ふれて、なぞって、振って、使える 新感覚の操作が楽しいフルスライダーケータイ
FULLFACE2 SoftBank 921SH カメラ付きケータイをはじめ、ワンセグケータイの定番とも言えるAQUOSケータイなど、ケータイの新しいスタイルを次々と生み出してきたSHシリーズ。そして、2008年春、ソフトバンク向けの新端末として、「FULLFACE2 SoftBank 921SH」が発売された。「ふれる」「なぞる」「振る」という新感覚の操作感を実現した注目のフルスライダーケータイだ。実機を見ながら、その新しい操作感をチェックしてみよう。

「話すケータイ、使うケータイ」から「見るケータイ、楽しむケータイ」へ

 ケータイの用途が通話からメールやコンテンツ閲覧に拡がったことで、「話すケータイ」から「使うケータイ」へと進化したというのは、あまりにも有名な話だ。ケータイのボディデザインのトレンドもこうした用途の変化とともに、少しずつ移り変わってきている。たとえば、通話が主な用途だった時代はストレートやフリップといった「持ちやすく、話しやすい」デザインが支持されていた。しかし、メールやコンテンツ閲覧が登場してくると、画面サイズを大きくできる折りたたみデザインが圧倒的な主流になった。SHシリーズが生み出したカメラ付きケータイでは、折りたたみデザインをベースにしながらもデジタルカメラのように使える二軸回転式が人気を集める一方、回転式やスライド式といった新しい形も登場した。

ワンセグケータイを象徴するデザインとなった、サイクロイドスタイル

SHシリーズ初となるスライドデザインの913SH

「FLAT FACE×FULL SLIDER」をさらに進化させた921SH

 こうした流れからもわかるように、ケータイのボディデザインはケータイの使い道の進化とともに少しずつ変わってきている。最近ではケータイの新しい使い道として、ワンセグが注目を集め、昨年末には2000万台を超えるところまで普及したが、SHシリーズがAQUOSケータイで採用しているサイクロイドというボディデザインは、ワンセグケータイをもっとも象徴するわかりやすいデザインとして広く認知されている。

 その一方、ケータイがワンセグや音楽再生をはじめとするAudio&Visualを楽しむデジタルツールへと進化を遂げつつある今、ケータイの新しいデザインとユーザビリティに期待を寄せる声も多い。そんな期待に応えてくれたのがSHシリーズの最新モデル「921SH」だ。

 シャープではSHシリーズ初となるスライドデザイン「FULLFACE SoftBank 913SH」を開発し、注目を集めた。「FULLFACE」とは「FLAT FACE×FULL SLIDER」という意味を持ち、スライドデザインの端末でありながら、ディスプレイ部の前面をフラットに仕上げ、方向キーをダイヤルボタンと同じボタン部に収めた新しいデザインを採用している。このユニークなデザインにより、それまでのスライドデザインの端末で不満とされていたダイヤルボタン部分と方向キー部分の段差から生まれる文字入力時の使いにくさを解消し、閉じた状態でフラットになるディスプレイ部による美しいボディを実現した。

 今回の「921SH」は913SHのコンセプトを継承しながら、2つのセンサーと新しいユーザーインターフェイスにより、「FLAT FACE×FULL SLIDER」をさらに進化させたケータイだ。閉じた状態では前面がフラットになる美しいボディ、方向キーとダイヤルボタンをボタン部にまとめたレイアウトはもちろんだが、これらに加え、ディスプレイ横に装備された「タッチレガート」センサーによるなめらかな操作感、モーションコントロールセンサーによるアングルフリーなビューア環境とユニークなアクション操作、動きを見ているだけでも楽しくなる「3Dグラフィックス・ユーザーインターフェイス」など、従来のケータイの使い勝手を活かしながら、今まで以上に使う楽しさを意識した内容となっている。ただ単純に「話す」「使う」という道具から「見る」「楽しむ」という要素を加えたエンターテインメント・ケータイに仕上げられている。

 「FLAT FACE×FULL SLIDER」を進化させた2つのセンサー

ディスプレイ部横に「タッチレガート」センサーと呼ばれる静電容量方式のタッチセンサーを内蔵

側面にセンサーボタンや終了ボタンなどが配置されている

 フラットで美しいデザインの921SHだが、注目されるのは新しい感覚の操作感にある。従来のケータイでは方向キーと決定ボタンなどで基本的な操作をしてきたが、921SHではこれに加え、「ふれる」「なぞる」「振る」という操作により、新しい操作環境を実現している。その新しい環境のカギを握るのが2つのセンサーだ。

 まず、921SHはディスプレイ部横に「タッチレガート」センサーと呼ばれる静電容量方式のタッチセンサーを内蔵する。従来の913SHにも「センサーキー」と呼ばれるタッチセンサーが内蔵されていたが、913SHのものがボタンの代わりとなるタッチ操作のものが3つ備えられていたのに対し、「タッチレガート」センサーはノートパソコンのタッチパッドのような面で構成されたセンサーで、「ふれる」と「なぞる」という2つの操作を可能にしている。

 921SH本体を閉じた状態で側面のセンサーボタンを押すと、「タッチレガート」センサーのLEDが点灯し、操作可能な状態になり、マルチガイドボタン(方向キー及び決定ボタン)と同じように操作ができる。中央をタッチすれば、マルチガイドボタンの中央を押したことになり、待受画面ならメニューが表示される。メインメニューが表示された状態で、「タッチレガート」センサーの中央エリアをなぞるように操作すると、メインメニュー内でカーソルが上下左右に移動し、もう一度、操作エリアの中央をタッチすれば、決定操作ができるというしくみだ。また、待受画面で左右になぞると発着信履歴、下方向でアドレス帳を呼び出すことができ、上方向でS!速報ニュースのウィンドウを操作できる状態に切り替えられるわけだ。いずれの場合も「タッチレガート」センサー部のLEDが点灯しているときのみ、操作ができ、LEDが消灯すると、操作ができない。一定時間操作がないと、「タッチレガート」センサーは自動的にOFFになるため、ポケットやカバンの中で誤操作をしてしまう心配はない。

 また、操作を終了するときは、側面のセンサーボタンの横に[終了]ボタンがあるので、それを押すだけだ。

「タッチレガート」センサー四隅の青いLEDは、[Yahoo!ケータイ]ボタン、[クリア]キー、[ショートカット]メニュー、[メール]ボタンが割り当てられている

 方向キーに相当するカーソル移動、決定ボタンに相当する操作は、「タッチ」と「なぞる」で可能だが、通常のケータイの画面では[クリア]キーによるキャンセル操作、画面最下行に表示されるソフトキーの操作などが必要になる。そこで、「タッチレガート」センサーでは、操作エリアの周囲の4カ所にこれらの操作を割り当てる点を用意し、中央部とは別の青いLEDを点灯するようにしている。921SHを縦に構えたとき、「タッチレガート」センサーの左右上の青いLEDは、スライドを開いたときの[メール]ボタンと[Yahoo!ケータイ]ボタンに割り当てられており、それぞれの画面をすぐに呼び出すことができる。

 キャンセル操作の[クリア]キーの役割は、「タッチレガート」センサーの右下に割り当てられており、前の画面に戻るときなどに利用する。「タッチレガート」センサーの左下は、本来のマルチガイドボタン(方向キー及び決定ボタン)の左下と同じように、[ショートカット]メニューを呼び出すことができる。  以上が「タッチレガート」センサーの基本となる。文章にしてしまうと、少々難しそうに見えるかもしれないが、マルチガイドボタンと同じレイアウトであること、右下に[クリア]キー(キャンセル操作)が割り当てられていること、側面に[終了]キーが装備されていることが理解できれば、意外に操作は難しくない。「タッチレガート」センサーの操作を覚えるための、「センサーキー操作ガイド」も用意されており、説明だけでなく、実際の操作の練習をすることで、操作感を覚えやすくしている。

 もうひとつのカギとなるセンサーは、ケータイの動き(加速度)を検知する「モーションコントロールセンサー」だ。SHシリーズではボーダフォン(現在のソフトバンク)向けのV603SHでモーションコントロールセンサーを搭載したことがあるが、ソフトバンク3G向け端末としては初搭載ということになる。

 921SHでは端末本体の向き(縦横)や動きを検出することにより、画面表示や動きによる操作をできるようにしている。たとえば、ビューアスタイルでワンセグを視聴しているとき、番組は横長になるため、大きな画面で見たければ、横向きに表示をしたくなる。逆に、データ放送などを確認したいときは縦方向に表示する。921SHではモーションコントロールセンサーで検出した情報をもとに、端末を縦にすれば、データ放送を含む縦画面、横にすれば、フルワイドの横画面に自動的に切り替えることができる。

 縦画面については、スライドするボタン部が下側に来る状態だけでなく、上側に来る通常の縦向きとは上下が逆の状態でも正しく画面が切り替わる。ワンセグ以外でもメールの画面、Yahoo!ケータイの画面、電話帳の画面、メインメニュー画面など、基本的にはほぼすべての画面が縦でも横でも切り替えられる仕様となっている。ケータイの向きを変えれば、画面も正しい向きで表示されるため、ユーザーとしては非常に直感的に使うことができるわけだ。

端末を横にすれば、フルワイドの横画面に。縦にすれば、データ放送を含む縦画面に自動的に切り替わる

 921SHではモーションコントロールセンサーにより、縦横どちらも正しい向きで表示されるが、実は前述の「タッチレガート」センサーの割り当てもケータイの向きに合わせて、変わる仕様となっている。センサーの割り当ては常に左上が[メール]ボタン、左下が[ショートカット]キー、右下が[クリア]キーになる。つまり、どちら向きでも同じように、「タッチレガート」センサーを操作できるわけだ。

 モーションコントロールセンサーを活かしたもうひとつの機能として、「クイックショートカット」と呼ばれる機能も搭載されている。V603SHでも同様の機能が搭載されていたが、モーションコントロールセンサーを利用し、ケータイの動きに合わせて、あらかじめ設定した機能を呼び出すというものだ。921SHを手に持ち、上、右、左の3方向に振る動作のいずれか2つを組み合わせたショートカットで、待受画面から各機能を呼び出すことができる。クイックショートカットは最大9項目まで設定できるが、出荷時には4項目があらかじめ設定されている。たとえば、端末を右に2回振るとワンセグが起動、左右の順に振るとピクチャー画面、左へ2回振るとカメラが起動するといった、ややエンターテインメント的な要素もあるが、実際にやってみると、なかなか面白い機能だ。ちなみに、端末を縦方向だけでなく、横方向に持ったときも同じように、クイックショートカットで各機能を起動することが可能だ。

「モーションコントロールセンサー」により、端末の位置に合わせて画面も回転する

モーションコントロールセンサーを利用した「クイックショートカット」

見た目も楽しい3Dグラフィックス・ユーザーインターフェイス

 「FLAT FACE×FULL SLIDER」を進化させた921SHだが、2つのセンサーに加え、もうひとつ新しい取り組みが実現されている。それはさまざまなユーザーインターフェイスをよりグラフィカルに見せる「3Dグラフィックス・ユーザーインターフェイス」だ。

 今まで、国内で販売されてきたケータイでは、画面に表示されている項目を選んだり、機能を起動したとき、そのまま次の画面が表示されるというものだった。これに対し、921SHではメニュー画面などに表示されるアイコンを3Dグラフィック化するとともに、項目を選択したときや画面切り替え時に画面表示のエフェクトを加えることで、非常に心地良い画面環境を実現している。もう少しわかりやすく言えば、次の画面がそのまま、パッと表示されるのではなく、選択したアイコンが拡大しながら次の画面が表示されたり、画面がくるっと回るようにして、次の画面が表示されるようになっているわけだ。

 パソコンなどで考えてみると、わかりやすいが、CPUパワーやグラフィック処理能力が高くなかった時代は、画面もそのまま表示されるのみだったが、現在のWindows Vista®やWindows® XPではメニューの表示やウィンドウの拡大・縮小など、さまざまな場面において、アニメーションによる演出がなされている。最近では海外のケータイなどでも画面エフェクトを積極的に活用したものが登場し、好評を得ているが、921SHもそれらに対抗すべく、今までにない効果的な画面エフェクトを加え、より使って楽しいユーザーインターフェイスを実現しているわけだ。

メニュー画面

ポップアップメニュー

サブメニュー

3.2インチのフルワイドVGA液晶を搭載

 こうした3Dグラフィックス・ユーザーインターフェイスをはじめ、921SHの快適なユーザーインターフェイスを支えているのがシャープのお家芸である液晶ディスプレイだ。921SHには3.2インチのフルワイドVGA液晶が搭載されているが、液晶パネルはAQUOSケータイ 920SHなどでも好評を得ている「NewモバイルASV液晶」が採用されている。色再現性に優れた高演色バックライトの採用により、NTSC比120%という高い色再現率を実現するだけでなく、液晶本体と前面パネルを密着させ、太陽光などの乱反射を防ぐことができる「リフレクトバリアパネル」、進化した「SVエンジン+」、太陽光下でも色再現性に優れた「6色カラーフィルタ」により、最大2000:1の高コントラストを実現している。ワンセグはもちろんだが、その他のコンテンツ閲覧や端末内のメニュー画面などを見ても表示は非常にクッキリしており、現在のケータイではトップクラスの視認性の良さを実現していると言って差し支えないだろう。

一段と進化を遂げたワンセグ

 SHシリーズのワンセグと言えば、AQUOSケータイということになるが、921SHもそれに匹敵するレベルのワンセグ機能を搭載している。

 まず、ワンセグで視聴する番組のジャンルに応じて、画質を「標準」「ダイナミック」「映画」の3ポジションから選べる「AVポジション」、同じくジャンルごとに適した音質を最大11種類まで設定できる「サウンド設定」、この2つを組み合わせ、ワンセグの番組情報データに連動して切り替えられる「ジャンル連動」が搭載されている。これに加え、AVポジションには「高画質」モードを搭載し、QVGAサイズで放送される番組を921SHのフルワイドVGAに拡大表示する際、なめらかに表示できる「リニアエッジ」を採用している。

ジャンル 映像 サウンド ジャンル
映像
サウンド
ニュース報道
標準
ニュース
アニメ・特撮
標準
標準
スポーツ
ダイナミック
スポーツ
ドキュメンタリー・教養
情報ワイドショー
標準
標準
劇場公演
映画
ミュージック
ドラマ
ドラマ
趣味教育
標準
標準
音楽
ミュージック
福祉
バラエティ
バラエティ
追加
映画
映画
映画
拡張

半透過表示や、2画面同時表示にも対応する

 また、921SHでは番組タイトルやメニューなどの情報を半透過で表示できるため、番組の視聴を続けながら、番組表を見たり、他の情報を確認することができる。AQUOSケータイ 920SHではもうおなじみだが、921SHでもマルチジョブ機能を活かすことにより、ワンセグと他の機能といった2画面同時表示にも対応する。

 もちろん、番組表からの予約録画や視聴予約にも対応し、録画についてはmicroSDTMメモリーカード(別売)だけでなく、本体メモリにも最長30分の録画ができる。視聴予約を活かすことで、お目覚めTVとして利用することも可能だ。

 ワンセグを視聴中に着信があったとき、自動的にmicroSDTMメモリーカードに最大30分まで一時的に録画し、通話終了後に1.33倍で再生しながら、放送中の番組に追いつく「タイムシフト再生」にも対応する。編集機能も用意されており、お気に入りのシーンを分割して、保存しておき、いつでもくり返し視聴することも可能だ。

 音楽再生については、SHシリーズが従来からサポートしてきたSD-Audio準拠のセキュアAAC形式、ノンセキュアAAC形式に加え、ソフトバンクが2007年冬モデルから提供を開始したS!ミュージックコネクトにも対応する。もちろん、Bluetooth®にも対応しているため、ワイヤレスで音楽を聞いたり、ワンセグの音声を楽しむといった使い方ができる。

カメラやPCサイトブラウザなどの機能も充実

ボタン部背面にAF対応3.2メガピクセルカメラを内蔵

 新しいユーザーインターフェイスを目指した921SHは、実用的な機能も充実している。

 カメラはボタン部の背面にオートフォーカス対応3.2メガピクセルカメラを内蔵しており、最大1536×2048ドットの静止画の撮影ができるほか、30fpsのVGA動画の撮影にも対応する。ファインダーはVGAサイズの液晶ディスプレイを利用するが、この部分についても最大30fpsのなめらかなビューファインダーを実現しており、ユーザーがイメージした通りの撮影をできるようにしている。

 カメラ周りの新しい機能としては、メインカメラで撮影した画像に、サブカメラで撮影した自画像を合成し、旅行先の背景などを活かした撮影ができる「ひとり旅録®」、新聞や雑誌の記事、ホワイトボードに書かれた内容などを書き残すときに便利な「スキャナ機能」などが搭載されている。昨年のSHシリーズで好評を得ている「名刺リーダー」も搭載されており、日本語の名刺に加え、英文名刺の読み取りにも対応する。

 フルワイドVGA液晶を活かした機能としては、パソコンのホームページを閲覧できる「PCサイトブラウザ」や「PCドキュメントビューア」が搭載される。PCサイトブラウザについては921SHがソフトバンクが提供する3Gハイスピードにも対応するため、快適なブラウジングが可能だが、ページの読み込み容量が1ページあたり最大1Mバイトまで拡大されたため、従来よりも大容量のページを読み込むことができる。ファイルのダウンロードにも対応しており、JPEGなどの画像だけでなく、ExcelやWordなどの文書、PDFファイルなどをPCサイトブラウザからダウンロードして、保存することも可能だ。

PCサイトブラウザは、通常表示とポインタ周辺の拡大表示を2画面で同時表示することもできる

 操作についてはAQUOSケータイ 920SHなどと同じように、ポインティング機能やタブ切替、ページの全体像をわかりやすくするページナビなどの機能が搭載されているが、新しく側面にあるアップ/ダウンのボタンで画面を50%〜200%の範囲で6段階に拡大/縮小が出来るようになったほか、ダイヤルボタンの[7]を長押しすることでの拡大/縮小もでき、さらに通常表示とポインタ周辺の拡大表示を2画面で同時表示することもできる。これに加え、921SHならではの機能として、スライドを開いた状態で「タッチレガート」センサーで画面を大きく動かし(パニング操作)、目的の画面になったらマルチガイドボタンでポインタを操作するということもできる。

 PCドキュメントビューアはWordやExcel、PowerPoint®などの文書、PDFファイルなどを端末上で閲覧できる機能だが、921SHはmicroSDTMメモリーカードが2GBを超える「microSDHCTMメモリーカード」に対応しているため、大容量の文書を保存して持ち歩き、外出先で内容を確認するといった使い方もできる。

 ビジネス以外の用途では、シャープの液晶テレビ「AQUOS」や「AQUOSハイビジョンレコーダー」をコントロールするための「ファミリンクリモコン for AQUOS」がS!アプリとして、プリインストールされている。2007年冬モデルのSHシリーズ同様、Bluetooth®対応腕時計との連携もサポートされている。

 メール関連では、新たにプロバイダーなどで採用されているPOP3/SMTP形式のメールの送受信が可能な「PCメール」に対応する。パソコンのメールソフト同様、アカウントやサーバー名などを設定する必要があるが、Yahoo!メールについては簡単設定が用意されており、まだアカウントを持っていないユーザーはサイトに接続して、新たに登録できるようにしている。PCメールはPCサイトブラウザと同様のパケット通信料が課金されるが、メールの受信を一部にしたり、サーバーへの新着チェックする間隔を30分 / 1 / 2 / 4 / 8 / 24時間に設定したり、新着チェックの時間帯を昼間だけなど、特定の時間帯に設定するなど、パケット通信料を抑えるための設定も可能だ。最近のISPメールでは問題になることが多い「Outbound Port25 Blocking」にも対応しており、Submissionポートでの送信もできるように設定が準備されている。

 日本語入力は新バージョンとなる「ケータイShoin6」が搭載される。文法や種類などのAI予測変換が強化されたほか、漢字入力モードのまま、カナ英数に変換するカナ英数変換が強化され、「あかあか」と入力したとき、カナ英数変換で「12月12日」「12:12」「12/12」などの候補が表示される。長音(音引き)を含んだ口語の漢字変換にも対応する。

 なお、「PCサイトブラウザ」や「PCメール」を利用するときには、パケット通信料が高額となる可能性があるため、「パケットし放題」へ加入しておくことをおすすめする。

新感覚の操作が体験できるエンターテイメント・ケータイ

 ケータイは元々、通話やメールなど、コミュニケーションのツールとして、進化を遂げてきた。しかし、ここ数年はカメラやゲーム、音楽再生、ワンセグなど、エンターテインメントを楽しむためのデジタルツールとしての進化が注目を集めており、新しい時代に向けたケータイへの期待が高まっている。

 今回の921SHは、従来のSHシリーズで培われてきた機能性やデザイン性といった要素を継承しながら、今までとは違った新しい価値を加えることで、新時代のケータイを創造した意欲的な端末だ。「FLAT FACE×FULL SLIDER」というコンセプトに加え、2つのセンサーとビジュアルな画面エフェクトによる新しい感覚のユーザーインターフェイスを融合させることにより、今までのケータイとは一線を画したエンターテインメントケータイとして、仕上げられている。なかなか文章と画像だけでは、「ふれる」「触る」「なぞる」を中心とした斬新な操作感がお伝えしにくいが、ぜひ店頭などで実際に動作するデモ機などを試して、新感覚のユーザーインターフェイスを体験してみて欲しい。新しい時代のケータイを求めるユーザーにこそ、ぜひ体験して欲しい楽しい端末と言えるだろう。

カラーバリエーションは全5色。左からブライトブルー、ピンク、ゴールド、ホワイト、ブラック

法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中

■関連情報
□「921SH」製品情報(ソフトバンク)
 http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/921sh/

□「921SH」製品情報(シャープ)
 http://www.sharp.co.jp/products/sb921sh/

■関連記事
□進化したフルスライドケータイ「FULLFACE 2 921SH」
 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/38164.html

*PCサイトブラウザ、3G HighSpeed、マルチジョブ、S!メール、PCメール、S!速報ニュース、S!アプリはソフトバンクモバイル株式会社の登録商標または商標です。
*「Yahoo!」及び「Yahoo!」「Y!」のロゴマークは米国Yahoo! Inc.の登録商標または商標です。
*SOFTBANK及びソフトバンクの名称、ロゴは日本国及びその他の国におけるソフトバンク株式会社の登録商標または商標です。
*「AQUOS」「AQUOSハイビジョンレコーダー」「AQUOSケータイ」「リフレクトバリア」「リニアエッジ」「SVエンジン+」「お目覚めTV」はシャープ株式会社の登録商標または商標です。
*microSDTMはSD Card Associationの商標です。
*BluetoothTMは米国Bluetooth SIG,Inc.の登録商標です。
*WindowsはMicrosoft Windows operating systemの略称として表記しています。
*Microsoft、Windows、Windows Vista、Excel、PowerPoint、は、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標です。
*「ひとり旅録®」、「Solo Travelling Photo®」は、株式会社アイエスピーの登録商標です。