デルが発売するノートPCの中で、マルチメディア用途に余裕で対応できる高性能パーツを詰め込んだエンターテインメントノートシリーズとして位置付けられている、DELL XPSシリーズ。その中で、15.6型液晶を搭載する「XPS 15」シリーズは、優れた性能と比較的安価な価格を両立した、コストパフォーマンスに優れる製品となっている。
◆100種類以上の天板デザインを選択可能
DELL XPSシリーズは、高性能なノートPCとして従来より高い人気を誇っているが、中でも15.6型ワイド液晶を搭載するXPS 15シリーズは、性能と価格のバランスに優れることもあって、特に人気がある。その、XPS 15シリーズの2011年春モデルは、CPUとしてインテルの第2世代Coreプロセッサシリーズを採用するなど、スペック面の進化が大きな特徴だ。ただ、スペック面だけでなく、デザイン面も見所が多い。その中で特に目立つのが天板だ。ノーマル仕様では、ヘアライン処理が施されたシルバーメタリックの天板が取り付けられ、それでも十分にスタイリッシュだが、世界の著名なデザイナーがデザインした、全100種類以上にものぼるデザインパネルが選択できるようになっているのだ。かなり奇抜なデザインから落ち着いたデザインまで、バリエーション豊かなデザインパネルが用意されており、それを選ぶだけでもかなり迷ってしまいそうだ。
また、キーボード面もスタイリッシュだ。パームレスト部はヘアライン仕上げのシルバーメタリックで、高級感がある。また、キーの間が開いたアイソレーションタイプのキーボードは、バックライトを内蔵しており、暗い場所などでキートップ表記が明るく浮かび上がる様は、非常に目をひく。こういった点は、エンターテインメントノートシリーズらしい特徴と言っていいだろう。
天板は、ヘアライン仕上げのシルバーメタリックカラーだけでなく、このような独特なデザインが施された天板を選択することが可能
Design Studioと名付けられたオリジナル天板は、全100種類以上のデザインが用意されおり、好きなものを選択できる
キーボード面は、ヘアライン仕上げのシルバーメタリックカラーで、高級感がある
アイソレーションタイプのキーボードはバックライトを内蔵しており、暗い場所などでキートップの表記が明るく浮かび上がる
こちらは、キーボードバックライトを切った状態。違いがよくわかるだろう
側面もカーブを取り入れた独特のデザインとなっており、なかなかスタイリッシュだ
本体正面。ラッチレス構造ですっきりとしたデザインとなっている
背面は、電源やUSB、ギガビットイーサネットなどのコネクタ類が集まっている
◆高性能GPU搭載で3Dゲームも快適!
では、XPS 15シリーズのスペックを見ていこう。2011年春モデルでは、インテルの第2世代Coreプロセッサシリーズの中で、クアッドコアCPUであるCore i7シリーズを標準搭載している。購入時に、動作クロックの異なる3モデル(Core i7-2820QM、Core i7-2720QM、Core i7-2630QM)から選択できるが、その全てがクアッドコアモデルとなっており、ビジネス系ソフトや、高負荷なマルチメディア系ソフトまで、非常に快適に利用できる。
さらに、NVIDIAの高性能GPUであるGeForce GT 540M(ビデオメモリ2GB)も標準搭載されている。ミドルレンジクラスのGPUではあるが、CPU内蔵グラフィックス機能に比べるとはるかに高い3D描画能力を誇っており、3Dゲームも十分快適にプレイ可能だ。実際にいくつかのベンチマークソフトを実行してみたが、その結果からもXPS 15の優れた性能がはっきり伝わってくる。また、NVIDIA Optimusテクノロジーにより、通常時はCPU内蔵グラフィックが、優れた3D描画能力が必要な場合にはGeForce GT 540Mが利用されるため、消費電力も低く抑えられる。これも大きな特徴だ。
CPUやGPU以外の基本スペックも充実している。メインメモリは標準4GBで、最大8GBまで搭載可能。ストレージデバイスは、試用機では640GBのHDDが搭載されていたが、現在販売されているモデルでは、750GBの2.5インチHDDまたは256GBのSSDから選択可能だ。光学式ドライブも、DVDスーパーマルチドライブからブルーレイドライブまで自由に選択できる。このように、スペック面を自由にカスタマイズして購入できる点も、デルの製品の魅力となっている。
試用機のスペックとベンチマーク結果
|
XPS 15 |
CPU |
Core i7-2630QM(2.00/2.90GHz) |
チップセット |
Intel H67 Express |
ビデオチップ |
GeForce GT 540M(ビデオメモリ2GB) |
メモリ |
PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB |
ストレージ |
640GB HDD(MK6461GSY) |
光学式ドライブ |
Blu-rayドライブ |
OS |
Windows 7 Home Premium 64bit |
PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a |
PCMark Suite |
6710 |
Memories Suite |
4207 |
TV and Movies Suite |
4833 |
Gaming Suite |
4864 |
Music Suite |
6994 |
Communications Suite |
5972 |
Productivity Suite |
5882 |
HDD Test Suite |
4336 |
3DMark Vantage Bulld 1.0.1 0906a 1280×1024ドット |
3DMark Score |
4362 |
GPU Score |
3528 |
CPU Score |
14969 |
Windows エクスペリエンスインデックス |
プロセッサ |
7.4 |
メモリ |
5.9 |
グラフィックス |
6.7 |
ゲーム用グラフィックス |
6.7 |
プライマリハードディスク |
5.9 |
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】 |
1,280×720ドット |
4289 |
1,920×1,080ドット |
2138 |
CPUは、第2世代CoreプロセッサシリーズのクアッドコアCPU、Core i7シリーズが標準搭載される
外部GPUとしてGeForce GT 540Mが標準搭載されるとともに、Optimusテクノロジーによって、利用するソフトによってCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000と自動的に動作が切り替わる
メインメモリは標準で4GB搭載され、最大8GBまで搭載可能。底面のフタを開けるとメインメモリスロットにアクセスでき、購入後でも手軽に増設可能だ
光学式ドライブは、DVDスーパーマルチドライブやBlu-rayドライブなどを選択できる。試用機ではBlu-rayドライブが搭載されていた
◆フルHD表示対応の15.6型ワイド液晶も選択可能
搭載されている液晶パネルは、15.6型のワイド液晶だ。表面が光沢処理となっており、非常に鮮やかな発色が実現されており、表示品質はかなり優れている。デジカメで撮影した写真、DVDやブルーレイなどの映像コンテンツも鮮やかに表示できる。もちろん、映像コンテンツの表示だけでなく、写真のレタッチや動画の編集といった作業でも、この優れた表示品質が大いに役立つはずだ。
ちなみに、試用機では1,366×768ドット表示対応の液晶パネルが搭載されていたが、BTOメニューには1,920×1,080ドット表示、いわゆるフルHD表示に対応する液晶パネルも選択可能となっている。XPS 15の優れた性能を最大限に活かすという意味でも、フルHD対応液晶パネルの選択をオススメしたい。
ところで、AV用途に活用するには、液晶の表示品質だけでなくサウンドも重要なポイントとなるが、XPS 15にはJBL製の高音質スピーカーが搭載されており、その点も心配無用。キーボード左右に配置されたステレオスピーカーに加え、底面にサブウーファーを備え、さらにWaves MaxxAudioテクノロジーの採用により、ノートPCのスピーカーとは思えないほどの豊かな低音と、クリアで伸びのある中・高音域が再生される。これなら、音質にこだわる人でも外付けスピーカーは不要と思うはずだ。
1,366×768ドット表示対応のワイド液晶を標準搭載。外光の映り込みはやや激しいが、発色は非常に鮮やか。フルHD表示対応液晶も搭載可能だ
液晶上部中央には200万画素Webカメラを搭載。動画撮影やビデオチャットだけでなく、顔認証システムにも利用される
キーボード左右には、JBLブランドのステレオスピーカーを搭載。ノートPC内蔵のスピーカーとは思えないほど高音質サウンドが再生される
底面にはサブウーファーも搭載。迫力のある重低音が再生される
左側面には、USB 3.0コネクタが用意されている
背面右側には、電源コネクタとUSB 3.0コネクタを用意
背面左側には、DisplayPortとHDMIの2系統の映像出力、ギガビットイーサネットポートを用意
右側面後方には、2個のヘッドホン出力とマイク入力、eSATA/USB 2.0共用ポートを用意。中央のヘッドホン出力はS/PDIF出力も兼ねる
正面には、SDカードおよびメモリースティックなど9種類のメモリーカードに対応する9-in-1メディアカードリーダーが用意されている
キーボード上部には、電源コネクタに加え、タッチセンサー式のショートカットボタンが用意されており、設定メニューやオーディオコントロールメニューを呼び出したり、登録したアプリケーションの起動などが行える
ポインティングデバイスのタッチパッドは、キーボードのショートカットにより動作をオフにでき(オフにするとパッド上部のLEDがオレンジに光る)、外付けマウス接続時の誤動作を防げる
◆性能と価格双方にこだわったマルチメディアノートとしてオススメ!
XPS 15 2011年春モデルは、このように充実した仕様を実現しながら、89,980円からと、非常に安価に販売されている。しかも、今回試用した個体とほぼ同等の仕様を実現した場合でも105,229円、デザイン天板を選択しない場合には99,979円と、10万円前後で購入できる。優れたパフォーマンスを実現しながら、これだけ安価に購入できるというのは、非常に大きな魅力と言っていいだろう。優れた性能だけでなく、価格にもこだわってマルチメディアノートを探している人に、自信を持っておすすめしたい。
[Text by 平澤 寿康]