間もなく冬。今年の冬は久々にスキーに行こうかニャ♪ 真冬のトラウト釣りもいいなぁ〜。まぁどちらにせよ、クルマで行くからスタッドレスタイヤに履き替えなきゃ。

 てなわけで物置からゴソゴソとスタッドレスタイヤを取り出してきたんだが、なーんかこのスタッドレス、そーとー古ぼけた感じ? 何年前に買ったんだっけかなぁ……確か5年前だ。そろそろ買い換え時? てかスタッドレスタイヤの寿命ってどのくらい?

 スタッドレスタイヤに関してアレコレ疑問がわいたのでザッと調べてみたら、まず寿命について、冬しか使わないとは言っても、ゴムには経年劣化があるから3〜4年が寿命らしい。古くなると雪上などでの走行/制動性能が下がったりして危険だそうだ。確かに、去年使ったときは、なーんかこう、グリップが悪いというか微妙に不安定な感じがしたような……林道で滑ってヒヤリとした記憶も。ともあれ拙者のスタッドレスタイヤは買い換え必須ですな。

 じゃあ新しいスタッドレスタイヤを買おう!! ……と思ったが、スタッドレスタイヤって、ドレを買えばいいのか全然わからん。前のスタッドレスタイヤはテキトーなショップに行って「いちばん安いのください〜」的にテキトーに買ったっけ。あ、もしかしてテキトーに買ったから性能が悪かったのか!? ともかく、せっかく新しく買うんだから、今度はキッチリと良さげなスタッドレスタイヤを買ってゆきたい!!

 てなわけで友人知人にご意見を伺いつつググったりもしつつ調べていくと、拙者の用途には凍った路面に強いスタッドレスタイヤが向く感じ。

 拙者の場合、雪道もまあ走るんですけど、それ以上に凍った路面を走るケースが多い。豪雪地帯の雪道ってより、スキー場や釣り場近くの“冬期に整備はされているけど表面が凍っている道”を走ることが多いのだ。なので、凍った路面に強いスタッドレスが欲しい。

今回実際に話を訊きに行った「タイヤセレクト環七杉並」

 そんな観点から調べていくと、な〜んかダンロップのスタッドレスタイヤ「DSX-2」が良さげ。定番の高性能スタッドレスタイヤみたいだが、既にこのタイヤを使っている人に訊いてみたら「スタパちゃん凍結路面走るんならDSX-2かなりイイよ〜」とのこと。なるほど。でも、どのよーにイイのかよくわかんないので、案ずるより産むが易し、ダンロップタイヤを専門に扱うタイヤ専門店「タイヤセレクト」に行ってアレコレ訊いてみることに。

いろんな疑問に答えてくれた、タイヤセレクト環七杉並 店長の大坂秀雄氏
シロートの拙者にも、店頭のPOPやカタログなどを用いながら、とてもわかりやすく教えてくれた

 ダンロップタイヤ専門店「タイヤセレクト」に入るやいなや、お店の人にアレコレ質問。拙者はたぶんDSX-2買えばシアワセな冬のカーライフを送れるよーな気がするんだが、ぶっちゃけシロートなので、なーんも、わからん。よって疑問を全部お店の人にぶつけた。以下、それをQ&A風にまとめてみた。

【質問】 スタッドレスタイヤっていっぱいあるけど、雪道に強いとか、性能別に種類とかあるんスか?

【答え】 雪道に関してですと、ほとんどのスタッドレスタイヤが十分実用的だと思います。どのスタッドレスタイヤでも“雪道に弱い”ということはないですね。ただ、氷上や凍結した道路、いわゆるアイスバーンでは、スタッドレスタイヤによって大きな差が出てきます。一見、雪道に見えても、その雪の下は凍結している可能性が十分にあります。ですので、安全の為にはアイスバーンに強い性能が重要になってくるのです。

【質問】 ってコトは、アイスバーンに強いスタッドレスを買えば、雪道も氷の道もOKって感じ?

【答え】 アイスバーンに強いスタッドレスなら、凍った路面でも雪道でも安心して使えるということになります。ただ、非降雪地方のドライバーの方だと、普通の路面での走行も考慮したほうがいいと思います。

【質問】 フツーの路面って雪も氷もない乾いた道ですな。そういう道をスタッドレスタイヤで走ると、普通のタイヤとは違うコトが起きる?

【答え】 スタッドレスタイヤは一般のタイヤよりも柔らかです。ですので乾いた路面、いわゆる「ドライ路面」を走行すると、第一に摩耗しやすく、偏った摩耗をしてしまう場合もあります。もうひとつはタイヤ表面のブロックの倒れ込みにより、コーナリング時の腰砕けや高速走行時のフラつきも起きます。冬期中ずっと雪が積もっているわけではない地方では、スタッドレスタイヤのドライ路面性能も十分考慮したほうがいいというわけです。たとえば東京在住のドライバーなら、スキー場への往復のうち、ほとんどがドライ路面走行になりますから。

【質問】 なーるほど、確かに!! ほかに何か注意することは?

【答え】 ショップの立場で申しますと、週末にスキーに行くからといったタイミングでのタイヤ交換はちょっと危ういかもしれません。ショップが混雑してお待ちいただく時間が長くなるということもありますし、特定のサイズが一時的に品薄になってすぐタイヤを買えないこともあります。また、新品のスタッドレスタイヤには、慣らし運転が必要です。80km/h以下の速度で100km程度走行してタイヤ表面を軽く削ると、タイヤ本来の性能を発揮するようになります。新品のスタッドレスタイヤを装着して即雪道、というのは少し危険な使い方です。

 てな感じで、やっぱり餅は餅屋。タイヤ専門店だけあって、訊けば訊くほどスタッドレスタイヤに関する新しい知識が得られた。これからタイヤ買うって人は、とりあえず専門店でアレコレ訊くといいっスよ♪

ダンロップ「DSX-2」

 ショップにて、「拙者の用途にはDSX-2がイイと思うんですけど、どうですか?」とも訊いてみたんだが、答えは「いいと思います!!」だった。ついでに、な〜んでDSX-2がイイのかもちょいと説明してもらったので、以下、それをまとめてみたい。

 まず、DSX-2は雪道にも当然強いが、さらに雪道でのハンドリング性能が良好なこと。DSX-2のタイヤ表面は「トリプルフェイスパターン」と呼ばれる“剛性が異なる3種類のブロック”で構成されていて、タイヤ外側(ショルダー部)が高剛性で直進安定性を維持し、その内側(ミドル部)の柔らかいブロックで排雪性能を高め、中央(クラウン部)を高剛性にしてハンドリング性能を高めている。この独自のフェースパターンにより、雪上でも安心&安定して走れるというわけだ。

 それからDSX-2に投入された2つの技術───「ミウラ折りサイプ」と「剛性コントロール剤」。

 ミウラ折りは、人工衛星のソーラーパネル展開方法として知られるアレだが、これがタイヤのグリップ力向上に活かされている。具体的には、タイヤ表面のブロックにある排水のための細い切り込み(サイピング)を立体的にすることで、ブレーキ時やコーナリング時のブロック倒れ込みを最小限に抑えている。これにより、まずはドライ路面走行時の腰砕けやフラつきが抑えられている。また、タイヤ表面の接地面積を広いまま維持できるので、アイスバーン走行時の安定性も増している。

 剛性コントロール剤は、タイヤ表面の柔らかさを維持したまま、ブロックの腰の強さを高めるという添加剤。タイヤ素材を構成する分子間のつながりを強固にできるため、負荷がかかったときでもタイヤのヨレが小さい。これにより、たとえば氷上で危険回避のためのハンドル操作にも十分対応できるようになった。

トリプルフェイスパターンにより雪上性能とハンドリング性能を両立している
ミウラ折りサイプの採用により接地面積を拡大し、グリップの向上を実現している
剛性コントロール剤の配合により、タイヤ素材を構成する分子間のつながりを強固にしている

 そしてDSX-2の真骨頂が、「ビッググラスファイバー」と「ハイパーテトラピック」。スゴそーな名前だが、これらの技術により、アイスバーンでブレーキ踏んでも「ギュッ」と効くんである。真冬の走行に大安心をもたらすイカシたテクノロジーなのである。

 ビッググラスファイバーは、ミクロレベルのグラスファイバー片。1本のタイヤに小さなグラスファイバー片が約632万本以上練り込まれていて、これが路面の氷を深く強力に“ひっかく”ことでアイスバーンでのグリップ性能を大幅に高めている。

 さらにハイパーテトラピック。これはナノレベルの“撒菱(まきびし)状の単結晶セラミック”で、1本のタイヤに約472億個練り込まれている。この無数のトゲが、やはり凍結路表面をひっかいて路面を粘り強く掴むのだ。

 これらビッググラスファイバーとハイパーテトラピックは、その実験データなどを見ても確かにDSX-2の強力なアイスバーン走破性能を実現する要素だとわかるが、実際にDSX-2タイヤ表面を触るだけでもそのグリップ力がよくわかる。ザラザラなんですよ。ザラザラでありかつ、こ〜、指先に吸着するような感覚。なるほどコレなら凍結路面に強いだろうなぁって感じなので、ぜひ一度DSX-2を指で触ってみてほしい。

ビッググラスファイバーとハイパーテトラピックにより、氷上で確実に止まる性能を向上させている
   
「タイヤセレクト環七杉並」にはザラザラ感を体感できるツールが用意されており、実際に触ることができた
 
こちらも店頭で用意されていた販促ツール。DSX-2で採用されたハイパーテトラピックは、従来のテトラピックより、約2倍のサイズになった

 さておき、雪道での走行性能はもちろんハンドリング性能にも優れ、ドライ路面での腰砕けやフラつきが非常に少なく、さらに頼りになりまくりのアイスバーン走破性を持つDSX-2。これなら拙者の用途にバッチリ向く───スキー場付近や渓流釣り場周辺の凶悪なアイスバーンを安心して走れるし、そこへ行くまでの高速道路走行も快適だろう。てか、拙者の用途じゃなくても、DSX-2って冬タイヤに求める性能をギュッと詰め込んだタイヤって感じですな。ともあれ、コレ買うことに決定!! 早速装着してもらうニャ♪

これが、今回交換する「DSX-2」!

 DSX-2を「タイヤセレクト」にて取り付けてもらったんですけど、拙者の場合、愛車には夏用タイヤを装着しており、古いスタッドレスタイヤ+ホイールを車に積みこんできた。そのため、古いスタッドレスタイヤ+ホイールから、スタッドレスタイヤのみを新しいDSX-2に付け替えてもらうという作業となった。古いタイヤの取り外し〜DSX-2の装着〜クルマから夏タイヤ外して新スタッドレスタイヤを装着、これを4本分。けっこー時間かかりそーですな。

 と思ったら、サササのサッ!! てな感じで超速く作業完了。マジで「スゲー!!」と思った。なるほど、ココはタイヤ専門店。作業に熟達した職人揃いゆえ、短時間で仕上げてくれるのであった。

   
まずは、タイヤチェンジャーを使って、古いスタッドレスタイヤをホイールから取り外していく
   
次に、タイヤバルブを交換する
 
タイヤバルブを交換したら、新しいDSX-2をホイールに取り付けていく
   
タイヤバルブをチェックし、取り付けたタイヤに空気を入れていく。拙者も素早く作業を進めていく職人技にオドロキ!
   
ホイールにDSX-2を取り付けたあと、タイヤを高速回転させてバランスをチェックする
 
重さのバランスがコンピューターに表示され、コンピューターからどの重りをどこに取り付けるかという指示が出る
 
これが、実際にバランスを取るために取り付ける重り。グラム数別にさまざまなサイズが用意されている
   
このように、ホイールの内側などに重りを取り付けていく
 
そして、バランスを取り終えたタイヤ&ホイールを、次々と取り付けていく
 
ホイール取り付け後、トルクレンチでホイールナットを締め付ける
   
最後にタイヤにワックスを塗って取り付け終了
 
取り外した夏用タイヤはビニール袋に包み、車に積んでくれた
 
てな感じで、拙者の車にDSX-2が装着完了! 入庫から取り付け完了まで約30分という短時間で取付が完了!

 いろいろ訊いてみると、タイヤセレクトには細かなコダワリもあるそうだ。たとえば空気圧の調整。このショップでも専門の空気圧ゲージを使ってエアをチャージしているが、じつはそれらゲージによっては、若干の誤差が出てくるそうだ。しかしショップスタッフはその誤差まで重々知ったうえで、正確な圧力でエアをチャージしているとのこと。作業の速さはもちろん、シロートが気にしないような部分まで細心の注意を払っているあたり、さすが専門店。頼りになる。

 あと、専門店だといろいろ有利だったり便利だったりすることが多いですな。第一にスタッフがタイヤの専門家なので、前述のようなフツーは聞けない知識をタップリいただける。またショップによってはタイヤ周辺の無料点検を行ってくれる。無料点検のためだけに行くのもOK。しかも無料点検ごとにポイントがたまり、タイヤ購入時などの割引になるそうだ。無料点検すればするほど割引って!? 凄いお買得ですな。

 それから、タイヤ専門店とは言っても、タイヤ以外のモノも扱っている。またコレがちょっとお得感アリな品だったりも。たとえばスタッドレスタイヤ買うときって、何だかんだでホイールも一緒に買うことになるケースが多いじゃないスか。で、多くの場合、「冬しか使わないからホイールは必要最低限の安価なものでいいや」とか思う。タイヤ専門店はそんな現実もシッカリ知ってて、スタッドレスタイヤの時期には安価なホイールを用意していたりもする。

この冬、いざという時に氷の上でもしっかり止まるスタッドレスタイヤをお探しのアナタには、DSX-2がオススメだ!

 タイヤ専門店って、なんつーかこー、専門店中の専門店って感じで入りづらい印象があるが、思い切って入ってみるのが吉。スタッフは信頼できる専門家揃いだし、作業も速いし、タイヤやホイールの品数豊富だし、じつはセール品も少なくなかったりする。てなわけで、冬タイヤ導入を考え中なら、いちどタイヤ専門店に行ってみることをオススメしつつ、拙者はDSX-2で楽しく安全にアイスバーンを走破してきま〜す♪

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。

関連情報
■ダンロップ DSX-2
http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/studless/#/dsx2/
■ダンロップ すべらないタイヤの話ムービー
http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/studless/#/chiharamovie/
■ダンロップ 技術解説ムービー
http://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/studless/#/movie/birth/
■ダンロップ タイヤ/DRIVER'S EYE
http://tyre.dunlop.co.jp/