804SHの2つめの特徴は、おサイフケータイに対応した点だ。ボーダフォンではシャープ製端末「Vodafone 703SHf」で「ボーダフォンライブ! FeliCa」のサービスを開始したが、今回の804SHはボーダフォンのおサイフケータイ第2弾となる。おサイフケータイはFeliCaを搭載することで、電子マネーや会員証、社員証、航空会社のマイレージカード、ショップのポイントカードなどのサービスが利用できるようになるものだ。804SHにはビットワレットが提供する「Edy」がプリインストールされており、サービス登録後にチャージをすれば、すぐに電子マネーを利用することができる。 おサイフケータイを利用する上で、気になるのはセキュリティだが、804SHでは703SHf同様、本体操作での「ICカードロック」に加え、あらかじめ指定した件名でのメールが着信するとロックされる「メールリモートロック」、あらかじめ指定した電話番号から3分以内に指定した回数の着信があるとロックする「電話リモートロック」が用意されている。万が一、ケータイを紛失したときでも第三者の利用を防ぐしくみが用意されているわけだ。購入したユーザーはメールリモートロックや電話リモートロックを忘れずに設定しておきたい。 ちなみに、804SHのFeliCaチップは、メインディスプレイ裏側の中央部分に搭載されている。通常、手に持つスタイルのままでトップパネル側をリーダー/ライターにかざせば、利用できるようになっている。
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2005年2月、ボーダフォンが販売した「V603SH」にケータイの動きを感知する「モーションコントロールセンサー」が搭載され、注目を集めたが、804SHにはボーダフォン3G初となるモーションコントロールセンサーが搭載された。モーションコントロールセンサーはケータイの上下左右の動きを感知するセンサーで、ケータイを振ることで、いろいろな操作をできるようにしている。なかでもモーションコントロールセンサーに対応したVアプリは、今までのケータイ向けゲームにはない楽しさが実現されており、804SHには6つの対応ゲームの体験版がプリインストールされている。ちなみに、モーションコントロールセンサーは簡易方位計としても利用できるため、804SHを利用することで、現在、どの方角を向いているのかを知ることも可能だ。
端末そのもののデザインも今までにないテイストで、ボタン側のボディが美しい曲線を描くラウンドフォルムを採用しているのに対し、ディスプレイ側はフラットでメタリックなイメージにまとめられている。サブディスプレイが装備されるトップパネル側には、テクスチャーデザインがあしらわれており、独特の存在感を演出している。メインディスプレイは2.2インチのモバイルASV液晶を採用し、ディスプレイ周囲も継ぎ目のないフラットなデザインにまとめられている。 また、ボーダフォンが2005年夏に発売したV501SHに採用され、たいへん好評を得ているカスタムスクリーンにも対応しており、待受画面やインデックスメニュー、メールや電話の着信中画面、アンテナ及び電池アイコンなどを本体のカラーやお気に入りのコンテンツでトータルコーディネートを可能にしている。804SHにはDisneyなど合計3種類のカスタムスクリーンコンテンツがプリインストールされており、購入後にカスタマイズして楽しむことができるが、シャープが運営するカスタマイズコンテンツサイト「カスタモ」にアクセスすれば、人気キャラクターやクリエイター系、ペット、アニメなどのカスタマイズコンテンツを入手することができる。カスタマイズコンテンツは有料と無料のものが用意されているが、有料のものについてはコンテンツをダウンロードした後に、カスタムスクリーン・キーを購入すれば利用できる。804SHではパケット通信料の定額制サービス「デュアルパケット定額」が利用できることもあり、804SHに直接、コンテンツをダウンロードできるようにしている。これに加え、パソコンでダウンロードして、miniSDメモリカードに保存し、804SH上でカスタムスクリーン・キーのみを購入する方法も利用できる。ちなみに、カスタムスクリーンの一部コンテンツについては、804SHにプリインストールされている「カスタムスクリーンカタログ」でダウンロード前に内容をチェックすることが可能だ。 |
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804SHにはこの他にもコミックや写真集などの多彩なコンテンツが楽しめる「電子コミック」、撮った画像やムービー、ゲーム(対応アプリのみ)をテレビに映し出して楽しめる「テレビ出力」、臨場感のある効果音が鳴り響く「リッチサウンド対応ノベル」など、ケータイを存分に楽しめる機能が満載されている。 一方、使い勝手についてもさまざまな点で改良が加えられている。たとえば、日本語入力は絵文字変換や顔文字連携、数字連携などの機能が加わった「ケータイShoin4」が搭載されている。予測変換も用途に合わせて、地名や英語、顔文字などが候補が表示されるようになっており、全体的な予測変換の精度も向上している。メールの操作性については、メールの新規作成画面に宛先や件名、テキスト(本文)が一画面で表示されるようになっている。 もちろん、ボーダフォンライブ!BBやTVコール、国際ローミング、MMSなど、ボーダフォン3Gならではのサービスにも対応している。国際ローミングはボーダフォン3GのW-CDMA方式、欧州のぼぼ全域や北米の一部で利用されているGSM方式にも対応しているため、804SHを対応地域に持っていけば、いつもの電話番号のまま、利用することも可能だ。年末年始の海外旅行、卒業旅行などを計画しているユーザーにはうれしいメリットだろう。Bluetoothや赤外線通信にも対応しているため、Bluetoothヘッドセットやパソコンなどと組み合わせて利用することも可能だ。 デュアルパケット定額やメール定額、そして話題のLOVE定額と、ユーザーにやさしいプランを相次いで発表してきたボーダフォン。804SHはこうしたやさしいプランを利用したいユーザーにも安心しておすすめできる端末だ。音楽再生やモーションコントロールセンサー、おサイフケータイ、カスタムスクリーンなど、ケータイを楽しむため、便利に使うための機能が充実しており、ユーザーを飽きさせることのない完成度の高いケータイと言えるだろう。 |
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■法林岳之 1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP SP2対応 基本編 完全版」や、「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。(impress TV)も配信中。 |
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