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パソコンの出現で紙が使われなくなる!! なんて話が出回ったパソコン黎明期。実際どうなったかと言えば、アナタの部屋やオフィスを見れば一目瞭然、紙資料は以前に増して増殖中。パソコンのお陰で紙資料を作成しやすくなったんスかねぇ。
さておき、困ったモンなのは、身の回りにある“紙資料の山”だ。名簿や一覧表等のリスト類、契約書や顧客データといった重要資料、あるいはプレゼン資料やリリース等の案内、細かいところではメモやラフやペラ一枚の説明書や注意書きやカタログ類等々、紙資料が床を覆い、紙資料が棚を占拠している。
単なる紙なのに!! 必要なのは紙の上の情報なのに!! ナゼ空間を占拠するのかーッ!! これはもはや公害だ!! 紙資料が我々に与える害毒なのダーっ!! と、キレてもしょうがない。そんな場合は、ドキュメントスキャナを使って多量の紙資料等を電子化するのが吉だ。
ドキュメントスキャナを使って紙資料等を電子化=パソコン内に保存することには、メリットが多々ある。まずは紙資料を片付けられること。紙資料専用になってしまっていた空間を、別の目的で有効利用できる。
電子化することで、資料の検索性・閲覧性もグッと高まる。資料毎にファイル化すれば目的の資料をファイル名で即座に検索できるし、データをOCRでテキスト化しておけば、ファイル全体から目的の資料をラクにテキスト検索できる。また、電子化された資料は、パソコン上でページ送り戻し自由自在、拡大縮小ももちろんOK。紙資料と違って何度見ても汚れないし、必要ならばファイルをコピーしてメール添付で送付したり、資料の一部を加工・修正することまでできる。
それから、紛失防止につながる点。散逸しがちな紙資料だが、データ化しておけば無くすことはまずない。データのバックアップを取ればなお安心。例えば名刺や領収書や小さな紙の上のメモ類なんかは、手にしたら即データ化するのがいい。電子化しておけば、サイズがバラバラで物理的に整理しにくい資料類のハンドリングも向上する。
てなわけで、日々、紙資料類に辟易している人には、ぜひ、紙資料山積時代の救世主的ハードウェア、ドキュメントスキャナをオススメしたい拙者だ。
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ドキュメントスキャナは、前述のとおり、紙資料類をスキャン・電子化(JPEGやPDFやテキスト)できるハードウェアである。じゃあソレってフツーのスキャナのコト?
広く普及しているスキャナとして、板状のフラットベッドスキャナがある。特徴は、写真や紙資料等の原稿イメージを非常に正確に読み取れること。色や図形を再現するための性能が非常に高いわけだ。が、一方で、原稿により忠実なスキャンを行おうとすると、スキャンに時間がかかる。
一方、ドキュメントスキャナは、紙資料を効率よくスキャンするための機能が充実している。具体的には、まず高速であること。フラットベットスキャナだとA4原稿を一枚スキャンするのに数十秒〜数分程度かかるのに対し、ドキュメントスキャナの場合は一分間にA4原稿を十数枚以上スキャン可能だ。また、ドキュメントスキャナにはオートフィーダが実装されており、何十枚もの紙資料をセットするだけで自動で連続スキャンを行える。
フラットベットスキャナは写真等の原稿の色や精細さを忠実に電子化するため、ドキュメントスキャナは多量の紙資料を高速で電子化するため、と考えれば良いだろう。
ただし、ドキュメントスキャナの場合、画質的にはフラットベットスキャナには劣る。多量の紙類を手軽かつ高速にスキャンできるなら、サービス版の写真をドキュメントスキャナで電子化しちゃえ!! てなコトをすると画質的に満足できないケースが多い。が、写真の電子化というほどは再現性にこだわらない場合───紙資料を電子化するだけなので内容を読めたり図柄を確認できたりする程度でOK、というなら、ドキュメントスキャナの効率の良さは非常に大きな魅力となる。
高速連続スキャン可能!
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などとまあ、いつもの調子とは少々違ってカタめに語ったりしている俺だが、ぶっちゃけた話、拙者も紙資料を撲滅せんとイロイロ取り組み中。もちろん、ドキュメントスキャナを使って山積された紙資料を電子化しているのだ。
そんな中で、もーコレは非常に便利!! という製品と遭遇した。それはキヤノンのドキュメントスキャナ、DR-2050Cである。これまで富士通のScanSnapを使っていた俺なんスけど、正直なところ、DR-2050Cは、ScanSnapになかった魅力を多々持っている。また、その魅力ってのが現実味に溢れ、実使用上、物凄く有り難い利点だったりするのだ。
てなわけで、以降はキヤノンのドキュメントスキャナDR-2050Cの便利さ等々をご紹介していきたい。
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キヤノンのドキュメントスキャナDR-2050Cは、文字通り紙資料向けのスキャナだ。紙資料等を両面同時スキャン可能で、対応原稿サイズはA4まで。もちろんモノクロ・カラー両対応となっている。
ドキュメントスキャナとして気になるスキャン速度は表の通り。また、スキャン可能な原稿はA4サイズまでだが、それ以下のサイズの原稿には柔軟に対応する。具体的には、幅が55mm〜216mmで長さが70mm〜297mm(非分離給紙時は355mm)までOK。小さな領収書やレシート、あるいは名刺から、レターサイズの長めの用紙までイケるわけだ。
電子化した後も十分高精細に閲覧できる資料を、この速度で連続スキャンできるので、個人用としてはもちろん、小規模オフィス全体や部署ごとで使うドキュメントスキャナとして十分な実力を持っている。
DR-2050C
スキャン速度[解像度:200dpi] |
スキャンモード |
白黒 |
256階調グレー |
24ビットカラー |
A4片面(枚/分) |
20 | 20 | 7 |
A4両面(枚/分) |
38 |
38 |
12 |
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※読みとり速度はハードウェアの最大速度になります。 データ転送時のソフトウェアの処理時間は含まれておりません。 |
それと、詳しくは後述するが、DR-2050Cったら非常に多彩な紙質に対応しまくりだったりする。かなり薄めの紙からやや厚めの紙まで(厚さ0.06〜0.15mm;非分離搬送時は0.05〜0.20mm)スキャン可能。違う紙質の原稿が混在しても大丈夫。違う紙質でありかつ違うサイズが混在しても大丈夫であってしかも無駄な余白のない連続自動両面スキャンができたりもする。
なお、光学解像度は600dpi。読み取り解像度は100×100dpi〜600×600dpi(主走査X副走査)まで選択できるので、実質、一般的な紙資料から文字がかなり細かい紙資料までオールマイティにスキャンできる。
ちなみに、DR-2050Cはもちろんパソコンと接続して使用するわけだが、接続インターフェースはUSB2.0(Hi-SpeedUSB)で、対応OSはMicrosoft Windows98SE/Me/2000Professional SP4/XP Professional SP2/XP HomeEdition SP2となる。
てコトで、ドキュメントスキャナとして安心できる基本性能を持つDR-2050Cだが、これに加えてコンパクトであり、物理的に扱いやすく作られている。
コンパクトさに関しては、本体サイズが幅298mm×厚み100mm×高さ197mm。キヤノンの超薄縦置きフラットベットスキャナのCanoScanLiDEシリーズと比べてもずいぶん小さい。パーソナルドキュメントスキャナとして有名な富士通のScanSnapよりも小型でスマートだったりするわけだが、このコンパクトさは実際マジ有り難い。
ドキュメントスキャナを使い始めると、結局毎日のように使うことになる。つまり机上に置きっぱなし。でもDR-2050Cはコンパクト&スリムなので全然邪魔にならない。また、ローラー等のメンテナンスも用紙詰まりが起きた時(←と言ってもほとんど詰まらないから驚く;後述)も、ほぼ全ての機構がフロントアクセスなので、設置場所を変えずに作業を進められる。
というわけで、DR-2050Cの概要を一通り見てきたが、パーソナル〜小規模オフィスくらいで使うドキュメントスキャナとしては、ほとんど文句ナシの仕様となっている。AdobeAcrobat7.0を始めとする付属ソフトを考えても、価格的にリーズナブルっていうかかなり安価だったりもする。が!! DR-2050Cの実力は、使ってみて初めて知ることができるのダ!! これマジ。ホント。なので、以降は実試用後に痛感したDR-2050Cの良さをご紹介したい。
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あのですね、わし、ホントの本気で声出して驚きましたよええ。もーDR-2050C凄いっス。マジかよ、と。どーなってんの、と。ちょっとそのヒミツを教えてくださいよ、と。そんな気分である。
てのは、DR-2050C、非常にジャムりにくいっていうかつまり、紙詰まりがほとんど起きないのだ。実機を試用中、ずいぶんイロイロな紙質の用紙を、サイズ違いとか多量とか少量とか混在とか試したが、紙詰まりがヒッジョーに起きにくいのだ。
例えば、フツーのA4コピー紙の複数枚資料を全く問題なく高速両面自動スキャンできるのに加え、それにやや厚手orやや薄手の用紙が混じっていても紙詰まりしない。あるいは、雑誌───薄いページや厚めのページや紙質が違うページが混在する原稿をスキャンしても紙詰まりが起きない。そういう雑誌のページの途中に、ヤケに厚めの広告ページが混じっていたりしても、やはり紙詰まりしないのだ。
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雑誌の綴じ部分を断裁して連続スキャンだ! 同時にPDF化も!!
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じゃあアレは? と紙質があまり良くない(ザラザラの)マンガ雑誌も試してみた。良質でない藁半紙みたいなマンガ雑誌の紙って、紙同士の摩擦が強いためか、オートフィーダには不向であるっつーのが定説だが、果たして、DR-2050Cでは全然問題なくスルリスルリと自動スキャンしまくってスキャンを完了したのであった!!
マジかよ!! 何でもアリかよDR-2050C!! キミのライバル機である例のアレでスキャンすると、上記のような例では紙詰まりがちなのに、キミはなぜジャムらないのかーッ!? 不思議っ!!
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ローラーにかかればガンガン搬送! マジでジャムらないっス!!
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どんな紙質でも非常にタフにスキャンしまくるDR-2050Cなのであるが、コレは無理だろと思ってさらに過酷な条件の原稿をスキャンさせてみた。具体的にはけっこークシャクシャにシワが付いちゃったレシート。を、複数枚、である。
ハッキリ言って、こういう、財布の中にありがち&リアルな状態のレシートとかを連続スキャンできたりしたら、社会人の多くがDR-2050Cを欲するであろーとか思われる。例えばホレ、会社で接待飲食とかタクシーとかの領収書、使うでしょ? そーゆー領収書ってたまになくしたりしません? あるいは個人事業主の方も、領収書に明細書にと、シワになりがちな小さめの紙を多々使うっしょ? そういうのって、やっぱり散逸しがちじゃないっスか? それをスキャンできたら、どんなに整理がラクだろうか、と。領収書なくして結局全部自腹というイタさから、かなり逃れられるんじゃないだろーか、と。
とか考えつつ、いざクシャクシャのレシート複数枚スキャンにトライ!! がんばれDR-2050C!! でもたまにはお茶目にジャムっても許すぞDR-2050C!!
ところが、スキャンはあっけなく完了した。もちろん、それらクシャクシャ系レシートは、ビシッと完璧にスキャンされたのであった。また、DR-2050Cの自動サイズ検知機能および斜行補正機能により、何となく斜めにフィードされていったレシートが、四角四面のまっすぐに電子化された。
それから、俺がよくスキャンするA3サイズを二つ折りにしたカタログのスキャンも非常に快適だった。フツーこういうサイズをスキャンする場合は、折り目から切ってA4×2枚の状態にしてからスキャンするのが手っ取り早い。が、DR-2050Cの場合、本体右の給紙レバーを非分離搬送側に倒せば、切らなくても専用シート等に挟まなくても、そのままスキャンできる。二枚重なった状態でも紙詰まりしない。加えて、スキャン結果としてはA4ではなくA3横長の状態───カタログを開いた状態の画像が得られる。フィーダ部も、そのスキャン結果も、実に現実に即した優良性能を持つDR-2050Cなのであった。
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ドキュメントスキャナとしての性能、とりわけ対象原稿の紙質における柔軟さおよび紙詰まりの少なさには、ホントに驚かされるDR-2050C。このあたりの実用性=技術力は、さすが'90年代からドキュメントスキャナを作りまくっているキヤノンだと言えるが、その実績から来ると思われる使いやすさは他にも見られた。
特にジョリーグッドだと感じられたのは、非常に汎用性の高いドライバソフトウェアを使える点だ。具体的にはTWAIN(トゥウェイン)やISIS(アイシス)といったスキャナやデジタルカメラの共通プロトコルに対応しており、要は、一般的な画像関連ソフトウェア等から直接、DR-2050Cを使えるのだ。
DR-2050Cには、付属ソフトウェアとしてCapturePerfect 3.0、やさしく名刺ファイリング エントリー、e.Typistエントリー、AdobeAcrobat 7.0 Standardが付属する。ので、本体だけ購入しても、例えばCapturePerfect 3.0だけでスキャン後の書類をPDFファイルとして活用したり、あるいは他のソフトを使って名刺管理やOCRを行うことができる。
だが、TWAIN/ISIS対応である(特殊でない)スキャナとして扱えるので、例えばAdobeAcrobat 7.0 Standardから直接DR-2050Cを制御・スキャンできたりする。他、多くの画像処理ソフトがTWAIN対応だったりするので、要は自分が常用するソフト上で、DR-2050Cから直接スキャンデータを読み込めるのだ。
あーもー紙書類多過ぎ!! データ化するしか!! と考えてドキュメントスキャナを導入するユーザーの多くは、既にパソコンを扱っていると思われ、また、使い慣れた画像系ソフトがあると考えられる。そういう現状から見て、この非常に汎用的なドライバソフトウェアは実用性が高いし、DR-2050Cをユーザー本位に役立てる上での要となる。ハッキリ言っちゃえば、ライバル機っつーかScanSnapとのヒッジョーに大きな差でありDR-2050Cのアドバンテージだ。
とかコムツカシイこと言ってる俺っスけど、このドライバ、実使用上も何かと便利にできてますな。例えばプリスキャンを行って原稿の読み取り時コントラスト・明るさを調整できたり、あるいはそれら調整結果や解像度や読み取り時設定をひとまとめにして登録できたりする。
どういうコトかと言えば、A4資料はこれこれこういう設定、マンガはこれらの設定、カラーの特集記事はこんな設定、という各種設定に名前を付けて保存できる。で、スキャン時は、あらかじめ登録しておいた設定(名前)を選ぶ程度で、最適な状態でスキャンできるようになる。また、このコトが、どの(TWAIN/ISIS対応の)ソフトウェアからでも行える。
Acrobatからスキャンする時は紙書類、画像ブラウザでは領収書やメモやマンガ類、レタッチソフトでは図案を含むカラー書類などと、原稿に応じて読み取り設定が変わるし、スキャンデータを扱うためのソフトも変えたくなる。DR-2050Cの場合、そういうユーザーの要望に完璧に応じてくれる。基本性能も非常に高いDR-2050Cだが、ユーザーの使い道にピッタリと合わせられるという設計思想は、実使用上の快適さに直結している。
というわけで、小型・高速・高性能である両面同時読み取りのカラードキュメントスキャナことDR-2050C。価格的にオイシさのある付属ソフト付き。小さくて便利。そのあたりの基本事項は楽勝でクリアした上、何しろ驚くべき紙詰まりの少なさが大きな魅力であり、実はものすご〜く汎用性の高いドライバソフトウェアが使えたりする。これからドキュメントスキャナを使いたいナ〜って方は絶対チェック!! また、小規模オフィスあたりまでなら実用上まったく問題ないパフォーマンスを発揮してくれるので、企業人な人も要チェックの逸品である。
ちなみに、さらに実用的な機能を付加したモデルとして、DR-2580Cもある。基本的な性能はDR-2050Cと同様だが、DR-2050Cにはワンタッチで登録した(設定で)スキャンを行えるJOBボタンがあったりするので、多人数でドキュメントスキャナを共有するには便利だろう。また、DR-2580Cの場合、ストレート排紙(原稿を曲げずにフィード・スキャン・排紙できる機構)対応なので、例えば免許等の身分証明書をスキャンする必要のある仕事場にも向いているし、DR-2050Cよりもスキャン速度が速い。
ともあれ、知って興味津々触って驚愕のキヤノン製ドキュメントスキャナ。超高級な業務用機種もあったりするが、とりあえずパーソナルユースとしてヒジョーに手を出しやすいDR-2050Cはマジ魅力的。実際、拙者も、現在スゲく購入希望中なのである。
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関連情報
■URL
ドキュメントスキャナー DR-2580C
http://cweb.canon.jp/documentscanner/dr-2580c/index.html
ドキュメントスキャナー DR-2050C
http://cweb.canon.jp/documentscanner/dr-2050c/index.html
ドキュメントスキャナー DR-5010C
http://cweb.canon.jp/documentscanner/dr-5010c/index.html
キヤノンホームページ
http://canon.jp/
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[スタパ齋藤]
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。
特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。
フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。 |
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