こだわりを求める大人のためのケータイ グリッターな814SH、メタリックな815SH
幅広いラインアップを拡充するソフトバンク向けのSHシリーズ。すでに、2007年夏モデルとして、AQUOSケータイの3rdモデル「912SH」が販売されているが、これとはまた少し違った方向性を持つ大人のケータイ「SoftBank 814SH」「SoftBank 815SH」が発売された。実機を見ながら、その実力をチェックしてみよう。

大人のオトコとオンナのための「814SH」&「815SH」

 ビジネスタイムからプライベートまで、常に持ち歩き、いつも自分の手元にあるケータイ。私たちの生活に欠かすことができないアイテムのひとつだが、それと同時にケータイはもうひとつの存在意義を持つとも言われる。ケータイはファッション性の高いアイテムであり、その人となりを表わすモノでもあるからだ。男性にしても女性にしても同じことが言えるが、スーツなどでファッションをしっかりとキメて、腕時計やバッグなどもきちんとしたモノを身に付けているのに、手元にあるケータイは……。そんなシーンを見かけたことはないだろうか。やはり、こだわりを持った大人には、大人のための品のいいケータイが欲しいところだ。

 そんなニーズに応えてくれるのがシャープがソフトバンク向けに供給するSHシリーズの新モデル「814SH」と「815SH」だ。スタンダードな折りたたみデザインの外見はそれぞれに上質感のあるデザインセンスでまとめられているが、実はこの2機種、ハードウェアの基本的な仕様を同じにしながら、女性と男性に受け入れられるように、それぞれデザインされた端末なのだ。昨年、クール&エレガントなデザインで幅広いユーザー層に好評を得た「810SH」「811SH」の後継モデル的な存在に位置付けられる。814SHはグリッターメイクデザインと呼ばれる仕上げで上質感を演出しているのに対し、815SHはメタリックなボディに黒を基調とした仕上げで力強さを感じさせるデザインが特徴だ。それぞれに女性と男性が持つことが意識されたデザインだが、ボディカラーによってはユニセックスに持つことができる上品さを持ち合わせている。こだわりを求める大人のオンナとオトコに似合うケータイと言えそうだ。

 ケータイに求めるモノは人それぞれだが、多くの人が共通して求めるのは、やはり、デザイン的な美しさ、持ちやすさ、使いやすさなどだ。814SH/815SHはグリッターメイクデザインとストロングメタルデザインという個性を主張しながら、ケータイとしての基本的なニーズもしっかりと押さえた端末だ。スタンダードな折りたたみデザインでありながら、個性をしっかりと持ち、上質感のあるデザインセンスでまとめることにより、こだわりを持つオトナにおすすめできる端末として、仕上がったと言えるだろう。

安心して使うためのスペックも充実

640×480ドット表示が可能な高輝度2.4インチのVGA液晶を新開発

 基本的なボディのコンセプトを同じにしながら、「グリッターメイクデザイン」と「ストロングメタルデザイン」という2つの顔を作り出すことに成功した「814SH&815SH」だが、ハードウェアのスペックもかなり充実している。

 まず、SHシリーズの十八番でもある液晶ディスプレイについては、640×480ドット表示が可能な2.4インチのVGA液晶を搭載している。液晶パネルは同社の液晶テレビ「AQUOS」で培われた技術を応用したモバイルASV液晶が採用されているが、同じVGAサイズ表示が可能な810SH/811SHの液晶パネルに比べ、コントラスト比が「約300:1」から「約500:1」、NTSC比が「約55%」から「約72%」、明るさ(カンデラ)は「最大約160cd」から「最大約300cd」へと向上させた新しいパネルが採用されている。

 VGA液晶を活かすための機能も数多く用意されている。たとえば、パソコン向けホームページを閲覧できるPCサイトブラウザは、QVGA液晶の4倍の解像度で閲覧できるが、新たにパソコンと同じように画面上にポインタを表示しての操作、ページ全体のどこを表示しているのかがわかるページナビ、ディスプレイを横向きにした状態での表示などにも対応しており、一段と実用性が高くなっている。ちなみに、PCサイトブラウザによる通信はSoftBank3Gのパケット通信定額制サービス「パケットし放題」の対象で、上限額は月額5985円(税込)に設定される。

 Microsoft® Word、Microsoft Excel®、PowerPoint®、PDFなどのオフィス文書を閲覧できるドキュメントビューアもVGA表示に対応する。ルーペ機能で特定部分を拡大・縮小表示をしたり、オプションで販売されているL型ビデオ出力ケーブルでテレビと接続して、オフィス文書を家庭用テレビに映し出すこともできるため、テレビのある場所なら、814SH/815SHだけで、ちょっとしたプレゼンテーションをすることも可能だ。

 液晶ディスプレイがVGA化されたことで、気になるのは表示フォントだが、814SH/815SHにはVGA液晶用に開発されたLCフォントが採用されており、メールやメニュー画面、アドレス帳なども含め、美しく読みやすい画面を実現している。ちなみに、メニュー画面については起動時に「シンプルメニュー」「標準メニュー」「でか文字メニュー」の3段階から選択でき、起動後も待受画面から[マルチメディア/文字]ボタンを長押しすることでも切り替えることができる。通常の機能を使いつつ文字の大きな見やすい画面を求めるなら「でか文字メニュー」、ビギナーなら「シンプルメニュー」が便利だろう。

 また、ソフトバンク3Gでは下り方向で最大384kbpsのパケット通信を可能にする「W-CDMA」方式が採用されているが、この約10倍に相当する約3.6Mbpsでの高速パケット通信が可能なHSDPA方式による「3Gハイスピード」のサービスを開始しており、814SHも815SHもいち早くこれに対応している。エリアはまだ東名阪を中心とした展開で、それ以外のエリアでは従来のW-CDMA方式で利用することになるが、通常のソフトバンク3Gでも3Gハイスピードでも料金的な違いはないため、やはり、これからの購入するのであれば、3Gハイスピード対応端末を購入するのがおすすめだ。

パノラマ撮影が楽しい2メガピクセルカメラ

有効画素数200万画素CMOSカメラを搭載。最大1200×1600ドットの静止画を撮影可能

 814SH/815SHのボタン部背面には、有効画素数200万画素CMOSカメラが搭載されており、最大1200×1600ドットの静止画やVGAサイズの動画などが撮影することができる。メインディスプレイ側には11万画素CMOSカメラも搭載されており、TVコールや自分撮りなどに利用することができる。

 撮影時の機能としては、モバイルライトや接写、シーン別撮影、オーバーラップ連写などの機能が継承されているが、新たに814SH/815SHには手軽に縦長や横長の写真を撮影できる「パノラマ撮影」という機能が搭載されている。パノラマ撮影は814SH/815SHを縦方向、あるいは横方向に移動させながら撮影することで、ワイドなパノラマ写真を撮影することができる。縦方向、横方向に移動するときは、画面にガイドとなるラインが表示され、これを合わせるように撮影するだけなので、操作も非常にカンタン。旅行などで見晴らしのいい風景を撮影したり、ワイドなシーンを撮りたいときに便利な機能だ。

 撮影した画像は本体メモリやmicroSD™メモリカードに保存する。画像加工や編集機能も充実しており、画面を左右に分割表示しながら編集できる機能は、初心者に使いやすい。撮影した画像はメールに添付して、送信したり、Bluetooth®や赤外線通信でやり取りできるのはもちろんだが、814SH/815SHは高速赤外線通信のIrSimple/IrSSにも対応しているため、同規格に対応した端末との間なら、従来の最大約30倍の速度でデータを転送することができる。さらに、同社の液晶テレビ「AQUOS」にもIrSS受信対応の赤外線通信ポートを備えたモデル、あるいはIrSS対応ワイヤレスフォトアダプターを接続したテレビに高速で写真を転送し、大きな画面で撮影した写真を楽しむといった使い方も可能だ。

Bluetooth®でも楽しめる音楽再生

 音楽再生機能については、従来同様、SD-Audio規格に準拠したAAC形式、iTunesなどで採用されているノンセキュアAAC形式の音楽データを再生することができる。

 SD-Audioについては音楽配信サイト「MOOCS」で配布されている「MOOCS PLAYER」を利用することで、音楽CDから取り込んだ音楽データを814SH/815SHに転送できる。このとき、814SH/815SHの外部接続設定をカードリーダモードに切り替え、別売の「USBケーブルII」でPCと接続すれば、PCから814SH/815SHのメモリーカードスロットが外付けドライブとして認識されるため、カンタンに著作権保護機能に対応した状態でメモリーカードに音楽データを書き込むことができる。ノンセキュアAAC形式については付属CD-ROMに収録されている「Music Manager」を使うことで、同じように端末の音楽データを保存することが可能だ。

 また、保存した音楽の再生については、従来からステレオイヤホンが使われてきており、814SH/815SHでも「マイク付き液晶オーディオリモコン&イヤホン」を使うことができるのだが、新たにBluetooth®ヘッドセットも音楽再生に利用できるようにしている。814SH/815SHのBluetooth®は、一般的なヘッドセットやハンズフリー装置に必要なHeadset ProfileやHands-Free Profileに加え、音楽再生ができるA2DP(Advaned Audio Distribution Profile)、ワイヤレスでリモコン操作ができるAVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)にも対応しており、ワイヤレスで音楽を楽しむことができる。ソフトバンクからオプションとして、「ステレオBluetooth®ヘッドセット」も販売されている。価格もソフトバンクオンラインショップで7140円(税込)と手頃なので、音楽を楽しみたいユーザーなら、ぜひ揃えておきたいアイテムだ。

使い勝手もさらに充実

VGA液晶を搭載。微細な表現・黒の質感もしっかり伝える
キーを押すときの指の傾き、指のふくらみにあわせた「アークリッジキー」で心地よい操作感
側面にはmicroSD™メモリカードスロットを完備。
有機ELのサブ液晶。電子マネーの残高もこのサブ液晶で確認できる

 814SH/815SHはハードウェアのスペック面だけでなく、使い勝手や使う楽しさに関係する部分も充実している。たとえば、メニュー画面などは前述の通り、3種類から選ぶことができるが、SHシリーズではおなじみのカスタムスクリーンにも対応しており、カスタムスクリーンのコンテンツサイト「カスタモ」から直接、端末にカスタムスクリーンデータをダウンロードすることができる。もちろん、PCでダウンロードして、microSD™メモリカードに保存し、端末上から「カスタムスクリーンキー」だけを購入(入手)するという使い方もできる。

 メール周りでは送信予約や自動再送などの便利な機能が継承されているが、PDC方式のSHシリーズで好評を得ていた特定の絵文字を背景表示する「アニメビュー」、チャットグループに登録したメンバーと送受信したメールを一括管理できる「チャットフォルダ」なども復活し、搭載されている。日本語入力については810SH/811SHのケータイShoin4からケータイShoin5に進化しており、AI予測変換や他社送信用絵文字などの機能もサポートされている。この他にも文章編集時などに便利なコピー&貼り付けで、コピーしたテキストの履歴を最大10件まで記憶できるなど、メールを中心としたコミュニケーション機能をヘビーに活用したいユーザーのニーズにも応えられる仕様となっている。

 また、実用面ではS! FeliCaによる「おサイフケータイ」、GSM方式のエリアで利用可能な国際ローミングにも対応する。S! FeliCa についてはICカードロックによるセキュリティ設定のほか、特定の電話番号から着信でロックできる「電話リモートロック」、特定の件名のメールを受信するとロックできる「メールリモートロック」など、万が一の時の対策もしっかりしている。もちろんケータイの操作全般をロックできる顔認証機能など、安心機能を備えている。

 国際ローミングは渡航先の地域によって、通話やメール、TVコールなど、利用できる機能が異なるが、海外に電話を掛けるとき、相手国を選べば、国際コードや国番号が自動的に付加されたり、手軽に利用できるようにしている。世界時計で待受画面に現地と日本の時刻を表示できたり、通貨レートをあらかじめ登録しておくことができる簡易電卓など、渡航先でも活用できるのもうれしいポイントだ。







■関連情報
・「814SH」製品情報(ソフトバンク)
http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/814sh/

「815SH」製品情報(ソフトバンク)
http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/815sh/

・「814SH」製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/sb814sh/

・「815SH」製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/sb815sh/

■関連記事

・ソフトバンク、「814SH」「815SH」を7日発売
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/35347.html

・3Gハイスピード、VGA液晶搭載のシャープ製「814SH」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/34600.html

・メタリックな質感のHSDPA対応VGAケータイ「815SH」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/34601.html

■「SH Blog」 話題の夏モデルを一挙に使いまくり■
http://ad.impress.co.jp/special/sh_blog/




■法林岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」、「できるポケット LISMOですぐに音楽が楽しめる本」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中




*PCサイトブラウザ、カスタムスクリーン、TVコール、3G HighSpeedはソフトバンクモバイル株式会社の登録商標または商標です。
*SOFTBANK及びソフトバンクの名称、ロゴは日本国及びその他の国におけるソフトバンク株式会社の登録商標または商標です。
*microSD™はSD Card Associationの商標です。
*Bluetooth®は米国Bluetooth SIG,Inc.の登録商標です。
*FeliCaはソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式です。
*FeliCaはソニー株式会社の登録商標です。
*IrSimple™、IrSS™はInfrared Data Association®の商標です。
*「おサイフケータイ」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
*Microsoft、Excel、PowerPointは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標です。
*Microsoft® Wordは、米国 Microsoft Corporationの商品名称です。
*iTunesは、Apple Inc. の米国及び他の国における登録商標または商標です。
*「アクオス」及び「AQUOS」、「AQUOSケータイ」はシャープ株式会社の登録商標です。