、ひとつの動作しかできないホットバーに比べ、こちらではより複雑なマクロを組むことが可能となっている。例えば、bankなどの発言マクロはホットバーでも組むことができるが、文字数制限があるため長文の発言はできない。それに対してメインメニューからのマクロでは、文字数制限はあるものの、ひとつのキーにいくつもの発言マクロを組めるので、文字制限はないに等しい。

マクロを選択すると、マクロ編集ウインドウ(左)とアクションウインドウ(右)が現れる。最初は戸惑うかもしれないが、慣れてくると2Dクライアントでマクロを組むより簡単にできるだろう 編集ウインドウの作成でこのような画面になる。NO ICON SETと書かれている部分に新たに登場したアクションアイコンをセットする。これはこのマクロが何を意味するかを分かりやすくするためのアイコンだ 試しに発言のマクロ「Say」を作ってみる。アクションアイコンをNO ICON SETと書かれている右横の空欄にSayアイコンをドロップすると、文字入力が可能なウインドウが表示されるので、そこに発言を書き込む

発言は文字制限があり、20文字までしか入力できない。そこで新たに登場した空欄に再びSayアイコンをドロップすることで、もう20文字の入力が可能となる。これを繰り返すことで、文字制限は解除されたと言っていいだろう 最後は完成した編集ウインドウにカーソルをあて、コマンドメニューから「ホットキー割り当て」を選択し、登録したいキーを設定すればOKだ。でき上がったマクロには、名前をつけることができるので、分かりやすい名前をつけるといい 装備アイコンの場合は、バックパックに入っている装備品を直接装備ウインドウにドロップすればいい。複数の武器を装備設定しておけば、戦況に合わせて瞬時に装備を変更することも可能だ


 マクロ関連の話をまとめると、2Dクライアントでは難しかった、ポーションを飲む、指定した武器の切り替え、包帯を巻く(2Dクライアントでも可能だったが、一度指定が外れてしまうと、指定をやり直さなければならなかった)、といったマクロが簡単に組めるようになり、ゲームの展開は楽になったと言えるだろう。ホットバーとキーボードの初期設定を組み合わせることで、複雑なマクロを組むこともできる。例えば、PTナンバー1の初期設定はF2キーとなっている。これにホットキーの割り当てを行なうタイプのマクロを組むことで、PTメンバーを指定後Healの魔法が発動するといった行動をF2キーひとつで行なうことができる。これは同じキー設定にマクロが重なった場合、初期設定が優先されるからだと考えられる。このようにKRならではのメリットは数多く存在する。

 しかし一方では、フル画面でプレイしているとペーパードールの表示が大きいため、画面の一部が見えにくくなってしまうことと、Cキーを一度押すと、ペーパードールが表示となり、もう一度押すと非表示となるので、2Dクライアントと比べるとキー操作がひとつ増えてしまうことになってしまうというデメリットもある(非表示の場合はモンスターからのアタックを受けないため)。

 このほかの大きな変更点としては、バックパックや銀行の表示が3タイプのものから選べるようになった。1つ目は2Dクライアントで採用されているタイプで、自分の好きな配置に手持ちのアイテムを並べることができるもの。2つ目はマス目で区切られたタイプので、1つ目のタイプよりアイテム表示が大きくて見やすいのが特徴となっている。3つ目は縦一列に表示されるタイプで、こちらはアイテム表記があるので間違わずにアイテムを使うことができるといった感じだ。

3タイプはどれも長所短所があるので、プレイヤーの好みに合わせて使っていけばいいだろう
KRで新たに登場したヤングのための街New Haven City(ニューヘイブン)
 冒頭で述べたがKRで追加された主な新要素はグラフィックとインターフェイスで、新しい土地は新モンスターなどは一切登場していない。しかし、地形の変更が行なわれたエリアがある。それがHaven(ヘイブン)だ。ヘイブンは初心者の街としてUORから追加された街であった。街ができた当初は多くのヤングプレイヤーが在住していたが、最初に選んだ職業によってスタート地点となる街が異なるなどの変更点があり、時代とともにその意味が薄れてしまった街である。

 KRでは初心者にUOの世界をより理解してもらえるようにと、初心者クエストが多数用意されている。これらのクエストをこなしていくことで、プレイしながらUOの世界を知ることができる。キャラクターメイキング後、プレイヤーはヘイブンの港からゲーム開始となる。グエンという名の女性キャラクターから、マウスを使っての移動方法に始まり、バックパックの説明、アイテムの取り方、装備の変更、マップの見かた、戦闘、ホットバーを使った戦闘などの基本動作を教えてくれる。途中、死んでしまうこともあるが、その場合の対処方法まで詳しく説明してくれる。

キャラクターメイキングもKRならではの要素がある。それがFaceの選択。細かい設定はできないが、いくつかのパターンが用意されている グエンのチュートリアルは従来のものより親切で分かりやすい。彼女の指示通りに動けば基本的な動作は完璧にマスターすることができる 一番最初のクエストとなる「光り物」。目の前に落ちている刀を拾って依頼主に渡すだけといったもので、グエンの説明を聞けば簡単だ


 グエンのチュートリアルが終了すると、ニューヘイブンの街中にたどり着く形となる。この後は街中にSir Helperという名のキャラクターが大声で叫んでいるのが必ず目に留まるだろう。彼に話しかけるとニューヘイブンについて教えてもらえる。ここで教わるのは、各建物にはギルドマスターがいるから話を聞いて来いというもので、ギルドマスター達の居場所を案内してくれる。

 ギルドマスター達に話しかけると、今度は各スキルのスペシャリスト達を紹介してもらえる。ここで自分が上げたいスキルのスペシャリストからクエストを受けて、そのクエストを終了させるのが第一の目的だ。クエストの内容はスキルを上げてくるというものなので、自分が上げたいと思っているスキルに関するクエストは一挙に引き受けるといいだろう。引き受けたクエストが終了したら、報告をすることで報酬としてアイテムがもらえる。もらえるアイテムは初心者には嬉しいものが多く、当分の間は報酬としてもらった装備だけでも十分に戦っていけるだろう。

グエンのチュートリアル後はニューヘイブンで一番目立つ男、Sir Helperに話しかける。銀行付近で常に大声で叫んでいるので、嫌でも目に付くキャラクターだ 各ギルドハウスに足を運び、受けたいクエストを受けられるだけ受けてしまうのがいい。全てのクエストが終わる頃には、一人前の冒険者としてニューヘイブンから旅立つ日となる 報酬としてPilosopher's Hat(哲学者の帽子)をゲット。報酬としてもらえるアイテムはどれもBlessed属性となっているので死んでもなくなることがない。これで安心して死ねる?
まだまだ未知の可能性を秘めたKRの世界
愛着のあるペット達の姿が変わってしまい残念に思っている人もいるだろう。筆者的にはKRのWhite wyrm(ホワイト・ウィルム)は嬉しい変化だった
 UOには10年という長い歴史があるが、KRの世界はスタート地点に立ったに過ぎない。そのため特にKRの世界に興味を持ってプレイを開始する人や、以前にプレイはしていたけど引退した人、他のMMORPGをプレイしていた人でもKRをやりたいという人は違和感なくKRの世界を楽しむことができるだろう。興味が少しでもあるなら、公式サイトにて無料でダウンロードすることができるので、プレイしてみることをオススメする。しかも、7日間は無料でプレイすることができる。

 問題となるのは現役プレイヤーということになると思う。慣れれば問題はないだろうが、いい意味でのクラシカルな世界観で描かれている2Dクライアントが好きな人は多いため、慣れるまでKRをプレイするメリットが現状では用意されていない。TDの時と同様にKR専用のダンジョンなどがあればよかったのだが……。

 次にぶち当たる壁がマシンスペックとなってしまう。必要マシンスペックは以下の通りだが、UOの魅力のひとつは低スペックなマシンでもプレイできるというところにある。10年前なら、パソコンに詳しいコアなプレイヤーが多かったが、現在はライト感覚でプレイを楽しんでいる、女性プレイヤーが多いといった印象を受ける。事実、筆者の周りのプレイヤーは、KRのオープンβ日にKRをダウンロードしてみたが起動しないという人も多かった。現役プレイヤーのフォローまでは手が届いていない感じだ。
PC Windows XP (Vista対応予定)
CPU Pentium III 1GHz, Athlon 1GHz以上
メモリ 512MB以上
HDD 6.0GB以上
ビデオ T&L搭載のVRAM 64MB以上(NVIDIA GeForce 3以降)
ドライブ 4倍速以上
DirectX DirectX 9.0c以上
インターネット 常時接続 56kbps 以上

 大きなデメリットは時間が解決してくれるのもオンラインゲームならではの魅力で、今後のアップデートに期待したいところだ。もちろん、デメリットよりメリットのほうが大きいのは言うまでもないだろう。グラフィックが一新したというだけで、ブリタニアを観光気分で見て回れるのは、現役プレイヤーならではの楽しみかたのひとつだ。マクロに関しても研究次第では、2Dクライアントでは不可能だった行動ができるようになり、狩りや生産を気軽に楽しむことができるようになるだろう。それらを研究するだけでも、KRの世界は未知数で楽しいといえる。良くも悪くもKRはピカピカの一年生だ。これを気に現役組、初心者組、復帰組が一丸となってKRの歴史を作ってみてはどうだろうか。


Special Thanks:瑠璃香[B-H]、ripu[+A+]、Marron[@×3]、junjun[AMX]、MICHI
VH[AMX]、朱紫[WG]、Pure White[PL]、yu-ri[FAH]、LED、Andromeda
【関連情報】
■ EA:エレクトロニック・アーツ(http://www.japan.ea.com/
■ ウルティマ オンライン 甦りし王国(http://ultimaonline.jp/kingdomreborn/

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