法林岳之執筆音楽もエンターテインメントも自分サイズで楽しめる
Vodafone 804SH [前編]速報実機レビュー 次々と新しい機能が搭載され、ますます手放せない存在になってきたケータイ。ボーダフォンのSHシリーズと言えば、初のカメラ付きケータイを実現したことはあまりにも有名だが、その他にも現在のケータイの主流とされる機能を先駆けて搭載してきたことでも知られる。そんなボーダフォンのSHシリーズの最新モデル「Vodafone 804SH」が登場した。ひと足お先に実機を入手することができたので、使い勝手や楽しさをチェックしてみよう。

マイク付き液晶オーディオリモコンが同梱されるが、カラーは白でクールだ

PCと接続するUSBケーブルも同梱されているので簡単に転送できる

miniSDメモリカードスロットは本体左側に配置されている。最大512MBまで対応する

PCにSD-Jukeboxをインストールし、録音したい曲を選んで[START]するだけの簡単さ

「Music Manager」はPCからAAC形式の音楽データを本体やminiSDに転送できる

セキュアMP3/AACに加え、ノンセキュアAACにも対応した充実の音楽再生機能

 ケータイのカメラは標準的な機能として定着したが、次なる標準機能として、急速に注目を集めているのが音楽再生機能だ。着うたフルなどのダウンロードコンテンツだけでなく、パソコンで音楽CDからリッピングした音楽データを再生できるようにすることで、ポータブルMDプレーヤーやデジタルオーディオプレーヤー的な活用をしようというわけだ。2005年は後半に掛けて、音楽再生機能を搭載したケータイがいくつか登場し、実はボーダフォンのSHシリーズは2002年3月に発売された「J-SH51」において、現在の音楽再生機能とほぼ同等の機能をいち早く搭載した音楽再生機能付きケータイの老舗的な存在でもある。ボーダフォンのSHシリーズはJ-SH51以降、毎モデルごとに、SD-Audio対応の音楽再生機能を搭載し続けており、SHシリーズの隠れた魅力として、ユーザーに着実な支持を得ている。

 今回発売されたボーダフォン3G端末「Vodafone 804SH」には、音楽再生機能が継承されている。パッケージには、音楽CDの取り込みに必要な音楽管理ソフト「SD-Jukebox Ver.5.0 LE」、曲名の確認や操作ができる「マイク付液晶オーディオリモコン&イヤホン」、PCと接続するUSBケーブルが同梱されており、購入して、すぐに音楽再生機能を楽しめる環境を整えている。

 音楽データの形式はSD-Audio規格に準拠したセキュアAAC及びセキュアMP3形式に対応しており、著作権保護機能を使って、音楽データをminiSDメモリカードに保存するしくみを採用している。従来の端末では著作権保護機能に対応したメモリカードリーダー/ライターが必要だったが、804SHではUSBマスストレージに対応しており、端末本体が著作権保護機能付きメモリカードリーダー/ライターの機能を持っている。つまり、端末をパソコンに接続すれば、著作権保護機能付きのメモリカードリーダー/ライターとして認識されるため、あとはSD-Jukeboxで音楽CDから取り込んで、音楽データを保存できるというわけだ。

 また、804SHではセキュアAAC/MP3形式に加え、「iTunes」などで音楽CDから取り込んだノンセキュアAAC形式の音楽データを再生することができる。付属CD-ROMに収録されている「Music Manager」を利用すれば、簡単に804SH本体やminiSDメモリカードに音楽データを保存することが可能だ。こうした使い勝手が考慮されているのもユーザーとしてはうれしい点だ。ちなみに、miniSDメモリカードの最大推奨サイズは512MBまでとなっている。

 804SH上で音楽を再生する「ミュージックプレイヤー」もプレイリストの作成や楽曲のスキップ、ランダム再生などにも対応しており、ヤマハオーディオプロセッサーにより、BASSやサラウンド、サラウンドBASS、カラオケといったサウンド効果機能も実現されている。再生中にメールの作成や送受信、閲覧ができるので、BGMを楽しみながら、メールを利用することができる。音楽を再生中、付属のマイク付き液晶リモコンには曲名が表示されるが、着信時にはマイクとしても利用できるため、ヘッドホンを着けたまま、リモコンを持って応答することが可能だ。


FeliCaチップはディスプレイ部のVodafoneロゴのあたりに内蔵されている
安心して使える「おサイフケータイ」

 804SHの2つめの特徴は、おサイフケータイに対応した点だ。ボーダフォンではシャープ製端末「Vodafone 703SHf」で「ボーダフォンライブ! FeliCa」のサービスを開始したが、今回の804SHはボーダフォンのおサイフケータイ第2弾となる。おサイフケータイはFeliCaを搭載することで、電子マネーや会員証、社員証、航空会社のマイレージカード、ショップのポイントカードなどのサービスが利用できるようになるものだ。804SHにはビットワレットが提供する「Edy」がプリインストールされており、サービス登録後にチャージをすれば、すぐに電子マネーを利用することができる。

 おサイフケータイを利用する上で、気になるのはセキュリティだが、804SHでは703SHf同様、本体操作での「ICカードロック」に加え、あらかじめ指定した件名でのメールが着信するとロックされる「メールリモートロック」、あらかじめ指定した電話番号から3分以内に指定した回数の着信があるとロックする「電話リモートロック」が用意されている。万が一、ケータイを紛失したときでも第三者の利用を防ぐしくみが用意されているわけだ。購入したユーザーはメールリモートロックや電話リモートロックを忘れずに設定しておきたい。

 ちなみに、804SHのFeliCaチップは、メインディスプレイ裏側の中央部分に搭載されている。通常、手に持つスタイルのままでトップパネル側をリーダー/ライターにかざせば、利用できるようになっている。


あらかじめ指定した件名のメールを着信すると、自動でICカードをロックする「メールリモートロック」

あらかじめ指定した電話番号から、3分以内に指定した回数の着信があると自動でICカードがをロックする「電話リモートロック」
ケータイを振って遊べる「モーションコントロールセンサー」

 2005年2月、ボーダフォンが販売した「V603SH」にケータイの動きを感知する「モーションコントロールセンサー」が搭載され、注目を集めたが、804SHにはボーダフォン3G初となるモーションコントロールセンサーが搭載された。モーションコントロールセンサーはケータイの上下左右の動きを感知するセンサーで、ケータイを振ることで、いろいろな操作をできるようにしている。なかでもモーションコントロールセンサーに対応したVアプリは、今までのケータイ向けゲームにはない楽しさが実現されており、804SHには6つの対応ゲームの体験版がプリインストールされている。ちなみに、モーションコントロールセンサーは簡易方位計としても利用できるため、804SHを利用することで、現在、どの方角を向いているのかを知ることも可能だ。


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ディスプレイ側のテクスチャは立体的で高級感が漂う

本体側は美しいラウンドフォルムとなっている

メインカメラは2.0メガCCDを搭載する

 端末そのもののデザインも今までにないテイストで、ボタン側のボディが美しい曲線を描くラウンドフォルムを採用しているのに対し、ディスプレイ側はフラットでメタリックなイメージにまとめられている。サブディスプレイが装備されるトップパネル側には、テクスチャーデザインがあしらわれており、独特の存在感を演出している。メインディスプレイは2.2インチのモバイルASV液晶を採用し、ディスプレイ周囲も継ぎ目のないフラットなデザインにまとめられている。

 また、ボーダフォンが2005年夏に発売したV501SHに採用され、たいへん好評を得ているカスタムスクリーンにも対応しており、待受画面やインデックスメニュー、メールや電話の着信中画面、アンテナ及び電池アイコンなどを本体のカラーやお気に入りのコンテンツでトータルコーディネートを可能にしている。804SHにはDisneyなど合計3種類のカスタムスクリーンコンテンツがプリインストールされており、購入後にカスタマイズして楽しむことができるが、シャープが運営するカスタマイズコンテンツサイト「カスタモ」にアクセスすれば、人気キャラクターやクリエイター系、ペット、アニメなどのカスタマイズコンテンツを入手することができる。カスタマイズコンテンツは有料と無料のものが用意されているが、有料のものについてはコンテンツをダウンロードした後に、カスタムスクリーン・キーを購入すれば利用できる。804SHではパケット通信料の定額制サービス「デュアルパケット定額」が利用できることもあり、804SHに直接、コンテンツをダウンロードできるようにしている。これに加え、パソコンでダウンロードして、miniSDメモリカードに保存し、804SH上でカスタムスクリーン・キーのみを購入する方法も利用できる。ちなみに、カスタムスクリーンの一部コンテンツについては、804SHにプリインストールされている「カスタムスクリーンカタログ」でダウンロード前に内容をチェックすることが可能だ。


インデックスメニュー

サブメニュー

メール受信画面

ミュージックプレイヤー画面

音声着信中

音声設定画面
© Disney

[Calm light]
インデックスメニュー

[Calm light]
サブメニュー

[Soft square]
インデックスメニュー

[Soft square]
サブメニュー

くまのプーさん
© Disney.Based on the
Winnie the Pooh' works,
by A.A.Milne and E.H.Shepard

機動戦士Zガンダム
© 創通エージェンシー・サンライズ

北斗の拳
© 武論尊・原哲夫
NSP 1983, © NSP 2006

ブラック・ジャック
© Tezuka Productions

ミッフィー
Illustrations Dick Bruna
© copyright Mercis bv,
1953-2006 www.miffy.com

リカちゃん
© TAKARA 2005
© T2i Entertainment

メインディスプレイは2.2インチのモバイルASV液晶

ケータイShoinがバージョンアップしてさらに使いやすくなった


カラーバリエーションは3色。左からスノー、ライム、マロン

 804SHにはこの他にもコミックや写真集などの多彩なコンテンツが楽しめる「電子コミック」、撮った画像やムービー、ゲーム(対応アプリのみ)をテレビに映し出して楽しめる「テレビ出力」、臨場感のある効果音が鳴り響く「リッチサウンド対応ノベル」など、ケータイを存分に楽しめる機能が満載されている。

 一方、使い勝手についてもさまざまな点で改良が加えられている。たとえば、日本語入力は絵文字変換や顔文字連携、数字連携などの機能が加わった「ケータイShoin4」が搭載されている。予測変換も用途に合わせて、地名や英語、顔文字などが候補が表示されるようになっており、全体的な予測変換の精度も向上している。メールの操作性については、メールの新規作成画面に宛先や件名、テキスト(本文)が一画面で表示されるようになっている。

 もちろん、ボーダフォンライブ!BBやTVコール、国際ローミング、MMSなど、ボーダフォン3Gならではのサービスにも対応している。国際ローミングはボーダフォン3GのW-CDMA方式、欧州のぼぼ全域や北米の一部で利用されているGSM方式にも対応しているため、804SHを対応地域に持っていけば、いつもの電話番号のまま、利用することも可能だ。年末年始の海外旅行、卒業旅行などを計画しているユーザーにはうれしいメリットだろう。Bluetoothや赤外線通信にも対応しているため、Bluetoothヘッドセットやパソコンなどと組み合わせて利用することも可能だ。

 デュアルパケット定額やメール定額、そして話題のLOVE定額と、ユーザーにやさしいプランを相次いで発表してきたボーダフォン。804SHはこうしたやさしいプランを利用したいユーザーにも安心しておすすめできる端末だ。音楽再生やモーションコントロールセンサー、おサイフケータイ、カスタムスクリーンなど、ケータイを楽しむため、便利に使うための機能が充実しており、ユーザーを飽きさせることのない完成度の高いケータイと言えるだろう。

■関連情報
・Vodafone804SH製品サイト(ボーダフォン)
http://www.vodafone.jp/japanese/products/model_3G/v804sh/
・Vodafone804SH製品サイト(シャープ)
http://k-tai.sharp.co.jp/products/v/804sh/

■関連記事
・ボーダフォン、おサイフケータイ対応の「804SH」開発
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/26633.html

■法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP SP2対応 基本編 完全版」「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。