法林岳之「ケータイレビュー」    薄さ約17mmのスリム&スタイリッシュケータイ「705SH SLIMIA」
業界初のVGA液晶を搭載した「904SH」、サイクロイドスタイルでワンセグが楽しめる「905SH」と、たいへん注目度の高いケータイを次々とリリースするボーダフォンのSHシリーズ。注目の2機種に続き、リリースされたのがスリム&スタイリッシュケータイ「Vodafone 705SH SLIMIA」だ。薄さ約17mm(突起部は除く。)という超スリムボディにまとめられた705SH SLIMIAをチェックしてみよう。

上質さを追求したスリムボディ

 音楽、ワンセグ、FeliCaと、ケータイには次々と新しい機能が搭載され、進化を続けている。その影響もあって、最近のケータイは存在感のある大柄なボディのモデルが主流となっている。確かに、ユーザーとしては、高機能な使い応えのあるケータイが登場することは非常にうれしいが、その一方、ケータイが「携帯するモノ」である以上、コンパクトさやスリムさなど、携帯性に対するニーズも多い。

 今回、SHシリーズの最新モデルとして発売された「Vodafone 705SH SLIMIA」は、「SLIMIA」というニックネームからもわかるように、スリムさを追求したスタイリッシュなボーダフォン3G端末だ。ボディの薄さは約17mm、最薄部は16.2mmという超スリムボディを実現している。この薄さなら、シャツの胸ポケットやジャケットの内ポケットなどに入れておいてもかさばらず、スタイリッシュに持ち歩くことができる。重量も手のひらに持ちやすい約104gを実現している。

 ニックネームからスリムさが強調されている705SHだが、ただ単にスリムにまとめられた端末というわけではない。やはり、SHシリーズならではの質感に対するこだわりがボディに活かされている。たとえば、液晶ディスプレイ部のトップパネル側は、フラットに仕上げるのではなく、光をキレイに反射することを考慮し、非常に緩やかな曲線で仕上げられている。トップパネル部の塗装もドット印刷によって、独特の質感を実現しているが、なかでもロイヤルブラックのモデルは不連続金属蒸着塗装を採用することにより、今までのケータイにはない上質な仕上がりとなっている。

 また、外見上でもうひとつの特徴と言えるのがステンレスシートキーだ。ボタンの突起をなくし、フラットでスマートな仕上りのステンレスシートだが、各ボタン部にはレリーフ状の縁や文字があしらわれており、洗練された美しい仕上りを見せている。ステンレスシートキーには暗いところでもクッキリと文字が浮かび上がるように、ブルーのバックライトが採用されているが、電源/終了ボタンと通話ボタンの色を変えるなど、細かい部分の配慮も欠かしていない。フラットなシートキーが採用されたことで、操作感が気になるが、各キーのトップ部分は十分な面積が確保されているうえ、キーの区切り部分の突起もわかりやすく、クリック感もしっかりあるので、指先の太い筆者のようなユーザーでもストレスなく操作することができた。

サブディスプレイ側の表面はドット印刷を施した上質な仕上がり 背面はフラットな作りになっている。200万画素のCMOSカメラを搭載 手のひらにすっぽりと収まるサイズで重量もわずかに約104g 薄さは約17mm、最薄部は16.2mmという超スリムボディ

 

筐体を開いたところ。ボタンの突起をなくしたフラットでスマートな仕上り 側面から見ると、そのスリムさと美しさが強調される           一枚のフラットなステンレスシートキーを採用。洗練された美しい仕上り ブルーのバックライトによる照明で暗い場所でも文字がクッキリと浮かび上がる

 

右側面にはオーディオリモコン&イヤホンの接続端子を装備 左側面には充電器とUSB用のコネクタ、操作性を高めたサイドボタンを配置 ロイヤルブラックのモデルは表面に不連続金属蒸着塗装を採用 ボディカラーはロイヤルブラック、シルキーピンク、シャンパンゴールドの3色

スリムボディに秘められたハイスペック

 上質なデザインのスリムボディが魅力の705SHだが、スリム&スタイリッシュなボディには上位モデルにもひけを取らないハイスペックが秘められている。

 まず、メインディスプレイは液晶テレビのAQUOSで培われた技術を応用した2.2インチのQVGA対応モバイルASV液晶を採用。上下左右で160度の視野角、300:1のハイコントラストにより、屋内外で高い視認性を実現している。サブディスプレイは全角6文字×2行表示が可能な72×26ドットのモノクロ液晶を採用し、端末を閉じたままでも電波状態や時計などを確認できるようにしている。また、705SHの特長のひとつとして、端末を閉じたまま、サイドキーの長押しでマナーモードの設定が可能になっている。サブディスプレイにもマナーモードのアイコンが表示されるので、会議中など自分のケータイがマナーモードになっているかそうでないかを端末を開くことなく確かめられ、マナーモードになっていなければ、サイドキーを長押しするだけでマナーモードの設定ができる。

 カメラは200万画素CMOSイメージセンサによるカメラをボタン部背面に搭載。最大1200×1600ドットの静止画を撮影できるほか、最大15フレーム/秒の音声付きムービーの撮影にも対応する。カメラ撮影時のファインダーは、通常のアイコン表示をした状態に加え、[2]キーもしくはサイドキーを押すことにより、全画面表示のファインダーに切り替えることも可能だ。撮影時の機能も充実しており、明るさや画質設定、セルフタイマー、シーン別撮影、効果付き撮影、オーバーラップ連写などに対応する。カメラ部横には接写撮影用の切り替えスイッチも備え、バーコード及びQRコードの認識にも対応する。メインディスプレイのヒンジ側には、TVコール及び自分撮り用の11万画素CMOSイメージセンサによるサブカメラも搭載する。

 撮影した画像や後述する音楽再生機能の音楽データを保存するためのメモリーカードは、SHシリーズ初となるmicroSDTM を採用している。microSDTM はminiSDTM カードの半分以下のサイズのメモリーカードで、今後、ケータイ用メモリーカードの主流になると言われており、705SHではこれにいち早く対応した格好だ。ちなみに、microSDTM カードの装着部は本体周囲ではなく、電池カバーの内側に備えられているが、電池パックを外すことなく、着脱できるようにしており、使いやすさも考えられている。

 また、外部とのデータのやり取りや周辺機器の接続のため、他のVodafone 3GのSHシリーズ同様、Bluetooth® や赤外線通信にも対応する。Bluetooth® については、これを利用した至近距離でのチャットが楽しめる「ちかチャット」、リアルタイムの対戦ゲームが楽しめる「対戦パックマン(お試し版)」や「対戦!ゲームパック」などのVアプリがインストールされている。Bluetooth® を利用したチャットや対戦ゲームは、回線を利用しないため、レスポンスが良いうえ、パケット通信料も掛からないというメリットがある。もちろん、こうした用途以外にもBluetooth® ヘッドセットやパソコンとの接続にも利用可能だ。

 音楽再生機能については、SD-Audio規格に準拠したセキュアAACに対応し、ニフティが提供している音楽配信サービス「MOOCS」でダウンロードした楽曲の再生もできる。また、市販のCDからパソコン経由で取り込んだAACデータ形式の音楽も再生できる。フル充電時の音楽連続再生時間も約8.5時間と長く、安心して音楽再生を楽しむことができる。オプションで音楽再生利用時に便利なマイク付き液晶オーディオリモコン&イヤホンも販売される。

液晶テレビのAQUOSで培われた技術を応用した2.2インチのQVGA対応モバイルASV液晶を採用   200万画素CMOSイメージセンサによるカメラを背面に搭載。最大1200×1600ドットの静止画を撮影できる   microSDTM カードの装着部は背面の電池カバーの内側に備えられている

体験版プリインストールアプリ例

EX野球ミラクル対戦
提供:元気モバイル
©2006 GENKI & cGenki Mobile
  最強!エアホッケー
提供:日本エンタープライズ
©Nihon Enterprise Co.,Ltd
  アルカノイド -LINK-
提供:タイトー
©TAITO CORP.1986,2006

ハイスペックを活かす使いやすさ

 ケータイはスリムになることで持ち歩きやすくなるが、それ以上に大切なのはユーザビリティだ。705SHは他のSHシリーズと同じように、使いやすさにもこだわっている。

 まず、表示フォントについては最小12ドットから最大30ドットまで文字のサイズを変更したり、文字の太さも3段階に設定できるほか、[文字]キーを長押しすることで、メニューやメール画面などの文字サイズをワンタッチで大きくできる「でか文字モード」にも対応する。でか文字モードは従来のSHシリーズでも採用されてきた機能だが、幅広い年齢層のユーザーにも受け入れられる便利な機能だ。

 メール周りについても充実している。ボーダフォンでは今春から販売中の端末で絵文字などがアニメーション表示をする「デルモジ表示」をサポートしているが、705SHも対応しており、表現力豊かなコミュニケーションを可能にしている。受信メールの画面では画面を上下に分割し、メールリストと本文を同時に表示したり、メール作成中やコンテンツ閲覧中にメールを受信したとき、画面最上段でメール受信を知らせる「メールお知らせ」をサポートしている。メール作成中に[ショートカット]キーを押すことで、スケジュールなどを確認できる「マルチジョブ」機能もサポートされており、複数の機能を活用できるようにしている。

 画面カスタマイズについても従来のSHシリーズ同様、カスタムスクリーン機能がサポートされている。カスタムスクリーン機能ではトップメニューやメール送受信画面、アイコン、着信音や効果音などのサウンドをトータルコーディネートでカスタマイズすることができる。出荷時にも3種類のカスタムスクリーンが搭載されているが、シャープが運営するカスタムスクリーンのコンテンツサイト「カスタモ」では人気キャラクターやペットなどのコンテンツが配信されており、パソコン経由もしくは705SHに直接、ダウンロードできるようにしている。

 このほかにもボーダフォンが新たにサービスを開始したケータイコンテンツ配信サービス「Vodafone live! CAST」、電話帳をネットワーク経由で保存できる「Vodafone Address Book」にも対応する。もちろん、国際ローミングにも対応しており、705SHを国際ローミング対応の国や地域でそのまま利用することも可能だ。

メールお知らせ機能。メール作成中やウェブアクセス中などでもメールの受信を教えてくれる   デルモジ機能。メール本文の特定の文字に反応して3Dアニメーションが動き出す   メールリスト表示切替。タイトルと本文を同時に表示させるなど5通りの表示が可能

プリインストールカスタムスクリーン

スリムに、スマートに、スタイリッシュに使いこなしたいアナタに

 薄さ約17mmというスリムなボディの705SHは、上質なデザイン、満足できる機能、便利な使いやすさを上手にバランスさせたケータイだ。独特のカラーリングや質感の高い仕上げ、スタイリッシュなデザインは、オトナのアイテムとして、納得のできるレベルの仕上りとなっている。スリムなケータイをスマートに使いこなしたい人にオススメしたい。

 


・「アクオス」および「AQUOS」はシャープ株式会社の登録商標です。
・QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
・miniSD/microSDはSD Card Associationの商標です。
・Bluetooth® は米国Bluetooth SIG,Incの登録商標です。
・Vodafone、Vodafone live!およびスピーチマークデバイスはVodafoneGroup Plcの登録商標または商標です。
・TVコール、Vアプリ、カスタムスクリーン、SLIMIA、ちかチャット、デルモジ、マルチジョブはボーダフォン株式会社の登録商標ま
 たは商標です。


■関連情報
・Vodafone 705SH製品サイト(ボーダフォン)
 http://www.vodafone.jp/japanese/products/model_3G/v705sh/

・Vodafone 705SH製品サイト(シャープ)
 http://k-tai.sharp.co.jp/products/v/705sh/

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 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/29608.html

・薄さ17mmでスタイリッシュさを追求した「705SH SLIMIA」
 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/29195.html

法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP SP2対応 基本編 完全版」や、「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。(impressTV)も配信中。