去年の秋にスタッドレスタイヤを買った拙者だが、そのときからタイヤに対する強い興味が継続中である。タイヤってどれも同じように見えるが、も〜全然違う。前に使っていた激安スタッドレスと高性能スタッドレスの性能差を体感して思い知った───凍結路での安心感、普通の道路での走行性能、燃費まで違ってくることがよくわかった。

 以前は「タイヤって黒くて丸くて転がるゴム」みたいなテキトーで十把一絡げなイメージだったが、製品によって快適さも安全性も経済性も大きく変わる「クルマの最重要部品のひとつ」であることを激理解!! これからはタイヤ買う前にチョー調べなきゃ!! てな考えになった拙者である。

 最近は“エコタイヤ”すなわち低燃費タイヤが注目されてますな。その低燃費タイヤには、タイヤラベリング制度という、低燃費タイヤ表示ガイドラインがある。乗用車用夏用タイヤを対象にした、タイヤの転がり抵抗性能とウエットグリップ性能を組み合わせた等級制度で、統一デザインでわかりやすいマーク表示がされているわけ。

 マークには燃費性の尺度となる「転がり抵抗」性能表示が5段階、安全性の尺度の「ウェットグリップ」性能表示が4段階で表示されているので、いろいろある低燃費タイヤのなかから、自分が重視している性能で選べるようになっているわけ。たとえば自分はクルマで通勤してるから、燃費性最重視でウェットグリップはまあまあでいい、とか。

 というわけで、タイヤについての学習度がけっこー高まってきた拙者なんだが、こうなってくるとだれかに教えたくて教えたくてウズウズ……。

 そんなところへ、今まさにタイヤを交換しようとしている人を発見!! 拙者の写真技術の師匠でもある若林カメラマンである。

 むむむ若林師匠!! タイヤ買い換えるんですかどんなの狙ってるんですか? ふむふむ……なに!? 安いのでいい? ダメダメダメダメそーゆー考えは!! カメラもタイヤも値段だけで買っちゃダメ!! とくに命に関わるブツであるタイヤはチョー調べて買わないと!! それに買ったら少なくとも1〜2年は使い続けるんだから、自分にマッチしたのを買わないと、その1〜2年、損しますよ!!

 この「命に関わる」や「1〜2年を損する」が師匠のハートに刺さったのか、「じゃあどう選べばいいのか教えてチョ!!」となり、弟子の拙者が若林師匠にタイヤ選びの指南をすることになった。ムフフ。師弟関係逆転〜♪

 というわけで、若林師匠とともに、タイヤの専門店に向かうことになったわけなんである。専門店なら、拙者が説明に困っても、プロ中のプロがいるから心強い!

頼れる専門店、タイヤセレクト久が原。

 目指したのは、東京都大田区にあるタイヤ専門店「タイヤセレクト久が原」。いちおー事前にWebやらカタログやらで、若林師匠に薦める候補をいくつか決めてはいたんである。で、ラインアップが充実しているダンロップの専門店にまず向かったというわけ。

 若林師匠は「タイヤなんか安いのでいい」とか言ってたわけだが、よくよく訊くとちゃんとタイヤに対する要望があった。具体的には「走っててウルサくないのがいいなぁ」であり「こういうご時世なので燃費がいいほーのタイヤを」であって「もちろんグリップも大切」でありつつ「なるべく長持ちするやつ」とのこと。

 ま、誰でも考えるコトは一緒ですな。アレもコレもと欲張りなご要望。あのね師匠、そんなね、あの性能もこの快適さも全部ゲット的な都合のいいタイヤなんてものはですね……。

「あ。やっぱナイよねそんなの。ゴメン。じゃあ静かで燃費がいいだけでもいいヨ」

 さて、若林師匠のご要望を満たすタイヤはあるのか? と思いつつ、タイヤセレクト久が原に到着。

 タイヤセレクト久が原は、拙者の想像していたようなタイヤ屋さんではなかった! チョ〜きれいで、ショールームとカフェを足したみたいで、ぜんぜん油っぽくなくて、長居したくなるような空間。そこで拙者と若林師匠に応対してくれたのは、低燃費タイヤのスペシャリスト、岡村副店長だ。

 副店長に若林師匠の要望をぶつけてみたところ、ぴったりなタイヤがあった! その名は、「LE MANS 4(ル・マン フォー)」!! もちろん、超静音で激低燃費でグリップ力が超越的で寿命10年オーバーとかいう夢のような性能ってわけじゃないんですけど、拙者思うに、かなりバランスがいいと思うんですよええ。とくに静粛性はイカシてますよ。音楽聴きながら走ると音質UP的な差が出ますよ。寿命面では従来品より17%も偏摩耗が少ないし、あとこの「LE MANS 4」は低燃費タイヤ統一マーク付きだから燃費も安全性も兼ね備えててですね……。

タイヤ内部に見える、特殊吸音スポンジ。触ると柔らかくて、すごく吸音しそう!

 タイヤセレクト久が原で師匠とともに驚いたのは、「LE MANS 4」の静粛性を体験できるディスプレイ。「LE MANS 4」は、タイヤ内部に世界初の特殊吸音スポンジを持つ。走行時に発生する振動〜音をスポンジが吸収し、タイヤが発する騒音エネルギーを従来品より13%も低減しているのだ。

 ま、数値にするとイマイチわかりにくいんだが、タイヤセレクトにあるディスプレイを使うと、その吸音性能の凄さっていうか静粛性の高さが一発でわかる。てコトで、どぞ、師匠。お試しを。

「あ〜っ!! 凄いねーコレ、こんなに音が違うんだァ!! ひぇ〜!!」

 って、むしろ師匠が驚いている声がウルサイですから。ここ営業中の店内ですから。ほかのお客がこっちチョー見てますから。

 
左が特殊吸音スポンジあり、右がなし。ホントに音が変わる

 ディスプレイは、内部に特殊吸音スポンジがあるタイヤとないタイヤの内側で電子楽器玩具から出る音にどの程度の差が出るかを確かめられるもの。試せば明らかで、特殊吸音スポンジがいかにシッカリと騒音を吸収しているかがわかる。

 その吸音性能に驚く若林師匠に、副店長さんが「タイヤを軽く叩いたりしても音の違いがわかりますよ」と。師匠はタイヤをコンコンと叩いたり、持ち上げて落としてみたり。確かに、普通のタイヤと比べると、「LE MANS 4」からは高い音が出にくいような印象だ。これもハッキリと違いがわかった。

副店長の説明でタイヤを叩いて比べる若林師匠

 副店長さん曰く「特殊吸音スポンジは高音もよく吸収しますので、たとえば走行中に小さな段差に乗ったときのポンッポンという音もかなり低減してくれます。高速道路などでの走行はとても快適です」とのこと。また「実際の走行中には新構造コンビバンド(タイヤのゴムの内側を多う帯状の部分)や新パターン(溝の形状)により、ロードノイズをより低減してくれます」とも。

タイヤのノイズを徹底的にシミュレーション

   
空気圧力変動シミュレーション
突起乗り出し時のタイヤ内部の圧力変動をシミュレーション
 
ロードノイズシミュレーション
荒れた路面を走行中に発生するロードノイズを解析。タイヤ構造変更によるノイズ低減効果を確認
 
パターンノイズシミュレーション
タイヤ転動と空力シミュレーションでタイヤの溝形状と付近の空気の挙動を解析。走行時に発生するパターンノイズを低減
新パターンでもロードノイズを軽減。パターン形状が不ぞろいなのには意味があるのだ

 「LE MANS 4」の静粛性を気に入った若林師匠は、なんかテンション上がったようで、副店長さんに質問モード。

「LE MANS 4」は低燃費だって聞いたんだけれども、どのくらい低燃費なんですか?」

 誰でも気になる燃費の良さだが、これはなかなか一概には言いにくい性能ですな。しかし、またまた副店長さん曰く「走り方などにもよりますが、メーカーテストでは3.8%向上してますので自信ありますよ」とのこと。さらに、タイヤがもたらす燃費向上の目安となる「低燃費タイヤ」統一マークについても詳しく説明してくれた。

「LE MANS 4」実物に貼られたラベルに「低燃費タイヤ」統一マークが表示されている

 ちなみに「転がり抵抗」を体験するディスプレイもあった。2本のミニチュアタイヤが並んでいて、一方は普通のタイヤで、もう一方は「低発熱密着ゴム」を使ったタイヤ。両者を転がし比べると、明らかに「低発熱密着ゴム」採用タイヤがスムーズに動く。「低発熱密着ゴム」は走行時のタイヤ表面発熱を抑え、つまり抵抗がより少ないので、走る力のロスが少ない。すなわち、軽い力でよく転がる=燃費向上に直結するというわけだ。

 
「転がり抵抗」比較ディスプレイを体験。黒が普通のタイヤ、緑色のが「低発熱密着ゴム」使用タイヤ。緑色のほうがよく転がる

「なるほどネ!! いいじゃん、静かで燃費良くて。これにしようかな?」

 あ。師匠。「LE MANS 4」には、もうひとつ、誰もが喜ぶ性能がありますよ。とくに仕事でもプライベートでも長距離走りまくりの師匠には嬉しい性能っす!!

 静粛性が高く、燃費向上が期待でき、それでいてウェットな路面でもシッカリとしたグリップ力を発揮する「LE MANS 4」。既に魅力十分&実用性十二分。もうこのへんで若林師匠に「ユー、LE MANS 4買っちゃいなYo!!」とか言えばズギャッと買いそうな雰囲気だ。が、さらに、「LE MANS 4」は長寿命というナイスな性能を備えている。

 なんと!! 従来のタイヤよりも17%も長寿命!! 長持ちなんですよ!! 毎日のようにクルマで走る師匠のおサイフに優しい!! ねえ師匠、よくなくなくなくないですかこの性能!!

「それはありがたいなあ。私は年間に少なくとも仕事で20,000kmは走っちゃうからなあ。少しでも長持ちするほうが嬉しいよ。でも、なんで長寿命?」

 う。あの、えーと、それは、あうあう……なんで長寿命なんですか17%も、ねえ副店長さん。

「LE MANS 4は偏摩耗が起きにくいタイヤだからです。タイヤの一部分がほかの部分より多く減ることを、偏った摩耗で、偏摩耗と言うんですよ。偏摩耗が起きると、部分的にタイヤの寿命が来てしまい、ほかの部分はまだ使えるのにタイヤ交換が必要になってしまいます。タイヤの寿命について、道路との接触面積が増えればそれだけタイヤが早く減るとイメージしがちですが、実際はその逆で、タイヤ全体を均等に路面と接触させて、つまり偏摩耗をはじめとするタイヤの部分的な摩耗を抑えるほうが長く使えるんです。LE MANS 4は接地圧が均等で、偏摩耗が起きにくい設計になっています。タイヤ全体が均等に減っていきますので、従来品と比べて17%も長寿命なんです」

ロングライフを実現する技術(2)

   
新品時からの摩耗外観(シミュレーション)摩耗末期でもショルダー部の横溝が残っている

 なるほど均等に減るのか……つまりタイヤのタイヤたる部分をちゃんとシャブリ尽くせるって感じなんですな。確かに。カタベリとか言いますもんね。タイヤ全部使い切れる感が高くてイイですな。

「イイね〜。そっか。わかった。もうLE MANS 4にする。タイヤセレクトのお兄さん、このLE MANS 4のイキのいいとこ、4本包んでちょうだい!!」

 師匠。イキとか関係ないですから。あと包んじゃダメですから。ともあれ、その性能にすっかり納得して「LE MANS 4」を注文した若林師匠。特別にタイヤ交換作業の見学までさせてもらった次第なり。てなわけで次回は、「LE MANS 4」で走りまわる若林師匠の実感レポートを掲載予定。乞うご期待!!

   
   
「LE MANS 4」への交換風景
副店長に見送られて、さあ、静かで低燃費な走りへ!!

(スタパ齋藤)

関連リンク
■ダンロップ(タイヤ)
http://tyre.dunlop.co.jp/
■住友ゴム工業株式会社
http://www.srigroup.co.jp/
■製品情報
http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/passenger/lm704/
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■ダンロップ、低燃費タイヤ初の吸音スポンジ搭載「LE MANS 4」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20101224_416965.html