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A4縦サイズの小柄なショルダーバッグでもらくらく入る大きさだ |
Aspire oneは、一見して普通のモバイルノートPCにしか見えない。液晶はLEDバックライトを採用した1,024×600ドット(WSVGA)表示対応8.9型ワイド液晶で、横幅が1,024ドットあるため、通常の使用で問題になることはほとんどない。光沢タイプなので、屋外での表示は見えにくいときもあるが、反射防止シートなどの追加でなんとかなるレベルだ。
CPUはAtom N270(1.60GHz)、チップセットにIntel 945GSE Express(ビデオ機能内蔵)という、ネットブックでは標準的な構成で、特に重い用途を除けば、そんなに困ることはない。動画の再生は十分できるが、動画の取り込みやエンコードはやりたくないというレベルだ。
メモリはネットブック規定のためか1GBに限定されている。メモリの増設は、普通のPCのように窓が用意されておらず、本体をかなり分解しないとできない。これもネットブックの規定によるものだろう。HDDは前述のように80GBの枠をこえ、120GBが搭載されている。
インターフェイスは、普通のノートPCにあるものは、ほぼあると思って良い。USB 2.0×3、IEEE 802.11b/g無線LAN、Ethernet、SDカードスロット、SDカード/MMC/メモリースティック(PRO)/xD-Picture Card対応スロット、ミニD-Sub15ピン、30万画素Webカメラ、音声入出力などを備える。
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キーボードは打ちやすい大きさを維持している |
これで、本体サイズが249×170×29mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.1kgと、小さく軽い。まあ、光ドライブを装備していないのだから当たり前ではあるだが、この大きさと重さは持ち歩ける水準だ。ただし、バッテリが3セルなので、バッテリ駆動時間は約3時間に限られる。安心して使えるのは2時間ほどだろうか。キーボードのピッチは、中心部分で17mmあり、タッチタイピングができる水準にある。軽量化のためか、キーボード自体は、がっしりと固定されているわけではないのだが、全体に柔らかい感じで、打ちにくさは感じない。 まとめると、ずっと1日外にいるという使い方には向いていないが、ちょっと外出して1つ会議をこなすというぐらいだったら十分に使えてしまう。
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液晶ヒンジ部の赤い輪がデザイン上の特徴となっている |
また、Aspire oneは、外観にも気をつかっている。液晶背面のパネルには、日本写真印刷のNissha IMDが使われており、その光沢感は美しい。濃い色を選べば、付いた指紋を磨くという愉しみさえ味わえる。液晶のヒンジ部分には赤く丸い飾りネジがついており、デザイン上のポイントになっている。本体をたたんだ状態でも、この2つのポイントで、Aspire oneであることがすぐにわかる。質実剛健でビジネスライクな製品が多いネットブックの中では、出色のデザインだと思う。
たぶん、Acerはよく知っているのだ。機能が十分であっても、人は付加価値のある製品を選ぶものだということを。逆に言えば、低価格の製品でも安っぽいものは売れない、低価格だからこそ、それを選ぶ喜びが必要なのだということを。
前半で述べたネットブックの歴史で言えば、最初のEee PC(国内では4G-X)は第一世代の完成型だった。それに対し、Aspire oneは第二世代の製品なのだ。第一世代ネットブックが、PCをまだ持たない国々へ届ける製品だったのに対し、第二世代は、PCが普及している国々にあって、PCに手の届かなかった層や、一家で2台目以降の層を対象にしている。1人が1台所有できる機器として考えられているのだと思う。
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