CCD 1000万画素カメラと タッチパネルで進化を遂げた  カメラ付きケータイの最高峰  AQUOS SHOT SoftBank 933SH  − 法林岳之 執筆 −
カメラ付きケータイをはじめ、ワンセグや音楽再生など、常にケータイの新しい可能性を追求してきたSHシリーズ。なかでもその場の感動や驚きを撮影し、すぐにメールで伝えられる「写メール」の文化は、日本のケータイだけでなく、世界中へと大きな影響を与えたが、そのSHシリーズのDNAを受け継いだ端末として、ケータイ史上最高クラスとなるCCD 1000万画素カメラを搭載した最新モデル「AQUOS SHOT SoftBank 933SH」が発売された。実機を見ながら、そのパフォーマンスと使い勝手をチェックしてみよう。

 ユーザーの期待に応える進化を遂げてきたカメラ付きケータイ

2000年に登場したカメラ付きケータイ「J-SH04」

 ケータイを選ぶうえで、欠かせない要素とは何だろうか。デザインやスペックなど、気になるポイントは多いが、必須機能と言えば、やはり、カメラをおいて他にはないだろう。2000年にシャープと当時のJ-フォンによって生み出されたカメラ付きケータイ「J-SH04」は、まだ当時はそれほど多くなかったカラー液晶ディスプレイを活かすために搭載されたものだが、その場の感動や驚きを写真に撮って、友だちや家族、同僚などに送るという「写メール」文化を生み出し、瞬く間に広まっていった。

 その後、ケータイに搭載されるカメラ機能は、2003年に世界初のメガピクセルカメラを搭載した「J-SH53」、2004年には光学ズームを搭載した「V602SH」、2006年には500万画素カメラに光学3倍ズームを搭載した「SoftBank 910SH」が発売されるなど、着実に進化を遂げてきた。これはカメラ付きケータイの「撮る」「見る」「送る」という楽しさが多くのユーザーに支持され、同時に「もっときれいな写真を撮りたい」という期待に応えるため、各端末メーカーとも積極的にカメラ機能に注力してきたわけだ。

 カメラ付きケータイの高画素化・高機能化が進む一方、ここ数年、ユーザーからは「画素数が向上した割に、今ひとつきれいに撮れない」といった声も聞かれるようになってきた。この背景にはカメラ機能の心臓部である撮影素子が変わってきたことが影響している。というのもカメラ付きケータイが普及し始めた当時、撮影素子には一般的に「CCD」が採用されていたが、100万画素クラスのカメラ付きケータイが登場し始めた頃から撮影素子には「CMOS」を採用するものが増え、現在ではCMOSによるカメラが圧倒的な主流となっている。CMOSはCCDに比べ、製造コストが安いうえ、カメラモジュールを小型化しやすく、消費電力が少ないなどのメリットを持つため、カメラ付きケータイに広く採用されるようになってきたわけだ。

 こうした状況に対し、SHシリーズでは昨年11月、CCD 800万画素カメラを搭載した「SoftBank 930SH」を発売し、業界内でも高い評価を得た。CCDはCMOSに比べ、面積あたりの感度が高く、暗いところでも明るく撮れる。また、少ないタイムラグで被写体を捉えるので、画像が歪みにくく、動きのある被写体にも適している。さらに、930SHではシャープの自社製CCDに独自の画像処理エンジン「ProPix」を組み合わせることで、今までのカメラ付きケータイとは一線を画した性能を実現することに成功している。

 そして、今回発表された「933SH」には、930SHなどに採用されているCCD 800万画素カメラをさらに進化させ、ケータイ史上最高クラスとなる1000万画素のCCDカメラを搭載している。1000万画素、10Mピクセルと言えば、現在、販売されているコンパクトデジタルカメラとほぼ同等のスペックであり、「デジタルカメラケータイ」とも呼べる性能を実現したことになる。カメラ付きケータイとデジタルカメラには、それぞれにアドバンテージがあるが、デジタルカメラの場合、どうしても追加の持ち物になるため、旅行やパーティなど、特別なイベントのときにしか持ち出さないユーザーが多い。しかし、デジタルカメラに迫る性能を実現したカメラ機能がケータイに搭載されたことで、いつでも高画質の写真を撮影することができ、すぐに友だちや家族、同僚など、さまざまな人にメールで送信したり、ブログにアップロードするといった使い方ができるわけだ。

コンパクトデジタルカメラに迫るカメラ機能

CCD 1000万画素カメラを搭載した「933SH」

 CCD 1000万画素カメラを搭載し、デジタルカメラと変わらないスペックを実現した933SHだが、単純にカメラのスペックを向上させただけではない。常に持ち歩き、いつでもすぐに撮影できるカメラ付きケータイの特徴を考慮し、使いやすさを考えた機能が数多く搭載されている。

 まず、何か写真を撮るとき、できるだけきれいに撮影をするにはどうすればいいか。たとえば、デジタル一眼レフやマニュアル機能の充実したコンパクトデジタルカメラを愛用するようなプロカメラマンやハイアマチュアと呼ばれる人たちなら、周囲の明るさや被写体、距離などを考慮し、シャッタースピードや絞りなどを細かく調整するだろう。デジタル一眼レフとまではいかないものの、今までカメラ付きケータイにも撮影設定のメニューが用意されてきた。

 しかし、「すぐに撮りたい」というカメラ付きケータイの特性を考え、933SHでは8種類のシーン自動認識と36種類のシーンに対応した手動設定を可能にしている。シーン自動認識では、「標準」「夜景+人物」「風景」「夜景」「テキスト」「バーコード」「名刺読み取り」「料理」を自動的に認識し、それぞれのシーンに最適な設定に切り替えてくれる。これらの内、バーコードと名刺読み取りについては、撮影モードが切り替わるため、若干のタイムラグがあるが、その他のシーンについては被写体をファインダーに写し出すと、早いタイミングで認識する。このとき、画面にはどのシーン自動認識で認識されているのかがアイコンで表示される。手動設定によるシーン選択は36種類もあるため、ちょっと迷ってしまいそうだが、各項目を選び、説明を選ぶと、どのようなシーンを意図した設定なのか、どのような効果が期待できるのかが表示され、非常にわかりやすい。

シーン自動認識では、どのシーンで認識されているかが右上にアイコンで表示される

シーンを手動で選択する場合、[説明]を選ぶと、シーンの説明が表示される

 次に、撮影時の機能としては、当然のことながら、オートフォーカス(AF)に対応するが、コンパクトデジタルカメラなどでもおなじみのコンティニュアスAFとチェイスフォーカスにも対応している。コンティニュアスAFは一度、フォーカスロックされた部分に対して、継続的にフォーカスを合わせる機能で、チェイスフォーカスはフォーカスロックした被写体を自動的に追尾することができる。撮影時にジッとしていてくれない子どもやペットなどの撮影をするときに便利な機能だ。

 フォーカスロックの操作も簡単で、ファインダーの画面に表示されている被写体に指でタッチするだけだ。933SHは「スウィーベルスタイル」と呼ばれる二軸回転式ボディを採用するが、ディスプレイは昨年11月に発売された「AQUOSケータイ FULLTOUCH SoftBank 931SH」と同じように、静電容量式のタッチパネルを採用しており、操作については通常のダイヤルボタンに加え、画面に表示されるアイコンなどをタッチして操作できる。カメラ利用時のタッチ操作については、フォーカスを合わせたい被写体に向け画面をタップするだけで、フォーカスロックできる。最大5人まで人の顔を認識する、「人物優先AF」でピントを合わせたい人にフォーカスロックをしたり、すでに顔認識をしているとき、動物や物体など、他のものにフォーカスを変更するタッチスポットオートフォーカスにも利用できる。ちなみに、933SHではオートフォーカス利用時、フォーカスロックされた被写体に四角いフォーカスマークが表示されるが、ハートや星など、あらかじめ用意された6種類のフォーカスマークから変更することができる。遊びゴコロの感じられる設定だ。

二軸回転式ボディを採用し、ディスプレイはタッチパネルを採用する

フォーカス設定は、コンティニュアスAFとチェイスAFにも対応

フォーカスマークは6種類用意されている

カメラ部横には高輝度LEDフラッシュを装備する

 933SHに採用されているCCDカメラは、元々、動きのある被写体にも強いが、より簡単にきれいな写真を撮影できるようにするため、SHシリーズのCCDカメラ採用モデルとしては初の手ブレ補正にも対応する。従来モデルから好評を得ている笑顔フォーカスシャッターや振り向きシャッターにも対応し、笑顔フォーカスシャッターについては笑顔レベルを3段階で設定することができる。連写機能も強化されており、連写できる撮影サイズが従来モデルのVGAから1Mピクセルサイズに大きくなっている。連写した写真からベストショットを抜き出すのもいいし、連続写真を合成して、1枚の写真にできるストロボフォトも作成できるので、ゴルフやテニスなど、スポーツのフォームチェックなどにも活用できる。

 さらに、CCDは暗いところでの撮影にも強いという特徴を持つが、従来モデルではISO感度が最大ISO2500までだったのに対し、933SHでは最大ISO12800(フルHDサイズ以下で設定可能)まで向上させており、暗いところでも明るく撮影することができる。また、長時間露光による凝った撮影も可能で、時間設定も1/2/4/30秒の4段階から設定できる。カメラ部横に装備された高輝度LEDフラッシュは、従来のモバイルライトよりも約5倍に明るさが向上しており、暗いところでの撮影にも役に立つ。

※従来機種930SH比、遮光環境において

笑顔レベルは、画面右側にアイコン表示される

ISO感度は、最大ISO12800まで選択できるようになった

楽しく簡単に使うための機能も充実

 ケータイ初のCCD 1000万画素カメラを搭載したことにより、933SHはデジタルカメラに迫る性能を実現したが、使い勝手の面もよく考えて、作り込まれている。

 たとえば、前述のタッチパネルによる操作もそのひとつ。「931SH」でもタッチパネルでの操作がサポートされ、画面に触れたときにバイブレータが短く振動して、反応したことが指先でわかるようにするなどの工夫がなされていたが、933SHでは画面に表示されるアイコンをタッチ操作がしやすいように大きめにデザインされ、画面上に必要な設定をレイアウトすることで、撮影時にもカメラの設定をすぐに確認できるようにしている。

 設定をONにしていれば、撮影直後にはプレビュー画面が表示されるが、従来モデルに引き続き、ブログツールが搭載されており、[送信]をタッチすれば、あらかじめ設定したサイズにリサイズし、すぐにブログに投稿することができる。撮影した写真が逆光だったり、肝心の場所が暗かったりしたときは、プレビュー画面で[ダイナミックレンジ補正]を選ぶと、より自然な映像に補正できる。

 また、撮影してみたものの、今ひとつ思い通りの写真が撮れないといったときは、プレビュー画面上の[ガイド]のアイコンをタッチして表示される「撮り直しガイダンス」がおすすめだ。撮り直しガイダンスは撮影した写真の気になる点を質問に答えていくことで、適切な撮り方をガイドしてくれるもので、内容によってはカメラ機能の設定も切り替えてくれる。写真に詳しくない初心者はもちろん、すでにデジタルカメラなどで少し慣れているユーザーも手軽によりきれいな写真が撮影できるので、なかなか実用的な機能だ。

撮影直後のプレビューから、ダイナミックレンジ補正ができる

取り直しガイダンスでは、適切な撮り方をガイドしてくれる

 こうしたタッチによる操作は、カメラ機能を使うときだけでなく、ワンセグやYahoo!ケータイによるコンテンツ閲覧、機能メニューの操作など、ほぼすべての機能で利用できる。メールについても送受信メールの確認だけでなく、ダイヤルボタン型のソフトキーを利用した文字入力を使い、新規メール及びSMSを作成することが可能だ。2008年11月に発売された931SHから対応が始まり、現在、ソフトバンクがもっとも力を入れているサービスのひとつである「モバイルウィジェット」にも対応する。デスクトップショートカットでは、アイコンの自動整列やアイコンのロック、タッチ時のアイコンのズレ防止など、従来モデルよりも着実に進化を遂げている。ディスプレイも二軸回転式としては最大級となる3.3インチを採用しているため、操作しやすく、フリックやピンチといったタッチ操作も使いやすい。

 タッチ操作以外の使い勝手も工夫されている。933SHは931SHなどに引き続き、モーションコントロールセンサーが搭載されており、端末の向きに合わせて、ワンセグや撮影した画像などを自動的に切り替えて表示できるが、933SHでは自動切り替えと縦固定に加え、手動モードを追加しており、画面表示方向を切り替えたいときのみ、サイドキーを押して、90度ずつ切り替えられるようにしている。

おなじみ「アークリッジスリムキー」を採用

 そして、今回は試用することができなかったが、933SHはブルーレイディスクレコーダーとの連携機能を実現している。これは地上デジタル放送のダビング10を活かしたもので、933SHをシャープの「AQUOSブルーレイ」(BD-HDW40/35/32)にUSBケーブルで接続することで、AQUOSブルーレイで録画した地上デジタル放送の番組を933SHのmicroSD(TM)/microSDHC(TM)メモリーカードに転送し、933SH上で再生できるというものだ。ワンセグよりも高画質な番組を外出先でも楽しむことができるわけだ

 この他にも従来のSHシリーズで高い評価を得てきた押しやすい「アークリッジスリムキー」、ネット辞書にも対応した「スマートリンク辞書」、パーセント表示が可能な「バッテリーメーター」、モーションコントロールセンサーを活用した「歩数計」など、便利な機能が継承されている。ダイヤルボタンのキーイルミネーションも白色が採用され、暗いところでの視認性をしっかり確保するなど、細かい使い勝手にも気が配られ、よく作り込まれている印象だ。

カメラ付きケータイを超えたデジタルカメラケータイ「AQUOS SHOT SoftBank 933SH」は買い!

 ケータイにはさまざまな機能が搭載されているが、通話やメール、コンテンツ閲覧に次いで、ユーザーがもっともよく利用するのがカメラ機能だ。その場の感動や驚きを写真に撮って伝えるという使い道は、いつでもどこでも持ち歩いているケータイだからこそのものだが、写メールの時代はメールが中心だったのに対し、ここ数年はブログに掲載するために撮影するユーザーも多く、今まで以上にケータイのカメラ機能に対する期待は高くなっている。

 今回発売された933SHは、カメラ付きケータイの最高クラスとなるCCD 1000万画素カメラを搭載し、画像処理エンジン「ProPix」、デジタルカメラの使い勝手を意識したスウィーベル形状、タッチ操作のユーザーインターフェイスを組み合わせることにより、今までのカメラ付きケータイを超えた「デジタルカメラケータイ」とも呼べるほど、完成度の高い端末に仕上げられている。しかもカメラの画質ばかりを追求するのではなく、カメラ付きケータイならではの使いやすさや楽しさ、手軽さもきちんと考えられている。ワンセグやおサイフケータイ®、3Gハイスピード、世界対応ケータイなど、ソフトバンクが提供する最新サービスへの対応はもちろん、ブルーレイディスクレコーダー連携などの新しいエンターテインメント機能への取り組みも注目されるポイントだ。「AQUOS SHOT SoftBank 933SH」はいつでも気軽に楽しく美しい写真を撮りたいユーザー、エンターテインメントを満喫したいユーザー、ハイスペックを思う存分、楽しみたいユーザーに、ぜひ体験して欲しい端末だ。

左から、アイボリー、ブラック、ホワイト、ブルー、ボルドーの全5色

シーン設定:風景

シーン設定:花

シーン設定:シルエット

シーン設定:トワイライト

シーン設定:逆光

シーン設定:ペット

シーン設定:料理 シーン設定:夜景

シーン設定:人物(屋内) シーン設定:夜景+人物

長時間露光

露光時間 1秒

露光時間 2秒

ストロボフォト

ダイナミックレンジ補正

補正前

補正後

補正前

補正後


法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「できるポケット+ BlackBerry Bold」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。

 

*SOFTBANKおよびソフトバンクの名称、ロゴは日本国およびその他の国におけるソフトバンク株式会社の登録商標 または商標です。
*「AQUOS」「AQUOSケータイ」「AQUOS SHOT」「AQUOSブルーレイ」「ProPix」「笑顔フォーカスシャッター」「振り向きシャッター」「チェイスフォーカス」「スマートリンク」はシャープ株式会社の登録商標または商標です。
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*microSD™、microSDHC™はSD Card Associationの商標です。