法林岳之の 週刊モバイルCATCH UP 特別編
EXILIMで培われた技術を活かす13メガカメラ搭載

13メガカメラを搭載し、防水対応となった「EXILIMケータイ CA005」
13メガカメラを搭載し、防水対応となった「EXILIMケータイ CA005」

はじめてEXILIMの名が冠された「EXILIMケータイ W53CA」
はじめてEXILIMの名が冠された「EXILIMケータイ W53CA」

大ヒット&ロングセラーを記録した二代目モデル「EXILIMケータイ W63CA」
大ヒット&ロングセラーを記録した二代目モデル「EXILIMケータイ W63CA」

12.2メガピクセルカメラを搭載した三代目モデル「EXILIMケータイ CA003」
12.2メガピクセルカメラを搭載した三代目モデル「EXILIMケータイ CA003」
 ケータイはメールや通話など、コミュニケーションのためのアイテムだが、その一方で、アドレス帳やメモ、おサイフケータイなど、生活に役立つ機能も広く利用されている。そして、最近のケータイではカメラやワンセグ、音楽など、エンターテインメントに関連する機能も充実し、ユーザーの関心も高い。

 こうしたケータイに搭載されている数々の機能の中で、ユーザーが常に高い関心を持ち続けているのがカメラだ。ケータイにカメラが搭載されてから、すでに10年が過ぎようとしているが、写真を撮って、メールで送ったり、待受画面に設定するというベーシックな使い方だけでなく、アドレス帳に顔写真を設定したり、ブログに投稿したり、写真共有サイトへのアップロードなど、その利用シーンも確実に拡がってきている。同時に、ユーザーのケータイカメラに対する期待値も高くなり、ケータイ選びでもっとも重視する要素のひとつとなっている。

 そんなユーザーの高い期待と要求に応えてきたのがカシオ計算機製端末の「EXILIMケータイ」だ。EXILIMと言えば、みなさんもよくご存知の通り、カシオ計算機が販売するデジタルカメラのブランドであり、デジタルカメラの市場でも常に高い人気を獲得し続けている定番ブランドのひとつだ。このEXILIMという由緒正しいブランドを冠し、そのノウハウを活かして作られたのがEXILIMケータイということになる。

 はじめてEXILIMの名が冠されたのは、2007年8月に発売された「EXILIMケータイ W53CA」だ。二軸回転式のボディに、5.1メガピクセルCMOSイメージセンサーによるカメラを搭載し、背面にはEXILIMのロゴと共に、カメラ周りにリングを備えるなど、それまでのカメラ付きケータイとはひと味違ったデジタルカメラ的なテイストを持つモデルだった。二代目モデル「EXILIMケータイ W63CA」は2008年11月に発売され、17.4mmのスリムボディに8.1メガピクセルカメラというハイスペックが人気を集め、大ヒット&ロングセラーを記録した。そして、2009年秋には三代目モデルとなる「EXILIMケータイ CA003」が発売された。CA003はベストセラーモデルのW63CAと同じ17.4mmのボディながら、当時の業界最高クラスである12.2メガピクセルカメラを搭載し、撮った写真をさまざまな形で活用できるダイナミックフォトという新しい楽しみ方も提案するなど、従来のEXILIMケータイの領域を一歩、踏み出した意欲的なモデルだ。

 そして、今回発売された「EXILIMケータイ CA005」は、新たに開発された13メガピクセルのカメラを搭載しながら、ボディは14.5mmのスリム化に成功したEXILIMケータイの最高峰モデルなのだが、実はこれに加え、CAシリーズのもうひとつのDNAである「G'zOne」シリーズで培われた防水技術が活かされ、『防水対応EXILIMケータイ』という新しいステージにジャンプアップしたモデルとして、仕上げられている。

最高峰に相応しいハイスペック

デジタルカメラ「EXILIM」の画像処理技術をケータイ向けにカスタマイズした「EXILIMエンジン for Mobile」を搭載
デジタルカメラ「EXILIM」の画像処理技術をケータイ向けにカスタマイズした「EXILIMエンジン for Mobile」を搭載
 さて、具体的なスペックから順に見てみよう。まず、EXILIMケータイのアイデンティティであるカメラについては、有効画素数約1295万画素のCMOSイメージセンサーを採用し、これにデジタルカメラ『EXILIM』シリーズで培われたノウハウが凝縮された画像処理プロセッサー「EXILIMエンジン for Mobile」を組み合わせ、最大4128×3096ドットの静止画を撮影することができる。

 撮影機能としては、新たに搭載された高速連写がおすすめだ。通常、ケータイのカメラは撮影直後の画像処理、メモリーカードへの書き込みなどに、ある程度の時間が掛かるが、CA005では3メガサイズで20fpsの10枚の高速連写、2メガサイズで30fpsの20枚連写、壁紙サイズでは最大60fpsで30枚以上の連写が可能で、決定的なシーンを逃さずに撮影ができる。この高速連写で利用できる3メガサイズや2メガサイズは、プリントも十分可能なサイズで、今まで以上に撮る楽しみが増えそうだ。この高速連写を応用した機能である「パスト連写」も非常に便利な機能で、シャッターを半押しした状態から押し切るまでの約1.5秒間の画像を20fpsで30枚も記録できる。たとえば、「ココだ!」とばかりにシャッターを切ったのに、撮影された写真を見ると、微妙にタイミングが遅かったり、早すぎたりして、うまく撮れていないことがあるが、パスト連写であれば、そういった撮影の失敗を未然に防ぐことができるわけだ。

高速連写機能は、写真プリントも十分可能な3メガサイズや2メガサイズで利用できる
高速連写機能は、写真プリントも十分可能な3メガサイズや2メガサイズで利用できる
 また、ケータイに搭載されるカメラは、その構造的な制約上、デジタルカメラのように光学ズームを搭載することがなかなか難しく、ズームについてはデジタルズームを使うことになるが、EXILIMケータイ CA005では超解像技術によるデジタルズームを採用する。撮影サイズを段階的に自動変更するオートリサイズズーム(切り出しズーム)にも対応しており、オートリサイズズームで最大約6.4倍、超解像デジタルズームで最大約3.3倍のズームを実現している。
超解像技術によって、最大約3.3倍の高精細なデジタルズームを実現。13メガサイズでの撮影時もズーム可能だ
超解像技術によって、最大約3.3倍の高精細なデジタルズームを実現。13メガサイズでの撮影時もズーム可能だ
「オートベストショット」では、「人物」「風景」「人物+風景」「トワイライト」「夜景」「マクロ」の6つの撮影シーンをカメラが自動判別して、最適な撮影モードを選択する
「オートベストショット」では、「人物」「風景」「人物+風景」「トワイライト」「夜景」「マクロ」の6つの撮影シーンをカメラが自動判別して、最適な撮影モードを選択する

「CA003」に引き続き搭載する「Dynamic Photo」。デコレーションメールのパーツやデコレーション絵文字、動きのある待受壁紙などを作れる
「CA003」に引き続き搭載する「Dynamic Photo」。デコレーションメールのパーツやデコレーション絵文字、動きのある待受壁紙などを作れる

 デジタルカメラのEXILIMから継承する機能として、EXILIMケータイでは従来モデルから「ベストショット」機能が搭載されており、撮影シーンを選ぶだけで、それぞれのシーンに最適な撮影を可能にしている。今回のEXILIMケータイ CA005では新たに「スノー」と「ビーチ」が追加され、合計13種類のシーンから選ぶことができる。「人物」「風景」「人物+風景」「トワイライト」「夜景」「マクロ」の6種類については、自動的に判別する「オートベストショット」も搭載され、デジタルカメラでの撮影に慣れていないビギナーでも簡単にきれいな写真を撮影することができる。

 この他にも最適な明るさやフォーカスを調整しながら、笑顔に反応して自動撮影ができる「スマイル検出オートシャッター」、肌色や目もとを美しく撮影できる「美撮り」、暗いところで画素加算による高感度撮影が可能な「ナイトビジョン」、近い距離でもワイドに撮影できる「広角28mm」、顔を検出してフォーカスを合わせる「フェイスフォーカス」、軽量コンパクトのボディでも安定した撮影が可能な「手ブレ補正モード」など、デジタルカメラ「EXILIM」で培われたノウハウを活かし、誰にでも手軽にきれいな写真が撮影できるように、しっかりと作り込まれている。

  一方、撮影した写真を活かす機能として、CA003に引き続き「Dynamic Photo」が搭載されている。Dynamic Photoは元々、デジタルカメラのEXILIMに搭載されていた機能で、撮影した写真を元に、動く合成写真を簡単に作成することができる。たとえば、連写で被写体を撮影し、そこから動く被写体を自動的に切り出し、それを元にデコレーションメールのパーツやデコレーション絵文字、動きのある待受壁紙などを作れるわけだ。写真の切り抜きも従来モデルに比べ、グッと簡単になり、1回で切り抜けるように作られている。今やデコレーションメールは主要3事業者がほぼ同じ仕様でサポートしたこともあり、国内ではかなり幅広く使われるようになってきたが、自分だけのオリジナルパーツを作成できるのは、デコレーションメールを積極的に使うユーザーにとっても魅力的だ。ちなみに、メールの作成時、文字を入力し、変換する前に[メール]キーを押すと、デコレーション絵文字の変換候補を表示することができ、簡単に入力をできるようにしている。

  撮影した写真をそのまま楽しむ機能としては、「イメージアルバム」も便利だ。イメージアルバムはカメラで撮影した写真やムービーを、テーマによって振り分けて表示できるというもので、季節テーマの「Seson's Timeline」、カレンダーに表示する「Comment Diary」、ベストショットやオートベストショットで撮影したときの撮影シーンを反映する「Scene Selection」が利用可能だ。同様に、季節や撮影シーン別に写真を分類して、待受画面に表示する「イメージスクリーン」も搭載されており、頻繁に撮影する人には、一段と楽しみが増える内容となている。

カメラで撮影した写真やムービーを、テーマによって振り分けて表示できる「イメージアルバム」
カメラで撮影した写真やムービーを、テーマによって振り分けて表示できる「イメージアルバム」
  • CA005で撮影した写真
  • CA005で撮影した写真
CA005で撮影した写真

CAシリーズならではの防水対応

昨夏発売されたG'zOneシリーズの「G'zOne CA002」
昨夏発売されたG'zOneシリーズの「G'zOne CA002」

CA005は、IPX5/IPX7の防水性能を実現している
CA005は、IPX5/IPX7の防水性能を実現している

防水対応でありながら、14.5mmのスリムなボディを実現
防水対応でありながら、14.5mmのスリムなボディを実現
 充実したカメラ機能を搭載したEXILIMケータイ CA005だが、もうひとつCAシリーズならではの機能が用意されている。それが防水対応だ。

  CAシリーズと言えば、カシオ計算機の腕時計「G-SHOCK」のノウハウを活かした「G'zOneシリーズ」でいち早く防水・耐衝撃性能に取り組み、長くユーザーに支持され続けてきたことは、読者のみなさんもご存知の通り。国内のG'zOneシリーズは昨夏、「G'zOne CA002」が発売されたが、G'zOneの活躍の場は米国や韓国など、海外にも拡がり、米Verizon向けでは「G'zOne Boulder」「G'zOne Rock」「G'zOne Brigade」などを開発し、『Rugged Phone』と呼ばれるジャンで、確固たる地位を築いている。

  これらのモデルで培われてきたCAシリーズの防水性能は、他のモデルにも活かされており、2007年に発売された「W52CA」では二軸回転式ボディで初の防水を実現し、2008年に発売された「W61CA」とともに、通常スタイルのスタイリッシュなデザインでありながら、防水性能を実現したモデルとして、各方面で高い評価と人気を得た。

  今回のEXILIMケータイ CA005も同じくIPX5/IPX7の防水性能を実現しており、水のあるところでのカメラの撮影をはじめ、メールやブラウザの利用、ワンセグの視聴、LISMOによる音楽や映像の再生など、さまざまな機能を活用することが可能だ。規格としての防水性能はIPX5/IPX7と表記されるが、やはり、これまでの数々のモデルで積み上げてきた実績は他製品を確実にリードしており、ユーザーとしては安心して使うことができる。ちなみに、長く安定した防水性能を維持するため、自宅などでの充電はオプションで販売される卓上ホルダを利用し、キャップの開閉を極力、減らすことをおすすめしたい。

  また、こうした防水性能を実現したモデルでは、どうしてもボディサイズが大きくなってしまう傾向が見受けられるが、EXILIMケータイ CA005は14.5mmのスリム化を実現しており、防水対応モデルには見えないほど、スタイリッシュに仕上げられている。トップパネル側はファブリック感のある仕上げを施しており、独特の質感と指紋の付きにくいボディを実現している。

  背面側のデザインは従来のEXILIMケータイ同様、デジタルカメラらしいルックスを活かしており、二軸回転式ボディのディスプレイ部を反転すれば、デジタルカメラのように、大きなファインダーで写真を撮ることができる。カメラ部の外周リングにはLEDが埋め込まれ、着信ランプとして、7色のマルチカラーで光らせることができる。ダイヤルキーについては、革や籐家具などの編み込みパターンをモチーフにした「Intrecciato Key」を採用し、視覚的にもわかりやすく、押しやすい形状を実現している。各段のキーは左右に密接し、上下に少し間隔を開けているが、キーの凸部は[1][3][5][7][9][0]キーが縦、[2][4][6][8][*][#]キーは横向きになっており、それぞれのキーの上下左右が指先で判別しやすくなっている。

ファブリック感のある仕上げのトップパネル。独特の質感と指紋の付きにくいボディを実現   ファブリック感のある仕上げのトップパネル。独特の質感と指紋の付きにくいボディを実現   デジタルカメラらしいルックスの背面デザイン
ファブリック感のある仕上げのトップパネル。独特の質感と指紋の付きにくいボディを実現   デジタルカメラらしいルックスの背面デザイン

3.2インチフルワイドVGAのIPS液晶を搭載しており、二軸回転式ボディを反転すれば大きなファインダーで写真を撮れる   カメラ部の外周リングにはLEDが埋め込まれており、着信ランプとして7色マルチカラーに対応   ダイヤルキーは、視覚的にもわかりやすく、押しやすい形状を実現している
3.2インチフルワイドVGAのIPS液晶を搭載しており、二軸回転式ボディを反転すれば大きなファインダーで写真を撮れる   カメラ部の外周リングにはLEDが埋め込まれており、着信ランプとして7色マルチカラーに対応   ダイヤルキーは、視覚的にもわかりやすく、押しやすい形状を実現している

 操作のしやすさという点では、ユーザーインターフェイスが改良され、発信履歴の発信頻度表示、アドレス帳から任意の人を登録できるクイックアドレス機能が新たに搭載された。使い込んでいくほどに、自分の利用にあった発信履歴やアドレス帳を作ることができるわけだ。CAシリーズの隠れた魅力のひとつである内蔵グラフィックには、不思議な動きと存在感が微笑ましい「アヒル」が新たに登場し、待受画面がメニュー画面などで、ユーザーの目を楽しませてくれる。こうした細かいところの演出も手を抜かないところがCAシリーズの人気の秘密と言えそうだ。

 

最高スペックのカメラと防水性能を兼ね備えた「EXILIMケータイ CA005」は『買い』

 ケータイにとって、もっとも重要な機能のひとつであるカメラ。そして、毎日、使うがゆえの安心感と使いやすさ。ケータイは機能やスペックも重要だが、やはり、ユーザーが本当に便利に楽しく使えることこそ、もっと大切にされるべきだ。EXILIMケータイ CA005は、これまでのCAシリーズで培われてきたカメラ機能、毎日、安心して使うための防水性能、持ちやすく扱いやすいコンパクトボディ、ユーザーが楽しく、さまざまな機能を活用するための使いやすさなどを上手にバランスさせ、ユーザーが使うことを本位で作られた端末だ。最高スペックのカメラ性能と防水性能、使いやすさを求める欲張りなユーザーにこそ、ぜひとも使って欲しい端末だ。

法林岳之法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows 7」「できるPRO BlackBerry サーバー構築」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。
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