前作「Crysis」からおよそ3年半。エレクトロニック・アーツからいよいよ4月14日に登場する最新FPSのWindows版「Crysis 2」は、PCゲーマーなら絶対に見逃せないタイトルだ。
開発元はご存知Crytek。圧倒的な技術力が全世界で高く評価されている、ドイツのゲームデベロッパーだ。そのCrytekが生んだゲームエンジン「CryENGINE」は、PCゲームの世界において常に時代の最先端を象徴し続けてきた。
2004年にリリースされたCrytekの処女作「Farcry」(CryENGINE 1)にはじまり、2007年の「Crysis」(CryENGINE 2)では現在の最新ゲームと比較しても何ら遜色のない素晴らしいグラフィックスを実現。物理エンジンを大胆に活用したゲーム性も相まって、すべてのPCゲーマーに衝撃を与えた。その完成度の高さときたら、今でも最新PCのベンチマークに使われるほどである。
そして本作「Crysis 2」である。本作では、前作「Crysis」で描かれたフィリピン沖リンシャン島でのエイリアンとの戦いに引き続き、最強の戦闘服「ナノスーツ」に身を包んだ兵士の戦いを描き出す。
舞台は近未来のニューヨーク。屹立する無数の摩天楼はまさに大都市のジャングルだ。崩壊した都市環境という極めて複雑な3Dシーンが驚くべき緻密さで表現され、銃弾が当たればコンクリートは破砕し、路上の自動車は爆発ではじけ飛ぶなど、景観はダイナミックに変化していく。
また各ステージはインドアとアウトドアの両方の環境から巧みに構成されており、最新FPSならではの戦略性に富むゲーム性が約束されている。アウトドア一辺倒であった前作に比べ、スピーディでスリリングな接近戦の機会が大幅に増えたという印象だ。
「ナノスーツ」を装着して戦火を駆ける! |
破壊されたニューヨークは非常にリアルに表現されており、恐怖を覚えるほど |
演出面では随所に挿入されるリアルタイムのシネマティックシーンに特に力が入れられており、崩壊するビル群などの大規模な表現はまさに圧巻である。それによってステージ内の環境が変わり、以前とは異なる戦略を要求されることもあるなど、ただの映画的演出に終わらせていないあたりが、本作が最強のFPSたるゆえんだ。
もちろん、新しくなった「ナノスーツ」による戦略性も注目ポイントだ。ステルス戦法、ゴリ押し戦法のいずれも許容しつつ、敵との駆け引きの中でプレーヤーに最速の決断を要求するスリリングなゲーム性。他のFPSではなかなか味わえない斬新なプレイフィールが楽しめる。まさに手応え抜群のFPSなのである。